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取り調べ

隠蔽

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その報せを受けたトリトル卿の顔は蒼白であった。
だが、次の瞬間……トリトル卿に何かが近付き、トリトル卿は首から二つに分かれた。
「………これで許してもらえないか?」
真っ赤に滴る短剣を片手にいつものおちゃらけた表情とは一変した真顔でベイルは立っていた。
その場は目の前で何が行われたのか理解出来ない者がほとんどであったが、一部の者はベイルの蛮行に剣を抜いた。
「……剣を収めよ。」
部屋に以前、見た白い鎧姿の男が入ってきて、再度口を開いた。
「聞こえなかったか、剣を収めよ。」
だが、その言葉にシュラルとダインは複雑な表情であった。
「ロイド、それはどの立場での言葉だ?王位継承権筆頭である王子としての言葉か?それとも近衛隊隊長、軍部のNo.2としての言葉か?」
フランはそう問いかけた。
「トリトル卿は錯乱して、物事の判断が出来ぬ状態であった。何より血縁者を用いて、有りもしない反乱軍をでっち上げて、それを掴みかけた冒険者を賊に仕立てあげようとし、更には国益を害する発言を何度もしていた。だが、この件は王が病で伏せているのに、近衛隊隊長としての地位を言い訳にしてた私が招いた事態だ。だから、もし報復するなら……私の首で許してもらえないか?」
そう言うと、ロイドはリョーを向き、頭を深々と下げた。
シュラルとダインは床に座り込み、頭を深々と下げながら。
「王子のせいではない。重臣として、私のせいだ。」
「王子ではなく、この責任はワシにある。」
虎丸は何を言い争ってるのか理解出来ていないんだろう。
何故か、身構えている。
「……誰かの命とか要らないんだけど。」
流石に目の前で繰り広げられてるモノにいつまでも付き合ってる訳にも行かずに、口を開いた。
驚いた様に集中する視線。
「じゃあ、何が欲しい?」
シュラルはこちらを見ながら、尋ねてきた。
だが、また兵士がやって来た。
「黒きリザードマンがいつまで待たせるのだと。」
冷静になれば、一つだけ心当たりがある事に気付いた。
「ここに連れてきてもらえる?」
どう対処するか、揉め出してる重臣達を横目にしながら。
兵士はチラッとロイド達の方を見たが、判断に苦慮している様子であった。
「それは出来ぬ。申し訳ないが、自ら外へ迎えに行ってもらえぬか?」
そう言葉を発したのはシュラルであった。
ロイドはそれを咎めかけたが、フランが制した。
「申し訳ないが、ワシからも頼む。」
確かに黒リザードマンを招き入れてしまう程、愚かな事はないよな。
先程まで処刑すると罪人扱いしてた事が許されてないのに、自分らを更に窮地へと追い込みかねない選択はしないよな。
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