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第一章
19.奴=金
しおりを挟む決死の覚悟を決めてメガネくんの意地悪に我慢を重ねて奮闘しても、まだ名前しか伝えていないという現状に頭を抱えていた。
本来ならターゲットの男次第で悩殺パターンを使い分けて、妖艶な魅力を発揮させて30分程度で男を魅了した。
だけど、今回はたかが思春期明けの子供に手煩わせている。
しかも、アイツは懐かない上に可愛げがない。
まるで野良猫のように自由気ままに生きている気分屋タイプなのかもしれない。
手玉に取るには何か特別な餌が必要なのかな。
もしかして、メガネくんには一途に思っている女がいるとか。
だから、超絶美人が現れても無反応なの?
今は女とラブラブ中だから、後から現れた私を蚊帳の外なの?
……だとすると、ちょっと厄介。
何が一番厄介かと言うと、女の逆恨みが根を張り巡らす事。
でも、例え女がいたとしてもこの私には関係ない。
だって、男なんて簡単に奪えるから。
だから心底ではメガネくんが落ちると信じて止まない。
この私にひと目で恋に落ちないと言う事は、もしかして美人の顔をすぐ忘れちゃうという、極めて稀な病に侵されているとか?
指先でピンッと弾くくらい、私の事を簡単に跳ね除けてきたもんね。
メガネくんは変わり者だから、その病なら納得できる。
たったの三時間程度で美人の顔を忘れちゃうくらいなら、一時間おきくらい小まめに会いに行った方がいい?
距離を縮めていかないと、すぐに顔を忘れちゃうかも。
残念ながら、こうやって自分を宥めながら奮起していかないと、これから先精神的にやっていける自信がない。
予約している美容院の日は刻々と迫っているのに、財布とにらめっこの日々が続いている。
ちなみに、今のところキャンセルするつもりはない。
この賭けは絶対に負けないと信じてやまないのだから。
これから長期戦になりそうだから、私自身もメガネくんの事を少しは知っていかなければならない。
二度に渡るアピール作戦が失敗してるからといって落ち込んでる暇などない。
【 奴 = 金 】としっかり頭に叩き込んで、低迷している気持ちを奮い立たせよう。
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