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「よっ……と。うーん、やっぱこの、転移直後のふらつき、慣れないなぁ……」

 一方のヒイロはと言えば、セインに唐揚げを食べさせたい一心で、王都の中でも商店街や中心部に近い場所――冒険者ギルドのど真ん中へと転移していた。


 突如として現れた彼……英雄候補だと言われながらも突然冒険者を辞めて失踪したヒイロの帰還に、周囲は、驚きながらも歓喜の声を上げている。

「あんた……ヒイロ!? 帰ってきたのか!?」
「失踪したって聞いて心配してたんだぞ!!」
「おまえが帰ってくりゃ、王都のギルドも安泰だな! セインの野郎なんざいなくても、おまえさえいれば……」

 呼び止めようとするギルド所属の冒険者たちを軽くいなして、ヒイロはギルドの建物を出ようとする。

「ごめん! 僕、急いでるから! 商店街に行きたいから通り道にしただけで、べつに、冒険者に復帰する予定とかはないよ!」
「……へ?」
「僕、田舎で隠居ぐらしすることにしたんだ!!」
「は!?」
「いわゆるスローライフ、ってやつかな? 好きな人との新生活で忙しいから、冒険者なんかやってる暇ないんだ! ごめんな!」
「はぁああ~~!?」

 混乱しきる周囲をよそに、ヒイロはいそいそと商店街に向かっていく。去り際になにやらゴチャゴチャ言われた気もしたが、彼の耳には一切入っていなかった。


(……やっぱり、セインのこと、疎んでる冒険者は多いみたいだな。彼、わりと敵を作るタイプだもんなぁ……。……そんな強気なとこもカッコいいんだけど)
 そんななかでヒイロが気にしていたのは、先程冒険者たちの一人が言っていた言葉――『セインがいなくてもヒイロがいれば云々』というくだりである。
 実際、ヒイロとセインが現役冒険者だった頃から、二人を比較して対立させようとしたがる連中はいくらでもいた。
 変人だが人当たりのいいヒイロと違い、セインは英雄ムーブをしてなお他人を見下す悪癖が隠しきれていなかったので、同業者から疎まれているのは自業自得である。

(セインは犯罪組織と繋がって、僕の命を狙った……って理由で捕まったけど、そもそも、あんなザコに僕を殺せるわけがない。実際、僕は無傷だった。なのにこんな騒ぎになったのは……誰かが意図的にセインを貶めようとしたから……?)

 セインが絡むと途端にアホの子になってしまうヒイロだが、決して、知恵が足りないわけではない。
 今回の一件……セインの逮捕と断罪に対しては、少なからずの違和感を覚えていた。

 敵を作りやすい性格でありながら、実力者であるセインを妬み、排除しようとした連中がいたのではないかと。そんな疑惑が頭をよぎる。
 ……しかし。

(……って、そんなこと今はどうでもいいか! セインを王都に近づけなければ守れるはずだし!! それよりっ、早くカラアゲを買って帰らなくちゃ!!)

 今のヒイロにとって大切なのは、セインとのスローライフだけである。
 愛しのセインの好物(と決まったわけでもないのだが)を買うほうが、犯人探しなどよりも重要だった。

 ヒイロは別に、セインを貶めた犯人を探そうとも、それを罰しようとも思っていない。
 無論、セインがそれを望めば全力でそうするだろうし、目の前に黒幕が現れたのならば全力でぶちのめすのだろうが……それよりも、セインの平穏な暮らしを守るほうが最優先事項なのである。


 彼は意気揚々と商店街で聞き込みをし、唐揚げで話題の店を見つけ出した。この世界ではよく見るタイプの、酒場を兼ねた料理屋で、持ち帰り用の販売も行っているらしい。

「すいませーん! カラアゲ、持ち帰りセットで2人前おねがいしまーす!」
 注文口で元気よく頼めば、店主から、少し待ってほしいとの声がかかる。どうやら揚げたてを提供してくれるらしい。
 これは冷める前に空間収納に放り込んでおかねば、などと考えながら、ヒイロがそわそわと待っていると――。


「……えっ!? ちょ、アンタ……ヒイロ!? ヒイロじゃない!?」
「あっ、ほんとだぁ。ヒイロくんだねえ」
「ヒイロ殿。王都にはもう戻らぬと、先日、感動的な別れを告げたばかりのそなたがなぜ、ここに……?」

