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Q3.電子頭脳PE
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表示される情報はゲームチックで、半透明の水色。
カーソルが男をロックオンした。
『永田 鉄也』Enemy
・相対レベル:20
・武器:ビッグブレード:レプリカ
・防具:スカジャン
・相対攻撃力:致命的一撃
他スキャンを実行していません。
致命的一撃とEnemyのところが赤で表示されているのは気をつけろということだろうか。
「ハハハ……PE覚醒かい?だが寝起き野郎はそうすぐには動けないだろーよ」
そう言って永田により振り下ろされた大剣を、僕はあっさり避けることができた。
攻撃の瞬間、予測イメージが僕の中に映る。どうやらそれを避けるように動けば攻撃は当たらなそうだ。
「何だ!?避けただと!?」
「信じられない……こんなに素早かったか?僕」
「チックショー……食らえ!」
再度攻撃を仕掛ける永田だが、何度も剣を振り回しても僕には当たらない。
これは……ゲーム感覚に近い。
剣を振り回して続け、動きが鈍ってきた永田の隙を突き、僕は腹部に1発殴打を決めた。
「ナイス、素晴らしい動きです」
謎の声が褒めてくれる。
「ぐはぁ……くっそぉ!」
ダウンせずに剣を振り回すが、さらに追い打ちを顔に飛ばす。
「倒れてくれ!」
「かなりのダメージです」
永田の緑のHPゲージは変動する様子はあまり見られない。
しかし、青紫色のCP(コンスティテューションポイント)というものが六割ほど削られた。
「や、やるじゃん……ただのガキじゃなさそうだな」
また舌打ちをする。
「推奨行動、剣を奪いHPを削る」
一瞬ドキッとした。それはイコールで殺人じゃないか。
「そっそれはっ……!」
「メンタルバランスに乱れが生じました。安定行動を取ってください」
「言っている意味がわからないよ。何言ってんだ……け、削る!?こ、殺すのと一緒じゃ!?」
「ハッ!独り言か?気持ち悪い。あんまり隙を見せてるとッ!」
永田は動けない僕に斬りかかる。
「ッしんだ!」
攻撃予測は表示されたが、僕はどうしても動けなかった。
死を覚悟したその瞬間、僕と永田の間に何かが高速で割り込んだ。
物凄い衝撃とともに、永田の剣は数メートルも吹き飛ばされた。
「は?今の……」
「あーら、向こうさんのクズがそんな物振り回して、もう少し身なり整えたらいかが?」
その人は、僕の見覚えのある人物だった。
「ナノさん……なんで?」
両手が巨大でメカニックな爪の形状のナノさんは、僕に背中を向けたまま、首だけ回して僕を見た。
「遅くなってごめんなさい……今から殺してあげるから……」
「ナノ……だと?あの倫理委員の!」
「よく学習してるのね。さぁ3秒数えていて……」
1秒で永田へ近づき、
2秒で切り裂き、
3秒で爆発させた。
「黒焦げ、戦意喪失レベルといったとこかしら」
永田のCPは0、HPはのこり3割だった。
どうやらCPのほとんどを失うと動けなくなるようだ。
「なぜナノさんが?」
僕は無意識に身構えた。
「もしかして、僕が死んでないことを知って、こんどは確実に殺しに来たのか?」
ナノさんはクスッと笑った。
「そんなわけないじゃない。それならあの時サクッとバラバラにしていたわ」
「それも……そうか……はは……ハ」
「ナノをロックオン。ステータス表示」
『青羽 なの』Green
・相対レベル:99
・武器:グラーデュフィンガー
・防具:防衛装置
・相対攻撃力 一撃死!
