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第35話 なんで何も…… ~アグリサイド~
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昨晩は大変だった……
ゾルダはいつものことながら、フォルトナも飲むなぁ……
二人して盛り上がっていたけど、今のこの街の状況忘れてないかな。
ちょっと心配だ。
案の定、二人とも朝になっても起きやしないし……
昨日ゾルダがフォルトナにどんどん酒を勧めるから、ほとんど話が聞けていない。
だから、今日はしっかりと話を聞いて対策を考えないとと思ったけど……
「おーい、ゾルダ、フォルトナ。
もう昼過ぎだぞ。
そろそろ起きてくれないか」
隣の部屋の扉をノックする。
「ん……
もう少し、もう少しじゃ」
「むにゃむにゃ……
まだまだ足りないよー」
なんだよ。
寝ぼけているのか。
「いい加減起きろって」
バーンと扉を勢いよく開ける。
「ホントにさー
眠いのは分かるけど……」
まだ寝ているのか布団を被っているゾルダとフォルトナ。
ここは……
「秘技、布団はがしー」
一気に覆っている布団をはがす。
って、えー……
「おっ……お前ら……
なんで何も着てないのー」
「んっ……
何でと言われてもじゃなぁ……
確か、飲んで帰ってきてじゃのぅ……」
「うーっ
……そんなの暑かったらだよー」
「わっ、分かったから、とにかく着てー」
もう目のやり場に困るから早く着てほしい。
「なんじゃ、おぬしがなんで慌てておるのじゃ?
ワシはおぬしに見られて困ることはないぞ」
「むにゃ……
ボクは……えっと……」
フォルトナは虚ろな目をして座り込んだ。
目をこすって周りを見ている。
そして、下を見た瞬間、目が覚めたのか、大きな声を上げた。
「きゃーっ!」
俺は慌てて扉を閉めて、外に出た。
そして着替え終わるのを待つことにした。
それにしても、暑いからって全部脱ぐかぁ。
しばらくしてから様子が気になったので、扉をノックした。
「コンコンコン」
「もう服を着たか?
入ってもいいか?」
「おう、もう着たぞ」
「……うん、ボクも……大丈夫」
着るものを着たみたいなので、部屋の中へ入る。
いつもの姿のゾルダとフォルトナが居てホッとした。
「あのさ、ゾルダには羞恥心というものはないの?」
「なんじゃ、そのシューチシンというのは?
うまい酒か?」
「いや、そうじゃなくて恥ずかしくないのかってこと!」
「全然じゃな」
「ボクは恥ずかしかったよー
なんで全部脱いじゃったんだろー
もう恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい……」
「小娘の娘から脱ぎ始めたのじゃぞ。
『あつーい、あつーい』って言ってじゃな……」
「もういい、聞きたくないよー、ボクは……」
ゾルダもフォルトナも酔っぱらっていて、あまりよくは覚えてはなさそうだ。
まぁ、そうだよね、あれだけ飲んでいれば……
「だから、二人とも飲み過ぎなんだって。
以後慎むように」
「うむ、わかったぞ」
「はーい」
あぁ、これはゾルダ、分かってないな……
たぶんまたやらかしそうだ。
「それはそれとして……
まずはフォルトナの情報を聞いて整理しよう」
フォルトナからアウラさんたちが集めた情報を確認する。
エーデさんの家族はここから南へ行ったところにある砦に監禁されているようだ。
フォルトナが見た影、クロウというのが主導しているみたいだ。
その砦の設計図も手に入れていていて、さすが抜かりがない。
敵の戦力や見張りの体勢などなど、本当にアウラさんたちの情報収集能力は凄かった。
それだけ情報があれば自分たちでなんとか出来ないものなのかとは思ったりもする。
「ねぇ、フォルトナ。
アウラさんたちはこういう諜報活動みたいなのが得意なようだけど……
助け出せないってことは、それだけ強い相手ってこと?」
「うーん。
そうだねー
見つからなければ助け出せると思うけど、リスクが高いかなー」
そうなると……
俺やゾルダの出番ってことなのかな。
「ならば、フォルトナにまず人質を上手く逃げ出させてもらって。
殿を俺とゾルダで担当すればなんとかなるかな」
「シンガリとはなんじゃ?」
「うーん、何て言えばいいんだろう。
逃げきるために追ってくる敵をやっつけるってところかな」
「ほぅ、なんじゃ、おぬしで敵を倒せるんかのぅ」
「いや、そこはゾルダも一緒ってことで……」
すっとゾルダに近づき耳打ちをする。
「お前も暴れたりないだろ。
人質とフォルトナが安全なところまで行ったら、暴れていいから」
そう話すとゾルダがニヤリと笑った。
「おぅ、任せておけ」
なんか砦ごと吹っ飛ばしそうだけど……
まぁ、助け出したらそれはそれでいいのかもしれない。
「あとフォルトナ、何か伝え忘れない?」
「……うん、たぶんねー
覚えていることは全部伝えたよー
忘れてなければねー」
そういや、ゾルダにクロウって名前を思い出したか聞きたいが、フォルトナがいるしな……
また砦へ行く前にでも聞いてみるか。
「じゃあ、砦へ向かうのは明日ってことで」
「ワシは今からでもいいぞ」
「ボクはパース。
まだちょっとフラフラするしー
これじゃ、忍び込めないしー」
「ということみたいだから、ゾルダ。
明日行くから。
今日は飲むなよ」
「少しだけでものぅ……」
「ダメ!」
ゾルダの落ち込んだ顔はこの世の終わりかぐらいの顔だった。
お酒が飲めないだけでそこまで落ち込まれても困る。
明日やることの重要性がわかってないなぁ。
まぁ、ただゾルダはそれでいいのかもしれない。
ゾルダはいつものことながら、フォルトナも飲むなぁ……
二人して盛り上がっていたけど、今のこの街の状況忘れてないかな。
ちょっと心配だ。
案の定、二人とも朝になっても起きやしないし……
昨日ゾルダがフォルトナにどんどん酒を勧めるから、ほとんど話が聞けていない。
だから、今日はしっかりと話を聞いて対策を考えないとと思ったけど……
「おーい、ゾルダ、フォルトナ。
もう昼過ぎだぞ。
そろそろ起きてくれないか」
隣の部屋の扉をノックする。
「ん……
もう少し、もう少しじゃ」
「むにゃむにゃ……
まだまだ足りないよー」
なんだよ。
寝ぼけているのか。
「いい加減起きろって」
バーンと扉を勢いよく開ける。
「ホントにさー
眠いのは分かるけど……」
まだ寝ているのか布団を被っているゾルダとフォルトナ。
ここは……
「秘技、布団はがしー」
一気に覆っている布団をはがす。
って、えー……
「おっ……お前ら……
なんで何も着てないのー」
「んっ……
何でと言われてもじゃなぁ……
確か、飲んで帰ってきてじゃのぅ……」
「うーっ
……そんなの暑かったらだよー」
「わっ、分かったから、とにかく着てー」
もう目のやり場に困るから早く着てほしい。
「なんじゃ、おぬしがなんで慌てておるのじゃ?
