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ブラックアウト★ヒーロー
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今よりほんの少しだけ未来の世界――宇宙より飛来した悪の侵略者「宇宙帝国」と、それらから地球を守る正義の超能力者「ヒーロー」が戦う世界にて。
とある一人の新人ヒーローが、悪の幹部に恋をした。
「大丈夫ですか!? 今、オレが助けます!! ……能力発動、肉体鋼化!!」
宇宙帝国に襲われ、瓦礫に埋もれた人々のもとに、一人のヒーローが駆けつけた。逆立てた銀髪、銀色に赤のラインが走ったピッチリノースリーブのヒーロースーツ、赤いヒーローゴーグルの下の瞳は星のような輝きを抱いている。誰が見てもヒーローらしい、爽やかなガチムチイケメン。肉体を鋼にする超能力者、ヒーロー『ジャスティスメタル』その人である。
ジャスティスは、鋼に変質させた体を使い、瓦礫を軽々と砕いて民間人を救出する。
「ここは危険ですから、急いであちらへ!! ヒーロー候補生たちが避難所まで護衛します!! 宇宙帝国は、かならずオレが倒しますから!!」
正義感に満ちたその言葉に、人々からわあっと歓声が上がる。そのときだ。
「ほほう? 随分と自信満々じゃねェか、雑魚野郎のくせによぉ!!」
「貴様……、卑劣軍曹・マゾノー!! この惨状はおまえの仕業か!?」
上空から届いた声の主は、下品な髭面とピアスまみれの顔面の中年男。ド派手なピンク色の髪をツーブロックにしている軍服の彼こそ、宇宙帝国の幹部が一人。卑劣軍曹マゾノーである。
「やったのは俺様じゃなくて部下だけどなァ。俺様は忙しいンだよ、今日も現場に顔ださねえと総統に叱られるから仕方なく来ただけだっつーの。……っつーわけだ、怪人どもォ! 俺様の代わりにジャスティスメタルと遊んでやりな!」
「ぐっ、また逃げるのか!? 待てっ、卑怯だぞマゾノー!!」
彼が軽く指を鳴らすと、その姿は一瞬で消えてしまう。代わりに現れたのは怪人――宇宙帝国に所属する異星人だ。さっそく破壊行動をしようとする怪人に、慌てて、ジャスティスメタルは立ち向かっていった……。
こうして見ると、彼はありふれたヒーローのように見えるが、それは表向きの一面でしかない。彼自身のあけっぴろげな性格のせいで今や地球中に知れ渡っている事実なのだが――ジャスティスメタルは、露出狂なのだ。しかも卑劣軍曹マゾノーに恋をしている。
どこから説明してよいやら、という話ではあるが、事の発端は二人がはじめて戦った日のことだ。
ジャスティスメタルは、マゾノーの罠にハマってしまい、人質にされた人間を守るため全裸土下座を強要された。普通はそれで心が折れそうなものだが、ジャスティスはよりにもよって、それをきっかけに露出性癖に目覚めてしまったのだ。しかも敵であるマゾノーの容赦ない言葉責めに惚れてしまい、後日、責任をとってくれとマゾノーのアジトに突撃したのである。全裸で。
なんやかんやでジャスティスは童貞をマゾノーに奪われ、ますますその恋慕と執着を深めたのだが、マゾノーは想像以上に変態性欲を高ぶらせるジャスティスメタルにドン引きだった。決死の求愛をはじめたジャスティスメタルと、捕まったら最後ヤり殺されそうだからと逃げ惑うマゾノーとの対決の始まりである。
今や彼ら二人の鬼ごっこは世間でもお馴染みの光景となりつつあり、新進気鋭の爽やかイケメンヒーローだったジャスティスの評価は「顔だけはいいアホの子な変態野郎」、元々品性下劣な卑怯者として嫌われていたマゾノーは「あの爽やかでピュアだったジャスティスメタルをおかしくした戦犯」として妙な方向で知名度を高めている。
……これはそんなふざけたヒーローと悪の幹部の、とある一日の物語である!!
*
「っ……、ここ、は……?」
正義のヒーロー、ジャスティスメタルが目を覚ましたのは、古びた廃倉庫の中であった。と言っても、ジャスティス自身はここがどんな場所なのか見当もついていない。何故ならば彼の両目は布で覆われ、さらには両手両足も鎖で壁に繋がれており、視界も体の自由も奪われてしまっているからだ。
(オレはたしか……宇宙帝国の襲撃を撃退して。変身を解いて家に帰る途中で……そうだ、何者かに、背後から襲われて……! まさか敵の攻撃か!?)
ジャスティスメタルは自身の記憶をさかのぼり、己が拐われたのは、おそらく戦闘直後だろうと推測した。街を襲ってきた宇宙帝国の怪人を撃退し、油断していたところを何者かに襲われ、気絶させられて運び込まれたらしい。
ヒーローという立場上、こういったことは初めてではないためか、視界が奪われている割には冷静だ。鎖のせいで大きく動くことこそできないが、手足の感覚や音を頼りに、己が置かれた状況を的確に判断する。
(変身ベルトは奪われている、つまりヒーロー能力は使えない……。そ、それどころか、この肌の感覚からすると……今の俺は、間違いなく全裸だ!!)
そう気づいてしまった瞬間――ぞくりとした痺れにも似た感覚が、ジャスティスメタルに駆け巡る。背徳感と恥辱による甘い感覚。いけないことだとわかっていながら、ジャスティスのソコは激しく反応を示している。
(こ、興奮している場合ではないとわかっているが……、駄目だッッ♡♡ 敵に裸体を晒していたのだと思うと……♡♡ お、オレの情けない包茎チンポも♡ いつもはヒーロースーツの下に隠したドスケベ乳首も♡ 恥ずかしいトコロを全部、見られたのだと思うと……! あぁっ、隠せないのに勃起してしまうぅッ♡♡)
正義の味方としての罪悪感すら快感に変え、びくびくと体を震わせていると、ふいに嘲るような笑い声が響き渡った。
「……ギャハハッ!! この状況でチンポ硬くするとか、相変わらずの変態野郎だなァ? ジャスティスメタルさんよ」
「っ!! その声は……マゾノーか!!」
ハッとしたジャスティスメタルは、見えていないながらも声のする方へと顔を向ける。ニタニタと下品な笑みを浮かべて待つ男は、宇宙帝国幹部・卑劣軍曹マゾノー。ジャスティスメタルが露出に目覚めるきっかけを生み出した男であり、彼の童貞を奪った男でもあり、最近は変態として開き直ったジャスティスの求愛にドン引きしながら逃げ惑っていたはずの男である。
「マゾノー……、さてはオレをここに監禁したのもおまえの仕業か!?」
「お察しが良くて助かるぜ、露出狂ヒーローさん♡」
以前ジャスティスの絶倫チンポで死にかけたことなど無かったかのように、マゾノーは、あくまで強気なオラネコビッチらしい態度で笑っている。
その悠然とした様子に、はたと気付いた様子でジャスティスが言った。
「これはまさか……とうとうオレの露出趣味に付き合ってくれる覚悟ができたのか!? こういうやり方はちょっと仕事に支障が出るから今後は相談してほしいがその気持ち自体はとても嬉しいぞ!! とりあえず目隠しを外してくれないか!?」
「……ポジティブすぎねえかテメェ!? 作戦に決まってんだろォがよ!!」
「えっ?」
「いやこっちが『え?』だわボケッッ!!」
予想外の天然ボケ発言に、今日も今日もてマゾノーの怒号が冴え渡った。
「……いいか、状況理解できてねえテメェに教えてやる。今度こそテメェは俺様の奴隷になって、ご自慢の正義とやらを裏切るンだよ♡ これはそのための準備ってワケだ。お望み通り、露出願望は叶えてやるから感謝しろよォ♡」
「な、なに……!? 甘いぞマゾノー、オレの正義の魂とこの性癖はもはや切り離せないモノだ!! そう簡単に籠絡できると思うな!!」
「ツッコミどころしかねえが……いやいい、その自信もいつまで続くか見物だなァ♡」
いちいち付き合っていてはきりがないと判断し、なんとか己のペースを取り戻すと、マゾノーは言う。
