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これから

虎丸の真意

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ベイルは屋敷の外まで見送りに来てくれた。
「まさかあんな事言い出すとは思わなかったよ。」
そう言われても、あの頃は本当に大変だったし、これからも狙われないとは限らないので…何よりも味方は少しでも多い方がいいはずだ。
ベイルに見送られ、屋敷を後にした。
少し離れた場所で虎丸に聞いてみた。
「虎丸、急になんであんな事言ったの?」
虎丸は少し後ろを歩いてたが、普通のトーンで。
「交渉する際は最初は大きく出ないとダメだって。それに今回の事はあっちに非があったんだし。何より客を呼んどいて、茶菓子も出さないから。」
虎丸の怒りは食べ物であった。
何より茶菓子なんてモノを知ってたんだな、虎丸。
どうやらお腹空いてるみたいなので、ご飯に連れていく事にした。
虎丸はいつもと同じ様に美味しそうに食べていた。
その時、店のドアが開き、見覚えのあるメンツが入ってきた。
向こうもこちらに気付き、近付いてきた。
だが、あまりにも上からの態度に少しイラつきながら、冷静を装いながら対応した。
虎丸はチラチラと見ていたが、何も言わないように目で指示した。
ようやく向こうに行ったので、思わず大きく息を吐いた。
虎丸は呆れた顔をしながら。
「何であんな態度させたままにするの?身の程を教えてやればいいのに。」
「下手に言って、逆に近付いて来るのが増えてもダルいからさ……。」
虎丸は納得してないが、それよりも食欲が買ったようで食事に戻った。
食事を終え、フランが用意してくれた近くの宿に戻ろうとした。
フランは屋敷に来れば良いと言ってくれたが、先程も言った通り、それで近付いてくる人間の相手も面倒なので、現状ではイグランド候の事は一部にしか公開されてない。
宿に戻っていると、虎丸は急に立ち止まり。
「ねぇ、ちょっと出かけてきてもいい?」
基本的に虎丸は一人で何処か行きたがる事はあまりなかった。
特に用もなかったし、止める理由もなかったので、あまり遅くならない様に言って、一人で宿に戻った。
ベッドに寝転がり、ぼんやり天井を眺めていた。
こんな風に一人になるのも久しぶりだなって考えていた。
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