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第一話

#1 高慢女好き老貴族が、バリタチ男の娘に敗北してメス堕ち屈服アクメをキめる話-1

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 一人の男がいた。男の名はアルベリッヒ=ヴェルナー。国内で彼の名を知らない者はいないとさえ言われる初老の貴族。荒々しくも男らしい顔立ちと、老いてなお逞しい肉体、そして莫大な富を持つ男。彼の絢爛豪華な屋敷にあるハーレムは、彼自身を知らない者でも噂くらいなら聞いたことがあるだろう。
 多額の富と強大な権力、そして数多の女を欲しいままにしている彼は、男達からの羨望の的であり、女達にとってはある種の脅威であった。
 彼の女癖の悪さときたらどうしようもないもので、美女を見れば迷わず口説きにかかる。手に入れたいと思った女は、ありとあらゆる力を行使して自らの妻とする。しかも、飽きた女は情け容赦なく捨てられるのだから酷い話だ。六十歳を過ぎた今でも、彼の欲望は止まるどころかむしろ悪化しているのだから手に負えない。
 国内でもかなりの有力者である彼に、逆らえる者などそうそういなかった。他の権力者や国家の中枢に立つ者たちとも癒着しているのだからなおのこと。たいがいの女は、彼に求婚されれば二つ返事で了承し、少しでもその権力の恩恵を受けようと、そして捨てられてはなるまいと媚を売るようになる。それに飽きたアルベリッヒは、嫌がる女性を無理矢理に権力で捩じ伏せたり、奴隷の女を乱暴に抱くようなことが増えていた。


 *


「……旦那、また新しい女探しですかい」
 首都から少し離れた町にひっそり佇む娼館--と呼ばれているが要するに性奴隷を売買するための場所である--に、現れたアルベリッヒを見て、オーナー兼店番の男は呆れた声を出した。
「ああ、先日買った娘が使い物にならなくなったからな。代わりを探している」
「こんな商売してる俺が言えた話じゃねぇですが……最近の旦那は酷すぎますぜ。次々と奴隷を買っちゃあ無理な行為でくたばらせて。過激なプレイにも限度があるでしょう……商品にも限りがあるんですぜ?」
「ふん、一度俺が買ったもの、つまり俺の所有物をどうしようが俺の勝手だろう?それなりの値は出したじゃないか」
「う、そりゃあ、そうですが……」
 何か言いたげな奴隷商を制し、彼は吐き捨てた。
「俺は飽き飽きしてるんだ、どんな女も似たり寄ったりの反応しかよこさないからな。なにか目新しいモノはないのかと探したくもなる」
「目新しいモン……ですか」
 僅かに、商人の口角が上がった気がした。
「……それなら、とっておきの商品がありますぜ?」
 そう言って彼が見せたのは、中性的な娘の写真。愛らしい顔立ちに、ショートカットが似合っている。年はまだ十代後半ほどだろうか。細い手足とスレンダーな体つきが魅力的だ。
 だが、それもアルベリッヒにとってはありふれたただの美少女にしか映らない。
「とっておき……?まあ、奴隷にしては高貴な印象を受けるが、ただの娘じゃあないか」
「そう思いますでしょう?……ところがなんと、こいつ――男なんです」
「……男ぉ?」
 怪訝な顔をしたアルベリッヒに、娘改め少年の写真をちらつかせ、商人は言う。
「まあ……いきなりこう言われても、旦那も信用ならんでしょう?必要でしたら証拠をお見せしますよ、本人を呼びましょう」
「あ、いや……、そうだな……」
「……乗り気じゃねえと?ふふっ、まあそうおっしゃらず。騙されたと思って見てくだせえよ……ありゃ下手な女よりもよっぽど良い商品ですぜ」
 馴染みの奴隷商のごり押しに根負けしたか、まあそこまでいうならと、彼はしぶしぶ頷いてみせた。



