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第一章
6.幸運の女神
しおりを挟む臨時収入目当てで腰を上げた私は、無数の男をいとも簡単に落としてきた実績のあるLOVE HUNTER。
約束が思い浮かぶだけでもニヤケてしまう。
まだ恋愛ゲームは始まっていないけど、この勝負は自信しかない。
凛と賭けの約束を交わした日の翌日。
私は臨時収入……いや、メガネくんを落とす為に早速実行に移した。
きっと、彼は私を知らない。
少しでも知ってもらわないとこのゲームは始まらない。
……と言っても、残念ながら年下男へのアピール方法が思い浮かばない。
何故なら歴代の彼氏は社会人ばかりだったから。
自分の方が年下のように甘えて可愛らしくアピールした方がいいのか。
それとも、お姉さんらしくセクシーに迫った方がいいのか……。
まぁ、年下と言えども男は男。
魅力満載な私が近付けばイチコロよね。
さて、どうやって偶然を装って出会おうかな。
空想にふけっている今は、国語の授業中。
和葉の耳は塞がれている状態であり、ひたすら拓真と出会う作戦だけを考えていた。
教科書を読みながら授業を進めている教師は、いつも髪をいじりながら鏡とにらめっこの和葉が、珍しく授業に集中していると勘違いする。
一方の和葉は、そんな教師の思いも知れず、シャープペンでトントンとリズム良く無数の点をノートに書き始めていた。
すると、幸運の女神は悩める和葉の元へ。
その瞬間、シャープペンを持っている和葉の手は止まり、不敵な笑みを浮かべて小さく肩を丸めた。
そうだ。
アレだ!
思いっきり学生らしいやつ。
いい案が閃いちゃったよ。
興奮するあまり、着席したまま小さくうずくまって肩を揺らす。
和葉はチャイムの合図で授業を終えると共に勢いよく席を立ち、一目散で教室を飛び出した。
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