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第四章
41.プレゼント
しおりを挟む颯斗がコンビニバイトに出かけて部屋に取り残された沙耶香は、食器の後片付けを終えてからちゃぶ台の前で昨日アルバイトで稼いだ給料の6千円を扇形に広げた。
「頑張って働いてもこの程度しか稼げないんだ」
沙耶香は現実社会のギャップに直面して深いため息を漏らす。
お金が欲しくて働いた訳じゃないけど、手元に対価が残ってしまった。
本当は生活費として彼にお金を渡したいところだけど、きっと受け取ってもらえない。
今夜アルバイトに行ったらまた増えてしまう。
どうしよう、このお金……。
沙耶香は暫く現金を眺めていると、昨日帰宅途中に貰ったアーモンドチョコレートを思い出した。
あの時は私に元気になって欲しくてチョコレートをくれたんだよね。
それなら、私もこのお金を使って颯斗さんの喜ぶ顔を……。
そうだ!
沙耶香はふと何かが閃くと、現金を財布に入れて外出の支度を始めた。
それから、数時間後。
颯斗はコンビニバイトから帰宅。
玄関扉を開けて「ただいま」と伝えてリビングに目を向けると、目線は一瞬にしてある物へと吸い込まれた。
そのある物とは、テレビ台の上に飾られている立派な花瓶に刺さったバラ10本。
テレビが処分されてから空になっていた空間に色鮮やかな装飾がなされている。
衝撃のあまり思わず目が点に。
「えっ、このバラの花束……」
「颯斗さん、おかえりなさい。 キレイなバラですよね。実はサヤのお給料で買ってきました」
沙耶香は颯斗が喜んでくれるものだと思って人知れず心を弾ませていたが…。
颯斗の表情は何故か冴えない。
「サヤ、ちょっと話をしようか。ちゃぶ台の前に座って」
「はい」
沙耶香は予想していた反応とは対照的な態度に戸惑いつつも、ちゃぶ台前に向かい合わせに座った。
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