ワシはおぬしに見られて困ることはないぞ」
「むにゃ……
ボクは……えっと……」
フォルトナは虚ろな目をして座り込んだ。
目をこすって周りを見ている。
そして、下を見た瞬間、目が覚めたのか、大きな声を上げた。
「きゃーっ!」
俺は慌てて扉を閉めて、外に出た。
そして着替え終わるのを待つことにした。
それにしても、暑いからって全部脱ぐかぁ。
しばらくしてから様子が気になったので、扉をノックした。
「コンコンコン」
「もう服を着たか?
入ってもいいか?」
「おう、もう着たぞ」
「……うん、ボクも……大丈夫」
着るものを着たみたいなので、部屋の中へ入る。
いつもの姿のゾルダとフォルトナが居てホッとした。
「あのさ、ゾルダには羞恥心というものはないの?」
「なんじゃ、そのシューチシンというのは?
うまい酒か?」
「いや、そうじゃなくて恥ずかしくないのかってこと!」
「全然じゃな」
「ボクは恥ずかしかったよー
なんで全部脱いじゃったんだろー
もう恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい……」
「小娘の娘から脱ぎ始めたのじゃぞ。
『あつーい、あつーい』って言ってじゃな……」
「もういい、聞きたくないよー、ボクは……」
ゾルダもフォルトナも酔っぱらっていて、あまりよくは覚えてはなさそうだ。
まぁ、そうだよね、あれだけ飲んでいれば……
「だから、二人とも飲み過ぎなんだって。
以後慎むように」
「うむ、わかったぞ」
「はーい」
あぁ、これはゾルダ、分かってないな……
たぶんまたやらかしそうだ。
「それはそれとして……
まずはフォルトナの情報を聞いて整理しよう」
フォルトナからアウラさんたちが集めた情報を確認する。
エーデさんの家族はここから南へ行ったところにある砦に監禁されているようだ。
フォルトナが見た影、クロウというのが主導しているみたいだ。
その砦の設計図も手に入れていていて、さすが抜かりがない。
敵の戦力や見張りの体勢などなど、本当にアウラさんたちの情報収集能力は凄かった。
それだけ情報があれば自分たちでなんとか出来ないものなのかとは思ったりもする。
「ねぇ、フォルトナ。
アウラさんたちはこういう諜報活動みたいなのが得意なようだけど……
助け出せないってことは、それだけ強い相手ってこと?」
「うーん。
そうだねー
見つからなければ助け出せると思うけど、リスクが高いかなー」
そうなると……
俺やゾルダの出番ってことなのかな。
「ならば、フォルトナにまず人質を上手く逃げ出させてもらって。
殿を俺とゾルダで担当すればなんとかなるかな」
「シンガリとはなんじゃ?」
「うーん、何て言えばいいんだろう。
逃げきるために追ってくる敵をやっつけるってところかな」
「ほぅ、なんじゃ、おぬしで敵を倒せるんかのぅ」
「いや、そこはゾルダも一緒ってことで……」
すっとゾルダに近づき耳打ちをする。
「お前も暴れたりないだろ。
人質とフォルトナが安全なところまで行ったら、暴れていいから」
そう話すとゾルダがニヤリと笑った。
「おぅ、任せておけ」
なんか砦ごと吹っ飛ばしそうだけど……
まぁ、助け出したらそれはそれでいいのかもしれない。
「あとフォルトナ、何か伝え忘れない?」
「……うん、たぶんねー
覚えていることは全部伝えたよー
忘れてなければねー」
そういや、ゾルダにクロウって名前を思い出したか聞きたいが、フォルトナがいるしな……
また砦へ行く前にでも聞いてみるか。
「じゃあ、砦へ向かうのは明日ってことで」
「ワシは今からでもいいぞ」
「ボクはパース。
まだちょっとフラフラするしー
これじゃ、忍び込めないしー」
「ということみたいだから、ゾルダ。
明日行くから。
今日は飲むなよ」
「少しだけでものぅ……」
「ダメ!」
ゾルダの落ち込んだ顔はこの世の終わりかぐらいの顔だった。
お酒が飲めないだけでそこまで落ち込まれても困る。
明日やることの重要性がわかってないなぁ。
まぁ、ただゾルダはそれでいいのかもしれない。
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