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飛竜
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物音で目が覚めた。
一人になる事も減り、こんな風に単身で野宿をする事も久しぶりであったので、気が緩んでいたのは間違いない。
目を閉じたまま、辺りの人影を探った。
ゴソゴソと動いてる気配から2、3人くらいだろう。
人としては小柄であったが、微かに会話らしき声が。
流石に見逃すという選択肢はなく、手を伸ばし、武器を手にすると、飛び起きた。
そこに居たのは多分、犬の獣人。
多分、コボルトと呼ばれるモノだろう。
急に飛び起きたので、驚いてるようだが、その口には……しっかりと焼かれた肉が頬張られていた。
急いで口を飲み込み、両手を挙げた。
「殺さないで。オレら、迷っただけなんだ…。」
話を聞くと、この山にしか生息していないキノコを取りに来たのだが、なかなか見つからず、疲れたので休める場所を探してる内にいい匂いがしてきたので、つい無断で頂いたらしい。
「この山について、詳しいのか?」
一匹が強く頷きながら。
「あぁ、ある程度の事は知ってるぞ。なにか聞きたい事でもあるのか?」
遠慮なく、飛竜の事を聞いてみた。
「えっ、ひ、飛竜?」
いきなり慌て出した。何度も他の仲間と顔を見合わせながら。
「この山には居ないのか?」
「生息してるけど……。お前、まさか戦うつもりか?」
剣先を向けながら。
「聞いてるのはこっちだよ。」
急に剣を向けられ、一瞬眼光が鋭くなった。
だが、直ぐに怯えた風を装い。
「ご、ごめんなさい。殺さないで。」
「じゃあ、飛竜の羽毛って何だよ?」
「それは言えない。殺されても言えない。」
首を横に振りながら。
それを見ながら、犬らしい忠義だなって思いながら。
「なら、飛竜は何処に居るんだよ?」
少し躊躇しながら。
「この山の山頂近くに巣があるって噂だ。だけど、悪い事は言わない。諦めろ。」
「諦めて、帰って……無理でしたって言えば、お前のボスは満足するのか?」
その言葉に大慌てする。
「ボスって、な、な、何のことだよ?別に監視とかしてた訳じゃないからな。」
はい、監視役の告白したよ。
人を騙すには向いてないよな。
ほぼ感情が尻尾に出てるから。
一人になる事も減り、こんな風に単身で野宿をする事も久しぶりであったので、気が緩んでいたのは間違いない。
目を閉じたまま、辺りの人影を探った。
ゴソゴソと動いてる気配から2、3人くらいだろう。
人としては小柄であったが、微かに会話らしき声が。
流石に見逃すという選択肢はなく、手を伸ばし、武器を手にすると、飛び起きた。
そこに居たのは多分、犬の獣人。
多分、コボルトと呼ばれるモノだろう。
急に飛び起きたので、驚いてるようだが、その口には……しっかりと焼かれた肉が頬張られていた。
急いで口を飲み込み、両手を挙げた。
「殺さないで。オレら、迷っただけなんだ…。」
話を聞くと、この山にしか生息していないキノコを取りに来たのだが、なかなか見つからず、疲れたので休める場所を探してる内にいい匂いがしてきたので、つい無断で頂いたらしい。
「この山について、詳しいのか?」
一匹が強く頷きながら。
「あぁ、ある程度の事は知ってるぞ。なにか聞きたい事でもあるのか?」
遠慮なく、飛竜の事を聞いてみた。
「えっ、ひ、飛竜?」
いきなり慌て出した。何度も他の仲間と顔を見合わせながら。
「この山には居ないのか?」
「生息してるけど……。お前、まさか戦うつもりか?」
剣先を向けながら。
「聞いてるのはこっちだよ。」
急に剣を向けられ、一瞬眼光が鋭くなった。
だが、直ぐに怯えた風を装い。
「ご、ごめんなさい。殺さないで。」
「じゃあ、飛竜の羽毛って何だよ?」
「それは言えない。殺されても言えない。」
首を横に振りながら。
それを見ながら、犬らしい忠義だなって思いながら。
「なら、飛竜は何処に居るんだよ?」
少し躊躇しながら。
「この山の山頂近くに巣があるって噂だ。だけど、悪い事は言わない。諦めろ。」
「諦めて、帰って……無理でしたって言えば、お前のボスは満足するのか?」
その言葉に大慌てする。
「ボスって、な、な、何のことだよ?別に監視とかしてた訳じゃないからな。」
はい、監視役の告白したよ。
人を騙すには向いてないよな。
ほぼ感情が尻尾に出てるから。
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