118 / 121
113.ビンビンビン
しおりを挟む
20分後。
ライヴビルからみて西側に到着。約30名がビル屋上に展開された。先導したのはサタン。地上には約900名、横に広がるように展開。キョウスケのいるビルまで直前で3キロメートルある。ビルを囲むように進行するらしい。ECFが南から来るので、ライヴ兵は南端から戦闘になる予想ができた。移動速度からみて、ECF到着まであと5分、ライヴ兵は約300メートル以上は進むだろう。
「サタンだ。指定した3班は俺の合図を待て、ちなみに俺は先行する。構わなくていい」
「分かりました……え?ちなみに?」
屋上のライヴ兵はスナイパーライフルを所持している。かなり古いタイプだ。射程距離まで進行すると遮蔽物に隠れた。また6名の魔術師がついている。
サタンはビルの屋上と屋上をスイスイと飛び越えていった。
ーーーーーー
23分後。
「予定より早かった。飛したな?」
「アリエ隊は屋上に向かいますツルギ隊長。ではまた」
飛空艇からECF隊員が降りてくる。
アリエ隊を始めとして約50名が屋上へ上がった。予めフックショットを所持している。以前よりも射程距離と強度が増している。
「ああ、また……」
アリエを数秒見送り、ツルギが指示を出した。
「各個撃破されない程度、仲間との距離を保って進行、4分で目的地に到着する!」
「はい!」
全員が返事をして走りだした。身体強化で時速40キロ程度で走れる。
キリカの左手はずっと刀を握っている。不意の戦闘に備えているつもりだった。でも気配がしない。なんとなく左側から圧力を感じるくらい。目はずっと左上を見つめている。
五つの小隊がツルギ隊、キリカ隊の前を進んでいる。ツルギの耳に声が届く。
『こちらコジマ隊、ライヴ兵発見、10時の方角から。戦闘に移る。ツルギ隊は先行してください』
「了解、キリカ隊続け」
「はい!」
2つの小隊が戦闘を開始し、他3小隊が先行、後ろにツルギ隊とキリカ隊が続いた。
ECFはビヨンドがビルに現れる確率が高いと考えて、ツルギ隊をビルに最速で届けるため、先行小隊をいくつか作り、守りながらビルを目指すことにした。
戦闘はECFが先手を取り、主に銃撃で制圧した。
合計20人の二小隊で余裕の食い止めをみせた。
ーーーーーー
2分前。
「待ってた」
「……俺もだクソ野郎」
ビル屋上を伝って走ったサタンが到着していた。
「思い出話とかする?」
「いいや興味がない。皆はお前の死を欲しがってる。だったら俺がやることは一つ」
「言ってみ」
「D9てめぇを殺す」
渋い声で真面目言ってるぜ!ジジイがよぉ!
「ぷ……くははは!!」
笑っちゃった。
「私を……殺すう!むりむりむり!あんたでも無理だって!ヲルを除いてライヴ最強のあなたでもね」
「刀で斬るつもりはねぇよ」
サタンが懐からビンをゆったり投げた。キョウスケは見つめていた。
ビン?中身はなんだ?
数コンマ先でサタンがビンを両断した。キョウスケが認識した時には手に数滴の液体がかかっていた。
「ん……お……お前!!サタン!」
「てめぇらが予測できるのは攻撃のみだ、それも動かなければいけない範囲の動作のみ。俺はてめぇに刃は向けてねぇ」
手に触れた液体から熱を感じる。二秒後、身体から熱が込み上げる。喉からも何かくる。勢いよく出したのは血、3メートル飛んだ。
「ガぁ……うぇ……なんだこれは……いてぇ!」
喉を掻きむしったキョウスケはコンクリートに倒れ込む、目はほとんど白目でもがいている。
「言ってもいいぜ、てめぇの中の汚ぇ虫の活性薬だ。少しでも触れればアウト。一生苦しみな」
「……おえぇ……!」
蝕まれる体と吐き続ける血液、ゲロの匂いも混じってさらに吐く。筋肉は硬直し、焦点が合わない。
「サタンだ。ECFはもう来る。D9は無力した、1班は回収に来い」
ライヴビルからみて西側に到着。約30名がビル屋上に展開された。先導したのはサタン。地上には約900名、横に広がるように展開。キョウスケのいるビルまで直前で3キロメートルある。ビルを囲むように進行するらしい。ECFが南から来るので、ライヴ兵は南端から戦闘になる予想ができた。移動速度からみて、ECF到着まであと5分、ライヴ兵は約300メートル以上は進むだろう。
「サタンだ。指定した3班は俺の合図を待て、ちなみに俺は先行する。構わなくていい」
「分かりました……え?ちなみに?」
屋上のライヴ兵はスナイパーライフルを所持している。かなり古いタイプだ。射程距離まで進行すると遮蔽物に隠れた。また6名の魔術師がついている。
サタンはビルの屋上と屋上をスイスイと飛び越えていった。
ーーーーーー
23分後。
「予定より早かった。飛したな?」
「アリエ隊は屋上に向かいますツルギ隊長。ではまた」
飛空艇からECF隊員が降りてくる。
アリエ隊を始めとして約50名が屋上へ上がった。予めフックショットを所持している。以前よりも射程距離と強度が増している。
