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第三章
63.初対面
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「家まで送ってくれてありがとう。あと、プレゼントも嬉しかったよ」
「おぅ。……じゃあ、また明日」
理玖は自宅の玄関まで送ってくれて、玄関のドアノブに手をかけて帰ろうとしていると……。
私の帰宅を待ち構えていた咲は、二階からダダダダッと勢いよく階段を駆け下りて歌で出迎えた。
「ハッピーバースデー、愛里紗~!」
しかし、向かいには見知らぬ男子の姿が。
彼はストローハットを被り、黒の個性的なポロシャツの下に、赤いチェックの膝丈のハーフパンツにサンダル姿と、いかにもチャラそうな容姿。
予想外の展開に、思わず目をパチクリさせた。
一方の理玖は、初対面の咲を見た途端ドアノブから右手を落とした。
お互いが同じタイミングでお互いに指をさして、目線は間にいる愛里紗へ。
「……誰?」
まるで声を揃えたかのようにそう言う。
そっか、忘れてた。
理玖には咲の話をしていないし、咲にも理玖の話をしてなかった。
お互い初対面だから、知らないのは当たり前だよね。
「彼女は同じ高校に通っている親友の咲。今日は誕生日のお祝いをしに来てくれたの」
手振りを加えながら紹介し終えると、理玖は愛想良くニコリと微笑む。
「へーっ! 咲ちゃんて言うんだ。めっちゃかわいい! 俺のタイプ」
「えっ!」
はぁ、また始まった……。
何となく予想はしていたけど、やっぱりチャラ癖が出ちゃったね。
咲はびっくりして苦笑いしてるし。
理玖の帰宅後、部屋に戻ると咲からグイグイと質問攻めにあう。
「ねーねー!誰だれ?さっきの茶髪の爽やか系イケメン君は?」
「あぁ、理玖ね。今まで話さなくてごめんね」
「名前は理玖くんっていうの? 明るそうだし、オシャレだし、めちゃくちゃカッコイイじゃん! 愛里紗にあんな素敵な人がいたなんて知らなかったよ。も~、どうして早く報告してくれなかったの~?」
咲がマシンガントークになるのも無理はない。
私は入学当初から浮いた話一つすら持って来ない恋少なき女だから。
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