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第44話 イハルへ帰還 ~フォルトナサイド~
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ゾルダの正体の話もそうだけど、もう一人出てきたのはビックリしたなー
ただゾルダにベタベタしているマリーを見ていると、まずは出てこれて良かったなーと思う。
これで一通りは終わったかなー
前と同じでまた捕まってしまったのは良くなかったけど、結果オーライってことでー
アグリも
「まぁ、無事だったんだし、よかったんじゃないか。
一番の目的の人質救出は出来たんだし」
と言ってくれたので、万事解決ーってことでいいかな。
確かその後アグリもいろいろと話してたけど……
「でも、前回もそうだけど、調子に乗って深追いはしないでくれ。
たまたま無事で、うまくいったからいいものの……」
ちょっとブツブツブツブツうるさいんだよねー。
うまくいったからいいじゃん。
ただ心でそう思っても、アグリには悟られないように、反省の顔はしておこうーっと。
一通りの小言が終わったアグリは、ため息をつきながら話し始めた。
「気が重いけど、砦での状況も報告しないといけないし、
人質だったリリアさんたちも心配だし、イハルへ戻ろうか」
人質はたぶん無事に戻れているはずだよね。
何せ母さんの部下たちが動いているはずだから。
今頃、捕まっていた領主さんたちも、解放されているはず。
「砦の事はおいといて、人質はボクの母さんたちの部下もいるし、
無事街までたどり着いているんじゃないかなー」
その話をすると、アグリはあぁ、あの時のという感じで思い出したような顔をした。
「フォルトナは知っていたの?
ここに突入する前に、背後で『ご心配なく』というので任せてきたけど……」
「母さんならそうするかなーと思っただけ。
実際に会ってないし、来ていたのも見てないけど」
ちょっと得意気な顔になったボク。
さすが母さんだ。
「ワシもひと暴れしたし、ゆっくり休みたいのぅ」
ゾルダはけだるそうに伸びをしていた。
マリーはというと、そんなゾルダを見て心配そうな顔をしていた。
「ねえさま、さぞお疲れでしょう。
マリーがマッサージしてさしあげますわ」
そうベタベタしてうっとうしく感じないのかなー、ゾルダは。
ボクが気にしてもしかたないか。
そしてアグリとボクとで一通り砦の状況を確認して、イハルの街へ戻っていった。
街に戻ると、ボクたちは領主さんの家へ向かった。
領主さんの家の庭先では泣いて抱き合う男性と女性と子供の姿が見えた。
それを少し離れたとこで嬉しそうに眺める男の人の姿もあった。
どうやら、無事に戻れて、領主さんも解放されたみたいだねー
嬉しそうに眺めていた男の人はボクたち気づいたらしく、声をかけてきた。
「あなたたちが勇者か?」
アグリとボクはその声の主である男の人に近づいていった。
ゾルダとマリーはすこし離れたところで留まっていた。
たぶん、興味がないんだろなー
「国王様からの命でこの街に来ましたアグリと申します」
アグリは丁寧に受け答えをする。
ボクも慌てて会釈をした。
「オレはこの街の領主、デシエルトだ
この度は私も含めて助け出してくれて礼をいう。
ありがとう」
泣いて抱き合っていた男性と女性と子供もこちらに気づいたらしく近づいてきた。
「先日は無礼仕りました。
改めて、自分はエーデと申します。
妻と子を救っていただきありがとうございます」
隣にいる女性はボクの事を気にかけていたらしく、嬉しそうな顔でボクに話しかけてきた。
「無事に戻ってこられたようで、良かったです。
助けていただいたのに何かあったらと思っておりました」
涙ぐみながらそうボクに言ってくれた。
確かに捕まって危ない目に多少はあったけど……
人から感謝されるのってなんかこう嬉しくなるなー。
ボクもつられて涙が出てきてしまった。
アグリは改めてデシエルトさんに対して砦での話をしはじめた。
砦の惨状についても、申し訳なさそうに伝えていった。
デシエルトさんはうなづきながら話を聞いてくれた。
特に何か怒ることもなく。
解放されたのがよほど嬉しいのか、満面の笑みで報告を聞いている。
「……というのが砦であったことです。
それに、砦が半分ほど消失してしまっており、本当に申し訳ございません」
アグリは平身低頭に謝っていた。
そういうところが真面目なのだろーけど、そこまでしなくてもとは思った。
「こうして危機を乗り越えられたのが一番だ。
砦はどうにでもなるから気にするな」
デシエルトさんはそう答えて、ガハガハ笑っていた。
エーデさんもリリアさんもみんな笑顔になっていた。
こうしてイハルでの一件は無事解決できた。
よかったー、よかったー
一通りの話を終えたボクたちは、宿に戻ることになった。
帰り際にデシエルトさんから、明日もう一度来てほしいとの話があった。
魔王軍の状況や今後お願いしたいことの話があるらしい。
そして少し離れたところにいたゾルダとマリーに合流し、宿屋に向かっていった。
眠そうな顔をしているゾルダは
「これで上手い酒が飲めるのぅ」
と上機嫌だ。
腕にしがみついていたマリーも
「マリーもご一緒させてください」
と嬉しそうに話していた。
確かにひと段落ついたし、羽目を外しても問題ないよねー
「じゃー、ボクもー」
とノリノリで答えてみた。
その様子を見ていたアグリは慌てた様子で止めに入る。
「頼むから、先日のようなことがないようにしてくれ。
飲むなとは言わないけど、ほどほどにしてくれよ」
そういうところは相変わらず真面目だなー、アグリは。
飲むときは飲んで羽目を外すのもいいと思うんだけどなー
まぁ、ただボクもこの間は羽目を外し過ぎたので、気をつけないとね。
はずかしかったしなー
ゾルダに付き合い過ぎないようにしようー
そう思いながら、宿屋に向かっていった。
ただゾルダにベタベタしているマリーを見ていると、まずは出てこれて良かったなーと思う。
これで一通りは終わったかなー
前と同じでまた捕まってしまったのは良くなかったけど、結果オーライってことでー
アグリも
「まぁ、無事だったんだし、よかったんじゃないか。
一番の目的の人質救出は出来たんだし」
と言ってくれたので、万事解決ーってことでいいかな。
確かその後アグリもいろいろと話してたけど……
「でも、前回もそうだけど、調子に乗って深追いはしないでくれ。
たまたま無事で、うまくいったからいいものの……」
ちょっとブツブツブツブツうるさいんだよねー。
うまくいったからいいじゃん。
ただ心でそう思っても、アグリには悟られないように、反省の顔はしておこうーっと。
一通りの小言が終わったアグリは、ため息をつきながら話し始めた。
「気が重いけど、砦での状況も報告しないといけないし、
人質だったリリアさんたちも心配だし、イハルへ戻ろうか」
人質はたぶん無事に戻れているはずだよね。
何せ母さんの部下たちが動いているはずだから。
今頃、捕まっていた領主さんたちも、解放されているはず。
「砦の事はおいといて、人質はボクの母さんたちの部下もいるし、
無事街までたどり着いているんじゃないかなー」
その話をすると、アグリはあぁ、あの時のという感じで思い出したような顔をした。
「フォルトナは知っていたの?