 数分経って奴隷商が連れてきたのは、確かに写真通りの--いや、写真で見るよりも美しく、そしてどこか奇妙な艶かしさのある美少年だった。輝く金の髪と空色の瞳は、まるで高価な人形のようで、奴隷として売られているのが不思議なほどだ。
 いくら美しくても男など……と躊躇っていたアルベリッヒですら、ハッと見惚れるほどのなにかを持っている。

  少年は恥じらい混じりにアルベリッヒを見つめ、静かに頭を下げ挨拶する。
「……初めてお目にかかります、ヴェルナー卿。ルクスリアと申します」
 やや高めの、だが確実に変声期を過ぎた少年の声だった。
「ルクスリア。おまえの美しい体をヴェルナー卿にお見せするんだ」
「……は、はい。お任せを」
 奴隷商の指示に顔を赤らめながら、少年は衣服を脱いでいく。奴隷用の粗末なワンピース以外には何も――下着すら着ていなかったらしく、あっと言う間に全裸になった。
「……どうぞ、ご覧ください、ヴェルナー卿」
「っ……、これは……」
 アルベリッヒはその裸体に釘付けになっていた。男とは思えぬほどに華奢で美しい、しかしながら女よりも引き締まった肉体は、妙な色香を放っている。股間を隠そうとモジモジ恥じらう姿も、まるで生娘のように愛らしい。そこにぶら下がっている太くて立派なイチモツはアンバランスだったが、それすらも倒錯的なエロスを感じさせる。どこか人間離れした、悪魔的な美しさの肉体だった。
 ……ああ、これほど美しいのだ、女代わりとしても十分すぎるとアルベリッヒは喉を鳴らす。この可憐で妖艶なイキモノを、なんとしてでも己の女にしたいと思ってしまった。

「……旦那、もしよかったらそいつ、試してみますかい?ここに来る前から男娼やってたってんで、腕前はなかなかのもんですし……ふふ。奥の部屋、今日は空いてますぜ」
 ニヤニヤと笑いながら奴隷商が問う。
「……。では、そうさせてもらおうか」
「へへへ、毎度あり!せっかくなんで精力ドリンク、サービスしときます!……さあルクス、聞いていたよな?ヴェルナー卿を例の部屋でおもてなしをするんだ」
 例の部屋、とは、接待用の部屋--娼館と聞いて多くの人がイメージするであろう用途のための部屋である。すっかりこの店の常連になっていたアルベリッヒはもちろん、商品であるルクスリアもそのことは重々承知だろう。
「……わかり、ました。ではヴェルナー卿……こちらへどうぞ」
 やや怯えた少年の声に満足して、アルベリッヒはその後に続いた。


 *


 ――なんて単純な男だろう!こうも簡単に、僕の演技に引っ掛かるなんて。
 奴隷の少年、ルクスリアは密かに興奮していた。以前から気になっていた常連客、アルベリッヒが自らやってきてくれるとは!いかにも男らしい、女好きのこの中年を、今から自分のものにするのだと考えると股間が疼く。全裸にされている間からずっと、高まりを抑えるのに必死だったのだ。

 ルクスリアは、インキュバスと呼ばれる種族の悪魔であった。それも男専門、つまり、男を抱いて種付けし、快楽の虜にすることこそが彼の存在意義であり使命である。魔のモノが生きづらくなったこの世の中、ひっそりと人間のフリをして生きているというわけである。
 年齢こそ見た目とそう変わらない若い悪魔ではあったものの、その実力はたしかだった。細い見た目に似合わぬ怪力と、抜群なテクニックで無理矢理に貞操を奪えばしめたもの。一度彼に抱かれた男は、大半が雌としての快感に目覚めてしまう。アルベリッヒのようにプライドの高い、男らしい男を屈服させるのは、彼にとって至上の快感なのだった。



