紫煙のショーティ

うー

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悪魔公と魔帝

第三話

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 勇者の奮闘により、我らが取った中央大陸は半分以上取り返されていた。その影にアイリスの意図しない努力もあった事は確かだが人間共め、中々やる。
 我の力を持ってしてもこの攻勢は削り切れず、それどころか我でさえ、撤退を余儀なくされる戦場が増えてきているのは確かだ。
 二足の草鞋を履くアイリスがかなり疲弊している事や、圧倒的な人手や物資の不足が兵の士気を下げている。それもそのはずだなんせ海路が押さえられており中、央大陸への輸送が出来ないでいるのだからな、空路でも構わないのだが敵の対空兵器が睨んでいてな。
 開戦から十年の月日が流れていたが、人間は諦めないものだ。いくら犠牲を出そうと我に、果敢に挑むその姿はもはや劣等種などとは呼べん、勿論見直したわけではないがな。
 それにしても、アイリスからの連絡が最近途絶えがちだ、勇者の目があると言っているが感化でもされていないだろうな? 奴は人間くさすぎるからな。
 さてアイリスが寄越した情報だと、近々勇者による大規模な一斉攻勢が始まるだとか、今年でケリをつけるつもりだろうな。
 魔帝と人間の戦力差が縮まった事により、決戦という機運が高まったのだろう。
 その証拠、と言うべきか影響なのか、以前復旧を約束した町を見に行ったが、我の部下であるワイバーンや魔物が一匹足りとも見当たらなかった。しかし代わりに勇者の旗が立てられていたのだ。
 忘れていた包帯を返そうと思ったが、あの女は二年の内に逞しく育ち、勇者に付き従う愚かな選択をしてしまった。我の事は忘れていたようだが、我の事を見て思い出していた。やはり人間とはその程度のものなのだろう、そう我は思い出した。我も存外、感化されやすいようだ。
 血塗れになった事により、我は正気に戻された。人間に対する情を湧いていたのがおかしいというものだ。

 ─中央大陸北部沿岸、魔帝軍本隊駐屯地─
 あぁ、遂に端まで追いやられてしまった。我の指揮不足もあったのだろう、生憎我はアイリスのような頭脳や知識は持ち合わせていない。故に守るか攻めるかの両極端しか出来ないのだ。
 背水の陣、聞こえは良いが実際はそうするしかないのだ。
「……はぁ、最期に言葉か拳を交わしたかったが、最早それも出来ぬのだな」
 やれやれと肩を竦めて、並ぶ自軍の先頭に立った。死ぬ覚悟なんてものは初めから出来ていた、自身の存在理由も理解していた。アイリスと共に戦い、アイリスと戦い、魔帝を阻む者を一切合切区別も例外もなく討ち滅ぼすのが、我の存在理由でありアイリスとの盟約だった。
 少しすると地を揺らすほどの地響きが聞こえてきた。来たか、勇者共。
「我が名はドラクル! 悪魔公ドラクル!! 我と対峙し肉体が残ると思うな! 魂が残ると思うな! 耳ある者は聞け! 目ある者は見よ! 我が最期の咆哮を!!」
 そこからは至極簡単だった。人間と魔物による乱戦、我は勇者の元まで突っ切り一騎打ちを申し出た。
 武人ならば受けてみよ、と。快くそれを勇者は受け取った。
「最強とも謳われる生物ドラゴン! 相手にとって不足はない!」
 アイリスの姿はすぐ近くにあった、密かに勇者の隙を狙っているように見える。ふっ、そうか。我の命を使え、アイリス。それで勇者を殺れるなら、我の命など安い代価だろう。
 勇者との戦闘は熾烈を極めた。三日三晩拳や剣を交差させた。疲弊し、倒れる兵士も居た。そして、お互いが限界を感じた頃、勇者は初めて魔術を使った。
 我の体は動きを止め、まるで全身が砂になるような感覚に陥った。
「はぁ……はぁ……ドラゴンを倒しきるのは無理だと分かっていた……だから封印することにした……っ」
「っ貴様ぁぁ! ふざけるなぁぁ!! そのようなモノで戦を汚すというのか!」
「おん あぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら まに はんどま じんばら はらばりたや うん」
 我の怒声を無視し、呪文のような何かを勇者が唱えると、我の意識は少しずつ遠のいていく。我が消えていくのが分かる。
 そして、我が現し世で最後に目にした者は、鬼のような形相で、勇者アリスに飛びかかる魔帝アイリスの姿だった。

