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カーテン越しの君
33.久しぶりの彼
しおりを挟むそれは、寒さの厳しさを増す二月上旬を迎えた、ある日。
今日はニュースで頻繁に警報が表示されるくらいの大雪が降っている。
外は銀世界。
降り積もる雪で足を取られつつも何とか学校に到着。
なんか、今朝から少し熱っぽく風邪気味だ。
紗南は授業に身が入らないほど体調不良で二時間目に入る直前に保健室に向かった。
コンコン…
ガラガラガラ
「失礼しまーす」
扉を開けて保健室を覗く紗南の目に一番に飛び込んだ光景は。
奥側のベッドの閉ざされたカーテンと。
床に置かれた★のマークの上履きだった。
「先生…」
目を見開いて養護教諭に目を向けると、養護教諭は無言でコクンと頷く。
症状を聞かれた後、手渡された手元の記録表には、以前と同様名前欄のみに★マークが書かれていた。
セイくんが今この保健室にいる。
紗南はすぐ傍にセイがいる実感が湧くと、感激するあまりに瞳にジワリと涙を滲ませた。
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