「テメェ、こないだ言ってたよなァ? 『露出はしたいが不特定多数に下半身を見せつけるのは悪の極み、ヒーローである自分にそんなことはできない』とかよぉ」
「ああ、もちろんだ! だからオレはおまえと同意の上で法的にセーフな範囲での露出を……」
「はっ、それじゃあつまらねェだろ♡ そんなに正義とやらにこだわってんなら、当然、『悪の極み』な『不特定多数への露出行為』で興奮したりしねぇよなあ? んなとこ市民に見られたら、ヒーロー失格でクビになっちまうもんなぁ??」
「うぐっ、いや……その……!」
絶対に無い、とは言い切れない――どころかむしろ興奮してしまうであろう自身に気付いたのだろう。ジャスティスメタルは気まずそうに言葉を濁す。今だとばかりにマゾノーは畳み掛ける。
「……目隠しで見えねえだろうが、今、テメェの真ん前にはカメラが置いてあるんだよ。自称ヒーローの無様な痴態を全世界に配信するためになあ♡ テメェはヒーロー能力も封じられて、両手両足も壁に繋がれて動けねェ……今なら俺様のせいにして、全世界に向けて露出し放題だぜ♡ ま、おまえが本当に正義のヒーロー様ならこんなので興奮したりしねぇだろうが……」
そこで彼は言葉を止めると、指先でゆっくりと、ジャスティスメタルのチンポをなぞっていく。半勃ちだった巨根包茎チンポはムクムクと存在感を増していき、あっという間にフル勃起になってしまう。
「ッ……!?」
「どうやらテメェはヒーローじゃなく、ただの露出狂の変態みてぇだなぁ?? 今の言葉だけでチンポビンビンにして、我慢汁どぱどぱ出しちまってるんだからよ♡♡」
「ひ、あァッッ♡♡」
嘲り笑いと共に、マゾノーが亀頭をぐりぐりと抑えつけた。包皮に隠されたそこは、溢れたカウパーとチンカスでべとついて、ネチョネチョと卑猥な音を立てている。
たまらず喘ぎ声を上げるジャスティスメタルからは、既に抵抗の意思は失われていた。
「ほーれほれ♡ チンポ虐めてやるから頑張れよ♡♡ ヒーロー様ならこんな恥ずかしいことされてイッたりしねぇよなぁ??」
「いっ、意地が悪いぞ、マゾノー♡♡ こ、こんなのぉ♡♡ はひ♡ 駄目だってぇえ……♡♡」
口でこそ駄目だと言っているものの、彼の腰は快楽を求めてカクカクと動き、誰がどう見ても陥落寸前の様である。マゾノーはちらりと、カメラと繋いでいるPC画面――今まさにジャスティスメタルの痴態を配信している画面を覗き込んだ。BAN対策のため、アダルト系の配信プラットフォームを選んだおかげか、リアルタイムで書き込まれてくる視聴者からのコメントは下衆なもので溢れている。
「ふはッ、配信見てンのも変態野郎ばっかみてェだぞ♡ ええと……『ジャスティスくんチンポかわいいね♡』『モロ感で草』『ジャスティスメタルには失望しました、マゾノーのファン辞めます』……最後のはなんでだよ!?」
「あ、ぁあ……、違……っ♡ 違うんだ、み、みんなぁ……ッッ♡♡」
「そのチンポで『違う』は無理があるだろォ♡ 今にもイきそーにビクビクしやがってよ♡♡」
ヒクヒクと蠢く勃起チンポに期待を隠せず、ごくりと、マゾノーの喉が鳴る。いつでもハメられるよう準備を整えたケツマンコも、交尾を待ち望むかのようにキュンキュンと疼いていた。
「おい配信見てる変態ども♡ 今からこの卑劣軍曹マゾノー様がテメェらのかわいいヒーローで遊んでやっからよォ、リクエスト寄越しな♡ 気が向いたら叶えてやろーじゃねえの♡」
「な、マゾノー貴様っ、なにを勝手に……!」
「大事な市民とやらから裏切られて辱められるっつーのもなかなかイイだろ♡ その証拠にほら……テメェのチンポは喜んでるみたいだぜェ?」
「ッッ♡♡ ひ、み、みんな……違う、違うんだぁ……♡ オレはぁ……♡」
からかうように言うと、マゾノーはしゃがみこんでジャスティスメタルのチンポにふうっと息を吹きかける。カメラに向かって微笑んで、この肉棒は俺のモノだとアピールするのも忘れない。
コメント欄は一気にざわついた。
『エッッッ』
『マゾノー最悪だな! 一生ついていきます!!』
『ジャスティスくんの射精見せて♡』
『露出狂ってマジ? マジなら淫語オナニーしてほしい』
『ふざけんなクソカス 俺たちの清純派なジャスティスメタルを返して』
『清純派(笑)あの体で清純派は無理だろ』
『どこでヤッてんの? 混ざりて~~』
中には元来のジャスティスのファン、つまりは彼にこんな性癖を芽生えさせたマゾノーのアンチもいるようだが、概ねは性欲に任せた無責任なコメントばかりだ。正義の味方が市民にすら性欲の捌け口にされていることへの嘲りと、実際にこの男を好きにできるのは自分だけだという優越感が、ますますマゾノーを興奮させた。
「……ギャハハッ!! 欲望に正直な野郎ばっかじゃねェか♡ あ、悪りィけど俺様バリネコなんでコイツのケツ使うのは無しな」
「い、いったいどんなコメントが……!? 市民の皆ッ、頼む!! マゾノーの悪の策略に負けては駄目だ!! オレも頑張って耐え……んほぉッッ♡♡♡」
慌てて、ヒーローらしい言葉を口にしようとしたが長くは持たなかった。マゾノーが乳首をつねったのだ。正義の味方の鼓舞は、すぐさま無様な喘ぎ声で上書きされてしまう。
「ふははッ、テメェが言えたことじゃねぇだろ♡ 俺様のおかげで露出に目覚めた変態がよぉ♡♡」
「ッ、く、それはぁ……♡♡」
返す言葉もなくなった彼は、好き勝手に翻弄される現状にすら興奮しているらしかった。一応ヒーローとしての体裁を保とうとする言葉とは裏腹に、その声色も、肉体も、すっかりマゾノーに媚びるような雰囲気を纏っている。
「おいジャスティスメタル、市民様はテメェの淫語オナニーをご所望だぜ?? 射精するとこ見てぇんだと♡」
「ひ、だ、駄目だってぇ……♡ オレは、正義のヒーローで♡ 皆が見てるとこで、露出は、流石にぃ……♡」
「……テメェでやらなきゃイかせてやんねーぞ♡ それに……そうだな、ちゃんとオナニーできたら、俺様のケツマンコ貸してやる♡♡ テメェの絶倫ぶりなら2連発くらいヨユーだろォ??」
「っ……!! そ、んな、それは……」
耳元で優しく囁かれて、あからさまに、ジャスティスメタルの態度が変わった。迷う素振りを隠しきれず、ヒーローらしからぬ性欲が垣間見える声に、コメント欄も一気にざわつきを増す。
『マジで!!?』
『無修正生セックス配信と聞いて』
『そんな餌にジャスティスが釣られるわけないだろ!!!! やめろ!!!!』
『なんで絶倫って知ってんの? どういう関係?』
マゾノーは視聴者の動揺ぶりに目を細めると、わざとらしい猫なで声でジャスティスメタルに誘いかける。その間も指先はゆっくりとジャスティスメタルの全身を撫であげていて、彼の快感は焦らされる一方だ。
「思い出せよ、こないだの童貞卒業セックス♡ 最高だったろォ??」
「た……確かに……、体の相性はバツグンだったし、願わくばまたおまえとヤりたいとは思っていたが……!! で、でも駄目だッ、みんな見てるのに……!」
「いいじゃねぇか♡ どうせテメェの痴態見て喜ぶ変態どもだぜ、見せつけてやれよ♡♡」
「――ぁ♡」
とどめとばかりに、べろりと耳を舐め上げられた瞬間。ジャスティスメタルの表情が明確に変わる。ヒーローとしての矜持もかなぐり捨てた、発情しきったオスの顔だ。
予想通りの展開に、マゾノーは心の中でほくそ笑んだ。
(ヒヒッ……掛かったなアホ野郎♡ テメェが俺とセックスしたのがバレちまえば……流石にファンは黙ってねえはずだ!! テメェの心が折れなくても、社会的に殺してヒーローでなくさせちまえば、もうテメェの馬鹿げたヒーロー能力に怯える必要もなくなる!! ついでにセックスもできる! 俺様の勝ちだ!!)
