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悪魔公と魔帝
第二話
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─中央大陸南洋 南方大陸連合艦隊旗艦、「戦艦ユスティーツ」第一甲板─
「アイ、君は寝ないのかい?」
漆黒の鎧を纏った背の高い女が私の偽名を呼び、毛布を手渡してきた。
私の名はアイ、本名はアイリス。この世界を末路を知り、人間を辞めてこの世界を救おうとし、人間に宣戦布告をした者だ。現在は訳あって敵である勇者の元に身を寄せていた。
少女の姿をしていれば意外と気付かれず、ただ似ているのだな、で終わる。
勇者の問いに首を横に振った。本当は眠たいけど、いつ勇者の首を掻っ切れるかと思うと眠る事も出来ない。楽しみでね?
「君とは中々話す機会が無かったね、改めて自己紹介する。私の名はアリス、魔帝に異を唱える者であり、君の仲間だ。勇者、なんて呼ばれているが実際はただの戦士でしかない」
知ってるよアリス、憎たらしく何も知らない無知なアリス、世界が破滅へと向かっているのに、人間達にいいように使われている哀れなアリス。
私は毛布に包まり、彼女の顔を見ていた。喋るとボロが出てしまうかもしれないから、あまり口を聞かないようにしている。おかげで私は不思議っ子扱いだよ。
「君みたいな少女を前線で使うのは気が引ける……だが、君のような魔法使いは必要だ、安心してくれ、私が君を守ろう」
あぁ、その優しさの笑みの裏に何が隠されているのかな? 口ではそう言いつつ、所詮は捨て駒のように扱うんでしょ? 人間なんて昔から変わらない。何十年と人間を見てきたけど、変わらない、変わろうとしない、変わるはずがないよ。それは私が一番知っている。人間だった私が一番知っている。
「……アリス、私は人間が嫌いだ。だからアリスも嫌いだ」
「……そうか、なら好きになってもらわなくてはな、私達と一緒に魔帝を倒して世界を救おう、そしたらすごい凱旋パレードが行われるぞ、たっくさんの美味しい食べ物とかお酒が、ってアイは子供だからいかんが、人間みんなにありがとうって言われるんだ」
そう語るアリスの顔はとても清々しく、楽しそうだった。そこに降って湧いた警鐘の音、どうやら我が海軍が姿を現したようだね。強いよ、私の海軍は。
「十二時の方向に魔帝軍の軍艦発見! 総員戦闘用意!! 総員戦闘用意!!」
すぐに私は部下の軍艦を確認しに、船の先に移動した。
あぁ! 我が尖鋭たる海軍よ! こんな夜だと言うのにご苦労な事だよ。だけど今は勇者の味方をしなければいけないのがとても残念だよ。
そして、私の部下は負けるだろう。このユスティーツは鉄で出来ていた。私も初めて見た時は驚いたよ、まさか、鉄が水に浮くなんて誰が思う?
「この船に敵う船などありはしない! 魔帝の化け物に味あわせてやれ! 文明という雷霆をな!!」
アリスの号令と共に、連合艦隊は一の字に横列し、私の船と丁の字に交差するように移動した。これでは一方的な砲撃戦にしかならない。
私の船へと一斉掃射が開始された。長くは持たないだろうね。
アリスの後ろで私は唇を噛み締めた。自身の部下が手も足も出ずにやられていく様を、黙って見ているんだ、悔しいよ。こうすることでしかアリスを殺せないんだから。今は、我慢だよ。
「どうだアイ、凄いだろう、奴らの船は木っ端微塵だ!」
「……そうだね、けど──」
この世界に「空軍」を設立したのは私が初めてだろう。ドラゴンの眷属であるワイバーンを主とした戦力、ドラゴンより小さく、十mほどの体格しかないけど数が多く、死角である頭上から攻撃出来るという利点を持つ軍隊だ。
それを沿岸部の町に配置させていたのはこのためだ、残る大陸は南方大陸のみ。なら敵が攻めて来るのは船だ、それさえ分かっていれば対処は出来る。
約百体ほどのワイバーンの群れが、我が船が進んできた方角より、魔物を乗せて飛んできた。
「なるほど……敵ながらアッパレな運用だ! 仕方ない! 矢で応戦しろ! いいか! 敵を近付けるな!」
アリスはそう号令し、自身の背中に持つ矢と弓を装備した。構えられた矢が黒く光った。放たれた矢はまるで星が尾を引くように飛んでいき、ワイバーン隊の中央を突っ切っていった。
ワイバーンは矢が届かない高度まで上がり、そこから矢を撃ち下ろす戦法へと切り替えた。確かにそうすれば、一方的な攻撃が可能だね。部隊長には今度ご飯でも奢ってあげよう。
私は一応魔法を空に向けて放ち、応戦しているように見せかけつつ、アリスを観察していた。どうするのか、どう対処するのか、それを見ているんだよ、私は。
「くっ……これは使いたくないが──!」
