LOVE HUNTER

風音

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第一章

29.ギャンブラー

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  明日、本校の校庭で全校集会が行なわれる。
  ここなら奴も間違いなく姿を現すはず。


  逃げも隠れも出来ない。
  探してまで追う必要のない、とっておきの場所。
  先生が校庭に現れる前に事を起こせば、何とかなるかもしれない。



  いや……。
  それはダメ。

  モテ女の私にだってプライドはある。
  寧ろ今日までプライドだけで生きてきた。



  だけど、柵の向こう側の大金も捨て難い。
  一万円札が二枚から三枚に増えた。
  ここで諦めてしまったら、愛しい三万円は姿を消してしまう。

  絶対、諦めたくない。

  今までみたいに細々とやっていくよりも、ビッグな挑戦に挑めば、平行線な今と比べて大きく変わるかもしれない。



  でも、プライドも大事。
  いや、やっぱり金も……。

  一体どっちを選ぶべきか。




  究極の選択は、プライド一本で人生を歩んできた私の理性を揺るがす。


  だけど、新たなる挑戦が成功するかもしれない。
  毎日顔を合わせているうちに、奴の感情を動かせたじゃん。
  若干時間はかかってしまったけど、少しは意識をするようになったじゃん。


  あとは振り向いてもらうだけ。
  私があと一歩を前に踏み出すのみ。
  最後は自分の勇気に全てかかっている。





  だけど、失敗したらどうしよう。


  超絶美人で有名なこの私が、全校生徒の前で断られたらショックで登校拒否になってしまうかも。
  いや、一生の笑い者になる。


  きっと、後ろ指をさされるだろうし、好きでもない男の事で無駄に冷やかされて肩身の狭い思いをしなければならない。




  そんなの、嫌。
  真面目に通学しているこの私が、偽物の恋愛如きで苦痛な毎日を強いられるなんて。
  繊細な性格だから、メンタルはあまり強くないのに。





  でも、小さな事に怯えてたらこの疑似恋愛は前進できない。

  いっその事、ギャンブラーになったと思えばいい。
  負けたら負けたで後の事はゆっくり考えればいい。

  そうそう、その調子。


  男達が愛してやまないこの私が努力をするんだから、ひょっとしたら成功するかもしれない。



  やるしかない!



  勝負する前に結果を出しちゃダメだよね。
  よし、気合を入れ直して頑張ってみよう。





  私はLOVE HUNTER

  彼との間に若干溝は出来てしまったが、モテ女としてのプライドと日々積み重ねてきた努力だけを信じて、彼を落とす為に一世一代の賭けに出る決意をした。

  女はいつだってギャンブラーでありたい。

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