そう――マゾノーの目的は、ジャスティスメタルを奴隷堕ちさせることにあらず。この謎にポジティブで屈強なメンタルのドマゾ男には、どんな羞恥を与えようが罰にはならないことは、マゾノーも重々承知していた。むしろご褒美なのでこの場ではノリノリで奴隷プレイに興じてしまうし、時間が経てば以前のように形成逆転されてしまうことだろう。
彼の目的は、ジャスティスメタルの名声を地に落とし、彼をヒーローという職業から引きずり下ろすことにあった。
ジャスティスメタルの恐るべき絶倫ぶりと、とどまることのない求愛に恐れをなしたマゾノーは、彼から逃れることは無理だと悟った。彼にヒーローを辞めさせないかぎり、己は追われ続けるだろうと気づいたのだ。しかしまともに戦えばマゾノーが負ける。そこで、己との公開セックスという不祥事を起こさせてファンを幻滅させ、なんとか懲戒免職に持ち込めないかとこんなふざけた作戦に出たわけである。
そんな思惑を知りもしないジャスティスメタルは、逃げられ続けてきた想い人とのセックス、しかも念願の露出プレイのおまけつき、という餌にすっかり目が眩んでしまっていた。
「……こ、ここでオナニーしたら……本当に、ヤらせてくれるのか……♡」
溢れる欲望で息を荒くするジャスティスの姿に、コメント欄に動揺が走るのを確認し、マゾノーは満足げに舌なめずりをする。
「おうよ♡ この身体……特別に好きにさせてやるぜェ?」
「わ、わかったッ、やる!! やるから……目隠しと拘束を外して……」
「馬ァ鹿、この拘束でもオナニーするくらいは動けるだろ? ま、目隠しは外してやってもいいぜ……テメェの痴態目の当たりにした地球人どもの反応、しっかりその目に焼き付けろよ♡♡」
「ッッ……♡♡」
もったいぶった動きで、ジャスティスメタルの視界を覆う布が取り外された。――瞬間、彼の目に飛び込んできたのは、配信画面に写っている己の姿だ。
気づいていた通り全裸にされているのみならず、その肉体には、マゾノーの文字で卑猥な落書きが施されている。『マゾ犬ヒーロー』『露出狂』『包茎オチンポメタル♡』『俺様専用肉ディルド』などなど、ジャスティスメタルを嘲るような文字列と、性器を模した絵が雑に書かれた体は、どう見てもヒーローにあるまじき姿だ。
思わずごくりと喉を鳴らし、ますますチンポを硬くさせた彼の姿に、コメント欄が一斉に反応する。
『いえーいジャスティス見てるー??』
『マジで本人じゃん』
『これで萎えないのはガチの変態』
『は?? アイツとヤるとか信じられん最悪』
『おれはエッチなジャスティスくんもすきだよ♡♡』
欲情を隠しもしない言葉や、明らかな罵倒が飛び交うコメント欄に、とうとうジャスティスメタルの理性は限界を迎えた。彼はもはやヒーローではなく、ただの性欲に堕ちた露出狂となり、甘ったるい吐息を漏らすと淫猥に微笑む。
「……あぁッッ♡ す、すまない、市民のみんな♡ オレは本当は変態だったんだ……恥ずかしいところを見られて興奮する、ドマゾの露出狂だったんだ♡♡ マゾノーにそれを教えられて、もう、後戻りはできなくなってしまったぁ♡♡」
わざとらしい言葉で宣言するたび、彼の全身は快感でうち震える。カメラ越しにいる人々の視線が、そしてこの行為を強要したマゾノーの嘲笑が、全て快楽となって突き刺さっていた。
「いっ、今からっ、色んな人が見ているここで♡ 生配信されてるこの場所で♡ 憧れの……公開オナニーをしようと思う♡♡ 皆はオレの無様なアヘ顔で、いーっぱいシコってくれたら嬉しいぞ♡♡」
言うや否や、彼は両手を頭の後ろで組むと、がに股になってカメラにチンポを誇示してみせる。
「……ふん゛ッッ♡♡」
そしてそのまま――腰を引いたかと思うと。虚空目掛けて激しく腰を前後させ、しまりのない顔を晒しながら、ヘコヘコと腰を振り続けた。逞しく勃起した巨根が、空中でぶんぶんと震えている。
「ほれ変態ヒーロー♡ ちゃんと実況しなきゃナニしてんのかわかんねェぞ?」
「あ、ああ、そうだなっ♡♡ ……見ての通りっ、オレは、こうして♡ 情けないポーズでチンポ振り回して♡ 虚空相手にエアセックスしてオナニーしてるんだっっ♡♡ いつも一人でするときも、鏡の前でこうやって恥ずかしい格好をしている♡♡ ……ほへっ♡ あへっっ♡♡」
マゾノーに促され、彼はだらしなく舌を突き出しながら、己の痴態を言葉にする。そうすることでますます羞恥は高まり、ジャスティスメタルの露出狂魂を掻き立てていた。
「み、見えているだろうか♡ オレの包茎チンポがピクピク震えるところ♡♡ 空気相手にヘコヘコ腰振って気持ちよくなってるところ♡♡ ふんッッ♡♡ ほっ♡♡ おほぉおっ♡♡ ……しっかり見ていてくれっ、マゾノー♡♡」
「ヒヒ、わかってるっての♡ もっと無様にエロアピールして、俺様のヤる気高めてくれよォ?」
「!! ……もちろんだ♡♡」
うっとりとした顔で頷くと、彼は、これみよがしに己の乳首を両手で摘む。綺麗なピンク色をしたデカ乳輪のスケベ乳首は、ピンと勃起しており、見るものの興奮を激しく煽った。
「こ、これだけでも気持ちいいんだが♡ さすがに射精には刺激が足りない……っ、ので♡ 乳首もコリコリしてぇ♡ ぎゅーって引っ張ってぇ……ッッ♡ お゛ほっ♡♡ イグっっ♡♡ 乳首アクメくるゥっ♡♡」
やや強い力で乳首をつねれば、それだけで、痺れるほどの快感がジャスティスメタルを襲う。体を大きくのけぞらせて彼は絶叫する。
「イグイグぅうっっ♡♡ チンポ触らずにイクッ♡♡ デカイだけの包茎チンポ見られてイクッ♡♡ オナニーしすぎのエロ乳首見せつけてイッくぅう~~ッッ♡♡」
ガクビクと体を震わせると、ジャスティスメタルのチンポがどくりと脈打ち――どぷどぷっっ♡♡ と、触れてもいないチンポから、勢いよくザーメンがぶちまけられた。彼自身や、隣で見ていたマゾノーの顔にまで精子がかかる勢いだ。
ジャスティスは、顔を汚した白濁液を指ですくうと、ねちゃあ♡ と音を立てながらカメラに向かって見せつけて笑う。
「……ど、どうだっただろうか♡ 乳首だけで射精してしまった♡♡ で、でも、オレはまだまだ元気だぞっ♡ 皆に見てもらっていると思うと興奮が止まらないんだ♡♡ なあ、わかるだろうか?? オレの金玉がびくびくして♡ この中で新しい精子がグツグツ♡ 作られているのが……♡♡」
さらには、動ける限りカメラに近づくと、パンパンに膨らんだ金玉を見せつけてふりふりと腰を振る始末。射精したばかりのチンポも、見られていることですぐに硬さを取り戻しており、ヒーローとしての躊躇いや恥じらいは完全に捨て去った様子だった。
しばらく観客に徹していたマゾノーも、この露骨な痴態を前にして、我慢ならなくなったらしい。背後からジャスティスメタルに抱きつくと、体を撫でながら耳元にキスをして誘ってみせる。
「ふはっ♡ 相変わらずイキのいいチンポじゃねェか……♡♡ すっかりノリノリだなァ、ええ??」
「お、おまえがやれと言ったんだろう!? ……なあ、ちゃんと言われたとおり射精できたぞ♡ はやく、はやくぅ……っ♡♡」
ジャスティスメタルの腰は、チンポをしごくための穴を求めてヘコヘコと揺れる。拘束具がじゃらじゃらと音を立てるのが滑稽だ。
「ったく、待てもできねェのかよ、この駄犬♡♡ そう急かさなくともちゃあんと気持ちよくしてやっからよォ……まずはチンポ勃たせな♡♡」
マゾノーも発情を抑えきれない様子で、かがみこんだかと思うと、ジャスティスのチンポをしゃぶりはじめる。喉の奥にチンポを迎え込み、吸い付くように刺激していた。ずずっ♡ ずぽっっ♡♡ と、聞こえる音は、人体が発しているとは思えないほどの勢いだ。
「うぁあッッ♡♡ は、激し……ッ、口マンコすごいぃ……♡♡」
「俺様もッ、あんなん目の前で見せつけられてムラムラしてんだよッッ♡♡ ほれ早くしろ♡ チンポ寄越せっっ♡♡」
激しい吸引力のフェラをしながら、マゾノーは衣服を脱ぎ去ると、自らアナルに指を突っ込んだ。偶然だろうが、ちょうどカメラにケツ穴を見せつけるような体勢だ。指を二本、三本とぐっぽりくわえこみ、物足りなさげに蠢く縦割れアナルが配信画面に広がっている。
「ァアッ♡ は、はは、待ちきれないのはおまえもじゃないか♡♡ すごい発情顔だぞっ♡♡」
「ッ!! 生意気言ってんじゃねェっ、このスケベ野郎がっ♡♡」
ジャスティスのチンポが完全に勃起したのを確認すると、マゾノーは、彼を強引に押し倒す。二人の鼻息はふうふうと荒くなり、配信コメントを読む余裕すらなくなっていた。
「そんじゃあ……お待ちかねのセックスの時間だ♡♡ 画面の向こうの地球人ども、残念だったなァ♡ テメェらのかわいいジャスティスメタルくんのチンポは、今から俺様専用肉ディルドだぜェ♡♡」
「す、すまないっ、市民のみんな♡♡ 変態ヒーローの本気セックス、しっかり見届けてくれぇ♡♡」
「せいぜいこれ見て、誰にも相手されねえ雑魚チンポをシコるんだな♡♡」
