10 / 121
5.護衛
しおりを挟む
「じゃーん、どうです?カイナさんのギルド制服姿!」
今日は、アカネちゃんがカイナに制服を着せたいと言い、ギルドで試着しているところだ。
「似合いますかね」
カイナは少し恥ずかしそうだ。
「とても似合っていると思うよ」
さすがモデル級はある。
これで街に出たら何人男を引っ掛けられるだろうか。
「こんちゃーっと新人だな!」
リョウトさんと、その仲間の二人だ。ここで紹介しておく。
一人目がタクミさん、20歳程度の見た目、高身長。
身の丈ほどある龍槍を使うDPS。カッコイイ。
ファンも多くいるとか何とか。
二人目がヒムラさん。お姉さんって感じの人で、メガネで、僕より少し身長が高い。
薬品知識が豊富で魔法も得意なヒーラー。
戦闘の要とも言っていい。
ちなみにリョウトさんはタンク。前衛、仲間を守るパーティの主軸だ。
彼らの所属している組織のことを『開拓組』と言うらしい。総人数五千人の万事屋集団である。以前は攻略組、攻略班とも言ったらしいが。
「あら、結構可愛い子ね」
「これでオトメも先輩だな」
「んじゃガキンチョ頑張れよ!」
「リョウトさんたちは、これからダンジョン攻略ですか?」
「ああ、ここから西のあっぶねーダンジョンに突入するんだ。これが成功すれば、街一つ。かなりの広さを開拓できるぜ」
「いつか、オトメとも攻略してみたいな」
タクミは僕の頭をポンと叩いた。
「僕もです!」
「じゃあなガキンチョども、いい成果期待してろ!」
3人はギルドを去っていった。
「オトメさん、今日はカイナさんに街を案内してください」
「え?今日はアカネちゃんじゃなかった?」
「私はマスターの林檎買い出しです」
「ああなるほど」
マスターは林檎が好きなのだ。
「オトメさん……よろしくお願いします」
「おう!」
今、初めてカイナに名前で呼ばれた。
「気分高揚」
「うっせーPE」
カイナと街を歩くと、様々な物に興味を示すのが面白かった。
「オトメさん、この黒くて透明なのは何でしょうか?」
「それは火薬液だよ。酸素と熱を加えると、赤く膨張して大体五秒で爆発するんだ」
「……恐ろしいですね」
といいながら火薬液を購入していた。
「カイナは、子供みたいな好奇心があるね」
「そ、そうでしょうか」
「次あっち行こうか」
「はい」
この時、PEの警告が表示される一歩手前だった。
裏路地から、一人分の目線がこちらに向けられていた。
「これは……乗り物か何かでしょうか」
「『電車』って言うらしい。僕もあんまり知らないけど、移動は便利だよ。乗ってみようか」
「乗ります!」
今日は少し空いていた。
街の中心に行ってみよう。
僕らのギルドがある所は、ミルザンドの南側、どうやらあのギルドは有名で、あそこら一帯を『ギルド区』という。
また、記憶喪失者の地区としても有名。
今は中央のミル区へ向かっている。
「オトメさん、噴水が……綺麗……素晴らしいです!」
「だろ?(僕が作ったわけじゃないんだけど)」
数十分で着くミル区は、ミルザンドの一番中心だ。
そしてこの街の象徴とも言われる巨大ミル噴水が特徴的。
噴水に見とれていると、いきなり、赤文字で警戒と表示された。
後ろから石床を走る音が聞こえる。振り返ると、男が立っていた。
剣を背中に持つ、鎧からするに、兵士だろうか。
「君、隣の女性、誰か知っているのか?」
「え?」
「表情からするに知らない……か。私は忘れない。その御方を!」
「何を言ってんだい?」
カイナは気付かず噴水に夢中だ。
「君にはすまないが、レン姫を返してもらうぞ!」
「スキャン開始」
『ルーイ』Enemy?