 長い話を終え、一呼吸置いた。その場に居る殆どの者は信じられないといった顔だったが、数人は深く考え込んでいた。獅子と魔女、そして海賊と魔帝だ。
「……いくつか聞きたい事があります」
「わかる範囲であれば答えよう」
 魔女の質問は複数あった。一つ目は、後世残っている話では、アリスという名が魔王であるそうだ。
 それは口から口へと伝わる際に、どこかの誰かが言い間違えたか、ねじ曲げられたかだろう。誰が、なんの為に、かはわからんがな。
 二つ目は、異世界の事だったがこれに関しては我も詳しくは分かっておらず、アイリスからその研究をする、という事しか聞いていないのだ。もしかすると、この五百年間アイリスは異世界に行っていたのかもしれんな。
 三つ目は、今となっては常識とも言える技術、魔法をどのようにして組み立てていったのか、どのようにして実用化させたのか、なるほど。アイリスと同じで研究熱心だ。素晴らしい。
「今までは魔術式を描き、そこに魔力を充填させなければ発動出来なかった、しかし、アイリスは魔力自体をまるごと作り替えたんだ、巨大な、それも世界を覆うほどの魔術式を描いてな」
「そ、そんな事が可能なのですか? 魔力は自然に出来るものであり、自然そのものなんですよ?」
 なるほど、やはり魔法使いだとしてもあの事実は知らんようだ。どうするべきか。
 魔力の源は人間の魂だ。だからこそここまで潤沢しているのだ。戦争が性とも言える人間達自身によって、魔力は潤い続けるのだ。これは五百年間生きている者にしか分からないことだろう。
「嬢ちゃん、大丈夫か?」
「……うん、けど、ちょっと頭がパンクしそうだよ」
 アイリスに目をやると、頭を抱えながら色々と整理しているのか、難しい面持ちだった。それもそうだろうな、失われていた記憶を呼び覚ましたのだから、仕方の無いことだ。
「……しかし、あの状態でアイリスがアリスに負ける理由が見つからん、仮にも我と戦った後であり、対等である魔帝との戦いに勝てる要素が、全くもって見当たらんが……」
「一対一ではなく、一対多数なら話は変わると思いますが、そればかりは本人に聞いてみないと我々には全く理解出来ませんね」
 ふむ、確かにそうだ。アイリスが少しでも記憶を戻してくれると、我の疑問も明らかになるのだかな。
 我らが話をしていると突然、囲むように更に兵士が増えていた。
「マリア、一体どういう事だ、ドラゴンは」
 先程仕留め損ねた騎士か、しかし、殺意は我に向けられている訳では無い。我以外の者に向けられていた、仲間ではないのか?
「イウダ騎兵隊長、今までどこに?」
 辺りは一触即発の雰囲気が流れていた。確かイウダと呼ばれた者と獅子の亜人種は共に行動していたはずだ。獅子が流れ弾に被弾し、イウダは即座に撤退してしまったが──
 あぁ、なるほど。そういう事か、いつの時代も裏切り者というのは現れるものだ、それが最高のタイミングでの横槍だ。狙っていたのだろう、皆が雁首を揃えるその時をな。
「よう騎士隊長」
 獅子はその大きな口で笑みを作りながら、イウダに声をかけた。かけられた側のイウダも不敵な笑みを作っていた。
「……落馬してしまった獅子王殿、無事だったか」
「おう、だれかさんのおかげでな、だが俺は運がいい。黎明の魔女殿に助けてもらったんだからな……お礼としてあんたの企みを教えちまったが」
 何やら面白くなってきたようだ。我の知らぬ内に世界はまた一つ醜くなっていきそうだ。
 我はとりあえずアイリスを安全な場所へと移動させ、我はその隣で現状を眺めていた。
「この戦い、どう見る」
「残念だけど、この戦いはマリア一人でも勝てると思うよ」
 ほう、中々分かっているじゃないか、昔の感が戻ってきたか? それならばなお面白いな。
「確かにイウダさんの方が数は多いよ、けど戦争は数だけでは決まらない、それはドラクルとかマリアが証明しているからね」
「あぁ、だがあのイウダという騎士も中々、やるぞ」
 昔はよくやったものだ、魔帝と共に戦争の行く末を想像する、という暇潰しをな。あぁ、思い出せば大概我が負けていた。それほどに我の盟友の戦略眼と、先を見据える力は優れていた。だが戦争に負けた。
「また我と共に、どうだ?」
「……それって世界を滅ぼすって事?」
「五百年前のアイリスとはそうしていた、そういう盟約だったからな? だがお互い一度死んだようなものだ」
 故に、盟約は一度は切れているだろう。我はこいつがまだ世界を救おうと、まだ人間を滅ぼそうとしているのなら、我はそれに付き従おう。
「……まぁ、何を望もうが我がそれを叶えるために、付き従ってやる」
 貴様は五百年前の盟約を忘れたままかもしれない。しかし、我はいつまでも覚えているだろう。あの時、あの北方大陸の洞窟で貴様が言った言葉、忘れもしない。

