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第一章 根津精肉店復活祭と会長からのお願い。
第13話 焼肉パーティーと新たな課題
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オークとの戦いや解体作業を行っていたら、サーマレントに来てから早くも3時間ほどが経過をしていた。そういえば、小腹もすいた。解体作業が終わり、ふと源さんの方を見ると、温かい陽だまりの中で、スースーと寝息を立てていた。
どんなに強くなったとはいえ、まだまだお子ちゃま。鑑定したら生後2ヶ月と出た。そりゃ、眠たいよね。沢山寝てね、源さん。
源さんが寝ている隙に、昼飯の準備を始めた。昼飯にオークの内臓を食べてみることにした。
内臓にクリーンをかけたとはいえ、本当に安全かどうかは分からない。自分で食べて、安全を確認してからじゃないとお客様には売ってはいけないと思う。まあ、それも本当だが、実際はすぐに味見をしてみたい。ホルモン、好きなんだよね。見たらプリップリだし。
「真っ白なダイヤモンドや~!!」って叫んでしまったぐらいだ。
アイテムボックスから、ホルモンやてっちゃん、マメなどのを取り出し、店から持ってきた実演用のカセットガスグリルで焼いた。
ジュ~!!
ホルモンから滴り落ちる油が炎を一層強める。その強まった炎が更に肉の表面を炙り、脂が炎の上に滴り落ちる。もうたまらん!!ホルモンがプリプリと網の上で踊っている!!肉から出る油と炎がお互いを高め合っている!!
あ~、自分でいうのもなんだが、変なテンションになってきた。そして、ビールが飲みたい!!一杯ぐらいいいよね?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ジュ―!という音に引き寄せられたのか、それとも匂いに誘われたのかは不明だが、それまで寝ていた源さんが、むっくりと起き上がった。鼻をひくひくさせた後、口元を開き「ハァッ、ハァッ、ハァッ...!」と、すごく荒い息づかいをさせながら俺の方に駆けよって来た。
目をパッチリと大きく開けて、左右に尻尾をブンブンと振りながら「美味しそうな匂いがしますわん!しますわん!」と、源さんは叫ぶように俺に伝えてきた。やっぱり、肉が好き...なのね。げ、源さん、口元から雫がだだ漏れしていますよ!!
もうちょっと待っていてね。沢山焼いてあげるからね。
ジュ~!!
ホルモンだけじゃなく、ハツやガツ、マメ、さらにはロースなども焼いた。やっぱり、ロースも食べたい!!
更に、ジュ~!!
源さんは俺の顔と、焼いている肉を交互に何度も見て、"まだですか?まだですか?"とアピールをしてきた。
プリプリなホルモンを、源さんのお皿の上によそってあげた。源さんは俺の顔をチラチラ見て、"いいですか?いいですか?"と、つぶらな瞳をウルウルさせながら、とてもそわそわとしている。
何だか、イジメているみたい...。
ごめんね、源さん、さあ、肉が焼けたよ!!一緒に"頂きます"だ!!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
お、美味しい!!何だ?このホルモン!!プリプリ!!油が滴るのに全然くどくない。旨い!!一口ホルモンを味わい、ビールで喉奥に流し込む。やめられませんな。
結局、真昼間から飲んでしまった。あっちの世界に戻って配達業務などがあったら、魔法でアルコールを体内から抜いてしまおう。
本当に便利だな、魔法って。
源さんも興奮Maxで、「ご主人様、美味しですわん!!美味しいですわん!!そのままでも美味しいですが、この"エガシラ焼肉のたれ"をかけると最高ですわん!!」
口をもぐもぐと動かし、念話で食レポを伝える源さん。器用だな...。更に源さんは「これは何という部分ですか?さっきの部分より、コリコリして、歯ごたえがいいですわん!!」と、違う肉の部位を食べるたびに質問をしてくる。勉強熱心な子犬だ。
いや~旨い!!ビールがすすむ。ご飯もアイテムボックスに詰め込んでおけばよかったな。
ただ、これでお袋とトヨさんに、安心してもらえると思う。ほっとした俺は、源さんとゆっくりと昼ごはんを楽しんだ。オーク肉、500㎏以上の仕入れとなった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
地下室の大型冷凍冷蔵庫にオーク肉を仕舞い込んで、一息ついた。
その後、お袋とトヨさんに、仕入れが無事に終了をした事を報告した。2人とも仕入れた物を見ながら「「すごい量だね!」」と、目をキラキラとさせて喜んだ。
2人とも、すぐに俺が持って来たオーク肉を食べたがった。本日2度目の焼肉大会。ちょっと苦しいかも...。俺は少し苦笑いを浮かべたが、隣では第一回目焼肉大会の時と同じように、尻尾を左右にブンブンと振って喜びをアピールするチビッ子がいた。
そんなに振ると尻尾がちぎれてしまうよ、源さん...。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ロースとバラも美味しいですけど、私はこのゼンマイとか、レバーの方が好きですね。タンもありますか⁉︎」
「レバーは苦手だったけど、この豚のレバーは別格だよ!滑らかで、臭みも無くて美味しいね!!