 部屋に着いたアルベリッヒは、サービスだと渡された精力剤を飲み干して、そして改めてルクスリアを見る。
「ルクスリア、とか言ったな?貴様、奴隷にしては美しい身体をしているじゃないか。特にその細い足!とても男とは思えないぞ……」
 彼は少年を抱き寄せ、いやらしい手つきで身体をなぞった。
「……やめて、ください……」
 貴族を油断させるため、そして何より彼自身の興奮のために、ルクスリアは『か弱い無垢な少年』を演じる。彼の中でこれはある種のプレイなのだ。男達が、先程まで女のように扱っていた少年に犯され墜ちていく。ルクスリアの建てた筋書に乗っ取って。
 まんまと騙されたアルベリッヒは、下卑た笑いを浮かべて言う。
「おまえの主人は俺をもてなせと言ったのだろう。その意味はわかるよなぁ」
「…………はい」
「今は俺がおまえのマスターだ、素直に言うことを聞かないと痛い目をみるぞ?」
「……わかりました、ヴェルナー卿」
 なんと滑稽な茶番だろう。ルクスリアは、怯えた顔を作りながら、貴族の浅はかさを嘲る。そうとは知るよしもない哀れなアルベリッヒは、満足げに少年を跪かせた。
「……さあ、ルクスリア」
 ベッドに腰掛けた愚かな獲物は、緩やかな手つきでベルトを外し、ズボンと下着をずり下ろす。ぶるんと勢いよく飛び出した彼のそこは半勃ちで、使い込まれているのだろう、黒々と卑猥な色に輝いている。しゃぶりがいのありそうなデカマラだ。ごくりと、ルクスリアは唾を飲み込む。
「……舐めろ」
「は、い……ご主人様……」
 乱暴に差し出されたそれを、ルクスは迷うふりをしながらくわえた。
 亀頭に舌を這わせれば、口の中に、汗が混じった雄の香りが充満する。今すぐ激しくしゃぶりつくしたい衝動を堪え、控えめにぴちゃりぴちゃりと舐めながらも竿を手でしごいてやれば、たしかにカタくなっていくのがわかる。
「んっ……ふ……、そうだ……上手いぞ……」
「……………」
 もっとやれと言わんばかりに、彼の手がルクスリアの頭に乗せられた。軽い力で掴まれているだけだ、抵抗しようと思えば容易いが--もう少しサービスしてやってもいいだろう。口をすぼめ、ズズッと音を立て下品に吸い付いてやれば、男の体は小さく震えた。
「んぁ゛っ……、ふふ、やる気がでてきたのか?いやらしい奴め」
 いやらしいのは貴方のほうだ、と心の中で返事をして、そのまま性器をねぶり続ける。裏筋を重点的に責めつつ、時折玉袋の方も舐めてやれば、びくりと反応が返ってくる。
「ん、んんっ……、流石は男、イイ所がよくわかってるじゃないか……」
「…………」
「ん、くっ、おぉッ……!」
 頭を抑えていた手が離れた。瞬間、ルクスリアは性器から口を離す。つうっと透明な糸が引き、亀頭は唾液と先走りとでぬるぬるになっている。なんとも欲情する光景だった。
「……貴方のチンポ、美味しいよ♡」
 思わず本音が出てしまう。アルベリッヒが何か言う前に、再びそれをくわえ込んだ。先走りを舐めとるように、執拗に亀頭を舐めていると、上気した顔で貴族が言う。
「は……はは、そんなに私の性器が好きか、変態め」
 返事の代わりに、根本までチンポをくわえこんでやれば、アルベリッヒの体は大きく跳ねた。
「んぉ゛ッ……!?ぁ、はぁっ……、この、淫乱……!」
 ――淫乱は貴方じゃないですか?男にチンポを好き勝手されて、感じてるなんて。それを言うにはまだ早いので、黙って口を使って扱き続ける。
