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再建
亡骸
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そして、虎丸の救護にあたっていた一人がニッカの方を見て、顔を曇らせながら首を横に振った。
リョーはただ虎丸を抱き抱えたまま、動こうとはしなかった。
ニッカはそんなリョーを見ながら、なんて声をかけていいか分からなかった。
見てた観客達にも微妙な空気が流れていた。
ニッカは観客達を出す様に指示した。
闘技場に残ってるのはニッカを含めて、数名のみとなった。
虎丸を抱いていたリョーは不意に振り返り、平然とした表情である人物?に話しかけた。
「ココロに直で話しかけてくるなよ。反省してるからさ。それに殺すつもりでお仕置きしてやれって言われたからさ。」
リョーが話しかけたのは何故か冷めた目で見ている毛玉であった。
毛玉はポヨンポヨンと跳ねながら。
「それは何となく分かってるんやけど、その演技は何なん?」
リョーはその指摘に思わず虎丸を床に置き。
「………恥ずかしいわ。」
他の周りに居た誰もが状況を理解出来ずにいた。
「それでどうするん?」
毛玉にそう問われて、リョーは床に横たわる虎丸を見ながら。
「本契約するか?」
そう言うと、リョーはしゃがみ込み、自分の右腕に短刀を当て、引いた。
リョーはその流れ出てくる血を虎丸の口元に垂らした。
周りの一部が今までのが演技かと思い始め、期待の眼差しを向けていた。
だが、その期待とは裏腹に虎丸は全く動かなかった。
虎丸の顔がリョーの血で真っ赤に染まり始めた頃、ルドラがリョーに近付き。
「ボス、虎丸はもう………。」
そういうルドラにリョーは優しく微笑みかけ。
「別に冷静さを失ってる訳じゃないから。もう少しだけ見ていてくれ。」
ルドラはその言葉に素直に引き下がった。
リョーは真っ赤になった虎丸を見て。
「本契約するか?」
リョーはそう言うと、小さな声で何かを呟き始めた。
すると、血で濡れた部分から虎丸は白い煙をあげ始めた。
虎丸はその煙に全身が覆われると、次の瞬間強い光を放った。
その場にいた全員がそのあまりの閃光に目を閉じた。
そして、ようやく視力を取り戻し、虎丸がいた場所に居たのは…………相変わらず横たわる虎丸の姿であった。
それを見ながら、リョーは首を傾げていた。
「あれ?これで元気になって、立ち上がるって聞いたんだけどな?」
次の瞬間、毛玉はそんなリョーにダイレクトアタックをした。
「そんなんで契約成立せぇへんわ。契約したいなら、ワシに頼んでみぃや。」
リョーは思いがけない攻撃にケホケホと苦しみながら、毛玉の勢いに負け、素直に[お願いします]と頭を下げた。
「よっしゃ~。隣に座って、頭下げときや。」
素直に頭を下げたまま、毛玉に従った。
そうすると、毛玉は。
“我、汝らの契約を見守るモノ……………”
毛玉は小声で何やら言葉を続けた。
そうすると、二人は光に包まれ、その光が小さくなっていき、二人の左腕の手首が光で繋がった。
リョーはただ虎丸を抱き抱えたまま、動こうとはしなかった。
ニッカはそんなリョーを見ながら、なんて声をかけていいか分からなかった。
見てた観客達にも微妙な空気が流れていた。
ニッカは観客達を出す様に指示した。
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虎丸を抱いていたリョーは不意に振り返り、平然とした表情である人物?に話しかけた。
「ココロに直で話しかけてくるなよ。反省してるからさ。それに殺すつもりでお仕置きしてやれって言われたからさ。」
リョーが話しかけたのは何故か冷めた目で見ている毛玉であった。
毛玉はポヨンポヨンと跳ねながら。
「それは何となく分かってるんやけど、その演技は何なん?」
リョーはその指摘に思わず虎丸を床に置き。
「………恥ずかしいわ。」
他の周りに居た誰もが状況を理解出来ずにいた。
「それでどうするん?」
毛玉にそう問われて、リョーは床に横たわる虎丸を見ながら。
「本契約するか?」
そう言うと、リョーはしゃがみ込み、自分の右腕に短刀を当て、引いた。
リョーはその流れ出てくる血を虎丸の口元に垂らした。
周りの一部が今までのが演技かと思い始め、期待の眼差しを向けていた。
だが、その期待とは裏腹に虎丸は全く動かなかった。
虎丸の顔がリョーの血で真っ赤に染まり始めた頃、ルドラがリョーに近付き。
「ボス、虎丸はもう………。」
そういうルドラにリョーは優しく微笑みかけ。
「別に冷静さを失ってる訳じゃないから。もう少しだけ見ていてくれ。」
ルドラはその言葉に素直に引き下がった。
リョーは真っ赤になった虎丸を見て。
「本契約するか?」
リョーはそう言うと、小さな声で何かを呟き始めた。
すると、血で濡れた部分から虎丸は白い煙をあげ始めた。
虎丸はその煙に全身が覆われると、次の瞬間強い光を放った。
その場にいた全員がそのあまりの閃光に目を閉じた。
そして、ようやく視力を取り戻し、虎丸がいた場所に居たのは…………相変わらず横たわる虎丸の姿であった。
それを見ながら、リョーは首を傾げていた。
「あれ?これで元気になって、立ち上がるって聞いたんだけどな?」
次の瞬間、毛玉はそんなリョーにダイレクトアタックをした。
「そんなんで契約成立せぇへんわ。契約したいなら、ワシに頼んでみぃや。」
リョーは思いがけない攻撃にケホケホと苦しみながら、毛玉の勢いに負け、素直に[お願いします]と頭を下げた。
「よっしゃ~。隣に座って、頭下げときや。」
素直に頭を下げたまま、毛玉に従った。
そうすると、毛玉は。
“我、汝らの契約を見守るモノ……………”
毛玉は小声で何やら言葉を続けた。
そうすると、二人は光に包まれ、その光が小さくなっていき、二人の左腕の手首が光で繋がった。
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