魔法少女♂とヤンデリオ

嶋紀之/サークル「黒薔薇。」

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ストーカー系狂信者、阿神ケイの場合

①-2

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「っていうか、阿神、小学生の頃から好きとか言ってなかったか……? 盗撮とか盗聴って、い、いったいいつから……」
 ふと、気になってチアキが問えば、あっけらかんとした声が返ってくる。
「ん~……一目惚れしたのが小1んときでー、初めてプレゼントに盗聴器仕込んだのが小3くらい? オレの実家金持ちだったからさ~、小遣いはそれなりにもらってたんだよね」
「怖っ……!! 恐ろしすぎるだろ、そんな小学生!?」
「男のファンも、あそこまでガキなのも珍しいからさ! 盗聴器とか隠しカメラ仕込んでも、子供からのプレゼントだってわかるようにしとくとバレにくかったんだよな~。まあ、だんだん通じなくなって焦ったけど」
「よく捕まってないなおまえ……!?」
「アシつくよーな真似するわけないじゃんっ。犯罪なのはガキの頃からわかってたし」
「わかってて犯罪することあるか普通!?」
 いつもどおりの明るい笑みを浮かべるケイに、チアキは、軽い恐怖と目眩を感じていた。言語は通じているはずなのに、言葉が通じない。少しでも彼に心を許しかけていた数分前の自分をぶん殴りたい気持ちだった。犯罪の自覚があるのに悪意がないあたりに狂気を感じる。
「あっははー! ま、オレの話はそろそろいいじゃん? それより聞かせろよっ、こないだのデートの結果!!」
「なんでこの流れで話すと思ったんだ!? 嫌だよ、盗聴だの盗撮だのしてる犯罪者にプライベート話すの!!」
「安心しろよ! オレはコウヤ様しかストーカーしねえ!!」
「い、いや、だとしてもおまえが犯罪者なのは変わらないからな……!?」
 堂々とした宣言に、一瞬、たしかにそれなら……と納得しかけるが、よく考えたら犯罪者なのは不動の事実だ。無論、闇の魔法使いであるからには、ケイがチアキ自身と同じ――その異常とも呼べる執着は恋した人ただ一人に向けられるタイプであるのはわかっているが。
「まーまー。同じヤンデリオの仲間じゃねえか! 犯罪者とか今更じゃね?」
「うぐっ……、お、おれは、ただ……。先輩を守る力が欲しかっただけで、おまえらとは違うし……」
「違わねえって! ……我慢しねえほうが楽だぜ、八雲?」
 唐突に、ケイの口調は真面目なものへと変わっていた。
「オレも、高校入る頃は実家の連中にあれこれ口出しされちまって、『普通』になろうと無理したこともあるけどよ。結局、オレらの性分は変えられねえ。なら……魔法なんていう特別なチカラも手に入れたなら、思うままにするほうがラクじゃねえ?」
 真顔でそういう彼は、彼なりに思うところがあるのだろう。チアキも、それを否定するつもりはない。自分がノブユキへの思いを止められないように、ケイも、自分の在り方を変えられないのも想像できた。
 ただ――彼のように堂々と、自分自身の恋を肯定することは、チアキには少し難しく感じられた。
「……おれは、できたら、この力には頼りたくないよ。変身してると、自分が自分じゃないみたいで……暴走する気持ちに飲み込まれそうで、怖いし」
 思い出すのは、初めて変身したときのことだ。自分で自分が抑えられず、ノブユキに言い寄ったうえに、嫉妬にかられて他の闇の魔法使いたちを攻撃しまくった。自分の中にあんな凶暴性があると思うと恐ろしい心地がする。
 それに、遊園地のときだって、ノブユキの友人らに勝手に嫉妬して、暴走してしまいそうになり逃げ出した。
 闇の魔法使いとして目覚めて以降、以前よりも自分をコントロールできなくなっている気がするのだと告げると、ケイはピンときていない様子であった。
「そーか? オレ、変身してもいつもと変わんねェけどな……」
「それは……、おまえが、普段からちょっとアレだからじゃ……?」
「ふはっ、ひっで~! まあ、たしかに言えてるけどよ!」
「あっ、ご、ごめん。悪口のつもりは……」
「わかってるよ! 犯罪だってわかっててストーカーやめられねえとか、トんじまってる自覚はあるし。それに、八雲は他のやつと違って、馬鹿にしたりビビったりしてる感じしねえもん」
 そう、明るく答えたあと、ケイはふむ……と考える素振りを見せる。
「そーいや前にボスが、闇の魔法は心の力だから、心を暴走させるほど強くなる……みたいなこと言ってたんだよな。オレと八雲の違いも関係あったりして」
「心の力……ってことは、おれと、阿神の気持ちの違いが……変身後に現れてるってことか……?」
「そそ! 変身中が暴走状態だとしたら、オレは普段から好き勝手してるから慣れてるけど、八雲は普段我慢してるぶん暴走が激しい……とか? ほら、よく言うじゃん、普段おとなしい奴ほどキレるとヤベーって」
「別にキレてるわけじゃないけど……そうか、一理ある、のか……?」
 闇の魔法については、チアキも、ケイもわからない部分が多い。ボスは多くを語ろうとしないし、彼らよりは深い知識があるらしいタイチもボスの意向を汲んでか、必要最低限のことしか教えてくれないからだ。
「阿神は、おれより長くヤンデリオにいるんだろ。なにか知らないのか?」
「いや……、オレ、バイト感覚っつーか……ほら、バイト代の代わりにこんなすげー力使えるなら、何させられててもいいかなって。ボスって、下手に口答えとかしたら何するかわかんねー怖さがあるしよ。だから……言われたことをやってただけで、仕組みとかはあんまり……」
「お、おまえな……」
 結局、推測を重ねてもわからないものはわからない、と言うことになり、その話は一旦終わりになった。あまり深くを考えないケイの態度にチアキは呆れたおし、警戒心を解くどころか、わけもわからずボスに使われている者同士の妙な連帯感さえ感じるようになっていた。

