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「よし、ヒイロ!! おまえ……俺とセックスしろ!!」
「え……、えぇええ~~ッ!?」
突然の爆弾発言に、ヒイロは、困惑の声を上げていた。
「あ、あの……っ、セージ!? 何言ってるの!?」
「そりゃこっちのセリフだ!! お、おまえ、俺の偽者とはヤッたくせに! お、俺とは、キスもろくにしねえとか! どういうつもりだよ……!!」
「そんなこと言われても……!?」
どうやら征時は、ヒイロが過去の自分……というか、セインのふりをしていた疑似人格と体の関係にあったことが不満らしい。
ムッとした様子で口を尖らせ、やけっぱちのようにヒイロに迫る。
「お、男なら、ウジウジしてねーで手ぇ出せよ!! す、据え膳だぞ!? 嬉しくねえのかよ!?」
「うっ……嬉しいけど!! もっと自分を大切にしようよ!?」
「う、うるせー!!」
征時自身、いつかヒイロと結ばれたいとは思っていた。恋人同士になったときから、大人の関係になる覚悟だってできていたのだ。
それなのに、なかなかヒイロは手を出してくれなくて――本当ならばもっと待つつもりでいたところに、過去の自分とはヤッていた、という事実を知り、我慢できなくなってしまったのである。
「な、なんでも聞くっつったよなあ!? そ、それにおまえ、俺の願いは断らねーんだろ!?」
「っ……、でも……」
「そ、それともなにかよ!! 偽者には興奮できたくせに、お、俺じゃあ勃たねえとか抜かすのか!? 俺と、その……、トクベツなこと、したくねえのかよ!?」
「うぐっ……!? し、したくないわけないだろ!? けど……! 僕なんかが、また、君を汚して……傷つけたりしたら、って思うと……!」
ヒイロも、なにも征時とそういった仲になることに消極的というわけではない。むしろ本心ではそれを望んでいたが、今までの『やり直し』のトラウマから、自分にはそんな資格がないと思いこんでいる様子である。
グイグイと迫られ、困惑混じりに『したくないわけがない』と口にしたヒイロを見て、征時はにんまりとした笑みを浮かべる。
「……な、なんだよ、ちゃんとシてえんだな♡」
「……へっ? あ、あの、セージ?」
「おまえ……俺のこと好き好き言うくせに、ぜ、全然手ぇ出してこねーだろ。その……最初は、俺のこと抱きたいとか言ってたくせに、それっきりで。お、俺、そこまで魅力ないのかなとか、ちょっとヘコんだりしてたんだけど……」
ずっと悩んでいた。自分には、抱くほどの価値がないのではないかと。しかしそれは杞憂だったのだ。
ただ単に、征時も、ヒイロも、不安で先に進めていないだけだった。ならば話はシンプルだ、と、彼は言う。
「おまえがヘタレてるだけ、っつーなら、話は早いよな? ……お、俺もまあ、ぶっちゃけビビってたけどさ。でも……、偽者なんかに先越されたとか、ムカつくし。だから、おまえとヤる。お、おまえの恋人は、俺なんだからな!! ……偽者との記憶なんか、忘れちまえ」
「セージ……」
自分を名乗る偽者に、ヒイロの初めてを奪われたことが悔しかった。そして、その辛い記憶が、ヒイロにとっての枷となっているのも憎らしい。
そんな記憶は、全て塗り替えてしまいたい。自分との思い出で上書きしてやりたい。
そういった思いも込めて――征時は、ヒイロを抱き寄せると、舌を絡めるような濃厚なディープキスをぶちかます。
「んぁ……♡ だ、だめだよ、セージ……っ♡」
「なにがだよ♡ こ、恋人同士なら、セックスくらい当たり前だろ……? ビビってんじゃねーっつの♡♡」
言いながらも、征時の掌は、ヒイロの股間に触れてさすさす♡♡ といやらしい動きでソコを揉みしだいていた。
