LOVE HUNTER

風音

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第一章

10.ツンデレ攻撃

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  早速プリントをかき集める和葉。
  次いで、軽くかがんだ拓真も和葉の目論見通り一緒に拾い集める。


  廊下に散乱したプリントは20秒も経たぬ間に拾い上げられて、二人の手中へ。
  拓真は床にトントンと叩きつけてプリントの角を揃えた。
  そして、しゃがんでプリントをまとめている和葉の左前方から、サッとプリントを向けた。



  メガネは廊下から差し込んでいる光が反射していて、レンズの向こうまではよく見えない。
  口角はニンマリしたように軽く上がっていたので、一瞬拓真が微笑んでいるように見えた。

  だから、和葉もつられて微笑む。



「大丈夫?」

「あっ、だいじょう……」
「……って、言って欲しかった?」



  拓真はまるで手のひらを返したかのように、冷ややかな目線を下ろして30センチ近くまで顔を寄せた。

  和葉は唯ならぬ空気に身体が固まる。
  まるでへびにらまれたかえるのようだ。



  和葉は間近で拓真を見るのは初めてだった。

  スッと通った鼻筋にシャープな顎。
  切れ目な二重に、少し厚みのある唇は薄ピンク色でぽってりしていてセクシー。
  美しいフェイスラインはつい見惚れてしまう。



「え……」

「へぇ~。あんたは偶然を装ってまで俺と出会いたかったの?」



  気配と息が顔に届く。
  昨日は二枚のお札のように見えていたはずのレンズ内に、困惑している私の姿が映し出された。

  圧倒的な雰囲気にビビってしまい、額ににじむ冷や汗があごに向かって流れ落ちる。



「……そ、それは」

「光栄だな。でも、同じようなパターンを何度も経験済みなんだよね」


「……うっ」

「あんたも他の女と一緒で平凡でツマンナイ女なんだろうな」



  ツンツンした可愛げのない態度をとるメガネくんは、年下のクセに偉そうに上から目線。
  出会って直後のツンデレ攻撃は、出会い方の失敗と共に幕開けされた。



  なに、コイツ。
  ムカつく~~~!
  一つ下の子供だから、まだ大人の女性というものがまだわかってないようね。

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