 暗くなった空気を切り替えるかのように、ケイが明るい声を出す。
「……ま、真面目な話はこのへんにして! そろそろ本題に行こーぜっ」
「え? 本題?」
「だから、おまえのデートの話! そもそも、それが聞きたくて集まることにしたんだからさ!」
「あ、そ、そういやそうだったな……。おまえの話が色々衝撃的で忘れかけたけど……」
「なあなあっ、なんか進展あった!? ときめきイベント的なの起きちゃったり!?」
「しないよ!! 先輩がおれなんかを意識してくれるわけないだろ!? そもそもデートじゃなくて、ただ、友達として遊びに行っただけだし……!」
 はやし立てるケイを睨んでこそいたが、チアキもまんざらでもなさそうだ。恥じらいで顔を真っ赤にしつつ、ぼそぼそと、一昨日のあらましを口にする。
「その……ほんとに普通に、一緒に遊んだだけなんだって。先輩の案内で、園内回って……お花を見たり、アトラクション乗ったり……」
「おおーっ! 王道デートっぽいじゃん!?」
「だから違うって!! そもそも、と、途中でトラブルもあったし」
「トラブル?」
「その……、途中で、先輩のお友達? らしい人とばったり会って……それ見てたら、おれの力が暴走しそうになっちゃって。ヤバいと思ってトイレ行くふりして逃げたら、欲望の竜ジャネープまで現れるし」
「うぇえっ!? マジかよ、一昨日は出撃命令なかったハズだぜ!? まさか……ボス自ら出たのか!?」
 驚いて目を丸くしているところを見るに、どうやら、あの件はケイとは無関係らしかった。情報を流されたのではなかったことに、チアキは密かに安堵する。
「いや……先生の仕業だった。っていうか、出撃命令って何だ? そんなのあるの?」
「おう、オレはこの力に目覚めてすぐ、ボスにジャネープの呼び出し方教えてもらって……今後も力を使いたいならボスの指示した日にジャネープ生み出して来いって言われたぜ。おまえは違うの?」
「……知らないな。そもそも、あんな先輩を傷付けるような怪物、何があっても作りたくないし」
「あ~そっか、八雲は魔法少女……晶水センパイの対応専門業務? 的な感じ?」
「そんな、バイトみたいな言い方するなよ……」
 ケイの妙に軽いノリに呆れていると、彼は、きょとんとした顔で言う。
「似たようなモンだろ? ヤンデリオとして仕事して、給料の代わりに闇の魔法使えるんだもん。シフト表みたいな感じで出撃命令の指示があってさ~、今まではオレと先生で、それぞれ都合つく日にやるようにしてたんだけど……なんで先生は何もない日に……?」
「そんなの、こっちが知りたいよ!! いろいろ大変だったんだぞ。先輩を助けるために仕方なく変身したら、なんか、サファイアとかいう魔法使い? のおっさんも出てくるし……そいつと先生が滅茶苦茶に戦うし!」
「うっわ、おまえよく無事だったな!?」
 ノブユキの――魔法少女の仲間だという、『フェアリーサファイア』を名乗る特撮ヒーロースタイルの男の名を出せば、ケイは露骨に驚いた顔を見せた。
「あの人、先生のカレシだか元カレだか……らしいぜ。会うたびに修羅場ってて、なんかヤベー空気なんだよ。先生キレると怖ぇし、なにも教えてくれないから、詳しくは知らねえんだけど……」