恋人からの甘い口づけに、明らかに『そういう』意図を持った接触で、ヒイロのそこは固くなってしまっている。
「へへっ……なんだよ♡ こっちはその気満々じゃん♡♡」
「ちょっ……!? え、エロオヤジみたいだよ、セージ!?」
「う、うるせー!! いいから黙って、俺とヤれ!!」
大胆な行動をしていても、そもそも征時は童貞かつ処女である。恥じらいを勢いで誤魔化しながら、思い切り、ヒイロのズボンと下着をずりおろした。
「ひゃっ……!?」
「うわ……っ♡ でっか……♡♡」
強引に外へとさらけ出されたのは――幼い顔立ちには不釣り合いなほどの、雄々しく、立派なイチモツだった。
ばるんっ♡♡ と大きく揺れるそこに、征時は釘付けになり、愛おしそうに頬ずりをしながらニオイを嗅ぎ始める。
「やべー♡ おまえ、可愛い顔してこんなえっぐいの隠してたとか……♡」
「ちょっ……、セージ!? やめっ♡ く、くすぐったいし、恥ずかしいからぁ……!!」
「へぇえ~~? そのわりにはココは元気になってっけどなぁ~♡」
「っ♡ ぁ、それっ、だめ……!!」
つんつん♡ と悪戯めいた顔で先端をつつけば、ヒイロから快感の声が漏れ出した。
彼の余裕がないさまを楽しみながら、征時は、ヒイロのペニスをしゃぶりはじめる。
「んむっ……♡ んちゅっ♡ んん……♡」
「あぁ……っ♡ せ、セージ、そんなとこ、舐めちゃ駄目だってぇ……! き、汚いよ!?」
「んぐっ♡ ……お、おまえの体に、汚いとこなんかねーよ♡ ……なに、もしかしてフェラ、初めてか?」
「は、初めてに決まってるだろ!? こんなこと、君にさせるなんて……!」
「へへ、良いこと聞いたぜ♡ ……いーか、ヒイロ♡ 偽者野郎なんかより、俺のほうが、お、おまえのこと気持ちよくしてやれるんだからな♡♡」
初めてのフェラだというのに、妙に征時がノリノリだったのは、疑似人格への対抗意識があったからだ。
偽者よりも自分のほうが、ヒイロを満足させられるはず。自分との幸せなセックスで、辛い記憶を塗り替えてやりたい。そんな独占欲が、征時の欲望を加速させる。
(セージ……、僕が疑似人格と、そういう関係だったことに……妬いてくれてる? は、恥ずかしい、けど……嬉しい……♡)
(やっべ~……♡ 俺、男の……ヒイロのチンポ、咥えちまってる♡ ちょっと恥ずい、けど……なんか、俺の舌でヒイロがあんあん言ってるの見るのは、悪くねーな♡♡)
ヒイロは、征時の嫉妬を感じて喜んでしまい、征時は征時で、純粋に自分の体で恋人を快楽に導く悦びに目覚めていく。
二人の興奮は加速していき、征時は、ぎこちなさを感じる動きでありながら、ねっとり……♡ とヒイロのペニスに舌を這わせて、懸命に奉仕を続けた。
「ッ♡ せ、セージ♡ それ……っ、そこ、ぺろぺろしないでぇ……♡」
「ん゛~♡ ……ぷはっ♡ ヒイロはココが弱いのか~? なら、もーっとイジメてやろっかな♡ んちゅっ♡ じゅぞぞ~~っっ♡♡」
「あ♡ ぁ、あ、あぁああ~~ッッ♡♡」
ヒイロが甘い声を上げれば、征時は、そこを重点的に舐めしゃぶって彼を追い詰める。
ヒイロの体がガクガクと震え、限界が近いのを訴えかけていた。
「ごめっ♡ セージっ♡ 離して♡ 出る♡♡ もうっ、出ちゃうからぁ♡♡」
(んぐっ♡♡ ちょっと苦しい……けど♡ ヒイロのエロい声、めっちゃ興奮する♡ へへ……そのままイッちまえ♡ 俺の口にびゅーびゅー♡ ってぶちまけちまえ♡♡)
絶頂が近い、と、腰を引こうとしたヒイロに、征時は抱きついた。自然と彼の口とヒイロの腰とは密着し……そのまま、快楽の限界が訪れる。
「ひゃっ!? せ、セージ!? それっ……、まっ、ぁ♡♡ あぁああ~~ッッ♡♡」
――どびゅるる~~っっ♡♡ と、勢いよく放たれたザーメンを、征時は口いっぱいに受け止めて……ごくりと飲み干した。