「あ゛っ、く、あぁ゛あ゛っ!イぐッ……!!」
 今にも射精しようとびくびく震えだすチンポと、口内に充満した雄臭い先走りの味にぞくぞくする。このまま刺激を与えつづければ、貴族が達するだろうことは容易に想像できた。だから。
「……ねぇ、ヴェルナー卿」
 ルクスリアは動きを止め、さらには男根から口を離して、嗤う。
「き、さま……ッ!何故、やめ、て……」
「気付いてるかなぁ?いつの間にか、身体に力が入らなくなったこと」
「!!」
 確かに彼の身体は、ジワジワとだが思うように動かなくなっていた。てっきり快楽のせいだと思っていたが--もしや。
「……毒、でも盛ったか……?クソガキめが……」
「毒だなんて失礼な!僕はただ、貴方にも快楽を味わってほしいだけなのに。どうせなら一緒に気持ち良くなりたいでしょ?」
 少年の言葉は、アルベリッヒにとっては意味不明な戯言にしか聞こえなかった。本人も言葉足らずだとは思っているのか、クスクスと笑い補足する。
「……今は、わかってくれなくても構わないよ?どうせすぐにわかることさ。ただ、僕は貴方に危害を加えたいわけじゃないんだ」
 ニタリと微笑むその顔は、まるで絵画のように美しい。
「まあ、安心しなよ。命に関わる毒じゃない、貴方も誰かに使ったことあるんじゃない?……いわゆる媚薬ってヤツさ」
「な、んだと……!?」
「ごめんね、抵抗されたくないんだもん」
 仮面のような笑みを崩さず、ルクスリアは言い放つ。混乱し怯え気味のアルベリッヒに、股間をアツくたぎらせながら。
「ふ、ふふ……可愛いなぁ、ヴェルナー卿」
「ぐ……っ、は、離せ…!」
 少年は立ち上がり、アルベリッヒに覆いかぶさった。媚薬で身体の自由が利かない彼は、いとも簡単に押し倒される。
「何をそんなに嫌がるの?貴方は新しい快楽を探している、僕はそのお手伝いをしたいだけなのに」
「お、俺にこんな屈辱を味わせておいて……、ただで済むと思うのか……!?」
「文句を言うにはまだ早いよ、僕はまだ何もしてないもん」
 言うや否や、ルクスリアは口づけた。
「ん゛ーッ……!?」
「っ……ふ、んん……♡」
 困惑しフリーズしたアルベリッヒを組み敷いて、無理矢理口内を侵食する。唇をこじ開け、歯の裏に舌を這わせれば、貴族はビクリと震え上がる。感じたのかもしれない。反応があったのが嬉しいのか、少年は益々激しく食らい付いた。
 酸欠か、あるいは興奮か。アルベリッヒは目眩がした。
「……気持ちイイ、でしょ?」
 唇を離して妖艶に笑う少年は、確かに色っぽくあり、その言葉も事実だったため否定できない。男は黙り込むしかなかった。
「ねぇヴェルナー卿。気持ちイイコト、好きでしょ?」
 嫌いでは、ない。ただ彼が言う『快感』というのが自分が望むそれではない気がして、再び黙り込む。
「んー……答えないのは、イエスってこと?」
 生意気な口調や態度、状況、誰がどうみてもルクスリアの方が優位に立っていた。ニヤついた笑いは勝者の余裕だ。苛立つ余裕もないくらい――この欲を放てるならばどんな屈辱を味わってもいいとさえ思えるほどに、アルベリッヒの熱は高まっていた。
「……好きに、しろ……」
 思わず口をついて出た言葉。気持ち良ければもうどうだっていい。熱に浮された譫言だ。勢いで言っただけだとわかっているだろうに、ルクスリアは満足げに微笑んだ。もう十分だと言わんばかりだ。
「それじゃあ、お言葉に甘えて」
