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「……おはよう、旦那様♡」
「うわぁあああッッ!?」
――翌朝。コーマは、強面ガチムチ部族オッサン……つまりはネオに、超至近距離から呼ばれて目を覚ました。
眼前にはムッチムチのデカパイ……もとい大胸筋を惜しげもなく見せつけ、妖艶に笑うガチムチ部族妻。逞しく男らしい見た目に違わぬスパダリオーラをまとい、コーマの頭を優しく撫でている。
眠気は一気に吹き飛んでいた。
「すまぬ、昨晩は儂も少し、張り切りすぎてしまったようだ……。体はつらくないか?」
「あ゛あ゛あ゛あ゛逆だ逆ッ!! 何もかも逆ッ!! それは僕が! 旦那が言うべきセリフ!!」
ロマンス小説を愛読するコーマが憧れていた、『可愛い新妻を心配する新婚初夜のスパダリムーブ』を天然でやってしまうネオに、朝からツッコミが冴え渡る。
男とはいえ、ガチムチとはいえ、屈強部族系おっさんとはいえ。いくらなんでも新妻が雄々しすぎる。あんなドスケベなケツマン野郎だったのに。
わあわあとにぎやかなコーマを見て、ネオは豪快な笑い声を上げる。
「わっはっは!! 細かいことは良いではないか♡ ま、正真正銘の童貞ボウズが、この儂の相手をしたのだからな♡ 気をやってしまうのも仕方あるまい♡」
「そ、それを言うなぁあ……!!」
初夜で夫が妻より先に寝る――というかこの場合は快楽のあまり気絶したのだが――というのは、男としてのプライドに関わる問題だった。
コーマは顔を真っ赤にして怒っている。
しばらく楽しげにコーマを見ていたネオだったが、ふと、その表情を引き締めて。戦士としての風格に溢れた笑みで問う。
「……して、コーマ殿よ。我が伴侶、我が夫として、儂に愛される覚悟はできたかな?」
「ッッ……!!」
低く甘い声で囁かれ、ボッ、とコーマの顔が赤く染まる。
ほとんど逆ギレと言っていい勢いで、彼は言う。
「……馬鹿にするなよ、ネオ・ラ・コヴィッチ!! たしかに貴様は僕の理想とは真逆の、どうしようもなく助平な変態筋肉オヤジだが! しかし! 名実ともに夫々になった以上は、責任をもって貴様を溺愛してやろうじゃないか!!」
「…………んん?」
――今、コーマは、ネオの戸籍上の夫となった男は、なんと言った?
ネオが首を傾げれば、怒涛の勢いでコーマは語りだす。
「僕は自分で言うのもなんだが一途なんだ! 契りを交わして……僕の貞操を捧げたからには、貴様を我が妻と認めて溺愛するしかないだろう!?」
「そ、そういうものなのか?」
「そういうものだっ!!」
有無を言わせぬ口調は、単に、貞操を奪われた当てつけというわけでもなさそうだ。
当初よりも気安い態度には、ネオに対して芽生えてしまった情が滲み出ている。
「っ、だから……貴様も、ほ、他の男に目移りすることは許さんぞ……。貴様がどうしようもなく助平な遊び人なのはよ~くわかったが、僕は、妻の浮気や不貞を許せる男ではない。僕が生涯をかけて貴様を溺愛するので、あまり……他の男と、ああいったことはしないでくれると……嬉しい……」
「コーマ殿……」
顔を真っ赤にして告げられた言葉は、まるで、ネオに執着しているようで。想定以上に愛くるしい伴侶の姿に、ネオの顔にも笑みが浮かんでしまう。
「……ふふっ、くはははっ!! なんともいじらしいおねだりよな! そんなことをせずとも、儂の身も心ももはや、コーマ殿に捧げたものだというのに!」
「……なに?」
きょとんとした顔になるコーマに自愛の眼差しを向けながら、ネオは語る。コヴィッチ族の、家族と認めた者にしか話さぬ、門外不出の文化についてを。
「かわいい旦那様に教えてやろう。我らコヴィッチ族の男が乱交をしてチンポとマンコを鍛えるのはな、いずれ、夫々の契りを交わす相手のためなのだ」