挑発的に笑うと、マゾノーは騎乗位の体勢で腰を落としていく。準備万端のケツマンコに飲み込まれていくヒーローチンポ。ずるずると、ゆっくり根本まで挿入っていった……かと思うと。すかさず、激しいピストンが開始された。
「ふお゛ッッ♡ おぉうッ♡ チンポきたぁッッ♡♡ アホヒーローのデカマラたまんねッ♡♡ 俺様のイイトコしっかりえぐってきやがるゥ♡♡」
「んひぃッッ♡♡ ま、マゾノーの中もっ、すっごくキモチいいぞ♡♡ とろとろケツマンコでチンポ溶けそうだぁっ♡♡」
「ヒヒッ、とーぜんだろォ♡♡ 俺様を誰だと思っていやがる♡♡ このケツマンコで宇宙帝国幹部にまで成り上がったマゾノー様だぜェ♡♡」
思い思いの淫語を吐きながら、二人は激しく交わり合う。舌を絡めて口づけをして、我を忘れて腰を振りまくる。その姿はまさに、獣の交尾さながらだ。
パンパンパンッッ♡♡ という腰を打ち付ける音と、二人がキスをするいやらしい水音とが、廃倉庫内に響き渡っていた。
「あ゛~~ッッ♡ キくぅ♡♡ ケツマンコにチンポずぽずぽキくぅうッッ♡♡ ……おらッ、さっさとイけよォ、早漏野郎♡ ザーメン寄越せッ♡♡」
「ひ♡♡ すごいぃ♡ キツマン最高だぞっ、マゾノー♡♡ コメント欄の皆も見てるか♡♡ オレのっ、オレたちのらぶらぶ交尾♡♡」
「あ?? ……あ゛ーッッ!!」
夢中になってセックスしていたマゾノーだったが――その言葉で、はじめて彼は気付く。公開セックスをするということは、ジャスティスのみならず、マゾノーの痴態も配信されるということだと。
しかも、相手はジャスティスメタルの絶倫チンポ。いつものように強気なオラネコビッチ野郎としての振る舞いをする余裕もなくなることは目に見えている。なんならジャスティス以上の無様を晒すこと間違いなしだ。セックスをした、という事実を広めることしか考えていなかったマゾノーは、その後の展開をすっかり失念していたのである。
このままだと、ジャスティスメタルの不祥事と同時に、性豪で知られるマゾノーの無様アクメ顔が世間に知られてしまう。ただでさえ宇宙帝国内でイロモノ枠としてナメられているマゾノーとしては、敵に主導権を奪われるさまを見られるのは、なるべく避けたいことなのだった。気づいたところでもう手遅れで、彼のツメの甘さが遺憾なく発揮されてしまった、というところなのだが。
「な……なァ、ジャスティスメタル、ちょっと待て。やっぱそろそろ配信消して……」
「? なにを言っているんだ、マゾノー♡♡ これからオレたちの恥ずかしいところ……この前みたいに二人でグチョグチョになって♡ 我を忘れて雄交尾するところ♡♡ 皆に最後まで見てもらうんだろうっ♡♡」
「え、いやだから……あの……俺様は……」
「ふふっ……嬉しいなぁ♡♡ おまえと二人で露出プレイができるなんてっ♡♡ これでオレたちもファン公認の中、というやつだものな!!」
「ちちちち違ぇ!! そんなつもりは!!」
慌てて、なんとか方向転換しようとするマゾノーだが、既に露出狂モード全開なジャスティスメタルはその程度のことでは止まらなかった。
「なんだ、ここまでしておいて恥ずかしいのか?? 素直じゃないおまえには……こうだッッ♡♡」
「おごぅッッ!?!?」
どちゅんっっ♡♡ ……と、激しい音を立てて、ジャスティスメタルは腰を突き上げる。
「腰振りが止まってるぞぉっ、マゾノー♡♡ 仕方ないからオレが頑張って♡ 下からズコバコしてやるからな♡♡ ……みんなもよぉ~~く見ててくれっ、オレの、変態ヒーローの情けない腰振りセックス♡♡ 頑張ってマゾノーを満足させてやるからなっ♡♡」
セックスのことしか考えられなくなった無様なオス顔で、彼は必死に腰を振りまくる。
「おほッッ♡♡ マゾノー♡♡ マゾノーのマンコっ♡♡ オレのチンポぎっちり締め付けてるぅっ♡♡ このドスケベマンコめッッ♡♡ オラッ♡♡ イケッ♡ アクメしろぉっ♡♡」
「おひ♡♡ ま、一旦待てってェ♡♡」
「駄~~目♡♡ さっき散々焦らされたからな♡ もう我慢できんっっ♡♡」
いつの間にやら主導権はジャスティスに移り、マゾノーは白目を剝いて犯されるのみ。なんなら、襲われていたはずのジャスティスのほうがレイプ犯のようにさえ見える光景だ。
下衆なチンポ男に堕ちたジャスティスメタルの姿に、コメント欄からは困惑と、ある種の興奮が溢れ出す。それすらもジャスティスメタルにとっては興奮材料だ。
「うおぉっ♡♡ イクッ♡♡ 皆に見られながらセックスしてイクゥッ♡♡ 雑魚チンポからザーメンぶちまけるぅっ♡♡ 見ていてくれ皆♡ オレのだらしないアクメ顔♡♡ マゾノーのマンコに生ハメ種付けするところッ♡♡ ……ウッ、射精る射精るぅうう~~ッッ♡♡」
「んほおぉッッ♡♡ み、見るなぁッ♡♡ 観るんじゃねェ、下等な地球人どもッッ♡♡ あひ♡ イグッ♡♡ 濃厚ザーメンどぷどぷキてるぅうッッ♡♡ オマンコに中出しされてイグうぅうッッ♡♡」
――どぴゅどぴゅっ♡♡ と、勢いよくジャスティスが射精する。それでも彼の腰の動きは止まらない。熱いザーメンが己の中にぶちまけられた感覚で、マゾノーも、つられてトコロテン射精をキメていた。
「あ……♡ 見ろ、マゾノー♡♡ おまえのスケベなイキ顔♡ ばっちり配信画面に映ってるぞぉ♡♡ もちろん、オレのアヘ顔もっ♡♡」
「ひッッ♡♡ ば、馬鹿野郎ッ、まだ、俺様イッてぇ……♡♡」
「もっともーーっとイけるだろ♡♡ オレもまだまだ足りないんだ♡♡ なあ……ほらっ、もっとみんなに見てもらわないとぉ♡♡」
「や、も、無理……やめッッ、ぁああ~~ッッ♡♡」
配信画面に映る二人は、どっちもどっちなアホ面で交尾にふけっている。コメント欄の性欲もしつしかジャスティスのみならずマゾノーにも向いていて、『いいぞもっとやれ』『二人の喘ぎ声聞かせて♡』『お幸せに~』などと、揶揄するような言葉が並び始めた。
射精を終えてもメスイキしまくっているマゾノーに構うことなく、超絶倫なジャスティスメタルは、とどまることなく彼を犯しまくる。
「ふんッ♡ ふんッッ♡♡ マゾノーっ、好きだ、マゾノー♡♡ オレがおまえ専用チンポなら♡ おまえのマンコもオレ専用になれッッ♡♡ オレのモノになってくれぇっ、マゾノーッッ♡♡」
「ひぐッ♡♡ おへェ♡♡ 馬鹿言うなっ♡ お、俺様が♡♡ ヒーローチンポなんぞの言いなりになんてぇ♡♡」
「体はこんなにオレのチンポ大好きのくせにっ、そう意地を張るな♡♡ ……オレの正義チンポでわからせてやるぅ♡♡ みんなの前でアクメして、オレのモノになるって言ってくれぇ♡♡」
「ぜ、絶対言わねェ♡♡ ……イグッ♡ ひぃ♡♡ ケツマン犯されてイクぅうッッ♡♡ 雑魚ヒーローのチンポでイク♡♡ アホ面晒した変態セックス、地球人どもに見られてイクぅう~~ッッ♡♡」
二人のセックス配信は、機材の電源が切れるまでずっと続いた。いつしかコメント欄もジャスティスメタルの絶倫ぶりにドン引きしはじめ、マゾノーへの同情の声がちらほら上がるほどであった。
以下は配信後半に寄せられたコメントの抜粋である。
『ジャスティスくん性欲どーなってんの?? 化け物??』
『マゾノー気絶してて草 自業自得』
『ジャスティスくんとえっちしたい、そう思っていた時期がありました』
『↑やめとけ死ぬぞ』
『マゾノーで抜く日が来ようとは……ヤリマンなんですよね?? オフパコありですか??』
『↑やめとけ、ジャスティスメタルに殺されるぞ』
『ある意味お似合いだろこれ この性欲に付き合えるヤツ他におるか??』
『リア充末永く爆発しろ 俺たちを巻き込むな』
配信が途切れてからも、互いが気絶するまでセックスは続き――気づいたときにはあたりは白濁液の海だったと言う。
*
――こうして、マゾノーの体を張った作戦は痛み分けに終わった。ちなみにジャスティスメタルはこの件で所属会社からたいそう怒られたが、逆に『本気でマゾノーを愛している』『彼のためならばなんでもする』と開き直り、マゾノーと交際するまでヒーローをやめないという旨の決意表明会見まで行ってしまったので、なんならマゾノーの完敗かもしれない。
日和ったマゾノーが配信場所を十八禁プラットフォームにしたおかげもあり、最初は否定的だった一部ファンや所属会社のお偉方も、最終的には『公然猥褻には公然猥褻をぶつけるほうがいいかもしれない』と結論づけて、ジャスティスのヒーロー活動は今後も変わらず行われることとなったのである。
……戦え! ジャスティスメタル! その有り余る変態性欲でマゾノーをモノにするその日まで!!
頑張れ! マゾノー! そろそろ観念しろ!! 『公開セックスも盛り上がったしたまには悪くねえかもな……』などと思い始めているおまえは間違いなくジャスティスメタルとお似合いの変態なのだから――!!
――――――
この話の前日譚である、ジャスティスメタルが露出狂に目覚めてハメ撮りしながら童貞卒業する話は同人誌に収録しています。詳しくは画面下部のリンクをご覧ください!