何をするのかと思えば刀身を指で撫でていた。少しすると光を放ち始めた。まるで聖剣だよ。
それを空に向けて横に一閃した。すると、光の斬撃が空に向かって放たれ、ワイバーンを光が包み込んだ。
一体何をしたのか理解出来なかった。しかし、光が晴れるとワイバーン達の姿が、跡形も無く消えていた。
「な、何をしたの……?」
「はぁ……はぁ……魔術だ……魔力量をとてつもなく消費するのが弱点なんだが……今回は仕方ない……」
私は倒れそうになるアリスを支えながら、彼女が握っている剣に目をやった。見たことの無い魔術式だね、ペンタグラムを用いているようだけど、魔除けの類かな? 少し興味が湧いてきたよ。私の知らない魔術を使うなんてね。
「……しかし、敵軍は、殲滅した、これで少しは、休めるだろう」
完全に魔力を使ったのか、アリスは地面に大の字で倒れた。今なら、殺れる。
私はじっ、と勇者の顔を見つめながら、腰に差し込んでいたナイフに手をかけた。
しかし、すぐに船員達が集まってきて、それを実行する事は出来なかった。良かったね、命拾い出来て。
我が海軍と空軍を退けた勇者が乗るユスティーツは、中央大陸沿岸部に上陸する事に成功した。それと少し誤算が生じてしまった。
私は隙を見てはドラクルに情報を送ろうとしていたんだけど、アリスが私にベッタリとくっ付いて離れなかった。
彼女曰く「心配だから!」ということらしいけどさ、何も馬も二人乗りしなくてもよくない? この女、私の正体に気付いてるんじゃないかな、って思う時が何回もあったよ。
それに、何度も魔物の襲撃に遭ったというのに、疲れた顔一つ見せず、本当に私を守りながら戦い抜いていた。それに部下の統制もしっかりとしていた。私が学ぶべき所は何ヶ所もあった。まるで何世代も先の戦術を見ているかのような、私が決して考えつかないような戦い方をしたり、まるで戦う為だけに産まれてきたような、そんな女だった。
中央大陸に陸上してから一週間ほど経ったとある日の夜、私はアリスと共に散歩をしていた。
「アイ、見てみろ、星が綺麗だ」
「……そうだね」
「なんだ、機嫌が良くないのか?」
アリスはちゃっかりと私の顔を見ただけで、私の機嫌や気分を言い当てるようになっていた。すごい観察眼だよ。
「……帰りたい」
「あぁ、分かるぞ」
私の牙城に、だけどね。アリスは夜空に浮かぶ星々を見つめると、首に下げていたロケットペンダントを取り出した。
中に入っていた写真を取り出した彼女は、ふと悲しそうな表情を作った。
「……私は日本という国の生まれでな、とても豊かな国だが心が貧しい国だ」
日本、ねぇ。聞いた事が無い国だよ。豊かで心が貧しい国? 人間というのはやはり厄介な生き物だね。
「今はこの世界で楽しくやっているがな」
この世界? まるで別世界から来たみたいな言い方だね。確かに、この世界とは異なる世界がある、という仮説はある。だけど観測はされていない。
たまに自分は異世界から来たという奴が居るけど、殆どが頭のおかしくなった廃人か、お金を儲けようとする詐欺師だ。
「……日本という国の事を教えて」
「ん、あぁ、良いだろう」
それから、彼女の故郷である「日本」という国を教えて貰った。
最初に思った事は、本当にそんな国があるのかな、という事だった。だって、あまりにも文明レベルが違いすぎるんだもん。鉄で出来た鳥が空を飛ぶ? 離れていても声が聞ける? ありえないよ、この世界じゃぁね。
だけども、そんな世界があるならば一度行ってみたいね、本当にあるのかどうかね。
しかし、自分で思っている以上に自分は日本という国に惹かれていた。魔力はなく、治安もいい。私が望んでいる世界なのかもしれない。そこでなら、私は人間を辞めずに済んだのかな、あぁ、それならなんて良かったのだろうね。
「……私が帰る方法を見つける」
「よせよせ、無理な話だ」
「……いや、多分だけど、その世界からアリスが来た時に、何かの拍子によって魔術が発動されてるんだよ。時空って事は空間を操る類の魔術、それなら私の辞書にいくつか心当たりがあるよ」
「本当か!?」
アリスは食い気味で勢いよくこちらに振り向いた。私としても、気になる事だよ。
それにしても、久しぶりに喋ると喉が痛くなるよ。
その日は、異世界の事を考えて眠る事が出来なくなってしまったよ。
「アイ、君は寝ないのかい?」
漆黒の鎧を纏った背の高い女が私の偽名を呼び、毛布を手渡してきた。
私の名はアイ、本名はアイリス。この世界を末路を知り、人間を辞めてこの世界を救おうとし、人間に宣戦布告をした者だ。現在は訳あって敵である勇者の元に身を寄せていた。
少女の姿をしていれば意外と気付かれず、ただ似ているのだな、で終わる。
勇者の問いに首を横に振った。本当は眠たいけど、いつ勇者の首を掻っ切れるかと思うと眠る事も出来ない。楽しみでね?