「……は?」
「愛する伴侶を悦ばせるため、スケベのテクニックを磨き、日々精進する! そして結婚した暁には、その手練手管は全て愛するたった一人にのみ注がれる!! それこそが、我らコヴィッチの掟なのだ! ……まあ、セラワカ王国の常識からすれば奔放に思えるかもしれん。だがな、これでも儂は、本命には一途な男だぞ?」
コーマの溺愛宣言に対抗するように、ニヤッと笑って告げられた言葉。それが嘘でないことは、ネオの表情から十分すぎるほどに伝わっていた。
「貴殿と婚姻を交わしたその日から、儂のおマンコはコーマ殿専用のオナホ穴♡ チンポは役立たずのお飾りとなったのだ♡ 儂の愛……受け取ってくれぬか。我が愛しき、唯一の夫。コーマよ……♡♡」
「ッッ~~~~!?」
耳元で、蠱惑的な声でぼそりと囁かれれば――昨晩まで童貞だったコーマが耐えられるはずもなく。
顔を茹で蛸のように真っ赤にして、必死になった叫びが響き渡る。
「ここここここのっ、は、破廉恥筋肉オヤジっ!! 朝っぱらからどうしてそう貴様は卑猥なんだ!! もう少し普通に言えないのか!?」
「と……言われてもなあ。これか儂の普通であったわけだし……」
「普通にしていて破廉恥なのか貴様は!?」
コーマがウブすぎる、という問題もあるだろうが、ネオがまぁまぁ破廉恥なのも事実である。この件に関しては平行線だ。
羞恥に顔を真っ赤にして、ツッコミのあまりキレ散らかすコーマであったが――しばらくすれば気持ちの整理がついたようだ。
覚悟を決めたような、妙にギラついた眼差しで、ネオを睨みながら高らかに宣言する。
「……くそ、こうなったら覚悟しろよ、ネオ・ラ・コヴィッチ!! 僕は貴様を溺愛し、ロマンティックのなんたるかを教え込み、その破廉恥言動を改めさせ、僕にふさわしい可憐で清純な妻になってもらうからな……!!」
「!! それはそれは……今後が楽しみだ♡ 儂もた~っぷりと愛を注いでみせよう、どちらの愛が勝るか、勝負といこうではないか!」
「の、望むところだッ!!」
初夜の最初に「愛することはない」などと宣言していたはずのノンケ男が、なぜだかガチムチ部族妻に溺愛宣言をしているこの状況。
すべてがネオの思惑通り、というわけではないものの、時に父のような懐の広さで、時に娼夫のような淫猥さで、コーマの若々しい反発を丸め込んでしまったのは間違いない。
――こうして、童貞を奪われたうえに見事に言いくるめられたコーマは、半ば意地としてネオを溺愛するようになる。
憎まれ口を叩きながらもカラダはすっかりネオの虜であり、また、素直でクソチョロい恋愛脳である彼が、本気でネオを溺愛するようになるのはあっと言う間であった。
ネオにとっての誤算は、コーマが、本気で愛した相手にしつこいほど執着するタイプだったことだろう。
冗談だと思っていた『溺愛』――ロマンス小説を教科書にしたそれは、ネオからすると子供の懸命な求愛に見えてたいそう愛らしかった――を実行してみせる様にますます惚れ込み、夜の営みは捗りまくった。
セラワカ王国の貴族には、当初のコーマのようにコヴィッチ族を蛮族だと見下す者も多くいた。
二人の屋敷の使用人、コーマの実家であるマンチーキ公爵家から連れてきた者たちでさえ、ネオのことを『蛮族出身の行き遅れ男だ』と侮っていたくらいなのだから。
もしも、二人の初夜が完遂されていなければ、使用人たちはネオを冷遇していたことだろう。いくらコーマが表面を整えようとしても、その心がネオに無いと思われてしまえば、家臣は余所者であるネオを排除しようとしていたはずだ。
そんなことになろうとも、メンタルも屈強な戦士であるネオは気にしなかったかもしれないが――コヴィッチ族の面子を保つため、セラワカ王国に報復していた可能性は十分にある。