ここに突入する前に、背後で『ご心配なく』というので任せてきたけど……」
「母さんならそうするかなーと思っただけ。
実際に会ってないし、来ていたのも見てないけど」
ちょっと得意気な顔になったボク。
さすが母さんだ。
「ワシもひと暴れしたし、ゆっくり休みたいのぅ」
ゾルダはけだるそうに伸びをしていた。
マリーはというと、そんなゾルダを見て心配そうな顔をしていた。
「ねえさま、さぞお疲れでしょう。
マリーがマッサージしてさしあげますわ」
そうベタベタしてうっとうしく感じないのかなー、ゾルダは。
ボクが気にしてもしかたないか。
そしてアグリとボクとで一通り砦の状況を確認して、イハルの街へ戻っていった。
街に戻ると、ボクたちは領主さんの家へ向かった。
領主さんの家の庭先では泣いて抱き合う男性と女性と子供の姿が見えた。
それを少し離れたとこで嬉しそうに眺める男の人の姿もあった。
どうやら、無事に戻れて、領主さんも解放されたみたいだねー
嬉しそうに眺めていた男の人はボクたち気づいたらしく、声をかけてきた。
「あなたたちが勇者か?」
アグリとボクはその声の主である男の人に近づいていった。
ゾルダとマリーはすこし離れたところで留まっていた。
たぶん、興味がないんだろなー
「国王様からの命でこの街に来ましたアグリと申します」
アグリは丁寧に受け答えをする。
ボクも慌てて会釈をした。
「オレはこの街の領主、デシエルトだ
この度は私も含めて助け出してくれて礼をいう。
ありがとう」
泣いて抱き合っていた男性と女性と子供もこちらに気づいたらしく近づいてきた。
「先日は無礼仕りました。
改めて、自分はエーデと申します。
妻と子を救っていただきありがとうございます」
隣にいる女性はボクの事を気にかけていたらしく、嬉しそうな顔でボクに話しかけてきた。
「無事に戻ってこられたようで、良かったです。
助けていただいたのに何かあったらと思っておりました」
涙ぐみながらそうボクに言ってくれた。
確かに捕まって危ない目に多少はあったけど……
人から感謝されるのってなんかこう嬉しくなるなー。
ボクもつられて涙が出てきてしまった。
アグリは改めてデシエルトさんに対して砦での話をしはじめた。
砦の惨状についても、申し訳なさそうに伝えていった。
デシエルトさんはうなづきながら話を聞いてくれた。
特に何か怒ることもなく。
解放されたのがよほど嬉しいのか、満面の笑みで報告を聞いている。
「……というのが砦であったことです。
それに、砦が半分ほど消失してしまっており、本当に申し訳ございません」
アグリは平身低頭に謝っていた。
そういうところが真面目なのだろーけど、そこまでしなくてもとは思った。
「こうして危機を乗り越えられたのが一番だ。
砦はどうにでもなるから気にするな」
デシエルトさんはそう答えて、ガハガハ笑っていた。
エーデさんもリリアさんもみんな笑顔になっていた。
こうしてイハルでの一件は無事解決できた。
よかったー、よかったー
一通りの話を終えたボクたちは、宿に戻ることになった。
帰り際にデシエルトさんから、明日もう一度来てほしいとの話があった。
魔王軍の状況や今後お願いしたいことの話があるらしい。
そして少し離れたところにいたゾルダとマリーに合流し、宿屋に向かっていった。
眠そうな顔をしているゾルダは
「これで上手い酒が飲めるのぅ」
と上機嫌だ。
腕にしがみついていたマリーも
「マリーもご一緒させてください」
と嬉しそうに話していた。
確かにひと段落ついたし、羽目を外しても問題ないよねー
「じゃー、ボクもー」
とノリノリで答えてみた。
その様子を見ていたアグリは慌てた様子で止めに入る。
「頼むから、先日のようなことがないようにしてくれ。
飲むなとは言わないけど、ほどほどにしてくれよ」
そういうところは相変わらず真面目だなー、アグリは。
飲むときは飲んで羽目を外すのもいいと思うんだけどなー
まぁ、ただボクもこの間は羽目を外し過ぎたので、気をつけないとね。
はずかしかったしなー
ゾルダに付き合い過ぎないようにしようー
そう思いながら、宿屋に向かっていった。
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