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第六章

43.ミーティング

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  ーー夜6時。
  レクレーションの開始時刻の1時間前になり、レク係の4人はホテルのロビーに集まって手作りした地図を開いて話し合いを始めた。



夏都「10分間のルートにキーワードの紙を5箇所に設置する。お化け担当の3人には6時50分にここの定位置についてもらう。ここまでが事前準備。開始時刻になったら2人1組のペアを3分刻みで出発させて、キーワードの間にいるお化け担当に驚かせてもらって到着時間を遅らせてもらう。参加者が時間内に戻ってキーワードを正解したら景品を渡す。その景品を渡す係が美那と河合さんね」

美那「了解」

紗彩「わかった」


夏都「今から俺と怜で手分けをして肝試しのルートにキーワードの紙を貼り付けてくる。その間、美那と河合さんはお化け役の人への衣装とメイクをお願い。終わったらスタート地点でスタンバイしてて」

紗彩「お化け役を引き受けてくれる男子がいてよかったね」

美那「あはは、てっきり私達がやるかと思ったよ」

怜「残念~。美那っちのセクシーお化け姿見たかったなぁ」


美那「何よ、それー!  買ってきた衣装は白い着物と三角巾とボサボサ頭のカツラなんだけど~」

紗彩・夏都「……」

怜「冗談言っただけだって。そんなにシラけるなよ。……じゃ、気合いを入れる為に円陣でも組みますか。『やるぞ~、おー!』みたいな」


紗彩「スポーツの試合じゃないんだから、やらなくてもいいでしょ……」



  それから私達はホテルの娯楽室でお化け担当の男子4人にメイクを始めて、滝原くん達はキーワードの紙を設置する為に山林へ向かった。


  空はまだ少し明るいが、2人は懐中電灯を足元に照らしながら先を進む。
  怜が山林方向へつながっている小さな橋を渡ろうとして飛び出た葉っぱを手でよけると、ふわりと舞い落ちた葉っぱが川へと流れて行った。



「あれ?  夕方雨が降ったから川の流れが早いのかな」怜は葉っぱを目で追いながらそう言う。

「地面が濡れてるから肝試しに出発する際に注意を呼びかけないと」


「肝試しの時間は暗闇だから注意しないと転ぶかも」

「だから俺は肝試しに反対だったんだ。誰かが怪我をしたらどうするんだよ」


「企画を考えた時は誰だって晴れを予想してただろ。いちいちうるさいなぁ」

「うるさっ?!  ……まぁ、いいや。お前と言い争う気はないから」

  

  夏都は一つ目の木にキーワードの紙をすずらんテープでぐるりと縛りつけてると、怜は背中に向かって言った。



「……俺、美那っちに本気だから今日告白するつもり」



  夏都は驚いた目で振り返ると、怜はいつになく真剣な眼差しで見ていた。



「どうしてそれを俺に?  もしかして自信ないの?」

「は?  お前に言われたくねーよ。……ってか、俺たちが上手くいってもぜってぇ文句言うなよ。いいな!」



  怜は茶化された事に腹を立ててずかずかと次のルートへ向かった。
  その場に取り残された夏都はふぅとため息をつく。

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