2人とも箸が止まらない。そして足元では尻尾を振り続ける源さんも、バクバクと食べていた。源さん食べ過ぎないでね...。
早く牛系の魔物も見つけたいな。日本人は豚よりも牛肉の方が好きな人が多いからな~。今度エリーに会ったら、ミノタウロスがどこら辺にいるか聞いてみようかな?
そんな楽しい焼肉大会は、無事に終了...しなかった。
美味しそうに食べていたお袋が「豚肉の売り上げは順調だけど、他のがねぇ~。まだまだ課題は山積みだね~」と、少しぼやき気味に俺に話しかけてきた。
"根津精肉店復活祭"の時は、常連客以外のお客さんも訪れてくれた。しかし、それ以降はオーク肉目当てのお客さんや、以前からの常連客が中心となってしまった。
そう、売り上げは少し良くなった程度。このままでは以前とあまり変わり映えも無く、借金も減らない。
もっとお店にお客様を呼ぶ必要がある。もっと目玉商品を増やし、買ってもらう必要があるのだが...。それには大きな越えなければいけない壁がたちはだかっている。それも非常に深刻な...。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
うちの店は"柳ケ瀬風雅商店街"の中にある精肉店。
現在、"柳ケ瀬風雅商店街"は元気がなく、お客さんが来ないのだ。商店街のシャッター率は82.5%越えと尋常じゃない。実際、うち一店舗だけで頑張っても、お客さんはイベントの時だけしか来てくれないし、日々の買い物は近隣のスーパーを使う。
大手のスーパーやデパートには太刀打ちできない。
また、"柳ケ瀬風雅商店街"は、岐阜駅から近いという立地の良さが裏目になっており、近くには有料駐車場しかない。
近郊のデパートなら無料の駐車場があり、豊富な品揃えと、子供が楽しめるアミューズメントコーナーがあって、一日中遊べる。
この商店街には子供が遊べる場所がない。大手のデパートのように、1日そこに行けば、満足して過ごせる場所ではない。
さらに、"根津精肉店"に限って言えば、目玉商品がオーク肉一つという現状は非常に寂しい。
何とかもう一つ、いや三つ四つは増やしたい。欲を言えばもっと増やしたいが。
だが、目玉商品を増やすことにより、これ以上お客様が増えると、お袋や俺、トヨさんだけでは対応できなくなってしまう。
そうなると、新たな従業員も欲しくなる。しかし地下室や、俺の食材確保方法など、秘密が多く、ばれると面倒くさい。
あー悩みは尽きない。一つ一つクリアしていくしかないなと思った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
そんな悩みを抱えたり、行き詰っている時は、必ず訪れる場所がある。
"根津精肉店"裏においてあるボロボロのベンチ。
ここで飲むコーヒーが好き。なんか小さい頃の俺や友達に励まされる様な感じがして、疲れると良くここに来る。
「はぁ~どうしようかな~」と、ため息をつきながらベンチに寝ころがっていると、「太郎!柴さん、商店街会長の柴田さんがお見えだよ!何でもあんたに相談したいことがあるって!!」と、お袋が俺を呼んだ。
現商店街の会長様が、俺に何のようがあるんだ...?