目の前で起きた出来事に、ヒイロは目を白黒させている。
「ッ……!? ちょ、せ、セージ!? 大丈夫……!?」
「んぐ……っ、げほっ、ごほっ……!! や、やっべ~♡♡ おまえ、出しすぎ♡ し、死ぬかと思った……♡」
「ご、ごめん、僕……っ、我慢できなくて……!!」
慌てて頭を下げるヒイロに対し、征時は、にまにまとした笑みを浮かべて返す。
「んっふふ~♡ べっつにー? 謝らなくていいんだぞ♡ おまえの濃ゆ~いザーメン、しっかり受け止めたからな♡♡」
「なっ……!? なにしてるの!?」
「えへへ……♡ 飲んじった♡」
「!?」
「エロ漫画とかでよくあるだろ♡ 俺、憧れてたんだよなぁ~? ……まさか、自分がする側になるとか思わなかったけど♡ さすがに美味しくはなかったけど……、なんか、ちょっとエロい味して、興奮したわ♡♡」
……ちなみに、佐出征時という男は、どちらかと言えば性欲が強い方に分類される男である。
毎日オナニーは当たり前だし、スケベなことにも興味津々だった。前世の頃からアナニーやチクニーに興味を持ってセルフ開発をしていたほどである。
そんな彼なので、いざ、ヒイロと両思いになり付き合うとなってからは、いつ手を出されるのかとワクワクしながら待っていたのだ。
ところが、実際にはヒイロが彼に手出ししてくることはなく、ひとり寂しくオナニーで性欲を発散する日々が続いた。そんな折に、ヒイロが過去のセインと……セインのフリをした疑似人格、つまりはセインの偽者とは、体の関係にあったと聞いてしまい、堪忍袋の緒が切れた。
その結果がこの、処女とは思えぬドスケベムーブである。
「ど、どんな俺でも、おまえは好きでいてくれるだろ♡♡ こんな……、スケベな俺は、嫌か?」
「ッ~~!? い、嫌じゃない、けど……っ♡ そんな、突然で……、僕、どうしたらいいか……!」
ヒイロの声には、かつてのセインたちへ向けられた後悔の色が感じられた。それも含めて今のヒイロなのだというのは、征時だってわかっている。けれど。
だからといって、彼が前を向けずにいるのは、おかしいと感じてしまうのだ。
だから征時は、ヒイロを励ます。らしくもなく、素直な言葉選びで。
「……ヒーイーロっ。おまえが、俺のためにたくさん悩んで、たくさん苦しんで、一人で戦ってきたのはわかった。……俺は、そ、そんなおまえだったから、す……好きになったんだと思う。……だから、難しく考えんなよ。お、俺が、おまえのこと好きで、おまえも俺のことが好き。なら……好きを確かめるためにさ、こ、こーゆーことしたって……いいんじゃねーの……?」
シンプルなその言葉に、ヒイロは、ハッと顔を上げた。
「……ありがとう、セージ。僕、いっつも君に救われてばかりだね」
「ははっ! なんだよそれ。……なら俺たちオソロだな。お、俺も……おまえのおかげで、救われたから」
二人は見つめあい、抱きしめ合うと、どちらからともなく唇を重ねた。濃厚な、大人のキスだった。
「ん……っ♡ お、おい、ヒイロ♡ おまえ、よく自分のチンポしゃぶった口とチューできるな……」
「関係ないよ……、セージのかわいい口だもん。……ねえ、セージ。本当に……いいの? 後悔しない?」
「ばーか! 後悔するくらいなら男のチンポなんかしゃぶらねーよ!!」
「……ふふっ、もう! ムードがないんだから……!」
けらけらと子供のように笑い合い、二人は、もう一度キスをする。今度は軽く触れるだけのものだ。
「……ムード、っつーなら……そろそろベッド行くか? さすがに、ここでヤッたら身体痛くなりそーだ」
「もう! だから、そういうところだよ!?」
いつもどおりの、コントじみた軽口を叩き合いながら。二人は仲良く並び、寝室へと向かっていった……。
