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審査

訪問理由

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ニッカは虎丸から視線をリョーに戻し。
「君に会いに来た理由は興味があったからが半分。残り半分はうちのグランの一人から弟子として、登録したいって申請があったからさ。あっ、それは伝えてある?」
ニッカはゲイガに確認するが、ゲイガは状況が把握出来ずにいた。
「えぇ、その師匠からギルドに抗議があったって。」
ニッカは首を横に振った。
「それ、正しくない。うちのGMから抗議が入ったんだ。」
ゲイガは我慢出来ずに。
「さっきから出てる師匠とかGMって、誰なんですか?ギルドにそれ程の影響力があるなんて。」
ニッカは一瞬、驚いた表情をして、リョーを再度見た。
「制限かかってたんだ。キミは心当たりある?」
リョーに心当たりはあったが、自信はなかった。
「………カシュー?」
ニッカは親指を立てた。
「正解。師匠申請をしたのはカシュー=レイモンドだ。そして、GMはレイ=ソリュー。面識はあるんだよね?」
リョーが返事をする前に。
「はぁ?カシュー?レイ??お前、何者なんだ?」
テンパるゲイガを見ながら、ニッカは咳払いをし。
「Eランクのキミがカシューの弟子に相応しいか、確認に来たんだよ。まぁ、レイからも弟子(仮)にしたいって申請もあったんだが……それは今回は見送る事にしたよ、(仮)なんて制度がないからね。」
「で、確認って?」
「簡単な審査だよ。この人達と手合わせしてもらうだけ。」
ニッカはそう言いながら、後ろに立っていた護衛を指さした。
だが、この審査に反応したのはリョーではなく、退屈そうにしてた虎丸であった。
虎丸はリョーが鍛冶を始めてから、あまり外には行ってないらしく、飢えてたらしい。
ニッカが少し困った顔をしてると、護衛の一人が。
「まぁ、一人も二人も同じだろ。……それに興味があるしな。」
ニッカはその護衛に視線をやり、ヤレヤレという顔を一瞬した後。
「まぁ、いいか。審査始めても良いかな?」
先ほど言葉を発した護衛はニッカの言葉を聞き、意気揚々と前に進んできた。
「虎丸、ぜんり……」
虎丸に全力で戦えと言おうとした瞬間、文字先生が現れた。
〈ダメだよ、虎丸の全力なんて。まぁ、リミッターかけてるけど…6割でいこう。〉
虎丸の方を見ると、少し不安そうな表情であった。
〈今まで間違った事、言った事あったか?信じろって。無理して、出てきてるんだからさ。〉
まぁ、確かにアドバイス聞いて、悪い方向に出た事ないし………。
虎丸を見て、頷いた。
虎丸は少しガッカリした反応をしたが、頷き返した。
「何、やる気になってるんだ?ここでやる訳ないだろ。地下の闘技場に決まってるだろ。それに出番はまだだよ。」
ニッカはその護衛を指差しながら。
護衛は落ち込んでいた。
それを見ながら、アンタが最初はダメだろって、リョーは思っていた。
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