LOVE HUNTER

風音

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第二章

37.SBO

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  それにしても……。
  年下のお子ちゃまのクセに、お姉様の私に向かって生意気な口を叩くなんて許せない。


  日焼け止めクリームのパッケージにSPFとか印字されてるのは知ってるけど、それとは無関係かな。
  奴が私に感じているSBOって何だろう。


  S……エス……。
  ひょっとして、スレンダーの略かな?

  そうそう、いい調子!
  何となく答えが見えてきたかも。



  難題に思考を巡らせながらボーッと一点を見つめて考え込んだ和葉だったが、案外早く一つの答えが導き出された。

  和葉は答えに辿り着いたと同時にハッと目を見開いて、左へ座る拓真へと目線を向けた。



  もしかして、鋭い勘が当たっていれば……。

  ふっ……ふふふふ。
  やっだぁ、拓真ったら。
  いつも私の事をそんな風に見ていたの?
  恥ずかしくて素直に口に出せないから、わざと遠回しにわかりにくいように省略したの?



  何だかんだ言っても超絶美人の私に気があるのね。
  全校生徒の前で興味ないって言ったのは、恥じらいを隠す為?

  本当に興味がなければ、わざわざ全校集会をサボってまでフった相手のところに会いに来ないよね。



  ふーん。
  最初は年下って生意気だと思ったけど、結構ウブでかわいいところがあるんだぁ。
  奴隷のように懐いたら、もっと可愛いのかもしれない。



  妄想に暴走を重ねて企み深く口元が緩んだ和葉は、この勝負が戦勝したと勘違いして沸き立つ笑いで肩が揺れた。

  和葉は手ぐしでセクシーに前髪をかき分けて、照れ臭く口を開いた。



「えへへ。……そっかぁ、お姉さんちょっと参ったなぁ」

「何故笑ってる」




  睨みを効かせる拓真からは何故か言葉の温かみを感じない。
  多分、これが彼なりの照れ隠しだろうと思い、気分良く話を続けた。



「だって、その答えがわかっちゃったんだもん」

「じゃあ、答えろ」


「SBOとは S=スレンダー B=美人 O=お色気満載 の略でしょ。もう、素直じゃないんだからぁ。あ、B=美ボディだったかなぁ。スレンダー美ボディでお色気満載?  それだと美人が抜けちゃうかぁ」

「……お前の頭ん中はお花畑だな。勝手にそう思ってろ」


「え、違うの?  じゃあ、答えは何よ」

「【最高にバカでオカシイ】の略に決まってるだろ。それ以外ないだろ」


「……っ!!」



  和葉はとんだ意地悪に沸々と込み上げた怒りに収拾がつかなくなり、唇を強く噛み締めた。

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