 さて、裏切り者との戦いに動きがあり、魔女が自軍に防壁を張ったのだ。
 それをマスケット銃のようなもので、撃ち始めるイウダ陣営だったがビクともしていない。やはり、アイリスの言う通りマリアという魔女一人の力で、この勝負は呆気なく終わってしまうのだろうか? いいや、否だろう。
 仕方あるまい、と静かにそう言い、イウダは発砲した。マリアに向けてではなく、関係の無いアイリスに対してだ。
 突然過ぎて、我も一瞬何が起きたか分からなかった。理解したのはアイリスが徐々に力を無くしていき、地面に倒れたころだった。
「イ、イウダ騎兵隊長!! 何故アイリスを!?」
「……私はこの国が欲しい、魔法部隊も育ち、食糧も豊富だ。しかし、無能な王の元ではそれも無用の長物、故に、だからこそ、私が活用しようというわけだ」
 我はアイリスを介抱しつつ、守れなかった自身の無力さに下唇を噛み締めた。そして、イウダの話など、どうでもいい。
「彼女は教え子だろう? だから撃った、結果お前は動揺してしまっている。嘆かわしいな、黎明の魔女ともあろう者が」
「っ……貴方の全てが嘘なのでしたら、私は見る目がありませんね……」
「そちら側に付いている魔法使いと歩兵も、こちら側に来るのなら、部下として迎え入れてやろう」
 そう言われ困惑する雑兵達は、自身の上司であるマリアと男の顔を見た。
 どんなに信頼していようと、人間など自身の命が危険になれば裏切るのだ。案の定、彼らが持つ剣や杖、銃口は中心に居るマリア達に向けられた。
 その時のマリアの顔は信じられないといった顔で、目を見開け信じていた者達に裏切られ、絶望ししきった顔になっていた。
「……そう、です、か……」
 まぁ、そうなるだろう。あれはきついからな、目の前で優秀な、自身が育てた部下が全滅するならまだしも、敵になってしまうんだからな。
 さて、そろそろ状況が芳しくないな。アイリスには早急に手当をしなければ、血が酷い。長くはないだろう。心の臓の鼓動も感じられない。
「……さて、あまり長話も好きではない。私は貴様らを始末し、ドラゴンの首を取らねばならんのでな」
「ほう、我の首を取る、と?」
 アイリスの傷口に自身の布を強く巻き地面に寝かせて、その言葉を聞いた我は前に出た。少し大言壮語が過ぎるようだ。お灸を据えなければならんな?
 しまい込んでいた翼と尾を生やすと、イウダは驚いたのち、無言で笑みを浮かべた。不愉快だな、我に勝つつもりか? 自信家も程々にしないと、足元をすくわれるぞ。
 我は素早くイウダの懐に飛び込み、爪を振るった。大概の者は、この一撃の元に絶えるのだが、どうやらそこらへんの有象無象とは、違うようだな。
「なるほど……流石は最強生物だ」
「我の一撃を受け止める、だと?」
 魔法は日々進化している、とイウダは我を弾き返しながらそう語った。
 魔法で能力を強化しているのか? それにしても強力だ。中々の難敵だ、動きは王道的な騎士の剣さばきだ、しかしその中に魔法が加わり、それが厄介でもある。
「我が手柄として生まれ変われ」
「ふん、舐めた口だ!!」
 金属と金属がぶつかり合うような音を鳴らし、我の爪とイウダの剣が何度もぶつかり合った。
 少しして、獅子の声が聞こえてきた。
「おい! アイリス! アイリス!!」
 何事か、と我は振り向いた。そしてそれが信じたくない事だと、すぐに気付くとイウダとの戦闘を取りやめ、アイリスの元へと駆けて行った。
 生気を失い、先程まであった浅い呼吸も無くなり、それが本当に死んでしまったと我に理解させた。
「魔帝も所詮その程度か……」
「──友を──」
 我は怒りにより、理性を無くしたようにイウダに飛び掛った。
「ぐっ……なんという力だっ」
「貴様の魂なぞ食うてやらん!! 死ね! 消え失せろぉぉ!!」
 あぁ、友よ、貴様はいつも自分勝手だ──
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