また、かなりの美形であるコーマには、恋慕を向ける者が多かった。
二人が意図せずラブラブカップル街道を爆走している今ですら、そもそもが王命による政略結婚であることすら忘れて、新妻のネオを悪しきざまに言う者は途切れないのだ。
コーマは溺愛宣言の通り、ネオを馬鹿にする相手を完膚なきまでに言葉で叩きのめし、己の最愛はこのドスケベガチムチ部族おっさんなのだと示しまくった。
『行き遅れの蛮族が、コーマ様に侍ってみっともない』などと揶揄されれば、『あいにく、彼に侍っているのは僕の方さ。恋の奴隷になってしまったのでね』とネオの腕を引き。
『あんな筋肉ダルマの中年よりも、若い娘と抱き合いたいだろう』と誘惑されれば、『僕が愛するのは我が妻、ネオだけだ!』と激昂し。
『そんな醜男では勃つものも勃たぬだろう』などと馬鹿にされれば、『は? こちとらネオのムチムチ雄っぱいボディじゃないと勃起しない身体に調教されたが??』と本音混じりに逆ギレし……。
そうこうしているうちに、二人が相思相愛であることが広まっていき、余計なちょっかいを出すものは減っていった。
社交で向けられる悪意など、歴戦の勇士であるネオにとってはどれもこれも相手にする必要もない程度の細やかなものでしかなかったのだが、そんなことは関係なくネオを守ろうとする夫の姿にますます惚れていった。
二人はいつしか、セラワカ王国の社交界に知らぬ者はいないほどのおしどり夫々となり。セラワカとコヴィッチ族との友好の架け橋として、大いにその役目を果たしたのであった……。
「うわぁあああッッ!?」
――翌朝。コーマは、強面ガチムチ部族オッサン……つまりはネオに、超至近距離から呼ばれて目を覚ました。
眼前にはムッチムチのデカパイ……もとい大胸筋を惜しげもなく見せつけ、妖艶に笑うガチムチ部族妻。逞しく男らしい見た目に違わぬスパダリオーラをまとい、コーマの頭を優しく撫でている。
眠気は一気に吹き飛んでいた。
「すまぬ、昨晩は儂も少し、張り切りすぎてしまったようだ……。体はつらくないか?」
「あ゛あ゛あ゛あ゛逆だ逆ッ!! 何もかも逆ッ!! それは僕が! 旦那が言うべきセリフ!!」
ロマンス小説を愛読するコーマが憧れていた、『可愛い新妻を心配する新婚初夜のスパダリムーブ』を天然でやってしまうネオに、朝からツッコミが冴え渡る。
男とはいえ、ガチムチとはいえ、屈強部族系おっさんとはいえ。いくらなんでも新妻が雄々しすぎる。あんなドスケベなケツマン野郎だったのに。
わあわあとにぎやかなコーマを見て、ネオは豪快な笑い声を上げる。
「わっはっは!! 細かいことは良いではないか♡ ま、正真正銘の童貞ボウズが、この儂の相手をしたのだからな♡ 気をやってしまうのも仕方あるまい♡」
「そ、それを言うなぁあ……!!」
初夜で夫が妻より先に寝る――というかこの場合は快楽のあまり気絶したのだが――というのは、男としてのプライドに関わる問題だった。
コーマは顔を真っ赤にして怒っている。
しばらく楽しげにコーマを見ていたネオだったが、ふと、その表情を引き締めて。戦士としての風格に溢れた笑みで問う。
「……して、コーマ殿よ。我が伴侶、我が夫として、儂に愛される覚悟はできたかな?」
「ッッ……!!」
低く甘い声で囁かれ、ボッ、とコーマの顔が赤く染まる。
ほとんど逆ギレと言っていい勢いで、彼は言う。
「……馬鹿にするなよ、ネオ・ラ・コヴィッチ!! たしかに貴様は僕の理想とは真逆の、どうしようもなく助平な変態筋肉オヤジだが! しかし! 名実ともに夫々になった以上は、責任をもって貴様を溺愛してやろうじゃないか!!」
「…………んん?」
――今、コーマは、ネオの戸籍上の夫となった男は、なんと言った?