「え……、えぇええ~~ッ!?」
突然の爆弾発言に、ヒイロは、困惑の声を上げていた。
「あ、あの……っ、セージ!? 何言ってるの!?」
「そりゃこっちのセリフだ!! お、おまえ、俺の偽者とはヤッたくせに! お、俺とは、キスもろくにしねえとか! どういうつもりだよ……!!」
「そんなこと言われても……!?」
どうやら征時は、ヒイロが過去の自分……というか、セインのふりをしていた疑似人格と体の関係にあったことが不満らしい。
ムッとした様子で口を尖らせ、やけっぱちのようにヒイロに迫る。
「お、男なら、ウジウジしてねーで手ぇ出せよ!! す、据え膳だぞ!? 嬉しくねえのかよ!?」
「うっ……嬉しいけど!! もっと自分を大切にしようよ!?」
「う、うるせー!!」
征時自身、いつかヒイロと結ばれたいとは思っていた。恋人同士になったときから、大人の関係になる覚悟だってできていたのだ。
それなのに、なかなかヒイロは手を出してくれなくて――本当ならばもっと待つつもりでいたところに、過去の自分とはヤッていた、という事実を知り、我慢できなくなってしまったのである。
「な、なんでも聞くっつったよなあ!? そ、それにおまえ、俺の願いは断らねーんだろ!?」
「っ……、でも……」
「そ、それともなにかよ!! 偽者には興奮できたくせに、お、俺じゃあ勃たねえとか抜かすのか!? 俺と、その……、トクベツなこと、したくねえのかよ!?」
「うぐっ……!? し、したくないわけないだろ!? けど……! 僕なんかが、また、君を汚して……傷つけたりしたら、って思うと……!」
ヒイロも、なにも征時とそういった仲になることに消極的というわけではない。むしろ本心ではそれを望んでいたが、今までの『やり直し』のトラウマから、自分にはそんな資格がないと思いこんでいる様子である。
グイグイと迫られ、困惑混じりに『したくないわけがない』と口にしたヒイロを見て、征時はにんまりとした笑みを浮かべる。
「……な、なんだよ、ちゃんとシてえんだな♡」
「……へっ? あ、あの、セージ?」
「おまえ……俺のこと好き好き言うくせに、ぜ、全然手ぇ出してこねーだろ。その……最初は、俺のこと抱きたいとか言ってたくせに、それっきりで。お、俺、そこまで魅力ないのかなとか、ちょっとヘコんだりしてたんだけど……」
ずっと悩んでいた。自分には、抱くほどの価値がないのではないかと。しかしそれは杞憂だったのだ。
ただ単に、征時も、ヒイロも、不安で先に進めていないだけだった。ならば話はシンプルだ、と、彼は言う。
「おまえがヘタレてるだけ、っつーなら、話は早いよな? ……お、俺もまあ、ぶっちゃけビビってたけどさ。でも……、偽者なんかに先越されたとか、ムカつくし。だから、おまえとヤる。お、おまえの恋人は、俺なんだからな!! ……偽者との記憶なんか、忘れちまえ」
「セージ……」
自分を名乗る偽者に、ヒイロの初めてを奪われたことが悔しかった。そして、その辛い記憶が、ヒイロにとっての枷となっているのも憎らしい。
そんな記憶は、全て塗り替えてしまいたい。自分との思い出で上書きしてやりたい。
そういった思いも込めて――征時は、ヒイロを抱き寄せると、舌を絡めるような濃厚なディープキスをぶちかます。
「んぁ……♡ だ、だめだよ、セージ……っ♡」
「なにがだよ♡ こ、恋人同士なら、セックスくらい当たり前だろ……? ビビってんじゃねーっつの♡♡」
言いながらも、征時の掌は、ヒイロの股間に触れてさすさす♡♡ といやらしい動きでソコを揉みしだいていた。
恋人からの甘い口づけに、明らかに『そういう』意図を持った接触で、ヒイロのそこは固くなってしまっている。
「へへっ……なんだよ♡ こっちはその気満々じゃん♡♡」