同人誌サンプルはpixivにて掲載してます。
→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15460627
とある一人の新人ヒーローが、悪の幹部に恋をした。
「大丈夫ですか!? 今、オレが助けます!! ……能力発動、肉体鋼化!!」
宇宙帝国に襲われ、瓦礫に埋もれた人々のもとに、一人のヒーローが駆けつけた。逆立てた銀髪、銀色に赤のラインが走ったピッチリノースリーブのヒーロースーツ、赤いヒーローゴーグルの下の瞳は星のような輝きを抱いている。誰が見てもヒーローらしい、爽やかなガチムチイケメン。肉体を鋼にする超能力者、ヒーロー『ジャスティスメタル』その人である。
ジャスティスは、鋼に変質させた体を使い、瓦礫を軽々と砕いて民間人を救出する。
「ここは危険ですから、急いであちらへ!! ヒーロー候補生たちが避難所まで護衛します!! 宇宙帝国は、かならずオレが倒しますから!!」
正義感に満ちたその言葉に、人々からわあっと歓声が上がる。そのときだ。
「ほほう? 随分と自信満々じゃねェか、雑魚野郎のくせによぉ!!」
「貴様……、卑劣軍曹・マゾノー!! この惨状はおまえの仕業か!?」
上空から届いた声の主は、下品な髭面とピアスまみれの顔面の中年男。ド派手なピンク色の髪をツーブロックにしている軍服の彼こそ、宇宙帝国の幹部が一人。卑劣軍曹マゾノーである。
「やったのは俺様じゃなくて部下だけどなァ。俺様は忙しいンだよ、今日も現場に顔ださねえと総統に叱られるから仕方なく来ただけだっつーの。……っつーわけだ、怪人どもォ! 俺様の代わりにジャスティスメタルと遊んでやりな!」
「ぐっ、また逃げるのか!? 待てっ、卑怯だぞマゾノー!!」
彼が軽く指を鳴らすと、その姿は一瞬で消えてしまう。代わりに現れたのは怪人――宇宙帝国に所属する異星人だ。さっそく破壊行動をしようとする怪人に、慌てて、ジャスティスメタルは立ち向かっていった……。
こうして見ると、彼はありふれたヒーローのように見えるが、それは表向きの一面でしかない。彼自身のあけっぴろげな性格のせいで今や地球中に知れ渡っている事実なのだが――ジャスティスメタルは、露出狂なのだ。しかも卑劣軍曹マゾノーに恋をしている。
どこから説明してよいやら、という話ではあるが、事の発端は二人がはじめて戦った日のことだ。
ジャスティスメタルは、マゾノーの罠にハマってしまい、人質にされた人間を守るため全裸土下座を強要された。普通はそれで心が折れそうなものだが、ジャスティスはよりにもよって、それをきっかけに露出性癖に目覚めてしまったのだ。しかも敵であるマゾノーの容赦ない言葉責めに惚れてしまい、後日、責任をとってくれとマゾノーのアジトに突撃したのである。全裸で。
なんやかんやでジャスティスは童貞をマゾノーに奪われ、ますますその恋慕と執着を深めたのだが、マゾノーは想像以上に変態性欲を高ぶらせるジャスティスメタルにドン引きだった。決死の求愛をはじめたジャスティスメタルと、捕まったら最後ヤり殺されそうだからと逃げ惑うマゾノーとの対決の始まりである。
今や彼ら二人の鬼ごっこは世間でもお馴染みの光景となりつつあり、新進気鋭の爽やかイケメンヒーローだったジャスティスの評価は「顔だけはいいアホの子な変態野郎」、元々品性下劣な卑怯者として嫌われていたマゾノーは「あの爽やかでピュアだったジャスティスメタルをおかしくした戦犯」として妙な方向で知名度を高めている。
……これはそんなふざけたヒーローと悪の幹部の、とある一日の物語である!!
*
「っ……、ここ、は……?」
正義のヒーロー、ジャスティスメタルが目を覚ましたのは、古びた廃倉庫の中であった。と言っても、ジャスティス自身はここがどんな場所なのか見当もついていない。何故ならば彼の両目は布で覆われ、さらには両手両足も鎖で壁に繋がれており、視界も体の自由も奪われてしまっているからだ。
(オレはたしか……宇宙帝国の襲撃を撃退して。変身を解いて家に帰る途中で……そうだ、何者かに、背後から襲われて……! まさか敵の攻撃か!?)
ジャスティスメタルは自身の記憶をさかのぼり、己が拐われたのは、おそらく戦闘直後だろうと推測した。街を襲ってきた宇宙帝国の怪人を撃退し、油断していたところを何者かに襲われ、気絶させられて運び込まれたらしい。
ヒーローという立場上、こういったことは初めてではないためか、視界が奪われている割には冷静だ。鎖のせいで大きく動くことこそできないが、手足の感覚や音を頼りに、己が置かれた状況を的確に判断する。
(変身ベルトは奪われている、つまりヒーロー能力は使えない……。そ、それどころか、この肌の感覚からすると……今の俺は、間違いなく全裸だ!!)
そう気づいてしまった瞬間――ぞくりとした痺れにも似た感覚が、ジャスティスメタルに駆け巡る。背徳感と恥辱による甘い感覚。いけないことだとわかっていながら、ジャスティスのソコは激しく反応を示している。
(こ、興奮している場合ではないとわかっているが……、駄目だッッ♡♡ 敵に裸体を晒していたのだと思うと……♡♡ お、オレの情けない包茎チンポも♡ いつもはヒーロースーツの下に隠したドスケベ乳首も♡ 恥ずかしいトコロを全部、見られたのだと思うと……! あぁっ、隠せないのに勃起してしまうぅッ♡♡)
正義の味方としての罪悪感すら快感に変え、びくびくと体を震わせていると、ふいに嘲るような笑い声が響き渡った。
「……ギャハハッ!! この状況でチンポ硬くするとか、相変わらずの変態野郎だなァ? ジャスティスメタルさんよ」
「っ!! その声は……マゾノーか!!」
ハッとしたジャスティスメタルは、見えていないながらも声のする方へと顔を向ける。ニタニタと下品な笑みを浮かべて待つ男は、宇宙帝国幹部・卑劣軍曹マゾノー。ジャスティスメタルが露出に目覚めるきっかけを生み出した男であり、彼の童貞を奪った男でもあり、最近は変態として開き直ったジャスティスの求愛にドン引きしながら逃げ惑っていたはずの男である。
「マゾノー……、さてはオレをここに監禁したのもおまえの仕業か!?」
「お察しが良くて助かるぜ、露出狂ヒーローさん♡」
以前ジャスティスの絶倫チンポで死にかけたことなど無かったかのように、マゾノーは、あくまで強気なオラネコビッチらしい態度で笑っている。
その悠然とした様子に、はたと気付いた様子でジャスティスが言った。
「これはまさか……とうとうオレの露出趣味に付き合ってくれる覚悟ができたのか!? こういうやり方はちょっと仕事に支障が出るから今後は相談してほしいがその気持ち自体はとても嬉しいぞ!! とりあえず目隠しを外してくれないか!?」
「……ポジティブすぎねえかテメェ!? 作戦に決まってんだろォがよ!!」
「えっ?」
「いやこっちが『え?』だわボケッッ!!」
予想外の天然ボケ発言に、今日も今日もてマゾノーの怒号が冴え渡った。
「……いいか、状況理解できてねえテメェに教えてやる。今度こそテメェは俺様の奴隷になって、ご自慢の正義とやらを裏切るンだよ♡ これはそのための準備ってワケだ。お望み通り、露出願望は叶えてやるから感謝しろよォ♡」
「な、なに……!? 甘いぞマゾノー、オレの正義の魂とこの性癖はもはや切り離せないモノだ!! そう簡単に籠絡できると思うな!!」
「ツッコミどころしかねえが……いやいい、その自信もいつまで続くか見物だなァ♡」
いちいち付き合っていてはきりがないと判断し、なんとか己のペースを取り戻すと、マゾノーは言う。
