生まれるはずだった人

ふぁ

文字の大きさ
上 下
19 / 20
大切な時間

明日

しおりを挟む
赤ちゃんの部屋に戻って私がお風呂に入るよーというと赤ちゃんはいやいやと顔を振った

私が思うに赤ちゃんは明日、自分が居なくなることをわかっているのではないか…
そう思っていた

嫌がる赤ちゃんを無理やりお風呂に入れた
赤ちゃんも遊び疲れたのかお風呂の中で寝てしまった


寝てしまった赤ちゃんをベッドに寝かせ
赤ちゃんの頭を撫でながらクハクは言った



クハク「明日、だな」

ヨサクは赤ちゃんのほっぺをツンツンしながら言った
ヨサク「明日…ですねぇ」


ヨサク「…嫌だなぁ…こんな可愛い顔を見るのも明日で…」


クハク「…来年はお前一人で赤ちゃんを育てるんだ…」


ヨサク「へいへい、頑張ります。こんなことが何回も続くと思うと、心が痛むー…」


クハク「…少なくとも、ここにいるサポーターは皆同じ気持ちを持ってる…辛くなったら、誰かに頼ればいい。」


ヨサク「先輩頼っていいですか?」



クハク「はぁ?…めんどくさいからいやだ。他を頼れ」



ヨサク「…えー頼りなーい」

クハク「あ?」

ヨサク「…すみません」



赤ちゃんはすやすやと眠っている。この顔を見るのが最後だと思うとさみしい気持ちでいっぱいになった

同時に地上に降りることのできる赤ちゃんがとても羨ましくてしょうがなかった



ヨサク「…はぁー私もまたお母さんに会いたいなー…………………………ハッ、ウソウソ!今の嘘!」



クハク「…うるせぇ、赤ちゃんが起きるだろ。

もう7時か…そろそろ帰るか」


ヨサク「…はーい…」




ヨサク「また、明日ね…赤ちゃん」



クハク「…行くぞ」



赤ちゃんの部屋をでると今までの出来事を思い出して泣きそうになった


クハクも私を察してくれてなにも言わなかった

この短い時間が大切に思えた








その時、走る音が近づいてきた
その姿は纏長とミンだった


纏長「クハク、何か見なかったか?」


クハク「?」
ヨサク「?」

ミン「たった今本部から鬼が出たとの情報が入りました!」


クハク「は?鬼は明明後日に来るんじゃ無かったのか?」



ヨサク「鬼ってなに?」



纏長「ヨサク、あとで話すからここでミンと一緒に待ってて!」


クハクと纏長はいつもうるさくしてはいけない廊下を走ってどこかに行ってしまった

あの廊下走ってもよかったのか?
まぁいいや


ヨサク「…私がミンって名前つけたの覚えてくれたんだ!嬉しいな」



ミン「私も貴女に会えて嬉しいわ。確かヨサクだったわよね?」


ヨサク「そうだよー!ミンは纏長の研修生?」


ミン「そうなの。」



ヨサク「いいなぁー。いろいろと丁寧に教えてくれそう」


ミン「クハク先輩から教えてもらってないの?」



ヨサク「いやー、先輩の説明下手くそすぎて笑」

ミン「そっかー、困ったことがあったらいつでも相談してね」


ヨサク「頼りになるぅ!では早速、鬼ってなに?」



ミン「唐突ね…。鬼は赤ちゃんの夢を食べる魔物のこと、詳細はよくわかってないんだけれど突然、赤ちゃんのいるこの場所、ベビーハウスに集まってくるの。」


ヨサク「じゃあ、今その怪物と先輩たちは戦ってるのか」


ミン「そういうこと」


ヨサク「ほぇーそんなの授業で習ってなくね?学校ブラックかよー」


ミン「?!ヨっヨサク…」



ヨサク「ん?」


私はミンの見ている方向を見ると気持ち悪い見たことのない魔物が立っていた


ミン「ヨサク逃げて!!」


ヨサク「えっ…でも」


ミン「早く!!」


ミンはそういうと手から鉄を出し始めた
ミンは鉄を操る特技を持っている

何故鉄関係の仕事に就かなかったのか謎だ

その鉄は段々と固まっていってやがて武器のように固まった


ミンはその鉄を魔物におもいっきり叩きつけた

ミン「せい!!」


ゴーンと音がなり
魔物は苦しんだが今度はミンに向かって突進してきた

ミン「きゃああああ」



ミンは倒れて動かなくなった
私はなにも出来なかった



そこに先輩が現れた
クハク「下僕!!!背後!」


唖然とした私も魔物の一撃を食らった













あまり痛くなかった

その瞬間私のからだの反発で魔物は吹き飛んだ






纏長「…魔物を吹き飛ばしたぞ…」


クハク「あのクソ下僕、どんなに傷つけても力を使っていれば怪我しないらしい」


纏長「無敵かー」


魔物は起き上がって私に突進してきた


ヨサク「どうすればいいの?…どうしよう、あっ話し合いでもしませんか…?なんつって、だからお願い!襲わないでー!!」



今度は魔物が当たったとき、少し痛みを感じたがまた跳ね返した


跳ね返したすきにクハクが拳の一撃、弱った魔物を纏長がロープで結んだ


纏長「捕獲完了」


クハク「おい、47355minが反応無しだ」


ヨサク「ミン、しっかりして!!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

幽子さんの謎解きレポート~しんいち君と霊感少女幽子さんの実話を元にした本格心霊ミステリー~

しんいち
キャラ文芸
オカルト好きの少年、「しんいち」は、小学生の時、彼が通う合気道の道場でお婆さんにつれられてきた不思議な少女と出会う。 のちに「幽子」と呼ばれる事になる少女との始めての出会いだった。 彼女には「霊感」と言われる、人の目には見えない物を感じ取る能力を秘めていた。しんいちはそんな彼女と友達になることを決意する。 そして高校生になった二人は、様々な怪奇でミステリアスな事件に関わっていくことになる。 事件を通じて出会う人々や経験は、彼らの成長を促し、友情を深めていく。 しかし、幽子にはしんいちにも秘密にしている一つの「想い」があった。 その想いとは一体何なのか?物語が進むにつれて、彼女の心の奥に秘められた真実が明らかになっていく。 友情と成長、そして幽子の隠された想いが交錯するミステリアスな物語。あなたも、しんいちと幽子の冒険に心を躍らせてみませんか?

処理中です...