他スキャンを実行していません。
「そうだ、赤田さんが!」
「赤田の……その……中身……見た?」
「え?何それ、多分見てないけど……中身って」
「じゃあついてきて」
「う、うん、わかった」
ナノさんの背中を追って……そこにあったのは、赤田さんの死体だった。
体から流れていたのは血液とは言い難い、もっとオイルチックな液体だった。
「あれは……何だ?」
「アンドロイド」
「え?」
「私が連れてきた護衛型のアンドロイド、旧型で心優しいし方の個体だし、安全第一で行動してくれるけど、やっぱり戦闘能力が足りなかったか」
「赤田さんがアンドロイド?」
「信じられないならもっと近くで見てみなさい」
僕は恐る恐る足にへばりつくオイルの音を鳴らしながら近づくと、大きな傷口から、機械のようなものが見えた。
「うわあぁぁぁ!」
思わず腰がぬけて、オイルで服が濡れてしまった。
「馬鹿ね、そこまで驚く?さぁ立って」
ナノさんは、僕に手を差し伸べ、それをギュッと掴む。
「ありがとう」
「赤田が合わせたかったのは私よ」
「そっか……」
「……何?泣いてるの?」
「うっ……だって……人が……アンドロイドでも、何か、悲しいよ……」
すぐに涙をふき取って、涙をこらえた。大丈夫だと体に良い聞かせていた。
「情けない男」
「うっせー!理解されなくて結構!!」
カーソルが男をロックオンした。
『永田 鉄也』Enemy
・相対レベル:20
・武器:ビッグブレード:レプリカ
・防具:スカジャン
・相対攻撃力:致命的一撃
他スキャンを実行していません。
致命的一撃とEnemyのところが赤で表示されているのは気をつけろということだろうか。
「ハハハ……PE覚醒かい?だが寝起き野郎はそうすぐには動けないだろーよ」
そう言って永田により振り下ろされた大剣を、僕はあっさり避けることができた。
攻撃の瞬間、予測イメージが僕の中に映る。どうやらそれを避けるように動けば攻撃は当たらなそうだ。
「何だ!?避けただと!?」
「信じられない……こんなに素早かったか?僕」
「チックショー……食らえ!」
再度攻撃を仕掛ける永田だが、何度も剣を振り回しても僕には当たらない。
これは……ゲーム感覚に近い。
剣を振り回して続け、動きが鈍ってきた永田の隙を突き、僕は腹部に1発殴打を決めた。
「ナイス、素晴らしい動きです」
謎の声が褒めてくれる。
「ぐはぁ……くっそぉ!」
ダウンせずに剣を振り回すが、さらに追い打ちを顔に飛ばす。
「倒れてくれ!」
「かなりのダメージです」
永田の緑のHPゲージは変動する様子はあまり見られない。
しかし、青紫色のCP(コンスティテューションポイント)というものが六割ほど削られた。
「や、やるじゃん……ただのガキじゃなさそうだな」
また舌打ちをする。
「推奨行動、剣を奪いHPを削る」
一瞬ドキッとした。それはイコールで殺人じゃないか。
「そっそれはっ……!」
「メンタルバランスに乱れが生じました。安定行動を取ってください」
「言っている意味がわからないよ。何言ってんだ……け、削る!?こ、殺すのと一緒じゃ!?」
「ハッ!独り言か?気持ち悪い。あんまり隙を見せてるとッ!」
永田は動けない僕に斬りかかる。
「ッしんだ!」
攻撃予測は表示されたが、僕はどうしても動けなかった。
死を覚悟したその瞬間、僕と永田の間に何かが高速で割り込んだ。
物凄い衝撃とともに、永田の剣は数メートルも吹き飛ばされた。
「は?今の……」
「あーら、向こうさんのクズがそんな物振り回して、もう少し身なり整えたらいかが?」
その人は、僕の見覚えのある人物だった。
「ナノさん……なんで?」
両手が巨大でメカニックな爪の形状のナノさんは、僕に背中を向けたまま、首だけ回して僕を見た。
「遅くなってごめんなさい……今から殺してあげるから……」
「ナノ……だと?あの倫理委員の!」
「よく学習してるのね。さぁ3秒数えていて……」
1秒で永田へ近づき、
2秒で切り裂き、
3秒で爆発させた。
「黒焦げ、戦意喪失レベルといったとこかしら」
永田のCPは0、HPはのこり3割だった。
どうやらCPのほとんどを失うと動けなくなるようだ。
「なぜナノさんが?」
僕は無意識に身構えた。
「もしかして、僕が死んでないことを知って、こんどは確実に殺しに来たのか?」
ナノさんはクスッと笑った。
「そんなわけないじゃない。それならあの時サクッとバラバラにしていたわ」
「それも……そうか……はは……ハ」
「ナノをロックオン。ステータス表示」
『青羽 なの』Green
・相対レベル:99
・武器:グラーデュフィンガー
・防具:防衛装置
・相対攻撃力 一撃死!
他スキャンを実行していません。
「そうだ、赤田さんが!」
「赤田の……その……中身……見た?」
「え?何それ、多分見てないけど……中身って」
「じゃあついてきて」
「う、うん、わかった」
ナノさんの背中を追って……そこにあったのは、赤田さんの死体だった。
体から流れていたのは血液とは言い難い、もっとオイルチックな液体だった。
「あれは……何だ?」
「アンドロイド」
「え?」
「私が連れてきた護衛型のアンドロイド、旧型で心優しいし方の個体だし、安全第一で行動してくれるけど、やっぱり戦闘能力が足りなかったか」
「赤田さんがアンドロイド?」
「信じられないならもっと近くで見てみなさい」
僕は恐る恐る足にへばりつくオイルの音を鳴らしながら近づくと、大きな傷口から、機械のようなものが見えた。
「うわあぁぁぁ!」
思わず腰がぬけて、オイルで服が濡れてしまった。
「馬鹿ね、そこまで驚く?さぁ立って」
ナノさんは、僕に手を差し伸べ、それをギュッと掴む。
「ありがとう」
「赤田が合わせたかったのは私よ」
「そっか……」
「……何?泣いてるの?」
「うっ……だって……人が……アンドロイドでも、何か、悲しいよ……」
すぐに涙をふき取って、涙をこらえた。大丈夫だと体に良い聞かせていた。
「情けない男」
「うっせー!理解されなくて結構!!」
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