「テメェ、こないだ言ってたよなァ? 『露出はしたいが不特定多数に下半身を見せつけるのは悪の極み、ヒーローである自分にそんなことはできない』とかよぉ」
「ああ、もちろんだ! だからオレはおまえと同意の上で法的にセーフな範囲での露出を……」
「はっ、それじゃあつまらねェだろ♡ そんなに正義とやらにこだわってんなら、当然、『悪の極み』な『不特定多数への露出行為』で興奮したりしねぇよなあ? んなとこ市民に見られたら、ヒーロー失格でクビになっちまうもんなぁ??」
「うぐっ、いや……その……!」
絶対に無い、とは言い切れない――どころかむしろ興奮してしまうであろう自身に気付いたのだろう。ジャスティスメタルは気まずそうに言葉を濁す。今だとばかりにマゾノーは畳み掛ける。
「……目隠しで見えねえだろうが、今、テメェの真ん前にはカメラが置いてあるんだよ。自称ヒーローの無様な痴態を全世界に配信するためになあ♡ テメェはヒーロー能力も封じられて、両手両足も壁に繋がれて動けねェ……今なら俺様のせいにして、全世界に向けて露出し放題だぜ♡ ま、おまえが本当に正義のヒーロー様ならこんなので興奮したりしねぇだろうが……」
そこで彼は言葉を止めると、指先でゆっくりと、ジャスティスメタルのチンポをなぞっていく。半勃ちだった巨根包茎チンポはムクムクと存在感を増していき、あっという間にフル勃起になってしまう。
「ッ……!?」
「どうやらテメェはヒーローじゃなく、ただの露出狂の変態みてぇだなぁ?? 今の言葉だけでチンポビンビンにして、我慢汁どぱどぱ出しちまってるんだからよ♡♡」
「ひ、あァッッ♡♡」
嘲り笑いと共に、マゾノーが亀頭をぐりぐりと抑えつけた。包皮に隠されたそこは、溢れたカウパーとチンカスでべとついて、ネチョネチョと卑猥な音を立てている。
たまらず喘ぎ声を上げるジャスティスメタルからは、既に抵抗の意思は失われていた。
「ほーれほれ♡ チンポ虐めてやるから頑張れよ♡♡ ヒーロー様ならこんな恥ずかしいことされてイッたりしねぇよなぁ??」
「いっ、意地が悪いぞ、マゾノー♡♡ こ、こんなのぉ♡♡ はひ♡ 駄目だってぇえ……♡♡」
口でこそ駄目だと言っているものの、彼の腰は快楽を求めてカクカクと動き、誰がどう見ても陥落寸前の様である。マゾノーはちらりと、カメラと繋いでいるPC画面――今まさにジャスティスメタルの痴態を配信している画面を覗き込んだ。BAN対策のため、アダルト系の配信プラットフォームを選んだおかげか、リアルタイムで書き込まれてくる視聴者からのコメントは下衆なもので溢れている。
「ふはッ、配信見てンのも変態野郎ばっかみてェだぞ♡ ええと……『ジャスティスくんチンポかわいいね♡』『モロ感で草』『ジャスティスメタルには失望しました、マゾノーのファン辞めます』……最後のはなんでだよ!?」
「あ、ぁあ……、違……っ♡ 違うんだ、み、みんなぁ……ッッ♡♡」
「そのチンポで『違う』は無理があるだろォ♡ 今にもイきそーにビクビクしやがってよ♡♡」
ヒクヒクと蠢く勃起チンポに期待を隠せず、ごくりと、マゾノーの喉が鳴る。いつでもハメられるよう準備を整えたケツマンコも、交尾を待ち望むかのようにキュンキュンと疼いていた。
「おい配信見てる変態ども♡ 今からこの卑劣軍曹マゾノー様がテメェらのかわいいヒーローで遊んでやっからよォ、リクエスト寄越しな♡ 気が向いたら叶えてやろーじゃねえの♡」
「な、マゾノー貴様っ、なにを勝手に……!」
「大事な市民とやらから裏切られて辱められるっつーのもなかなかイイだろ♡ その証拠にほら……テメェのチンポは喜んでるみたいだぜェ?」
「ッッ♡♡ ひ、み、みんな……違う、違うんだぁ……♡ オレはぁ……♡」
からかうように言うと、マゾノーはしゃがみこんでジャスティスメタルのチンポにふうっと息を吹きかける。カメラに向かって微笑んで、この肉棒は俺のモノだとアピールするのも忘れない。
コメント欄は一気にざわついた。
『エッッッ』
『マゾノー最悪だな! 一生ついていきます!!』
『ジャスティスくんの射精見せて♡』
『露出狂ってマジ? マジなら淫語オナニーしてほしい』
『ふざけんなクソカス 俺たちの清純派なジャスティスメタルを返して』
『清純派(笑)あの体で清純派は無理だろ』
『どこでヤッてんの? 混ざりて~~』
中には元来のジャスティスのファン、つまりは彼にこんな性癖を芽生えさせたマゾノーのアンチもいるようだが、概ねは性欲に任せた無責任なコメントばかりだ。正義の味方が市民にすら性欲の捌け口にされていることへの嘲りと、実際にこの男を好きにできるのは自分だけだという優越感が、ますますマゾノーを興奮させた。
「……ギャハハッ!! 欲望に正直な野郎ばっかじゃねェか♡ あ、悪りィけど俺様バリネコなんでコイツのケツ使うのは無しな」
「い、いったいどんなコメントが……!? 市民の皆ッ、頼む!! マゾノーの悪の策略に負けては駄目だ!! オレも頑張って耐え……んほぉッッ♡♡♡」
慌てて、ヒーローらしい言葉を口にしようとしたが長くは持たなかった。マゾノーが乳首をつねったのだ。正義の味方の鼓舞は、すぐさま無様な喘ぎ声で上書きされてしまう。
「ふははッ、テメェが言えたことじゃねぇだろ♡ 俺様のおかげで露出に目覚めた変態がよぉ♡♡」
「ッ、く、それはぁ……♡♡」
返す言葉もなくなった彼は、好き勝手に翻弄される現状にすら興奮しているらしかった。一応ヒーローとしての体裁を保とうとする言葉とは裏腹に、その声色も、肉体も、すっかりマゾノーに媚びるような雰囲気を纏っている。
「おいジャスティスメタル、市民様はテメェの淫語オナニーをご所望だぜ?? 射精するとこ見てぇんだと♡」
「ひ、だ、駄目だってぇ……♡ オレは、正義のヒーローで♡ 皆が見てるとこで、露出は、流石にぃ……♡」
「……テメェでやらなきゃイかせてやんねーぞ♡ それに……そうだな、ちゃんとオナニーできたら、俺様のケツマンコ貸してやる♡♡ テメェの絶倫ぶりなら2連発くらいヨユーだろォ??」
「っ……!! そ、んな、それは……」
耳元で優しく囁かれて、あからさまに、ジャスティスメタルの態度が変わった。迷う素振りを隠しきれず、ヒーローらしからぬ性欲が垣間見える声に、コメント欄も一気にざわつきを増す。
『マジで!!?』
『無修正生セックス配信と聞いて』
『そんな餌にジャスティスが釣られるわけないだろ!!!! やめろ!!!!』
『なんで絶倫って知ってんの? どういう関係?』
マゾノーは視聴者の動揺ぶりに目を細めると、わざとらしい猫なで声でジャスティスメタルに誘いかける。その間も指先はゆっくりとジャスティスメタルの全身を撫であげていて、彼の快感は焦らされる一方だ。
「思い出せよ、こないだの童貞卒業セックス♡ 最高だったろォ??」
「た……確かに……、体の相性はバツグンだったし、願わくばまたおまえとヤりたいとは思っていたが……!! で、でも駄目だッ、みんな見てるのに……!」
「いいじゃねぇか♡ どうせテメェの痴態見て喜ぶ変態どもだぜ、見せつけてやれよ♡♡」
「――ぁ♡」
とどめとばかりに、べろりと耳を舐め上げられた瞬間。ジャスティスメタルの表情が明確に変わる。ヒーローとしての矜持もかなぐり捨てた、発情しきったオスの顔だ。
予想通りの展開に、マゾノーは心の中でほくそ笑んだ。
(ヒヒッ……掛かったなアホ野郎♡ テメェが俺とセックスしたのがバレちまえば……流石にファンは黙ってねえはずだ!! テメェの心が折れなくても、社会的に殺してヒーローでなくさせちまえば、もうテメェの馬鹿げたヒーロー能力に怯える必要もなくなる!! ついでにセックスもできる! 俺様の勝ちだ!!)