 言いながら、ベッドサイドの引き出しに手を伸ばす。カチャリと響く金属音。まさか、と男が青ざめた瞬間、彼は優しい笑顔で言ったのだ。
「好きにしていいんでしょ?……じゃあまずは、今まで貴方が犯してきた女の気分でも味わってもらおうかなっ♡」
 その手に輝くのは、手錠。
「お、おまえ……っ、なにをッ」
「だーいじょうぶだよ、僕に任せて♡」
「何がだ!?離せっ!!」
 暴れるアルベリッヒを押さえ付け、手錠をかけてベッドに繋げる。更に、強制的に足を開かせて、アナルがよく見えるように固定した。
「貴様ッ!よくも、こんなフザけた真似を……っ!!」
「やだなぁ、僕は至って真剣なのに」
 男が必死に身をよじらせるが、当然、拘束は解けない。カチャカチャと冷たい金属音がするだけだった。クスクスと愛らしい声で笑いながら、ルクスリアは男のアナルへと指を伸ばす。
「ほら、力抜いて」
「ひッ……、ど、どこを触っているんだっ!!」
 悲鳴を上げる彼に構わず、少年はそこを撫で続ける。指の腹で優しくふにふにと押せば、段々に解れていくのがわかった。
「いっ……嫌だ、やめろ……、離せ!!」
「……貴方は、そう言って抵抗する女をどうしたっけ?」
「は……?」
 不快そうに歪んだ顔。ルクスリアは満足げに笑う。
「貴方はやめなかった。どんなに泣いても喚いても、彼女たちは犯され続けたんでしょ?」
「だ……だから、なんだと……」
「言ったよね。貴方にも同じ思いをしてもらうって」
 動き出そうとするルクスリア。貴族は慌てて猫なで声を出す。
「まっ、ま、待て……!!は、話し合おうじゃないか、何が望みだ、金なら出す、だ、だから、許し――」
 ルクスリアの顔が下品に歪む。ずぷりと、指先が挿入された。
「っ゛……!?」
「あれ?ごめんごめん、一応、きちんと解したつもりだったんだけどさぁ」
 言いながら、濡れるはずもないそこに無理矢理指を捩込む。当然、初めてな上に潤滑油も無いとあれば、ことがすんなり進むはずはなく。
「い゛、ぁ゛あ゛あ!!?」
「……あはっ、大袈裟♡」
「ぐ……っ、貴様ぁ゛!は、はやく指を……指を、抜けぇ……!!」
 涙目になりながら訴える男を嘲笑い、少年は指を一本増やす。
「ッ――!!」
 男は、声にならない悲鳴を上げる。苦しい。クルシイ。異様なまでの痛みと圧迫感。アナルが裂けてしまいそうだ。
 少年は、無理矢理二本の指を捩込んで、ぐちゃりぐちゃりと抜き差しする。腸内をえぐられ、掻き回されて、生理的な涙が溢れた。
「ぃ゛あ゛っ……!!き、さま……、やめろ、いや、だ……」
 掠れた声での抵抗は、興奮材料にしかならない。意地悪く微笑んだ彼は、更に指を一本増やした。
「ひぎ……ッ!!?」
「ああ、暴れないで……もっと痛くしちゃうよ?」
「ゃ、嫌、だ……!ゆるしてくれ……ッ、頼む、やめ……」
 先程までの強気はどこへやら。弱々しく懇願する姿は、ルクスリアの欲を掻き立たせた。クスリと愛らしく笑うと、彼は、男の胸に片手を伸ばす。
「……ふふっ、貴方の泣き顔、すっごくエッチだね♡つい虐めたくなっちゃうよ」
「ひぅッ……!?」
「でも大丈夫、そろそろ気持ち良くしてあげるから……いっぱい乱れてねっ♡」
 言うや否や、乳頭を優しく撫で回しだした。くるくると円を描くようになぞれば、甘く鼻がかった声が聞こえる。
「く、ふ……っ、んんっ……!」
「へぇ……、乳首、感じるんだ?女の子みたい」
「んっ……ふ、ぅ、ちが……、」
