モブな転移勇者♂がもらった剣にはチートな史上最強元魔王♀が封印されている

光命

文字の大きさ
上 下
3 / 100

第2話 ここはどこなんだ ~ソフィアサイド~

しおりを挟む
…………
……
………………

ふと気がつくと、薄暗いところだった。
周りには古めかしい鎧や兜、書物や宝石だろうか。
そういったものが置かれている。

…………
…………

ここでワシは何しているんだ。
身体を動かそうとするが、全く動かない。

「ここはどこなんだ。
 そういえば、ワシは何をしていたんだ」

…………
…………

たしか、ゼドがワシのところに来て、勇者を討伐したと勇者の剣や防具を持ってきたんだったかな。
そして、その剣を鞘から抜いたら……
その後、どうだったかな……
ゼドの不敵な笑みだけは思い出せるが……

そういえば、ここもワシが知らんところだ。
そしてなんで身体が動かないのだ。
ワシはどうなっているのだ。

立っているような感覚はある。
目も見えているようだ。

キョロキョロと周りを見回す。
左奥の方に光るものが見えたぞ。
鏡だ。
視線を鏡に向けてみた。



剣が映っているではないか。
あれ?
鏡はこっちを真っすぐ向いている。
こっちはワシがいる方向だよな。

??
!!
!!!

「何じゃこりゃ」

剣になっているではないか。

そういえば……
ゼドが持ってきた勇者の剣とやらを抜いた直後にまぶしい光が出てきて……
あやつはワシを嵌めおったのか。

あれは封印の光か。
だからあんな笑みを浮かべていたのか。
してやられた。
四天王どもはどうなった。
そういえばあの時に姿はなかったな。

…………
……
…………

たしか剣と共に兜や鎧などもあったような。
であれば、ワシと同じくそれらに封印されたのか。
そうとしか考えられんな。
あの時見た覚えがある兜などはここにはなさそうだ。
となるとここにはいなさそうだ。

周りの雰囲気からしてもここはワシの城ではないな。
あとその時からどのくらい時が経っていたのかも分からんのぉ。
今がどうなっているか、何かわかる手段はないのか。
あちこち見回してみるが、手掛かりになりそうなものはなさそうだ。

そうこうしているうちに、扉のカギを開ける音がした。

「ガチャ」

数名の兵士が扉を開けて入ってきて、灯りをつける。
あれは人間どもだな。
……
ここは人間の支配する国か。
兵士たちが話す声が聞こえてくる。

「王様は何を持って来いと話されていたんだ」

とある兵士が一緒にきた兵士に確認しているようじゃ。

「確か、勇者に渡す武器や防具と仰っていたはずだが」

確認された兵士がそのような返答をしておる。

「なら、これとこれとこれと……」

兵士二人が武器や防具を選びながら、こちらに近づいてくる。
これは外に出れるチャンスかもしれん。

「よし、ワシを連れていくのじゃ」

声に出してみたが、兵士たちには聞こえていないようだ。
そうこうするうちに、ワシの目の前に来た。

「これもかな」

兵士がいいながら、ワシを掴んだ。
よし、これで外に出れる。
あとは、勇者と言っていたかな。
そいつにワシを選んでもらおう。
でも声が出ないのに、どうやって選んでもらうんだ。

兵士に担がれながら、出来ることはないのかと考えていく。
あとは出たとこ勝負じゃな。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

チートを極めた空間魔術師 ~空間魔法でチートライフ~

てばくん
ファンタジー
ひょんなことから神様の部屋へと呼び出された新海 勇人(しんかい はやと)。 そこで空間魔法のロマンに惹かれて雑魚職の空間魔術師となる。 転生間際に盗んだ神の本と、神からの経験値チートで魔力オバケになる。 そんな冴えない主人公のお話。 -お気に入り登録、感想お願いします!!全てモチベーションになります-

迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜

サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。 父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。 そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。 彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。 その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。 「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」 そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。 これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。

おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ

Crosis
ファンタジー
新たな世界で新たな人生を_(:3 」∠)_ 【残酷な描写タグ等は一応保険の為です】 後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。 目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。 そして若返った自分の身体。 美男美女、様々な種族の|子供達《CPUキャラクター》とアイテムに天空城。 これでワクワクしない方が嘘である。 そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。

異世界に転生した俺は元の世界に帰りたい……て思ってたけど気が付いたら世界最強になってました

ゆーき@書籍発売中
ファンタジー
ゲームが好きな俺、荒木優斗はある日、元クラスメイトの桜井幸太によって殺されてしまう。しかし、神のおかげで世界最高の力を持って別世界に転生することになる。ただ、神の未来視でも逮捕されないとでている桜井を逮捕させてあげるために元の世界に戻ることを決意する。元の世界に戻るため、〈転移〉の魔法を求めて異世界を無双する。ただ案外異世界ライフが楽しくてちょくちょくそのことを忘れてしまうが…… なろう、カクヨムでも投稿しています。

国から見限られた王子が手に入れたのは万能無敵のS級魔法〜使えるのは鉱石魔法のみだけど悠々自適に旅をします〜

登龍乃月
ファンタジー
「どうしてこうなった」  十歳のある日、この日僕は死ぬ事が決定した。  地水火風四つの属性を神とする四元教、そのトップであり、四元教を母体とする神法国家エレメンタリオの法皇を父とする僕と三人の子供。  法皇の子供は必ず四ツ子であり、それぞれが四つの元素に対応した魔法の適性があり、その適性ランクはSクラスというのが、代々続く絶対不変の決まり事だった。  しかし、その決まり事はこの日破られた。  破ったのは僕、第四子である僕に出るはずだった地の適性ランクSが出なかった。  代わりに出たのは鉱石魔法という、人権の無い地の派生魔法のランクS。  王家の四子は地でなければ認められず、下位互換である派生魔法なんて以ての外。  僕は王族としてのレールを思い切り踏み外し、絶対不変のルールを逸脱した者として、この世に存在してはならない存在となった。  その時の僕の心境が冒頭のセリフである。  こうした経緯があり、僕としての存在の抹消、僕は死亡したということになった。  そしてガイアスという新しい名前を授けられた上で、僕は王族から、王宮から放逐されたのだった。  しかしながら、派生魔法と言えど、ランクSともなればとんでもない魔法だというのが分かった。  生成、複製、精錬、創造なども可能で、鉱石が含まれていればそれを操る事も出来てしまうという規格外な力を持っていた。    この話はそんな力を持ちつつも、平々凡々、のどかに生きていきたいと思いながら旅をして、片手間に女の子を助けたり、街を救ったり世界を救ったりする。  そんなありふれたお話である。 --------------------- カクヨムと小説家になろうで投稿したものを引っ張ってきました! モチベに繋がりますので、感想や誤字報告、エールもお待ちしています〜

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双

たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。 ゲームの知識を活かして成り上がります。 圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。

~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。

破滅の女神
ファンタジー
18歳の誕生日…先月死んだ、おじぃちゃんから1冊の本が届いた。 小さい頃の思い出で1ページ目に『この本は異世界冒険記、あなたの物語です。』と書かれてるだけで後は真っ白だった本だと思い出す。 本の表紙にはドラゴンが描かれており、指輪が付属されていた。 お遊び気分で指輪をはめて本を開くと、そこには2ページ目に短い文章が書き加えられていた。 その文章とは『さぁ、あなたの物語の始まりです。』と…。 次の瞬間、僕は気を失い、異世界冒険の旅が始まったのだった…。 本作品は『カクヨム』で掲載している物を『アルファポリス』用に少しだけ修正した物となります。

処理中です...