ネオが首を傾げれば、怒涛の勢いでコーマは語りだす。
「僕は自分で言うのもなんだが一途なんだ! 契りを交わして……僕の貞操を捧げたからには、貴様を我が妻と認めて溺愛するしかないだろう!?」
「そ、そういうものなのか?」
「そういうものだっ!!」
有無を言わせぬ口調は、単に、貞操を奪われた当てつけというわけでもなさそうだ。
当初よりも気安い態度には、ネオに対して芽生えてしまった情が滲み出ている。
「っ、だから……貴様も、ほ、他の男に目移りすることは許さんぞ……。貴様がどうしようもなく助平な遊び人なのはよ~くわかったが、僕は、妻の浮気や不貞を許せる男ではない。僕が生涯をかけて貴様を溺愛するので、あまり……他の男と、ああいったことはしないでくれると……嬉しい……」
「コーマ殿……」
顔を真っ赤にして告げられた言葉は、まるで、ネオに執着しているようで。想定以上に愛くるしい伴侶の姿に、ネオの顔にも笑みが浮かんでしまう。
「……ふふっ、くはははっ!! なんともいじらしいおねだりよな! そんなことをせずとも、儂の身も心ももはや、コーマ殿に捧げたものだというのに!」
「……なに?」
きょとんとした顔になるコーマに自愛の眼差しを向けながら、ネオは語る。コヴィッチ族の、家族と認めた者にしか話さぬ、門外不出の文化についてを。
「かわいい旦那様に教えてやろう。我らコヴィッチ族の男が乱交をしてチンポとマンコを鍛えるのはな、いずれ、夫々の契りを交わす相手のためなのだ」
「……は?」
「愛する伴侶を悦ばせるため、スケベのテクニックを磨き、日々精進する! そして結婚した暁には、その手練手管は全て愛するたった一人にのみ注がれる!! それこそが、我らコヴィッチの掟なのだ! ……まあ、セラワカ王国の常識からすれば奔放に思えるかもしれん。だがな、これでも儂は、本命には一途な男だぞ?」
コーマの溺愛宣言に対抗するように、ニヤッと笑って告げられた言葉。それが嘘でないことは、ネオの表情から十分すぎるほどに伝わっていた。
「貴殿と婚姻を交わしたその日から、儂のおマンコはコーマ殿専用のオナホ穴♡ チンポは役立たずのお飾りとなったのだ♡ 儂の愛……受け取ってくれぬか。我が愛しき、唯一の夫。コーマよ……♡♡」
「ッッ~~~~!?」
耳元で、蠱惑的な声でぼそりと囁かれれば――昨晩まで童貞だったコーマが耐えられるはずもなく。
顔を茹で蛸のように真っ赤にして、必死になった叫びが響き渡る。
「ここここここのっ、は、破廉恥筋肉オヤジっ!! 朝っぱらからどうしてそう貴様は卑猥なんだ!! もう少し普通に言えないのか!?」
「と……言われてもなあ。これか儂の普通であったわけだし……」
「普通にしていて破廉恥なのか貴様は!?」
コーマがウブすぎる、という問題もあるだろうが、ネオがまぁまぁ破廉恥なのも事実である。この件に関しては平行線だ。
羞恥に顔を真っ赤にして、ツッコミのあまりキレ散らかすコーマであったが――しばらくすれば気持ちの整理がついたようだ。
覚悟を決めたような、妙にギラついた眼差しで、ネオを睨みながら高らかに宣言する。
「……くそ、こうなったら覚悟しろよ、ネオ・ラ・コヴィッチ!! 僕は貴様を溺愛し、ロマンティックのなんたるかを教え込み、その破廉恥言動を改めさせ、僕にふさわしい可憐で清純な妻になってもらうからな……!!」
「!! それはそれは……今後が楽しみだ♡ 儂もた~っぷりと愛を注いでみせよう、どちらの愛が勝るか、勝負といこうではないか!」