 口では否定しているものの、身体は哀れなほど正直に反応を示す。愛撫された乳首は勿論のこと、次第にペニスも立ち上がりだしたのだ。
 気付いた少年は満足げにニタリと笑ったが、快感に流されまいとして必死になっている本人は気付きもしない。想像以上にイイ反応を見て、ルクスリアはより粘着質に攻めだした。なまめかしい手つきで、じっくりねっとりと捏ねくり回せば、さっきよりも甘い喘ぎが漏れる。どうやら、声を抑えようと努力はしているようだが、まったくもって効果はゼロだった。
「ぐ……っ、そこ、やめ……」
「嘘!やめて、じゃなくてもっと、でしょ?」
 そう言って、キュッと乳首を摘む。
「ァひっ!!?」
 アルベリッヒがびくりと身体を震わしたのを見て、彼は意地悪く笑い声をあげた。
「あはははは!やっぱり感じてるんだぁ!」
「ち、違う……っ、これ、はぁ……!」
「何が違うの?男に乳首弄られて、ちんぽギンギンにおっ勃てといて!」
「んひぃッ、ぁああああ!!!?」
 強い力で引っ張られれば、痛みと同時に押し寄せる、快感。何故だと、アルベリッヒは混乱していた。
(……まさかこんな……この俺が、女のようにされて、感じるだと!?)
 ありえない、ありえるはずがないと言うのに。どうして自身は勃起している?
 さらに少年は、反対側の乳首を舐めはじめる。唾液のぬめりと、ザラザラした舌の感触。ぞくりと背筋に震えが走る。
「ッ、……!!」
 不快感であるべきそれが、どこか甘い痺れを伴っていることに、気が付けないほど彼は愚かではない。
(嫌だ……、何故、こんなガキに俺が……!)
「ん……っ、ほんと、快楽に弱いんだね。気持ち良ければなんでもイイって……淫乱の素質あるんじゃない?」
「だ、れが、いんらんだ……!」
「うるさいな……、貴方はただアンアン喘いでればいいの♡」
 そういって、しばらく止めていたアナルの方の指を抜き差ししだす。
「ぃ゛ッ……!!ぁ゛、そこは、やめ……!」
「大丈夫……スグに気持ち良くなるって♡」
 笑いながら彼は、指を伸ばして前立腺を探る。胸を弄って快楽を与えることも忘れない。痛みと快楽の狭間で、アルベリッヒの意識は今にも吹き飛びそうだった。
(ぁ……あぁ……ッ、何故、俺が……こんな目に……!)
「ふふっ……エロい顔」
 囁いた彼の指が、ぐり、と男の腸壁を押した。少し固いしこりのような感触。
「んぐッ……!?」
 びくりと身体が跳ね、ナカが締まる。……感じたのだろう。
(な……、なんだ、今の感覚は……!?)
 初めての快楽に戸惑う彼を嘲笑うように、少年は容赦なくそこを攻める。ごりゅごりゅとした指の感覚に、思わず、雄叫びを上げた。
「ぁ゛……ん゛ッ、んぉ゛お゛お゛お゛!!!?」
「ふ……はは、あははは!!そんなに僕の指がイイの?」
「ん゛ぁ゛ッ、ぁ、ひ、ぁああ……!!」
 頭が真っ白になる。何も考えられなくなる。ルクスリアの与える快楽に、溺れてしまいそうになる。
「知らなかったなあ……あのアルベリッヒ=ヴェルナーが、ケツに野郎の指突っ込まれてヨガる変態だなんて!」
「ん゛ッ、がッ……ぁ、へ……ん、たい……?」
 すっかり虚ろな瞳のアルベリッヒに、少年は、可憐な微笑みを見せて言う。
「貴方……ド変態のカマ野郎なんだね♡」
「ッ――!」
 込み上げる羞恥と、困惑と――快楽。突き刺すような冷たい視線に、身体が震えた。
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