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113.ビンビンビン
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20分後。
ライヴビルからみて西側に到着。約30名がビル屋上に展開された。先導したのはサタン。地上には約900名、横に広がるように展開。キョウスケのいるビルまで直前で3キロメートルある。ビルを囲むように進行するらしい。ECFが南から来るので、ライヴ兵は南端から戦闘になる予想ができた。移動速度からみて、ECF到着まであと5分、ライヴ兵は約300メートル以上は進むだろう。
「サタンだ。指定した3班は俺の合図を待て、ちなみに俺は先行する。構わなくていい」
「分かりました……え?ちなみに?」
屋上のライヴ兵はスナイパーライフルを所持している。かなり古いタイプだ。射程距離まで進行すると遮蔽物に隠れた。また6名の魔術師がついている。
サタンはビルの屋上と屋上をスイスイと飛び越えていった。
ーーーーーー
23分後。
「予定より早かった。飛したな?」
「アリエ隊は屋上に向かいますツルギ隊長。ではまた」
飛空艇からECF隊員が降りてくる。
アリエ隊を始めとして約50名が屋上へ上がった。予めフックショットを所持している。以前よりも射程距離と強度が増している。
「ああ、また……」
アリエを数秒見送り、ツルギが指示を出した。
「各個撃破されない程度、仲間との距離を保って進行、4分で目的地に到着する!」
「はい!」
全員が返事をして走りだした。身体強化で時速40キロ程度で走れる。
キリカの左手はずっと刀を握っている。不意の戦闘に備えているつもりだった。でも気配がしない。なんとなく左側から圧力を感じるくらい。目はずっと左上を見つめている。
五つの小隊がツルギ隊、キリカ隊の前を進んでいる。ツルギの耳に声が届く。
『こちらコジマ隊、ライヴ兵発見、10時の方角から。戦闘に移る。ツルギ隊は先行してください』
「了解、キリカ隊続け」
「はい!」
2つの小隊が戦闘を開始し、他3小隊が先行、後ろにツルギ隊とキリカ隊が続いた。
ECFはビヨンドがビルに現れる確率が高いと考えて、ツルギ隊をビルに最速で届けるため、先行小隊をいくつか作り、守りながらビルを目指すことにした。
戦闘はECFが先手を取り、主に銃撃で制圧した。
合計20人の二小隊で余裕の食い止めをみせた。
ーーーーーー
2分前。
「待ってた」
「……俺もだクソ野郎」
ビル屋上を伝って走ったサタンが到着していた。
「思い出話とかする?」
「いいや興味がない。皆はお前の死を欲しがってる。だったら俺がやることは一つ」
「言ってみ」
「D9てめぇを殺す」
渋い声で真面目言ってるぜ!ジジイがよぉ!
「ぷ……くははは!!」
笑っちゃった。
「私を……殺すう!むりむりむり!あんたでも無理だって!ヲルを除いてライヴ最強のあなたでもね」
「刀で斬るつもりはねぇよ」
サタンが懐からビンをゆったり投げた。キョウスケは見つめていた。
ビン?中身はなんだ?
