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調査

狼狽するコボルト

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コボルトは賊の言葉に狼狽しながら。
「適当な事言うな。アイツが賊になんかなる訳ないだろ。」
コボルトは興奮のあまり、賊に掴みかかり、前後に揺らした。
「嘘かどうかは自分の目で確かめてみろよ。」
コボルトは賊を離すと、その場にしゃがみこんでしまった。
だが、それと同時に賊は腹部から大量の血を飛ばしながら、崩れた。
「やっぱり人間はお喋りだな。」
賊の後ろに立っていたのは、血のついた槍を引き抜いてるあの魚人であった。
「誰の依頼か知らないが、下手に関わらない方がいいよ。見逃してやるのは、今回だけだよ。」
魚人はそういうと、森の向こうへと消えた。
雑魚だと思ってたのに、まさかの展開に思わず追いかけるのが遅れてしまった。
ここに居ても、これ以上の情報は得られないだろう。
それにここで更に別の情報を得るのは難しいだろう。
あの魚人が余程のバカでない限り、しばらくの間は見回りは強化するだろう。
人数と中心人物の一人が分かっただけでも、それなりの収穫にはなっただろう。
コボルトの反応も気になったし、一度戻るべきだろう。
コボルトにそう告げると、どこかうわの空ではあったが、それに従った。
行きはあんなに五月蝿かったのに、何かを考えてるらしく、小さな声で呟いていた。
賊から出たあの名前が原因だろう。
今後、どうなるのか考えながら、街へと戻った。
一応、ギルドに戻り、現状の報告を済ませた。
アリスはため息混じりに。
「今後の事は報告して、新しい依頼出して貰うしかないね。とりあえず今回の依頼は一旦、これで終わりかな。」
賊の口から聞いた名前を問うと。
「………まぁ、それが一番の問題なんだよね。最近、確かにあんま名前聞かないなとは思っていたけど。」
詳しい事を何となく聞けずにいた。
多分……と言うか、間違いなく元グランのメンバーなんだろうな。
あの店にも行きにくいなって思いながら…。
しかし、レーラや虎丸との待ち合わせはあそこであった。
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