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鍛錬

疑念

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そんな虎丸を心配そうに見ていると、背後から声を掛けられた。
「さっきの水賊、本当に偶然なの?」
振り返ると、声の主はレーラであった。
レーラが言う事には。
・滅多に出ない水賊が出てくる事を予想して、準備してるなんて……。
・昨日、別行動したのも実は打ち合わせしてたんじゃないの?
・ルドラと知らないうちに仲良くなってるし、誘拐の件も実は貴方が仕組んでたんじゃないの。
・虎丸が急に獣人化出来るようになったのもおかしい。

もう疑念を越えてるよな。
弁解するのが面倒になり、ため息混じりにレーラを見た。
「そう思うなら、思ってればいいよ。」
その態度にイラッとしたのか、レーラは顔を強ばらせて。
「認めるの?やっぱりね、最初から怪しいと思ってたんだよね。」
周りも何かあったのかと、集まり出した。
レーラは興奮が収まらずに。
「そいつも何かも分からないし、不気味なんだよ。」
レーラは虎丸を指差しながら。
そんなレーラをグッタリしながら、哀しそうな目で見てた。
「………それだけか、言いたい事は。」
拳を握りしめながら、耐えた。
まだ何かを言いたそうにしてたが、それをテッドが制した。
「テッド、貴方も騙されてるの?」

グッタリする虎丸を撫でながら。
「二人の気ままに旅に戻るか?」
虎丸は一瞬、驚きの表情を浮かべたが、目を閉じて。
「主に任せるよ。主が居れば、イイよ。」
次の瞬間、何かが服を引っ張ってきた。
「2人じゃないだろ。トラントまで連れてけ。」
そうだ、男児が居たんだ。
ヒョイと抱きかかえ。
「じゃあ、行くか。」
だが、虎丸がこちらを見てる一団を見ていた。
あっ、どうするべきなんだろ……リザードマン達。
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