「ああ、また……」
アリエを数秒見送り、ツルギが指示を出した。
「各個撃破されない程度、仲間との距離を保って進行、4分で目的地に到着する!」
「はい!」
全員が返事をして走りだした。身体強化で時速40キロ程度で走れる。
キリカの左手はずっと刀を握っている。不意の戦闘に備えているつもりだった。でも気配がしない。なんとなく左側から圧力を感じるくらい。目はずっと左上を見つめている。
五つの小隊がツルギ隊、キリカ隊の前を進んでいる。ツルギの耳に声が届く。
『こちらコジマ隊、ライヴ兵発見、10時の方角から。戦闘に移る。ツルギ隊は先行してください』
「了解、キリカ隊続け」
「はい!」
2つの小隊が戦闘を開始し、他3小隊が先行、後ろにツルギ隊とキリカ隊が続いた。
ECFはビヨンドがビルに現れる確率が高いと考えて、ツルギ隊をビルに最速で届けるため、先行小隊をいくつか作り、守りながらビルを目指すことにした。
戦闘はECFが先手を取り、主に銃撃で制圧した。
合計20人の二小隊で余裕の食い止めをみせた。
ーーーーーー
2分前。
「待ってた」
「……俺もだクソ野郎」
ビル屋上を伝って走ったサタンが到着していた。
「思い出話とかする?」
「いいや興味がない。皆はお前の死を欲しがってる。だったら俺がやることは一つ」
「言ってみ」
「D9てめぇを殺す」
渋い声で真面目言ってるぜ!ジジイがよぉ!
「ぷ……くははは!!」
笑っちゃった。
「私を……殺すう!むりむりむり!あんたでも無理だって!ヲルを除いてライヴ最強のあなたでもね」
「刀で斬るつもりはねぇよ」
サタンが懐からビンをゆったり投げた。キョウスケは見つめていた。
ビン?中身はなんだ?
数コンマ先でサタンがビンを両断した。キョウスケが認識した時には手に数滴の液体がかかっていた。
「ん……お……お前!!サタン!」
「てめぇらが予測できるのは攻撃のみだ、それも動かなければいけない範囲の動作のみ。俺はてめぇに刃は向けてねぇ」
手に触れた液体から熱を感じる。二秒後、身体から熱が込み上げる。喉からも何かくる。勢いよく出したのは血、3メートル飛んだ。
「ガぁ……うぇ……なんだこれは……いてぇ!」
喉を掻きむしったキョウスケはコンクリートに倒れ込む、目はほとんど白目でもがいている。
「言ってもいいぜ、てめぇの中の汚ぇ虫の活性薬だ。少しでも触れればアウト。一生苦しみな」
「……おえぇ……!」
蝕まれる体と吐き続ける血液、ゲロの匂いも混じってさらに吐く。筋肉は硬直し、焦点が合わない。
「サタンだ。ECFはもう来る。D9は無力した、1班は回収に来い」
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛すべき『蟲』と迷宮での日常
熟練紳士
ファンタジー
生まれ落ちた世界は、剣と魔法のファンタジー溢れる世界。だが、現実は非情で夢や希望など存在しないシビアな世界だった。そんな世界で第二の人生を楽しむ転生者レイアは、長い年月をかけて超一流の冒険者にまで上り詰める事に成功した。
冒険者として成功した影には、レイアの扱う魔法が大きく関係している。成功の秘訣は、世界でも4つしか確認されていない特別な属性の1つである『蟲』と冒険者である紳士淑女達との絆。そんな一流の紳士に仲間入りを果たしたレイアが迷宮と呼ばれるモンスターの巣窟で過ごす物語。

のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
とあるおっさんのVRMMO活動記
椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。
念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。
戦闘は生々しい表現も含みます。
のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。
また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり
一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が
お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。
また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や
無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が
テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという
事もございません。
また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる