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取り調べ

虎丸、窮地

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翌朝、リッドと数人の兵士がやって来て、裁判室と呼ばれる一室へ連れていかれた。
そこにはどう見ても、状況を把握してない虎丸が目をキラキラさせながら、座っていた。
その隣に立っていたのはシラクサだった。
もしかしたら、シラクサが虎丸を助けてくれるかもと淡い期待をする事にした。
だが、開廷されると、虎丸はトリトル卿へ勘違いから来る逆恨みで襲撃をした事になってしまった。
やはりシラクサを選ばなくて、正解だった様だ。
まぁ、正解があったのか疑問だけど、そう思いながら、リッドを見ると、想像より渋い表情をしていた。
「では、他に何もなければ判決へと移りますが。」
高い位置に鎮座してる白髭の男性が場内を見渡した。
タメ息をつきながら、手を挙げた。
「共犯とされるキミの意見は別の機会で聞く事になってるんだが。」
男性は首を横に振りながら。
そして、リッドはこちらを呆れ顔で見ていた。
「何、言おうとしてるの?」
「この国では使役獣が裁かれるのか?使役獣が命令に従わない方が問題だろ。それにソイツは何も分からずに行動しただけだ。もし、有罪ならその罪はオレが引き受ける。」
リッドはその言葉に頭を抱えていた。
だが、それよりも騒然となっていた。
「静粛に、静粛に。」
とても虎丸は使役獣に見えない。
一般的に使役獣は人の姿にはなれない。
だが、そこに居る虎丸は違和感の少ない人のカタチをしていた。
「真偽を調べる為、一時休廷する。」
騒ぎ出した傍聴者達を鎮める事が出来ず、一旦休廷するしか無かった。
部屋に戻ると、リッドはタメ息をつきながら。
「やってくれたよな。確かに時間は稼げたけど、あんな直ぐにバレるようなウソを。」
あの告白がどんだけ重大な事なのか、リョー自身は全く分かってなかった。
今まで誰も虎丸の件に触れたりしなかったから。
「嘘?事実なんだけどな……。」
リッドはその言葉を華麗にスルーしながら。
「ん~、何か起死回生の一手ないかな。」
あれ程、やる気がなかったのに。
それについて尋ねてみると。
「流石に極刑は避けてやりたいからな。」
えっ、極刑?そこまでヤバい状況なのか?
恐る恐る聞いてみた。
「えっと、無罪になる確率は?」
リッドは肩に手を置き、哀れむような表情で。
「そんな期待はしない方が良い。」
無罪は高望みし過ぎなのか……。
その通告に気分が落ちたまま、自分の部屋に戻された。
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