・相対レベル:42
・武器:護衛の剣改
・装備 :護衛団の戦闘服
他スキャンを実行していません。
今日は、アカネちゃんがカイナに制服を着せたいと言い、ギルドで試着しているところだ。
「似合いますかね」
カイナは少し恥ずかしそうだ。
「とても似合っていると思うよ」
さすがモデル級はある。
これで街に出たら何人男を引っ掛けられるだろうか。
「こんちゃーっと新人だな!」
リョウトさんと、その仲間の二人だ。ここで紹介しておく。
一人目がタクミさん、20歳程度の見た目、高身長。
身の丈ほどある龍槍を使うDPS。カッコイイ。
ファンも多くいるとか何とか。
二人目がヒムラさん。お姉さんって感じの人で、メガネで、僕より少し身長が高い。
薬品知識が豊富で魔法も得意なヒーラー。
戦闘の要とも言っていい。
ちなみにリョウトさんはタンク。前衛、仲間を守るパーティの主軸だ。
彼らの所属している組織のことを『開拓組』と言うらしい。総人数五千人の万事屋集団である。以前は攻略組、攻略班とも言ったらしいが。
「あら、結構可愛い子ね」
「これでオトメも先輩だな」
「んじゃガキンチョ頑張れよ!」
「リョウトさんたちは、これからダンジョン攻略ですか?」
「ああ、ここから西のあっぶねーダンジョンに突入するんだ。これが成功すれば、街一つ。かなりの広さを開拓できるぜ」
「いつか、オトメとも攻略してみたいな」
タクミは僕の頭をポンと叩いた。
「僕もです!」
「じゃあなガキンチョども、いい成果期待してろ!」
3人はギルドを去っていった。
「オトメさん、今日はカイナさんに街を案内してください」
「え?今日はアカネちゃんじゃなかった?」
「私はマスターの林檎買い出しです」
「ああなるほど」
マスターは林檎が好きなのだ。
「オトメさん……よろしくお願いします」
「おう!」
今、初めてカイナに名前で呼ばれた。
「気分高揚」
「うっせーPE」
カイナと街を歩くと、様々な物に興味を示すのが面白かった。
「オトメさん、この黒くて透明なのは何でしょうか?」
「それは火薬液だよ。酸素と熱を加えると、赤く膨張して大体五秒で爆発するんだ」
「……恐ろしいですね」
といいながら火薬液を購入していた。
「カイナは、子供みたいな好奇心があるね」
「そ、そうでしょうか」
「次あっち行こうか」
「はい」
この時、PEの警告が表示される一歩手前だった。
裏路地から、一人分の目線がこちらに向けられていた。
「これは……乗り物か何かでしょうか」
「『電車』って言うらしい。僕もあんまり知らないけど、移動は便利だよ。乗ってみようか」
「乗ります!」
今日は少し空いていた。
街の中心に行ってみよう。
僕らのギルドがある所は、ミルザンドの南側、どうやらあのギルドは有名で、あそこら一帯を『ギルド区』という。
また、記憶喪失者の地区としても有名。
今は中央のミル区へ向かっている。
「オトメさん、噴水が……綺麗……素晴らしいです!」
「だろ?(僕が作ったわけじゃないんだけど)」
数十分で着くミル区は、ミルザンドの一番中心だ。
そしてこの街の象徴とも言われる巨大ミル噴水が特徴的。
噴水に見とれていると、いきなり、赤文字で警戒と表示された。
後ろから石床を走る音が聞こえる。振り返ると、男が立っていた。
剣を背中に持つ、鎧からするに、兵士だろうか。
「君、隣の女性、誰か知っているのか?」
「え?」
「表情からするに知らない……か。私は忘れない。その御方を!」
「何を言ってんだい?」
カイナは気付かず噴水に夢中だ。
「君にはすまないが、レン姫を返してもらうぞ!」
「スキャン開始」
『ルーイ』Enemy?
・相対レベル:42
・武器:護衛の剣改
・装備 :護衛団の戦闘服
他スキャンを実行していません。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
タイムワープ艦隊2024
山本 双六
SF
太平洋を横断する日本機動部隊。この日本があるのは、大東亜(太平洋)戦争に勝利したことである。そんな日本が勝った理由は、ある機動部隊が来たことであるらしい。人呼んで「神の機動部隊」である。
この世界では、太平洋戦争で日本が勝った世界戦で書いています。(毎回、太平洋戦争系が日本ばかり勝っ世界線ですいません)逆ファイナルカウントダウンと考えてもらえればいいかと思います。只今、続編も同時並行で書いています!お楽しみに!

30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる