上 下
198 / 230
立て直し

初めての依頼

しおりを挟む
そう釘を刺した上で街の外へ出た。
依頼自体はそんなに難しくないものを選んだ。
Dランクに属する依頼であったが、あの5人のランクがEであった。
実際、それも怪しい気がしてる。
街から少しした場所でクルルらとは分かれた。
敢えて、別の場所の依頼を受けた。
コボルトの二人は耳を後ろにペタっと倒して、辺りをキョロキョロと伺っている。
そんな一行の前に現れたのはスライムであった。
流石にコボルトでもスライムには勝てるだろうと見守るつもりであったが、コボルトは何故かパニックになっていた。
そんな二人の頬を叩いてみた。
二人はジンジンする頬を抑えながら、涙を溜めた目でリョーを見た。
「こんなスライム相手に何、テンパってるんだよ?その手の槍で薄ら見えてる内臓突き刺せばいいんだよ。あんなに何度も振っただろ。お前らならやれる。」
コボルトはいつもと同じく素直にコクっと頷くと、槍を再度握り直した。
しかし、目の前には残骸となったスライムの姿が。
そう、虎丸が片付けてしまっていた。
「敵を目の前にして、説教なんて危ないから。」
確かに虎丸が言う事が正しい。
気を取り直して、先を進むと子犬位の大きさの殺人蜂キラービーが集団で現れた。
流石に集団の殺人蜂ではコボルト二人の初戦にはキツいかと思い、二人に下がる様に指示しかけたが。
目の前で殺人蜂を槍で薙ぎ払う二人が意外とこなせてるのを見て、見守る事にした。
完全に劣勢ではあったが、何とか二人で4、5匹倒した辺りで手を貸す事にした。
地面に次々と殺人蜂が落ちていった。
地面に二、三十匹の殺人蜂が埋めつくした頃、明らかに大きさが違う殺人蜂が数匹現れた。
殺人蜂より一回り大きく、色も黒く、処刑蜂ブロービーは明らかにこちらの眼を目がけて攻撃態勢をとっていた。
虎丸は落ち着いた様子で処刑蜂の動きを見ていた。
そして、剣を構え、狙撃するかの如く叩き落とした。
それを見ながら、リョーは目的の女王殺蜂クィーンビーが居るであろう巣を見つけ、襲撃した。
生態系維持の為、目撃情報が増えた殺人蜂の駆除が今回の依頼であった。
リョーは巣の中を物色し、他に高く売れそうなモノを回収した。
リョーの方の依頼はこうやって、無事に完了した。
リョーらが街へ戻ってくると、まだクルルらの姿はなかった。
とりあえずギルドへ向かい、完了の報告を済ませた。
帰り道以降、コボルト達の口数は少なかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

私は何人とヤれば解放されるんですか?

ヘロディア
恋愛
初恋の人を探して貴族に仕えることを選んだ主人公。しかし、彼女に与えられた仕事とは、貴族たちの夜中の相手だった…

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

処理中です...