「ちょっ……!? え、エロオヤジみたいだよ、セージ!?」
「う、うるせー!! いいから黙って、俺とヤれ!!」
大胆な行動をしていても、そもそも征時は童貞かつ処女である。恥じらいを勢いで誤魔化しながら、思い切り、ヒイロのズボンと下着をずりおろした。
「ひゃっ……!?」
「うわ……っ♡ でっか……♡♡」
強引に外へとさらけ出されたのは――幼い顔立ちには不釣り合いなほどの、雄々しく、立派なイチモツだった。
ばるんっ♡♡ と大きく揺れるそこに、征時は釘付けになり、愛おしそうに頬ずりをしながらニオイを嗅ぎ始める。
「やべー♡ おまえ、可愛い顔してこんなえっぐいの隠してたとか……♡」
「ちょっ……、セージ!? やめっ♡ く、くすぐったいし、恥ずかしいからぁ……!!」
「へぇえ~~? そのわりにはココは元気になってっけどなぁ~♡」
「っ♡ ぁ、それっ、だめ……!!」
つんつん♡ と悪戯めいた顔で先端をつつけば、ヒイロから快感の声が漏れ出した。
彼の余裕がないさまを楽しみながら、征時は、ヒイロのペニスをしゃぶりはじめる。
「んむっ……♡ んちゅっ♡ んん……♡」
「あぁ……っ♡ せ、セージ、そんなとこ、舐めちゃ駄目だってぇ……! き、汚いよ!?」
「んぐっ♡ ……お、おまえの体に、汚いとこなんかねーよ♡ ……なに、もしかしてフェラ、初めてか?」
「は、初めてに決まってるだろ!? こんなこと、君にさせるなんて……!」
「へへ、良いこと聞いたぜ♡ ……いーか、ヒイロ♡ 偽者野郎なんかより、俺のほうが、お、おまえのこと気持ちよくしてやれるんだからな♡♡」
初めてのフェラだというのに、妙に征時がノリノリだったのは、疑似人格への対抗意識があったからだ。
偽者よりも自分のほうが、ヒイロを満足させられるはず。自分との幸せなセックスで、辛い記憶を塗り替えてやりたい。そんな独占欲が、征時の欲望を加速させる。
(セージ……、僕が疑似人格と、そういう関係だったことに……妬いてくれてる? は、恥ずかしい、けど……嬉しい……♡)
(やっべ~……♡ 俺、男の……ヒイロのチンポ、咥えちまってる♡ ちょっと恥ずい、けど……なんか、俺の舌でヒイロがあんあん言ってるの見るのは、悪くねーな♡♡)
ヒイロは、征時の嫉妬を感じて喜んでしまい、征時は征時で、純粋に自分の体で恋人を快楽に導く悦びに目覚めていく。
二人の興奮は加速していき、征時は、ぎこちなさを感じる動きでありながら、ねっとり……♡ とヒイロのペニスに舌を這わせて、懸命に奉仕を続けた。
「ッ♡ せ、セージ♡ それ……っ、そこ、ぺろぺろしないでぇ……♡」
「ん゛~♡ ……ぷはっ♡ ヒイロはココが弱いのか~? なら、もーっとイジメてやろっかな♡ んちゅっ♡ じゅぞぞ~~っっ♡♡」
「あ♡ ぁ、あ、あぁああ~~ッッ♡♡」
ヒイロが甘い声を上げれば、征時は、そこを重点的に舐めしゃぶって彼を追い詰める。
ヒイロの体がガクガクと震え、限界が近いのを訴えかけていた。
「ごめっ♡ セージっ♡ 離して♡ 出る♡♡ もうっ、出ちゃうからぁ♡♡」
(んぐっ♡♡ ちょっと苦しい……けど♡ ヒイロのエロい声、めっちゃ興奮する♡ へへ……そのままイッちまえ♡ 俺の口にびゅーびゅー♡ ってぶちまけちまえ♡♡)
絶頂が近い、と、腰を引こうとしたヒイロに、征時は抱きついた。自然と彼の口とヒイロの腰とは密着し……そのまま、快楽の限界が訪れる。
「ひゃっ!? せ、セージ!? それっ……、まっ、ぁ♡♡ あぁああ~~ッッ♡♡」
――どびゅるる~~っっ♡♡ と、勢いよく放たれたザーメンを、征時は口いっぱいに受け止めて……ごくりと飲み干した。
目の前で起きた出来事に、ヒイロは目を白黒させている。
「ッ……!? ちょ、せ、セージ!? 大丈夫……!?」