 ――三人組の冒険者、勝ち気そうな少女とおっとりした少年、そして和服姿の青年が、ヒイロの存在に気づき声をかけた。

「……うん? マジカ、リョウ、シノブ……?」

 彼らはヒイロの元パーティーメンバー、セインの言うところの『原作での強キャラ』たちである。
 勝ち気そうな少女が魔法使いのマジカ。『原作ゲーム』では作中トップクラスの火力を誇るアタッカーな凄腕魔法使い。
 おっとりした少年は神官のリョウ。優れた回復役、かつ味方の能力を底上げする奇跡も使える支援役バッファーだ。
 和服の青年がシノブで、ジョブは忍者。優秀な排斥でありながら、敵への弱体化も得意とする妨害役デバッファーで、東方の出身でもあった。

 そんな彼らは、パーティーリーダーであったヒイロが突然冒険者をやめたことで、彼抜きの新生パーティーとして新たな道を歩み始めていた。
 二度と王都には戻らないし冒険者にもならない、と強く宣言していたヒイロがここにいることに疑問を抱いたらしい三人へ、ヒイロは、あっけらかんとした顔で言う。

「なぜって……カラアゲやさんにいるんだから、カラアゲを買いに来たんだけど……?」
「そういう意味じゃないわよ! アンタ、ほんとそういうとこあるわよね……!?」
「まあまあマジカちゃん、落ち着いて。……それにしても驚いたねえ。ヒイロくん、もう王都には帰らない、とか言ってなかったっけ?」
「なーにが『すろぉらいふ』でござるか……。いきなりパーティー解散宣言突きつけられたこっちの身にもなってほしいでござるよ」

 なにせヒイロは突然『僕、流行りのスローライフすることにしたから、冒険者辞めるね! あとはよろしくな!』などと言って、仲間たちに相談もせずに冒険者をやめているのである。
 呆れた様子で返す三人だが、元パーティーメンバーだけあって、ヒイロの変人ムーブにはすっかり慣れているらしい。その声には諦めの色が乗っかっている。

 どうして王都に……という三人の問いかけに、ヒイロは、セインと同居している事実、そして彼のおつかいでここにいる(勝手に買いに来ただけだが、ヒイロの気分的には最愛の人から頼まれたおつかいである)を改めて噛みしめる。
 にまにまと不審な笑みを浮かべつつ、上機嫌で返事をした。

「いや……基本的には田舎に引きこもってるつもりだよ? ただ……ふふっ、同居人がさ、カラアゲ食べたいって言うから……じゃあ、転移でさくっと買ってこようかなって……」

 仲間たちの疑問の答えにはなっていないのだが、それに気づかないほどには、セインが絡んだときのヒイロはアホになっている。
 そうこうしているうちに唐揚げができたと店主に告げられ、いそいそと商品を受け取りに行った。

「あ! 僕の頼んだぶんができたみたい! それじゃあね、みんな!」
「ちょっと!?」
「ヒイロくん!?」
「ヒイロ殿、話はまだ終わって……、……行ってしまった」

 唐揚げを受け取るや否や、ヒイロは転移で去ってしまう。あとには、ぽかんとした顔の元パーティーメンバーたちが残されていた。





「ただいまー!! カラアゲ、買ってきたよ! 揚げたてだって!」
「おわぁっ!? は、は、はえぇよッ!!」

 ピュン、と転移で現れたヒイロの姿に、セインは驚きの声を上げた。
 一人で待つなど暇だと思っていたが、前言撤回。しんみりしたのが馬鹿馬鹿しくなるくらいの速さであった。
 なにせ、ヒイロが転移で出発してから、まだ30分も経っていないのだから。

「夕飯にはまだ早いけど、揚げたてだし、今食べるかい? 空間収納にしまっといてもいいけど……」
「揚げたて? ……食う。寄越せ」

 あまりのスピードに呆れていたセインだったが、ヒイロの奇行に慣れてきたこともあり、すぐに気持ちを切り替えた様子だった。
 ヒイロの問いかけに頷けば、すかさず、空間収納から取り出された、揚げたてアツアツを維持している唐揚げが、セインの口元に運ばれる。

「はい! あーんして……」
「いや自分で食えるっつーの!!」
 ナチュラルに『あーん』をしてくるヒイロから、爪楊枝ごと唐揚げをぶんどり口に運ぶ。ヒイロは若干、残念そうな様子を見せていた。

 王都で話題になっている店というだけあり、唐揚げの味は確かなものだった。からりと揚がったザクザク系の衣に、肉厚でジューシーな鶏肉。香ばしい醤油の風味が肉の旨味を引き立てている。