「君とは中々話す機会が無かったね、改めて自己紹介する。私の名はアリス、魔帝に異を唱える者であり、君の仲間だ。勇者、なんて呼ばれているが実際はただの戦士でしかない」
知ってるよアリス、憎たらしく何も知らない無知なアリス、世界が破滅へと向かっているのに、人間達にいいように使われている哀れなアリス。
私は毛布に包まり、彼女の顔を見ていた。喋るとボロが出てしまうかもしれないから、あまり口を聞かないようにしている。おかげで私は不思議っ子扱いだよ。
「君みたいな少女を前線で使うのは気が引ける……だが、君のような魔法使いは必要だ、安心してくれ、私が君を守ろう」
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「……そうか、なら好きになってもらわなくてはな、私達と一緒に魔帝を倒して世界を救おう、そしたらすごい凱旋パレードが行われるぞ、たっくさんの美味しい食べ物とかお酒が、ってアイは子供だからいかんが、人間みんなにありがとうって言われるんだ」
そう語るアリスの顔はとても清々しく、楽しそうだった。そこに降って湧いた警鐘の音、どうやら我が海軍が姿を現したようだね。強いよ、私の海軍は。
「十二時の方向に魔帝軍の軍艦発見! 総員戦闘用意!! 総員戦闘用意!!」
すぐに私は部下の軍艦を確認しに、船の先に移動した。
あぁ! 我が尖鋭たる海軍よ! こんな夜だと言うのにご苦労な事だよ。だけど今は勇者の味方をしなければいけないのがとても残念だよ。
そして、私の部下は負けるだろう。このユスティーツは鉄で出来ていた。私も初めて見た時は驚いたよ、まさか、鉄が水に浮くなんて誰が思う?
「この船に敵う船などありはしない! 魔帝の化け物に味あわせてやれ! 文明という雷霆をな!!」
アリスの号令と共に、連合艦隊は一の字に横列し、私の船と丁の字に交差するように移動した。これでは一方的な砲撃戦にしかならない。
私の船へと一斉掃射が開始された。長くは持たないだろうね。
アリスの後ろで私は唇を噛み締めた。自身の部下が手も足も出ずにやられていく様を、黙って見ているんだ、悔しいよ。こうすることでしかアリスを殺せないんだから。今は、我慢だよ。
「どうだアイ、凄いだろう、奴らの船は木っ端微塵だ!」
「……そうだね、けど──」
この世界に「空軍」を設立したのは私が初めてだろう。ドラゴンの眷属であるワイバーンを主とした戦力、ドラゴンより小さく、十mほどの体格しかないけど数が多く、死角である頭上から攻撃出来るという利点を持つ軍隊だ。
それを沿岸部の町に配置させていたのはこのためだ、残る大陸は南方大陸のみ。なら敵が攻めて来るのは船だ、それさえ分かっていれば対処は出来る。
約百体ほどのワイバーンの群れが、我が船が進んできた方角より、魔物を乗せて飛んできた。
「なるほど……敵ながらアッパレな運用だ! 仕方ない! 矢で応戦しろ! いいか! 敵を近付けるな!」
アリスはそう号令し、自身の背中に持つ矢と弓を装備した。構えられた矢が黒く光った。放たれた矢はまるで星が尾を引くように飛んでいき、ワイバーン隊の中央を突っ切っていった。
ワイバーンは矢が届かない高度まで上がり、そこから矢を撃ち下ろす戦法へと切り替えた。確かにそうすれば、一方的な攻撃が可能だね。部隊長には今度ご飯でも奢ってあげよう。
私は一応魔法を空に向けて放ち、応戦しているように見せかけつつ、アリスを観察していた。どうするのか、どう対処するのか、それを見ているんだよ、私は。
「くっ……これは使いたくないが──!」
何をするのかと思えば刀身を指で撫でていた。少しすると光を放ち始めた。まるで聖剣だよ。
それを空に向けて横に一閃した。すると、光の斬撃が空に向かって放たれ、ワイバーンを光が包み込んだ。
一体何をしたのか理解出来なかった。しかし、光が晴れるとワイバーン達の姿が、跡形も無く消えていた。
「な、何をしたの……?」