そう――マゾノーの目的は、ジャスティスメタルを奴隷堕ちさせることにあらず。この謎にポジティブで屈強なメンタルのドマゾ男には、どんな羞恥を与えようが罰にはならないことは、マゾノーも重々承知していた。むしろご褒美なのでこの場ではノリノリで奴隷プレイに興じてしまうし、時間が経てば以前のように形成逆転されてしまうことだろう。
彼の目的は、ジャスティスメタルの名声を地に落とし、彼をヒーローという職業から引きずり下ろすことにあった。
ジャスティスメタルの恐るべき絶倫ぶりと、とどまることのない求愛に恐れをなしたマゾノーは、彼から逃れることは無理だと悟った。彼にヒーローを辞めさせないかぎり、己は追われ続けるだろうと気づいたのだ。しかしまともに戦えばマゾノーが負ける。そこで、己との公開セックスという不祥事を起こさせてファンを幻滅させ、なんとか懲戒免職に持ち込めないかとこんなふざけた作戦に出たわけである。
そんな思惑を知りもしないジャスティスメタルは、逃げられ続けてきた想い人とのセックス、しかも念願の露出プレイのおまけつき、という餌にすっかり目が眩んでしまっていた。
「……こ、ここでオナニーしたら……本当に、ヤらせてくれるのか……♡」
溢れる欲望で息を荒くするジャスティスの姿に、コメント欄に動揺が走るのを確認し、マゾノーは満足げに舌なめずりをする。
「おうよ♡ この身体……特別に好きにさせてやるぜェ?」
「わ、わかったッ、やる!! やるから……目隠しと拘束を外して……」
「馬ァ鹿、この拘束でもオナニーするくらいは動けるだろ? ま、目隠しは外してやってもいいぜ……テメェの痴態目の当たりにした地球人どもの反応、しっかりその目に焼き付けろよ♡♡」
「ッッ……♡♡」
もったいぶった動きで、ジャスティスメタルの視界を覆う布が取り外された。――瞬間、彼の目に飛び込んできたのは、配信画面に写っている己の姿だ。
気づいていた通り全裸にされているのみならず、その肉体には、マゾノーの文字で卑猥な落書きが施されている。『マゾ犬ヒーロー』『露出狂』『包茎オチンポメタル♡』『俺様専用肉ディルド』などなど、ジャスティスメタルを嘲るような文字列と、性器を模した絵が雑に書かれた体は、どう見てもヒーローにあるまじき姿だ。
思わずごくりと喉を鳴らし、ますますチンポを硬くさせた彼の姿に、コメント欄が一斉に反応する。
『いえーいジャスティス見てるー??』
『マジで本人じゃん』
『これで萎えないのはガチの変態』
『は?? アイツとヤるとか信じられん最悪』
『おれはエッチなジャスティスくんもすきだよ♡♡』
欲情を隠しもしない言葉や、明らかな罵倒が飛び交うコメント欄に、とうとうジャスティスメタルの理性は限界を迎えた。彼はもはやヒーローではなく、ただの性欲に堕ちた露出狂となり、甘ったるい吐息を漏らすと淫猥に微笑む。
「……あぁッッ♡ す、すまない、市民のみんな♡ オレは本当は変態だったんだ……恥ずかしいところを見られて興奮する、ドマゾの露出狂だったんだ♡♡ マゾノーにそれを教えられて、もう、後戻りはできなくなってしまったぁ♡♡」
わざとらしい言葉で宣言するたび、彼の全身は快感でうち震える。カメラ越しにいる人々の視線が、そしてこの行為を強要したマゾノーの嘲笑が、全て快楽となって突き刺さっていた。
「いっ、今からっ、色んな人が見ているここで♡ 生配信されてるこの場所で♡ 憧れの……公開オナニーをしようと思う♡♡ 皆はオレの無様なアヘ顔で、いーっぱいシコってくれたら嬉しいぞ♡♡」
言うや否や、彼は両手を頭の後ろで組むと、がに股になってカメラにチンポを誇示してみせる。
「……ふん゛ッッ♡♡」
そしてそのまま――腰を引いたかと思うと。虚空目掛けて激しく腰を前後させ、しまりのない顔を晒しながら、ヘコヘコと腰を振り続けた。逞しく勃起した巨根が、空中でぶんぶんと震えている。
「ほれ変態ヒーロー♡ ちゃんと実況しなきゃナニしてんのかわかんねェぞ?」
「あ、ああ、そうだなっ♡♡ ……見ての通りっ、オレは、こうして♡ 情けないポーズでチンポ振り回して♡ 虚空相手にエアセックスしてオナニーしてるんだっっ♡♡ いつも一人でするときも、鏡の前でこうやって恥ずかしい格好をしている♡♡ ……ほへっ♡ あへっっ♡♡」
マゾノーに促され、彼はだらしなく舌を突き出しながら、己の痴態を言葉にする。そうすることでますます羞恥は高まり、ジャスティスメタルの露出狂魂を掻き立てていた。
「み、見えているだろうか♡ オレの包茎チンポがピクピク震えるところ♡♡ 空気相手にヘコヘコ腰振って気持ちよくなってるところ♡♡ ふんッッ♡♡ ほっ♡♡ おほぉおっ♡♡ ……しっかり見ていてくれっ、マゾノー♡♡」
「ヒヒ、わかってるっての♡ もっと無様にエロアピールして、俺様のヤる気高めてくれよォ?」
「!! ……もちろんだ♡♡」
うっとりとした顔で頷くと、彼は、これみよがしに己の乳首を両手で摘む。綺麗なピンク色をしたデカ乳輪のスケベ乳首は、ピンと勃起しており、見るものの興奮を激しく煽った。
「こ、これだけでも気持ちいいんだが♡ さすがに射精には刺激が足りない……っ、ので♡ 乳首もコリコリしてぇ♡ ぎゅーって引っ張ってぇ……ッッ♡ お゛ほっ♡♡ イグっっ♡♡ 乳首アクメくるゥっ♡♡」
やや強い力で乳首をつねれば、それだけで、痺れるほどの快感がジャスティスメタルを襲う。体を大きくのけぞらせて彼は絶叫する。
「イグイグぅうっっ♡♡ チンポ触らずにイクッ♡♡ デカイだけの包茎チンポ見られてイクッ♡♡ オナニーしすぎのエロ乳首見せつけてイッくぅう~~ッッ♡♡」
ガクビクと体を震わせると、ジャスティスメタルのチンポがどくりと脈打ち――どぷどぷっっ♡♡ と、触れてもいないチンポから、勢いよくザーメンがぶちまけられた。彼自身や、隣で見ていたマゾノーの顔にまで精子がかかる勢いだ。
ジャスティスは、顔を汚した白濁液を指ですくうと、ねちゃあ♡ と音を立てながらカメラに向かって見せつけて笑う。
「……ど、どうだっただろうか♡ 乳首だけで射精してしまった♡♡ で、でも、オレはまだまだ元気だぞっ♡ 皆に見てもらっていると思うと興奮が止まらないんだ♡♡ なあ、わかるだろうか?? オレの金玉がびくびくして♡ この中で新しい精子がグツグツ♡ 作られているのが……♡♡」
さらには、動ける限りカメラに近づくと、パンパンに膨らんだ金玉を見せつけてふりふりと腰を振る始末。射精したばかりのチンポも、見られていることですぐに硬さを取り戻しており、ヒーローとしての躊躇いや恥じらいは完全に捨て去った様子だった。
しばらく観客に徹していたマゾノーも、この露骨な痴態を前にして、我慢ならなくなったらしい。背後からジャスティスメタルに抱きつくと、体を撫でながら耳元にキスをして誘ってみせる。
「ふはっ♡ 相変わらずイキのいいチンポじゃねェか……♡♡ すっかりノリノリだなァ、ええ??」
「お、おまえがやれと言ったんだろう!? ……なあ、ちゃんと言われたとおり射精できたぞ♡ はやく、はやくぅ……っ♡♡」
ジャスティスメタルの腰は、チンポをしごくための穴を求めてヘコヘコと揺れる。拘束具がじゃらじゃらと音を立てるのが滑稽だ。
「ったく、待てもできねェのかよ、この駄犬♡♡ そう急かさなくともちゃあんと気持ちよくしてやっからよォ……まずはチンポ勃たせな♡♡」
マゾノーも発情を抑えきれない様子で、かがみこんだかと思うと、ジャスティスのチンポをしゃぶりはじめる。喉の奥にチンポを迎え込み、吸い付くように刺激していた。ずずっ♡ ずぽっっ♡♡ と、聞こえる音は、人体が発しているとは思えないほどの勢いだ。
「うぁあッッ♡♡ は、激し……ッ、口マンコすごいぃ……♡♡」
「俺様もッ、あんなん目の前で見せつけられてムラムラしてんだよッッ♡♡ ほれ早くしろ♡ チンポ寄越せっっ♡♡」
激しい吸引力のフェラをしながら、マゾノーは衣服を脱ぎ去ると、自らアナルに指を突っ込んだ。偶然だろうが、ちょうどカメラにケツ穴を見せつけるような体勢だ。指を二本、三本とぐっぽりくわえこみ、物足りなさげに蠢く縦割れアナルが配信画面に広がっている。
「ァアッ♡ は、はは、待ちきれないのはおまえもじゃないか♡♡ すごい発情顔だぞっ♡♡」
「ッ!! 生意気言ってんじゃねェっ、このスケベ野郎がっ♡♡」
ジャスティスのチンポが完全に勃起したのを確認すると、マゾノーは、彼を強引に押し倒す。二人の鼻息はふうふうと荒くなり、配信コメントを読む余裕すらなくなっていた。
「そんじゃあ……お待ちかねのセックスの時間だ♡♡ 画面の向こうの地球人ども、残念だったなァ♡ テメェらのかわいいジャスティスメタルくんのチンポは、今から俺様専用肉ディルドだぜェ♡♡」
「す、すまないっ、市民のみんな♡♡ 変態ヒーローの本気セックス、しっかり見届けてくれぇ♡♡」
「せいぜいこれ見て、誰にも相手されねえ雑魚チンポをシコるんだな♡♡」
挑発的に笑うと、マゾノーは騎乗位の体勢で腰を落としていく。準備万端のケツマンコに飲み込まれていくヒーローチンポ。ずるずると、ゆっくり根本まで挿入っていった……かと思うと。すかさず、激しいピストンが開始された。