どんなに強くなったとはいえ、まだまだお子ちゃま。鑑定したら生後2ヶ月と出た。そりゃ、眠たいよね。沢山寝てね、源さん。
源さんが寝ている隙に、昼飯の準備を始めた。昼飯にオークの内臓を食べてみることにした。
内臓にクリーンをかけたとはいえ、本当に安全かどうかは分からない。自分で食べて、安全を確認してからじゃないとお客様には売ってはいけないと思う。まあ、それも本当だが、実際はすぐに味見をしてみたい。ホルモン、好きなんだよね。見たらプリップリだし。
「真っ白なダイヤモンドや~!!」って叫んでしまったぐらいだ。
アイテムボックスから、ホルモンやてっちゃん、マメなどのを取り出し、店から持ってきた実演用のカセットガスグリルで焼いた。
ジュ~!!
ホルモンから滴り落ちる油が炎を一層強める。その強まった炎が更に肉の表面を炙り、脂が炎の上に滴り落ちる。もうたまらん!!ホルモンがプリプリと網の上で踊っている!!肉から出る油と炎がお互いを高め合っている!!
あ~、自分でいうのもなんだが、変なテンションになってきた。そして、ビールが飲みたい!!一杯ぐらいいいよね?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ジュ―!という音に引き寄せられたのか、それとも匂いに誘われたのかは不明だが、それまで寝ていた源さんが、むっくりと起き上がった。鼻をひくひくさせた後、口元を開き「ハァッ、ハァッ、ハァッ...!」と、すごく荒い息づかいをさせながら俺の方に駆けよって来た。
目をパッチリと大きく開けて、左右に尻尾をブンブンと振りながら「美味しそうな匂いがしますわん!しますわん!」と、源さんは叫ぶように俺に伝えてきた。やっぱり、肉が好き...なのね。げ、源さん、口元から雫がだだ漏れしていますよ!!
もうちょっと待っていてね。沢山焼いてあげるからね。
ジュ~!!
ホルモンだけじゃなく、ハツやガツ、マメ、さらにはロースなども焼いた。やっぱり、ロースも食べたい!!
更に、ジュ~!!
源さんは俺の顔と、焼いている肉を交互に何度も見て、"まだですか?まだですか?"とアピールをしてきた。
プリプリなホルモンを、源さんのお皿の上によそってあげた。源さんは俺の顔をチラチラ見て、"いいですか?いいですか?"と、つぶらな瞳をウルウルさせながら、とてもそわそわとしている。
何だか、イジメているみたい...。
ごめんね、源さん、さあ、肉が焼けたよ!!一緒に"頂きます"だ!!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
お、美味しい!!何だ?このホルモン!!プリプリ!!油が滴るのに全然くどくない。旨い!!一口ホルモンを味わい、ビールで喉奥に流し込む。やめられませんな。
結局、真昼間から飲んでしまった。あっちの世界に戻って配達業務などがあったら、魔法でアルコールを体内から抜いてしまおう。
本当に便利だな、魔法って。
源さんも興奮Maxで、「ご主人様、美味しですわん!!美味しいですわん!!そのままでも美味しいですが、この"エガシラ焼肉のたれ"をかけると最高ですわん!!」
口をもぐもぐと動かし、念話で食レポを伝える源さん。器用だな...。更に源さんは「これは何という部分ですか?さっきの部分より、コリコリして、歯ごたえがいいですわん!!」と、違う肉の部位を食べるたびに質問をしてくる。勉強熱心な子犬だ。
いや~旨い!!ビールがすすむ。ご飯もアイテムボックスに詰め込んでおけばよかったな。
ただ、これでお袋とトヨさんに、安心してもらえると思う。ほっとした俺は、源さんとゆっくりと昼ごはんを楽しんだ。オーク肉、500㎏以上の仕入れとなった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
地下室の大型冷凍冷蔵庫にオーク肉を仕舞い込んで、一息ついた。
その後、お袋とトヨさんに、仕入れが無事に終了をした事を報告した。2人とも仕入れた物を見ながら「「すごい量だね!」」と、目をキラキラとさせて喜んだ。
2人とも、すぐに俺が持って来たオーク肉を食べたがった。本日2度目の焼肉大会。ちょっと苦しいかも...。俺は少し苦笑いを浮かべたが、隣では第一回目焼肉大会の時と同じように、尻尾を左右にブンブンと振って喜びをアピールするチビッ子がいた。
そんなに振ると尻尾がちぎれてしまうよ、源さん...。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ロースとバラも美味しいですけど、私はこのゼンマイとか、レバーの方が好きですね。タンもありますか⁉︎」
「レバーは苦手だったけど、この豚のレバーは別格だよ!滑らかで、臭みも無くて美味しいね!!