「ああ……なんか、戦いながらそんな話をしてた気がする……」
 タイチの口からはっきりと『恋人』という言葉を聞いた気がするし、サファイアという男性の発言からしても、二人が恋仲なのは間違いなさそうだ。なぜ、敵味方に別れて戦い合っているのかまではわからないが。
 戦いの記憶を思い出しつつ、チアキは続ける。
「……よくわかんないけど、乱戦になりかけたところで、そのサファイアっておっさんが逃してくれてさ。おかげで、一人でジャネープ退治してる先輩のとこに駆けつけられたんだ。邪魔されたのは最悪だったけど……先輩と共闘できたのは、ちょっと、良かったかも」
 闇の魔法使い・ジェラシィとしての初対面は、チアキが暴走しまくったおかげで最悪の印象だったようだが、今回の共闘で少しは評価を覆せたように思われた。『ストーカー』呼びから『ジェラシィ』と名を呼んでもらえるまでに格上げしたのだ。ジェラシィとしての告白はきっぱりと断られてしまったし、ストーカー行為は許容できない、とも言われてしまっていたが。
「おおっ!! それってすげー進歩じゃん!? 変身したおまえとしても、センパイ……つか魔法少女と接点できたわけだろ!」
「う、うん。……なぁ、ちなみにこれって……色々と大丈夫だよな? 別にボスとか先生から、『ジャネープを倒すな』って言われたわけでもないし……」
「大丈夫じゃね~? てか、ヤバかったらボスがなんか言ってくるだろ。ジャネープは『生み出すことに意味がある』……魔法少女に浄化されるのも織り込み済み、って、前に聞いたことあるし」
 ケイの言葉を受け、チアキは、ふと思い至った疑問を口にする。
「そもそもなんなんだ、あのジャネープって? 見た目は……ゲームとかに出てくるドラゴンみたいだけど……」
「それも聞いてねえの!? えっとぉ……なんだったかなぁ。オレもちゃんとわかってるわけじゃねーんだけど。ボスが言うには、たしか――」
 ケイは記憶を探るように遠くを見つめ、ボスの威圧的な口調を真似て言う。
「『――ジャネープ。それは、欲望の具現化。人々の邪念が、願いが、あるいは希望が、闇の魔法により形を与えられたもの。人々の抑圧された欲望が、竜となってその願いを発散するとき、生まれる闇のエナジーが大いなる闇の神を目覚めさせる』……とかなんとか?」
「闇の神……。そいつの力が、おれたちの闇の魔法なんだよな」
「そーそー。だから、ジャネープ生み出して暴れさせて、パワー貯めて、封印されてる闇の神様が復活したらオレたちもパワーアップ! みたいな話だろ、たぶん?」
 チアキよりは闇の魔法使い歴が長いケイも、知識に関してはあまりアテにならなさそうだ。完全に、この、細かいことを気にしない雑な性格のせいである。
「……ま、難しいことはさておき、デートの邪魔されたらその邪魔者をやっつけちまうのは当然なんじゃね!? 仕方ねえって!!」
「仕方ないって……、おまえ、ホントにお気楽だよな……?」
「前向き思考が取り柄ですから~♪ ……そんでそんで? ジャネープ倒したあとはどうなったんだよっ」
 ケイの言葉に、話題が脱線していたのに気付いたチアキは、改めて一昨日の記憶を思い出した。あのあとは――そう、闇の魔法使いジェラシィとしても少しだけ心の距離を縮めて、それから。