「……うまっ」
「本当!? よかったあ……。気に入ったなら、また王都行って買ってくるな!」
「婆さんの唐揚げより、こっちのほうがうめーかも。プロの料理って感じで。……おまえも食えよ」
「えっ!? じゃあ、セインが食べさせてくれたり……」
「しねーよ馬鹿!」

 セインがぶっきらぼうにそう言えば、ヒイロは、何がおかしいのかきゃらきゃらと笑う。
 唐揚げを囲む二人はまるで、仲の良い友人同士のように見える。こんなはずではなかったのに、と、セインは思っていた。

(……ったく、普通、自分を殺そうとした相手にここまでするかぁ? こいつ、どんだけ俺のこと好きなんだよ。馬鹿なやつ……)

 セインの内心など知らず、ヒイロはのんきに唐揚げを頬張っている。

「ん~っ!! おいしいね、これ! フライドチキンに似てるけど……衣が違う? ショーユを使ってるのかな?」
「……おまえ、食っただけで材料とかわかんの?」
「うーん、味付けくらいならなんとなく、かな? フライドチキンなら作ったことあるし、味がわかれば、カラアゲも家で作れるかも?」
「マジかよ……。お、おまえ、ズルすぎねえ?」

 主人公としてもチート級の能力があるのに、家事やら料理やらでも万能なところを見せつけられると、さすがに張り合う気すら起きなかった。
 完全に呆れているセインをよそに、ヒイロはわくわくした様子であった。

「お婆さんのカラアゲと、どこが違うとかわかるかい? なんとなくでもヒントになるかも!」
「は? まさか……再現する気かよ」
「もちろん! せっかくの思い出の味だしね! ほら、時間ならたっぷりあるし……」
「はぁ……、おまえ、ほんとに馬鹿だよなぁ。……ま、そーゆーとこ、嫌いじゃねえけど……」
 言葉の後半は本当に小さな声で、ヒイロの耳にも届くことはなかった。もし万が一聞こえていたならば、『セインがデレた!?』と大騒ぎしていることだろう。

 こほん、と誤魔化すように咳払いをして、セインは続ける。
「そうだな……、多分だけど、衣が違う、かも……? 婆さんのはもっとふわふわして、天ぷらっぽかった気がする……?」
「おっけー!! じゃあ今夜、試しに作ってみようかな。思い出の味が再現できるかはわからないけど、僕なりに頑張るからさ!」

 そう言うヒイロは心の底から楽しそうで、セインのために行動することがなによりの喜びのように見えた。
 彼はいつもそうだ。犯罪奴隷となったセインを拾ったその日からずっと、なんの見返りも求めず、ただ、セインと共に過ごし、彼の役に立つことだけを喜びにしている。

 ひねくれ者のセインが、彼を憎んでいたはずのセインが、思わず絆されてしまうほどには、ヒイロの愛情表現はまっすぐだった。
 どこまでも純粋な好意に触れると、セインは、嬉しいやら恥ずかしいやら――このままではいけないという罪悪感やらで、どうにも、落ち着かなくなってしまうのだ。
 だから。

「……お、俺も。俺も……やるよ。暇だし。……つっても料理なんてほとんどしたことねえし、何すればいいかわかんねえ、けど……」

 このまま、ヒイロに全てを任せきるのが落ち着かなくて、思わず口から出てしまったのはそんな言葉。
 べつに、料理などしたいわけでもないのに。祖母の唐揚げを熱望しているわけでもないのに。
 セインのためにとやる気を燃え上がらせるヒイロを見ていたら、自分が、ただ座って待っているだけなのが落ち着かなくて――今までのセインならばするはずもない提案をしてしまっていた。

「っ~~!! そ、それって、二人の共同作業ってことだよな!?」
「は、はぁっ!? キショイ言い方するなよ!? ただの料理だろ!!」
「嬉しいなぁ……! ……あっ、でも、快気祝いなのにセインに手伝わせちゃっていいのかな……!?」

 セインの複雑な気持ちには一切気がつかず、ヒイロは、のんきに舞い上がっている。それがなんだかおかしいやら嬉しいやらで、セインも、いつもどおりの仏頂面で憎まれ口を叩いてみせた。

「……べつに、快気祝いなんかいらねえっつったろ。どうしてもっつーなら、ほら、この買ってきた唐揚げだけでいいし……」
「それって……、そのくらい、喜んでもらえたってことでいいのかな!?」
「う、うるせえ!! 勝手にポジティブ解釈してんじゃねえ!!」


 こうして――セインとヒイロは、二人で、唐揚げ作りに挑戦することとなったのだった。
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