ちんちんがデカすぎて解決する婚約破棄〜婚約者と間男W寝取り♡〜

嶋紀之/サークル「黒薔薇。」

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「シルヴァン・デュ・リヴィエール! 貴様との婚約を破棄する!!」

 王立魔法学園の卒業パーティー中。線の細い儚げな美青年が、男らしく快活そうなガチムチイケメン――この国の王子である――に婚約破棄を突きつけられた。
 ちなみにガチムチの隣には、芋っぽく平凡な雰囲気だが雄っぱいのデカい、ムチムチとした体つきの男が立っており、なにやら親し気な雰囲気だ。

「シルヴァン……貴様は我が国の聖人であるニコラスに嫉妬し、虐げた。信仰心の欠片もない貴様を王家の伴侶とするなど認められん! 俺は清らな心のニコラスと新たな婚約を結ぶ!! 真実の愛を見つけたのだ!!」
「ヴィクトール殿下……! おれ、嬉しいですっ! 殿下がそこまでおれを思ってくれてたなんて……♡」
 平凡男は、これみよがしにスパダリ王子と腕を組みイチャついている。

 ……つまりは、よくある婚約破棄である。それも冤罪パターンの。
 平民ヒロインに恋した王子が、婚約者を排除しようと冤罪をふっかけて悪役に仕立てあげて婚約破棄に持ち込む、いわゆる悪役令嬢モノのテンプレ展開だ。
 ただしこの世界には男しかいないので、断罪されている儚げ青年ことシルヴァンは悪役令嬢ならぬ悪役令息(冤罪)だし、ヒロインにあたる平凡受けことニコラスは聖女ではなく聖人だ。

 困ったことに、この国の王子であるヴィクトールは優秀で、捏造された罪の証拠は一切矛盾のない完璧なものだった。
 おまけにシルヴァンは家柄と年齢がちょうどいいからと婚約者に選ばれただけで、平民とはいえ聖人であるニコラスのほうが妃として価値が高いのではと評価されている。
 友達の少ないシルヴァンを、悪役に仕立てるのは簡単だった。この場にいる者たちは皆、ヴィクトールが捏造した罪を信じ込んでいるか、真実に気づいたとしてもニコラスを王子妃に推しているかのどちらかである。


 そんな状況下で、当事者であるシルヴァンは――涼やかな顔をしながらも、内心ではテンパりまくっていた。
(くそ……、詰んだ!! 完全に詰みじゃないか!! このままだと僕は、殿下の描いたシナリオ通りに婚約破棄された挙げ句、聖人を傷つけた罪で死罪だぞ!? 虐げたなんてとんでもない、ニコラスとは同じクラスでも、ろくに喋ったこともないんだが……!?)
 一見、クールでお高くとまった美青年のシルヴァンだが、中身はただのコミュ障で陰キャのキモオタである。なんとかしてこの状況を打破できないかと考えるものの、ろくな案が思い浮かばずにいた。


 そもそも、この国は『男らしさ』が全てを決める社会。男同士で競い合い、勝者が敗者を支配するのは常識。雄としての強さが、そのまま社会的地位にも繋がっているのだ。
 王族であり、そして男らしく筋肉質な体つきのヴィクトール王子の発言は、華奢で儚げなシルヴァンの言葉よりもよほど重視される。理不尽にも思えるが、より強いオスに従うのはこの世界の人間たちの本能であり、どうしようもないことだった。


 シルヴァンの脳裏では、ヴィクトール王子とのこれまでの思い出が走馬灯のように巡っている。

『なんだ、おまえがわたしの婚約者なのか? 男らしさのカケラもない、よわっちそうな男だな!』
 初対面からして最悪だった。二人の婚約が結ばれたのは幼少期。子供の頃から体を鍛えており、雄々しさの片鱗を見せていた王子は、華奢で病弱そうなシルヴァンのことをこれでもかと見下しまくっていた。
 そしてそれは、成長してからも変わらず……むしろ悪化の一途を辿っていた。

『おいシルヴァン。貴様、私の婚約者としての自覚が足りないのではないか? なんだその貧相で情けない体は! 少しは私を見習って鍛えたらどうなんだ』
『やめろ、その陰気な顔を見せるな! 軟弱なうえに根暗とは、まったく忌々しい……。父上の命令でなければ、貴様との婚約なぞとっくに破棄しているものを……』
『おい、役立たず。貴様に仕事を与えてやろう。この私の性処理穴として奉仕するのだ。どうだ、嬉しいだろう?』
『なに……? 親が許していないから婚前交渉はできない、だと……? チッ、男失格のメス野郎の分際で生意気な! メスならメスらしく、私の言いなりになっておればいいのだ!』

 この国においてもっとも男らしいとされる、高身長ガチムチボディに育ったヴィクトール王子は、高慢で俺様な暴君だった。
 婚約者であるシルヴァンを『己の所有物』として見下し、暴言を吐き、冷遇しながらも、時にセックスを強要した。
 婚前交渉はさすがにマズいとシルヴァンがやんわり拒否したところ、ただでさえ壊滅的だった二人の仲には亀裂が走り、いつの間にやら間男のニコラスに寵愛を奪われていたのだ。