「ふお゛ッッ♡ おぉうッ♡ チンポきたぁッッ♡♡ アホヒーローのデカマラたまんねッ♡♡ 俺様のイイトコしっかりえぐってきやがるゥ♡♡」
「んひぃッッ♡♡ ま、マゾノーの中もっ、すっごくキモチいいぞ♡♡ とろとろケツマンコでチンポ溶けそうだぁっ♡♡」
「ヒヒッ、とーぜんだろォ♡♡ 俺様を誰だと思っていやがる♡♡ このケツマンコで宇宙帝国幹部にまで成り上がったマゾノー様だぜェ♡♡」
思い思いの淫語を吐きながら、二人は激しく交わり合う。舌を絡めて口づけをして、我を忘れて腰を振りまくる。その姿はまさに、獣の交尾さながらだ。
パンパンパンッッ♡♡ という腰を打ち付ける音と、二人がキスをするいやらしい水音とが、廃倉庫内に響き渡っていた。
「あ゛~~ッッ♡ キくぅ♡♡ ケツマンコにチンポずぽずぽキくぅうッッ♡♡ ……おらッ、さっさとイけよォ、早漏野郎♡ ザーメン寄越せッ♡♡」
「ひ♡♡ すごいぃ♡ キツマン最高だぞっ、マゾノー♡♡ コメント欄の皆も見てるか♡♡ オレのっ、オレたちのらぶらぶ交尾♡♡」
「あ?? ……あ゛ーッッ!!」
夢中になってセックスしていたマゾノーだったが――その言葉で、はじめて彼は気付く。公開セックスをするということは、ジャスティスのみならず、マゾノーの痴態も配信されるということだと。
しかも、相手はジャスティスメタルの絶倫チンポ。いつものように強気なオラネコビッチ野郎としての振る舞いをする余裕もなくなることは目に見えている。なんならジャスティス以上の無様を晒すこと間違いなしだ。セックスをした、という事実を広めることしか考えていなかったマゾノーは、その後の展開をすっかり失念していたのである。
このままだと、ジャスティスメタルの不祥事と同時に、性豪で知られるマゾノーの無様アクメ顔が世間に知られてしまう。ただでさえ宇宙帝国内でイロモノ枠としてナメられているマゾノーとしては、敵に主導権を奪われるさまを見られるのは、なるべく避けたいことなのだった。気づいたところでもう手遅れで、彼のツメの甘さが遺憾なく発揮されてしまった、というところなのだが。
「な……なァ、ジャスティスメタル、ちょっと待て。やっぱそろそろ配信消して……」
「? なにを言っているんだ、マゾノー♡♡ これからオレたちの恥ずかしいところ……この前みたいに二人でグチョグチョになって♡ 我を忘れて雄交尾するところ♡♡ 皆に最後まで見てもらうんだろうっ♡♡」
「え、いやだから……あの……俺様は……」
「ふふっ……嬉しいなぁ♡♡ おまえと二人で露出プレイができるなんてっ♡♡ これでオレたちもファン公認の中、というやつだものな!!」
「ちちちち違ぇ!! そんなつもりは!!」
慌てて、なんとか方向転換しようとするマゾノーだが、既に露出狂モード全開なジャスティスメタルはその程度のことでは止まらなかった。
「なんだ、ここまでしておいて恥ずかしいのか?? 素直じゃないおまえには……こうだッッ♡♡」
「おごぅッッ!?!?」
どちゅんっっ♡♡ ……と、激しい音を立てて、ジャスティスメタルは腰を突き上げる。
「腰振りが止まってるぞぉっ、マゾノー♡♡ 仕方ないからオレが頑張って♡ 下からズコバコしてやるからな♡♡ ……みんなもよぉ~~く見ててくれっ、オレの、変態ヒーローの情けない腰振りセックス♡♡ 頑張ってマゾノーを満足させてやるからなっ♡♡」
セックスのことしか考えられなくなった無様なオス顔で、彼は必死に腰を振りまくる。
「おほッッ♡♡ マゾノー♡♡ マゾノーのマンコっ♡♡ オレのチンポぎっちり締め付けてるぅっ♡♡ このドスケベマンコめッッ♡♡ オラッ♡♡ イケッ♡ アクメしろぉっ♡♡」
「おひ♡♡ ま、一旦待てってェ♡♡」
「駄~~目♡♡ さっき散々焦らされたからな♡ もう我慢できんっっ♡♡」
いつの間にやら主導権はジャスティスに移り、マゾノーは白目を剝いて犯されるのみ。なんなら、襲われていたはずのジャスティスのほうがレイプ犯のようにさえ見える光景だ。
下衆なチンポ男に堕ちたジャスティスメタルの姿に、コメント欄からは困惑と、ある種の興奮が溢れ出す。それすらもジャスティスメタルにとっては興奮材料だ。
「うおぉっ♡♡ イクッ♡♡ 皆に見られながらセックスしてイクゥッ♡♡ 雑魚チンポからザーメンぶちまけるぅっ♡♡ 見ていてくれ皆♡ オレのだらしないアクメ顔♡♡ マゾノーのマンコに生ハメ種付けするところッ♡♡ ……ウッ、射精る射精るぅうう~~ッッ♡♡」
「んほおぉッッ♡♡ み、見るなぁッ♡♡ 観るんじゃねェ、下等な地球人どもッッ♡♡ あひ♡ イグッ♡♡ 濃厚ザーメンどぷどぷキてるぅうッッ♡♡ オマンコに中出しされてイグうぅうッッ♡♡」
――どぴゅどぴゅっ♡♡ と、勢いよくジャスティスが射精する。それでも彼の腰の動きは止まらない。熱いザーメンが己の中にぶちまけられた感覚で、マゾノーも、つられてトコロテン射精をキメていた。
「あ……♡ 見ろ、マゾノー♡♡ おまえのスケベなイキ顔♡ ばっちり配信画面に映ってるぞぉ♡♡ もちろん、オレのアヘ顔もっ♡♡」
「ひッッ♡♡ ば、馬鹿野郎ッ、まだ、俺様イッてぇ……♡♡」
「もっともーーっとイけるだろ♡♡ オレもまだまだ足りないんだ♡♡ なあ……ほらっ、もっとみんなに見てもらわないとぉ♡♡」
「や、も、無理……やめッッ、ぁああ~~ッッ♡♡」
配信画面に映る二人は、どっちもどっちなアホ面で交尾にふけっている。コメント欄の性欲もしつしかジャスティスのみならずマゾノーにも向いていて、『いいぞもっとやれ』『二人の喘ぎ声聞かせて♡』『お幸せに~』などと、揶揄するような言葉が並び始めた。
射精を終えてもメスイキしまくっているマゾノーに構うことなく、超絶倫なジャスティスメタルは、とどまることなく彼を犯しまくる。
「ふんッ♡ ふんッッ♡♡ マゾノーっ、好きだ、マゾノー♡♡ オレがおまえ専用チンポなら♡ おまえのマンコもオレ専用になれッッ♡♡ オレのモノになってくれぇっ、マゾノーッッ♡♡」
「ひぐッ♡♡ おへェ♡♡ 馬鹿言うなっ♡ お、俺様が♡♡ ヒーローチンポなんぞの言いなりになんてぇ♡♡」
「体はこんなにオレのチンポ大好きのくせにっ、そう意地を張るな♡♡ ……オレの正義チンポでわからせてやるぅ♡♡ みんなの前でアクメして、オレのモノになるって言ってくれぇ♡♡」
「ぜ、絶対言わねェ♡♡ ……イグッ♡ ひぃ♡♡ ケツマン犯されてイクぅうッッ♡♡ 雑魚ヒーローのチンポでイク♡♡ アホ面晒した変態セックス、地球人どもに見られてイクぅう~~ッッ♡♡」
二人のセックス配信は、機材の電源が切れるまでずっと続いた。いつしかコメント欄もジャスティスメタルの絶倫ぶりにドン引きしはじめ、マゾノーへの同情の声がちらほら上がるほどであった。
以下は配信後半に寄せられたコメントの抜粋である。
『ジャスティスくん性欲どーなってんの?? 化け物??』
『マゾノー気絶してて草 自業自得』
『ジャスティスくんとえっちしたい、そう思っていた時期がありました』
『↑やめとけ死ぬぞ』
『マゾノーで抜く日が来ようとは……ヤリマンなんですよね?? オフパコありですか??』
『↑やめとけ、ジャスティスメタルに殺されるぞ』
『ある意味お似合いだろこれ この性欲に付き合えるヤツ他におるか??』
『リア充末永く爆発しろ 俺たちを巻き込むな』
配信が途切れてからも、互いが気絶するまでセックスは続き――気づいたときにはあたりは白濁液の海だったと言う。
*
――こうして、マゾノーの体を張った作戦は痛み分けに終わった。ちなみにジャスティスメタルはこの件で所属会社からたいそう怒られたが、逆に『本気でマゾノーを愛している』『彼のためならばなんでもする』と開き直り、マゾノーと交際するまでヒーローをやめないという旨の決意表明会見まで行ってしまったので、なんならマゾノーの完敗かもしれない。
日和ったマゾノーが配信場所を十八禁プラットフォームにしたおかげもあり、最初は否定的だった一部ファンや所属会社のお偉方も、最終的には『公然猥褻には公然猥褻をぶつけるほうがいいかもしれない』と結論づけて、ジャスティスのヒーロー活動は今後も変わらず行われることとなったのである。
……戦え! ジャスティスメタル! その有り余る変態性欲でマゾノーをモノにするその日まで!!
頑張れ! マゾノー! そろそろ観念しろ!! 『公開セックスも盛り上がったしたまには悪くねえかもな……』などと思い始めているおまえは間違いなくジャスティスメタルとお似合いの変態なのだから――!!
――――――
この話の前日譚である、ジャスティスメタルが露出狂に目覚めてハメ撮りしながら童貞卒業する話は同人誌に収録しています。詳しくは画面下部のリンクをご覧ください!
同人誌サンプルはpixivにて掲載してます。
→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15460627
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