 ノブユキの熱烈な言葉の数々と、二人で行ったバラ園の迷路を思い出し、チアキの頬が真っ赤に染まる。
「……お? どーした、八雲?」
「あ、あ、あれは……っ、その、違うって……! デートじゃないっ、まだデートじゃないっ!! 思い上がるなっての、おれ……!!」
「うおお!? ま、マジでどうした?」
 うっかり自惚れそうになるほどのときめき体験は、思い返すだけでも、チアキから冷静さを奪うものだった。なんなら思い出補正で実際以上にノブユキがイケメンに見えていたりする。

 チアキの脳裏によぎるのは、ジャネープを倒して、ノブユキと合流しなおした後の出来事。彼は、嫉妬に駆られて突然立ち去ったチアキを責めることもなく、むしろその身を案じてくれた。一緒に過ごせて楽しいのだと思いやりに満ちた言葉をかけてくれて、最後は、二人でバラ園の迷路にチャレンジして。最後にはカップル御用達の縁結びフォトスポットで、がっつり手を握ってのツーショットを――。

『……八雲。もしよければ、このあと……ゴールで一緒に写真を撮ってくれないか? 今日の記念にしたいんだ』
『愛の形は、なにも恋愛に限らない。縁結びだってそうだと思う。俺は……どんな形でもいい。八雲と親しくなって、これからも、仲良くできたら嬉しいと思っている』
『変だなんて、俺が言わせない。八雲のことを嗤うような不躾な奴がいたら、直接説教をしてやる。だから、他人の目なんて気にせず、おまえの好きなことを選んでほしい。……あ、いや、俺と写真を撮るのが嫌なら、そうだと言ってくれれば諦めるが……!』
 男同士で、しかも、想い人であるノブユキと写真を撮ったら、彼が嘲笑われてしまうのではないか。そんな不安から躊躇したチアキに、彼は、真っ直ぐ目を見つめて本心を語ってくれた。チアキとの記念が欲しいのだと言ってくれた。思い出すだけでも胸が熱くなる。
(それに……ばったり会った女の子たちは恋人じゃない、みたいだし。もしかしたらお世辞かもだけど、おれといるのが楽しいって言ってくれたし……! あんなに優しくされたら、おれ、期待しちゃうよ……。俺みたいなキモデブ男じゃ、先輩に不釣り合いだってわかってるのに。誤解……したくなっちゃうよ……)
 スマホのホーム画面にしようか迷った末に「他の誰にも見られたくない」と鍵付きフォルダにしまい込むことにしたツーショットを眺めて、チアキは、画面上のノブユキを指でなぞる。
 なお、チアキが感じたものは誤解でもなんでもなく実際彼らは両思いなのだが、二人が不器用すぎてすれ違いまくるおかげで、この世の誰一人としてその事実を知らないままなのであった。

 完全に恋するオトメン全開なチアキを見て、ケイは、デートはうまく行ったようだとニンマリ笑う。もちろん、スマホを覗き込むような野暮はしない。ヤンデレ同士、「自分だけが見ていたい好きな人の姿」があることくらいは容易に想像できたからだ。
 ケイが、ここまでチアキの恋路を気にする理由はいくつかあった。一つは、自分は想い人のファン兼ストーカーでいれればいいという一風変わった恋愛観を持つ彼は、自分と違って成就する可能性のある他者の恋バナに飢えていたこと。もう一つが、同い年で闇の魔法使いになってしまったチアキへの親近感。そして最後の一つ、もっとも大きな理由は――。
(つか……、この前の、倒れた八雲を運んでた晶水センパイの顔! あれ、ぜってー八雲に気があるカンジだったって!! 傍から見たら初々しいカップルみてーな空気なのに、なんで気づかねえかなあ二人とも……!?)
 ――単純に、チアキとノブユキのすれ違い両思いを察知して、側で見ているのがもどかしくなっているせいなのであった。
(ううん……でもなぁ。オレが人の恋路にどうこう言えたもんじゃねーし……もしオレの勘違いだったら、八雲が可哀想だもんな……。やっぱ、もうちょい様子見て……もし予想通りに二人がすれ違ってんなら、オレがキューピッドになれば良いんじゃね!?)
 そんなわけでここにお節介キューピッドが爆誕していたのだが、チアキは、未だそれに気付いていないのであった。
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