「はぁ……はぁ……魔術だ……魔力量をとてつもなく消費するのが弱点なんだが……今回は仕方ない……」
私は倒れそうになるアリスを支えながら、彼女が握っている剣に目をやった。見たことの無い魔術式だね、ペンタグラムを用いているようだけど、魔除けの類かな? 少し興味が湧いてきたよ。私の知らない魔術を使うなんてね。
「……しかし、敵軍は、殲滅した、これで少しは、休めるだろう」
完全に魔力を使ったのか、アリスは地面に大の字で倒れた。今なら、殺れる。
私はじっ、と勇者の顔を見つめながら、腰に差し込んでいたナイフに手をかけた。
しかし、すぐに船員達が集まってきて、それを実行する事は出来なかった。良かったね、命拾い出来て。
我が海軍と空軍を退けた勇者が乗るユスティーツは、中央大陸沿岸部に上陸する事に成功した。それと少し誤算が生じてしまった。
私は隙を見てはドラクルに情報を送ろうとしていたんだけど、アリスが私にベッタリとくっ付いて離れなかった。
彼女曰く「心配だから!」ということらしいけどさ、何も馬も二人乗りしなくてもよくない? この女、私の正体に気付いてるんじゃないかな、って思う時が何回もあったよ。
それに、何度も魔物の襲撃に遭ったというのに、疲れた顔一つ見せず、本当に私を守りながら戦い抜いていた。それに部下の統制もしっかりとしていた。私が学ぶべき所は何ヶ所もあった。まるで何世代も先の戦術を見ているかのような、私が決して考えつかないような戦い方をしたり、まるで戦う為だけに産まれてきたような、そんな女だった。
中央大陸に陸上してから一週間ほど経ったとある日の夜、私はアリスと共に散歩をしていた。
「アイ、見てみろ、星が綺麗だ」
「……そうだね」
「なんだ、機嫌が良くないのか?」
アリスはちゃっかりと私の顔を見ただけで、私の機嫌や気分を言い当てるようになっていた。すごい観察眼だよ。
「……帰りたい」
「あぁ、分かるぞ」
私の牙城に、だけどね。アリスは夜空に浮かぶ星々を見つめると、首に下げていたロケットペンダントを取り出した。
中に入っていた写真を取り出した彼女は、ふと悲しそうな表情を作った。
「……私は日本という国の生まれでな、とても豊かな国だが心が貧しい国だ」
日本、ねぇ。聞いた事が無い国だよ。豊かで心が貧しい国? 人間というのはやはり厄介な生き物だね。
「今はこの世界で楽しくやっているがな」
この世界? まるで別世界から来たみたいな言い方だね。確かに、この世界とは異なる世界がある、という仮説はある。だけど観測はされていない。
たまに自分は異世界から来たという奴が居るけど、殆どが頭のおかしくなった廃人か、お金を儲けようとする詐欺師だ。
「……日本という国の事を教えて」
「ん、あぁ、良いだろう」
それから、彼女の故郷である「日本」という国を教えて貰った。
最初に思った事は、本当にそんな国があるのかな、という事だった。だって、あまりにも文明レベルが違いすぎるんだもん。鉄で出来た鳥が空を飛ぶ? 離れていても声が聞ける? ありえないよ、この世界じゃぁね。
だけども、そんな世界があるならば一度行ってみたいね、本当にあるのかどうかね。
しかし、自分で思っている以上に自分は日本という国に惹かれていた。魔力はなく、治安もいい。私が望んでいる世界なのかもしれない。そこでなら、私は人間を辞めずに済んだのかな、あぁ、それならなんて良かったのだろうね。
「……私が帰る方法を見つける」
「よせよせ、無理な話だ」
「……いや、多分だけど、その世界からアリスが来た時に、何かの拍子によって魔術が発動されてるんだよ。時空って事は空間を操る類の魔術、それなら私の辞書にいくつか心当たりがあるよ」
「本当か!?」
アリスは食い気味で勢いよくこちらに振り向いた。私としても、気になる事だよ。
それにしても、久しぶりに喋ると喉が痛くなるよ。
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