 シルヴァンが体を鍛えなかったのも、陰気と言われるほど内向的な態度を見せたのも、婚前交渉を断ったのも、全てはこの婚約を円滑に進めるためである。
 公爵家の次男であり、王子の婚約者であるシルヴァンは、家の跡継ぎである長男や、婚約者であるヴィクトール王子よりも『男らしい』と思われてはならない立場にあった。下手に目立てば、シルヴァンを神輿にして謀反を企てる者がいるかもしれないからだ。
 しかしながら、傲慢なヴィクトール王子がその気遣いを理解しなかったおかげで、シルヴァンはすっかり冷遇されてしまった。
 おかげで同年代の貴族の令息たち――とくに魔法学園の生徒たちは、ヴィクトール王子に追従する形で、シルヴァンのことを見下して軽んじるようになっていたのである。

(勘弁してくれよ……、僕みたいな貧弱野郎が何言っても、殿下の男らしさの前じゃ、マトモにとりあってもらえるわけがない!! 話を聞いてもらうためには、僕が、殿下より優秀なオスだって認められないと……。でも、僕が殿下に勝てることなんて……)

 そこまで考えて、はたと、彼は気づいてしまった。どこをとっても『男らしくない』彼の、唯一男らしいと言える秘密。家族だけしか知らないソレを表に出すのは、常識的な思考を持つ彼からすれば、とても勇気がいることだ。
(……いや、一つだけある。あるにはあるけど! 父上からは『お家騒動の元になるからソレは隠しておけ』って言われてるけど!! 僕だってこんなバカみたいな賭けやりたくねえけど!! でも……もう、これしかない……!)

 公爵家次男に生まれたシルヴァンが『男らしさ』を示すことは、跡取りである長男や、ひいては王家に対抗意識があると、謀反の意思があると思われてもおかしくはない。
 だからこそ彼の父である公爵は、余計な争いを生むまいとしてシルヴァンに『男らしさを隠すように』と言って育ててきたし、シルヴァンも無用な争いを避けるためならば自分が格下に思われても仕方がないと割り切っていた。
 しかし、王家から冤罪をふっかけられ命の危機という今の状況ならば、我慢をすることもないだろうと。
 意を決したシルヴァンは、己の『男らしさ』を示すため――その場で、ズボンと下着を脱ぎ捨てた。



「なぁああっ!? 気でも触れたか、シルヴァ……ン……?」
「ちょっと!? わ、猥褻罪で訴えますよ、シルヴァン……さ、ま……?」
 非常識な行為に悲鳴を上げるヴィクトール王子と、間男のニコラス。しかしその声は尻すぼみになり、二人の――否、会場中の視線が、シルヴァンの股間へと向けられていく。

 そこにあったのは、あまりにも逞しく、雄そのものを体現するかのような巨根であった。
 萎えている状態だというのに、ワインボトルと遜色ないほどの太さと長さを誇る竿。ずっしりと重たそうな、竿に見合う巨大サイズのパンパンに張り詰めた玉袋。当然、チンポはズル剥けであり、エラの張ったカリ高の亀頭からはだらりと我慢汁が垂れている。
 汗で蒸れたデカマラからは、ムワッ……♡ と雄臭いフェロモンが立ち込めており、近くにいる者たちを虜にする。

 その巨根に、誰もが釘付けになる。誰もが、このチンポには勝てないのだと本能的に理解し、シルヴァンに畏敬の念を向けていく。

「なっ……、な、なんなのだ!? い、いいいいきなりそんな……っ、そんな、立派な雄チンポを見せつけたりして……♡♡ そ、そんなことで、私に勝てると思っているのか……!?」
「ッ……♡ やっべぇ……♡ シルヴァン様のチンポが、こ、こんなに立派だったなんて♡♡ ヴィクトール様のよりずっと、デカくて、雄臭くて……♡」
「!? き、貴様っ、ニコラス!? どういうつもりだ!?」
 混乱した様子の王子と間男も、すっかり、シルヴァンのチンポの虜になっていた。とくにニコラスのほうはすっかり王子のことなどどうでも良くなった様子で、熱っぽい瞳でシルヴァンのチンポを見つめている。

 それだけではなく、先程までヴィクトール王子に追従してシルヴァンを断罪する気満々だった周囲の生徒たちも、すっかり彼のチンポに釘付けとなり、誰からともなく擁護の囁きが聞こえだした。
「な、なんだ、あの立派なおチンポ様♡ は……♡♡」
「あ、あんなチンポ見たら……っ♡ オレ、メスになっちまう……♡」
「あれほど男らしいチンポは他にいないっ!! あんな立派なチンポを持つ人が悪人なわけないじゃないか♡」
「た、たしかに……♡ というかあれだけ男らしいチンポなら、多少の悪事くらい、見逃してもいいんじゃないか……?」
 彼らはすっかり理性を失った様子で、はあはあと息を荒くしながら、ひたすらにシルヴァンとそのチンポを称えていた。


 ――この国ではかつて、強さよりも、賢さよりも、魔力よりも、血筋や家柄よりも、法律よりも、チンポのデカさこそが重視されていた。チンポのデカい者こそ雄の頂点、故にどんな蛮行も許された。
 無論、そんな無法の時代はとうの昔に過ぎ去った。今ではチンポのデカさの代わりに『男らしさ』というフワッとした概念が台頭し、王族が頂点に立ち貴族が国を支える、他国と同様の身分制度に支配されている。
 しかし、シルヴァンのデカすぎるチンポの前では、身分制度など無意味! 皆等しくチンポに負けたオス失格の雑魚野郎となり、勝者にケツマンコを捧げるしかないのだ! そう……偉大すぎるチンポを前にして、彼らは、本能に逆らうことができなくなっていたのである!!
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