2人とも箸が止まらない。そして足元では尻尾を振り続ける源さんも、バクバクと食べていた。源さん食べ過ぎないでね...。
早く牛系の魔物も見つけたいな。日本人は豚よりも牛肉の方が好きな人が多いからな~。今度エリーに会ったら、ミノタウロスがどこら辺にいるか聞いてみようかな?
そんな楽しい焼肉大会は、無事に終了...しなかった。
美味しそうに食べていたお袋が「豚肉の売り上げは順調だけど、他のがねぇ~。まだまだ課題は山積みだね~」と、少しぼやき気味に俺に話しかけてきた。
"根津精肉店復活祭"の時は、常連客以外のお客さんも訪れてくれた。しかし、それ以降はオーク肉目当てのお客さんや、以前からの常連客が中心となってしまった。
そう、売り上げは少し良くなった程度。このままでは以前とあまり変わり映えも無く、借金も減らない。
もっとお店にお客様を呼ぶ必要がある。もっと目玉商品を増やし、買ってもらう必要があるのだが...。それには大きな越えなければいけない壁がたちはだかっている。それも非常に深刻な...。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
うちの店は"柳ケ瀬風雅商店街"の中にある精肉店。
現在、"柳ケ瀬風雅商店街"は元気がなく、お客さんが来ないのだ。商店街のシャッター率は82.5%越えと尋常じゃない。実際、うち一店舗だけで頑張っても、お客さんはイベントの時だけしか来てくれないし、日々の買い物は近隣のスーパーを使う。
大手のスーパーやデパートには太刀打ちできない。
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この商店街には子供が遊べる場所がない。大手のデパートのように、1日そこに行けば、満足して過ごせる場所ではない。
さらに、"根津精肉店"に限って言えば、目玉商品がオーク肉一つという現状は非常に寂しい。
何とかもう一つ、いや三つ四つは増やしたい。欲を言えばもっと増やしたいが。
だが、目玉商品を増やすことにより、これ以上お客様が増えると、お袋や俺、トヨさんだけでは対応できなくなってしまう。
そうなると、新たな従業員も欲しくなる。しかし地下室や、俺の食材確保方法など、秘密が多く、ばれると面倒くさい。
あー悩みは尽きない。一つ一つクリアしていくしかないなと思った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
そんな悩みを抱えたり、行き詰っている時は、必ず訪れる場所がある。
"根津精肉店"裏においてあるボロボロのベンチ。
ここで飲むコーヒーが好き。なんか小さい頃の俺や友達に励まされる様な感じがして、疲れると良くここに来る。
「はぁ~どうしようかな~」と、ため息をつきながらベンチに寝ころがっていると、「太郎!柴さん、商店街会長の柴田さんがお見えだよ!何でもあんたに相談したいことがあるって!!」と、お袋が俺を呼んだ。
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