「んぐ……っ、げほっ、ごほっ……!! や、やっべ~♡♡ おまえ、出しすぎ♡ し、死ぬかと思った……♡」
「ご、ごめん、僕……っ、我慢できなくて……!!」
慌てて頭を下げるヒイロに対し、征時は、にまにまとした笑みを浮かべて返す。
「んっふふ~♡ べっつにー? 謝らなくていいんだぞ♡ おまえの濃ゆ~いザーメン、しっかり受け止めたからな♡♡」
「なっ……!? なにしてるの!?」
「えへへ……♡ 飲んじった♡」
「!?」
「エロ漫画とかでよくあるだろ♡ 俺、憧れてたんだよなぁ~? ……まさか、自分がする側になるとか思わなかったけど♡ さすがに美味しくはなかったけど……、なんか、ちょっとエロい味して、興奮したわ♡♡」
……ちなみに、佐出征時という男は、どちらかと言えば性欲が強い方に分類される男である。
毎日オナニーは当たり前だし、スケベなことにも興味津々だった。前世の頃からアナニーやチクニーに興味を持ってセルフ開発をしていたほどである。
そんな彼なので、いざ、ヒイロと両思いになり付き合うとなってからは、いつ手を出されるのかとワクワクしながら待っていたのだ。
ところが、実際にはヒイロが彼に手出ししてくることはなく、ひとり寂しくオナニーで性欲を発散する日々が続いた。そんな折に、ヒイロが過去のセインと……セインのフリをした疑似人格、つまりはセインの偽者とは、体の関係にあったと聞いてしまい、堪忍袋の緒が切れた。
その結果がこの、処女とは思えぬドスケベムーブである。
「ど、どんな俺でも、おまえは好きでいてくれるだろ♡♡ こんな……、スケベな俺は、嫌か?」
「ッ~~!? い、嫌じゃない、けど……っ♡ そんな、突然で……、僕、どうしたらいいか……!」
ヒイロの声には、かつてのセインたちへ向けられた後悔の色が感じられた。それも含めて今のヒイロなのだというのは、征時だってわかっている。けれど。
だからといって、彼が前を向けずにいるのは、おかしいと感じてしまうのだ。
だから征時は、ヒイロを励ます。らしくもなく、素直な言葉選びで。
「……ヒーイーロっ。おまえが、俺のためにたくさん悩んで、たくさん苦しんで、一人で戦ってきたのはわかった。……俺は、そ、そんなおまえだったから、す……好きになったんだと思う。……だから、難しく考えんなよ。お、俺が、おまえのこと好きで、おまえも俺のことが好き。なら……好きを確かめるためにさ、こ、こーゆーことしたって……いいんじゃねーの……?」
シンプルなその言葉に、ヒイロは、ハッと顔を上げた。
「……ありがとう、セージ。僕、いっつも君に救われてばかりだね」
「ははっ! なんだよそれ。……なら俺たちオソロだな。お、俺も……おまえのおかげで、救われたから」
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「ん……っ♡ お、おい、ヒイロ♡ おまえ、よく自分のチンポしゃぶった口とチューできるな……」
「関係ないよ……、セージのかわいい口だもん。……ねえ、セージ。本当に……いいの? 後悔しない?」
「ばーか! 後悔するくらいなら男のチンポなんかしゃぶらねーよ!!」
「……ふふっ、もう! ムードがないんだから……!」
けらけらと子供のように笑い合い、二人は、もう一度キスをする。今度は軽く触れるだけのものだ。
「……ムード、っつーなら……そろそろベッド行くか? さすがに、ここでヤッたら身体痛くなりそーだ」
「もう! だから、そういうところだよ!?」
いつもどおりの、コントじみた軽口を叩き合いながら。二人は仲良く並び、寝室へと向かっていった……。
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