「の、望むところだッ!!」
初夜の最初に「愛することはない」などと宣言していたはずのノンケ男が、なぜだかガチムチ部族妻に溺愛宣言をしているこの状況。
すべてがネオの思惑通り、というわけではないものの、時に父のような懐の広さで、時に娼夫のような淫猥さで、コーマの若々しい反発を丸め込んでしまったのは間違いない。
――こうして、童貞を奪われたうえに見事に言いくるめられたコーマは、半ば意地としてネオを溺愛するようになる。
憎まれ口を叩きながらもカラダはすっかりネオの虜であり、また、素直でクソチョロい恋愛脳である彼が、本気でネオを溺愛するようになるのはあっと言う間であった。
ネオにとっての誤算は、コーマが、本気で愛した相手にしつこいほど執着するタイプだったことだろう。
冗談だと思っていた『溺愛』――ロマンス小説を教科書にしたそれは、ネオからすると子供の懸命な求愛に見えてたいそう愛らしかった――を実行してみせる様にますます惚れ込み、夜の営みは捗りまくった。
セラワカ王国の貴族には、当初のコーマのようにコヴィッチ族を蛮族だと見下す者も多くいた。
二人の屋敷の使用人、コーマの実家であるマンチーキ公爵家から連れてきた者たちでさえ、ネオのことを『蛮族出身の行き遅れ男だ』と侮っていたくらいなのだから。
もしも、二人の初夜が完遂されていなければ、使用人たちはネオを冷遇していたことだろう。いくらコーマが表面を整えようとしても、その心がネオに無いと思われてしまえば、家臣は余所者であるネオを排除しようとしていたはずだ。
そんなことになろうとも、メンタルも屈強な戦士であるネオは気にしなかったかもしれないが――コヴィッチ族の面子を保つため、セラワカ王国に報復していた可能性は十分にある。
また、かなりの美形であるコーマには、恋慕を向ける者が多かった。
二人が意図せずラブラブカップル街道を爆走している今ですら、そもそもが王命による政略結婚であることすら忘れて、新妻のネオを悪しきざまに言う者は途切れないのだ。
コーマは溺愛宣言の通り、ネオを馬鹿にする相手を完膚なきまでに言葉で叩きのめし、己の最愛はこのドスケベガチムチ部族おっさんなのだと示しまくった。
『行き遅れの蛮族が、コーマ様に侍ってみっともない』などと揶揄されれば、『あいにく、彼に侍っているのは僕の方さ。恋の奴隷になってしまったのでね』とネオの腕を引き。
『あんな筋肉ダルマの中年よりも、若い娘と抱き合いたいだろう』と誘惑されれば、『僕が愛するのは我が妻、ネオだけだ!』と激昂し。
『そんな醜男では勃つものも勃たぬだろう』などと馬鹿にされれば、『は? こちとらネオのムチムチ雄っぱいボディじゃないと勃起しない身体に調教されたが??』と本音混じりに逆ギレし……。
そうこうしているうちに、二人が相思相愛であることが広まっていき、余計なちょっかいを出すものは減っていった。
社交で向けられる悪意など、歴戦の勇士であるネオにとってはどれもこれも相手にする必要もない程度の細やかなものでしかなかったのだが、そんなことは関係なくネオを守ろうとする夫の姿にますます惚れていった。
二人はいつしか、セラワカ王国の社交界に知らぬ者はいないほどのおしどり夫々となり。セラワカとコヴィッチ族との友好の架け橋として、大いにその役目を果たしたのであった……。
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