数コンマ先でサタンがビンを両断した。キョウスケが認識した時には手に数滴の液体がかかっていた。
「ん……お……お前!!サタン!」
「てめぇらが予測できるのは攻撃のみだ、それも動かなければいけない範囲の動作のみ。俺はてめぇに刃は向けてねぇ」
手に触れた液体から熱を感じる。二秒後、身体から熱が込み上げる。喉からも何かくる。勢いよく出したのは血、3メートル飛んだ。
「ガぁ……うぇ……なんだこれは……いてぇ!」
喉を掻きむしったキョウスケはコンクリートに倒れ込む、目はほとんど白目でもがいている。
「言ってもいいぜ、てめぇの中の汚ぇ虫の活性薬だ。少しでも触れればアウト。一生苦しみな」
「……おえぇ……!」
蝕まれる体と吐き続ける血液、ゲロの匂いも混じってさらに吐く。筋肉は硬直し、焦点が合わない。
「サタンだ。ECFはもう来る。D9は無力した、1班は回収に来い」
ライヴビルからみて西側に到着。約30名がビル屋上に展開された。先導したのはサタン。地上には約900名、横に広がるように展開。キョウスケのいるビルまで直前で3キロメートルある。ビルを囲むように進行するらしい。ECFが南から来るので、ライヴ兵は南端から戦闘になる予想ができた。移動速度からみて、ECF到着まであと5分、ライヴ兵は約300メートル以上は進むだろう。
「サタンだ。指定した3班は俺の合図を待て、ちなみに俺は先行する。構わなくていい」
「分かりました……え?ちなみに?」
屋上のライヴ兵はスナイパーライフルを所持している。かなり古いタイプだ。射程距離まで進行すると遮蔽物に隠れた。また6名の魔術師がついている。
サタンはビルの屋上と屋上をスイスイと飛び越えていった。
ーーーーーー
23分後。
「予定より早かった。飛したな?」
「アリエ隊は屋上に向かいますツルギ隊長。ではまた」
飛空艇からECF隊員が降りてくる。
アリエ隊を始めとして約50名が屋上へ上がった。予めフックショットを所持している。以前よりも射程距離と強度が増している。
「ああ、また……」
アリエを数秒見送り、ツルギが指示を出した。
「各個撃破されない程度、仲間との距離を保って進行、4分で目的地に到着する!」
「はい!」
全員が返事をして走りだした。身体強化で時速40キロ程度で走れる。
キリカの左手はずっと刀を握っている。不意の戦闘に備えているつもりだった。でも気配がしない。なんとなく左側から圧力を感じるくらい。目はずっと左上を見つめている。
五つの小隊がツルギ隊、キリカ隊の前を進んでいる。ツルギの耳に声が届く。
『こちらコジマ隊、ライヴ兵発見、10時の方角から。戦闘に移る。ツルギ隊は先行してください』
「了解、キリカ隊続け」
「はい!」
2つの小隊が戦闘を開始し、他3小隊が先行、後ろにツルギ隊とキリカ隊が続いた。
ECFはビヨンドがビルに現れる確率が高いと考えて、ツルギ隊をビルに最速で届けるため、先行小隊をいくつか作り、守りながらビルを目指すことにした。
戦闘はECFが先手を取り、主に銃撃で制圧した。
合計20人の二小隊で余裕の食い止めをみせた。
ーーーーーー
2分前。
「待ってた」
「……俺もだクソ野郎」
ビル屋上を伝って走ったサタンが到着していた。
「思い出話とかする?」
「いいや興味がない。皆はお前の死を欲しがってる。だったら俺がやることは一つ」
「言ってみ」
「D9てめぇを殺す」
渋い声で真面目言ってるぜ!ジジイがよぉ!
「ぷ……くははは!!」
笑っちゃった。
「私を……殺すう!むりむりむり!あんたでも無理だって!ヲルを除いてライヴ最強のあなたでもね」
「刀で斬るつもりはねぇよ」
サタンが懐からビンをゆったり投げた。キョウスケは見つめていた。
ビン?中身はなんだ?
数コンマ先でサタンがビンを両断した。キョウスケが認識した時には手に数滴の液体がかかっていた。
「ん……お……お前!!サタン!」
「てめぇらが予測できるのは攻撃のみだ、それも動かなければいけない範囲の動作のみ。俺はてめぇに刃は向けてねぇ」
手に触れた液体から熱を感じる。二秒後、身体から熱が込み上げる。喉からも何かくる。勢いよく出したのは血、3メートル飛んだ。
「ガぁ……うぇ……なんだこれは……いてぇ!」
喉を掻きむしったキョウスケはコンクリートに倒れ込む、目はほとんど白目でもがいている。
「言ってもいいぜ、てめぇの中の汚ぇ虫の活性薬だ。少しでも触れればアウト。一生苦しみな」
「……おえぇ……!」
蝕まれる体と吐き続ける血液、ゲロの匂いも混じってさらに吐く。筋肉は硬直し、焦点が合わない。
「サタンだ。ECFはもう来る。D9は無力した、1班は回収に来い」
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