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下りない遮断機
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俺は今、遮断機の前に立っている。
頭上では警報器が鳴り続け、先ほどから赤いランプがリズムよく点滅している。
けれど、遮断機が動く様子も、電車がやって来る気配もない。
目の前にある線路は何十本と並んでいて、渡り切るには少し時間がかかる。
今渡り始めても、遮断機が下り始めれば、間に合わずに線路の上に閉じ込められてしまいそうだ。
何十本と並ぶ線路の先を見ると、君が俺に背を向けて歩いている。
まだ遮断機は下りてこない。
今ここを渡り切れば、俺は君に追いつくことが出来る。
けれど、線路へ足を踏み入れた瞬間に、すぐに遮断機が下り始める気がして、先ほどからずっと動けずにいる。
足を踏み入れるべきか、止まるべきか分からない。
そんな今も、警報器はずっと鳴り続け、遮断機は動く気配が無い。
ひょっとすると遮断機は俺を見ていて、俺が足を踏み入れる瞬間を待っているのではないのだろうか。
この調子で電車が通り過ぎるのを待っていたら、俺は君を見失ってしまうかもしれない。
今だって、遠くにいる君がさらに小さくなっていく。
心は君に届きたいと焦っているのに、ここにいれば安全だという理性が、俺の体を引き留める。
警報器が感情もなく鳴り続ける。
遮断機は、まだ下りてこない。
頭上では警報器が鳴り続け、先ほどから赤いランプがリズムよく点滅している。
けれど、遮断機が動く様子も、電車がやって来る気配もない。
目の前にある線路は何十本と並んでいて、渡り切るには少し時間がかかる。
今渡り始めても、遮断機が下り始めれば、間に合わずに線路の上に閉じ込められてしまいそうだ。
何十本と並ぶ線路の先を見ると、君が俺に背を向けて歩いている。
まだ遮断機は下りてこない。
今ここを渡り切れば、俺は君に追いつくことが出来る。
けれど、線路へ足を踏み入れた瞬間に、すぐに遮断機が下り始める気がして、先ほどからずっと動けずにいる。
足を踏み入れるべきか、止まるべきか分からない。
そんな今も、警報器はずっと鳴り続け、遮断機は動く気配が無い。
ひょっとすると遮断機は俺を見ていて、俺が足を踏み入れる瞬間を待っているのではないのだろうか。
この調子で電車が通り過ぎるのを待っていたら、俺は君を見失ってしまうかもしれない。
今だって、遠くにいる君がさらに小さくなっていく。
心は君に届きたいと焦っているのに、ここにいれば安全だという理性が、俺の体を引き留める。
警報器が感情もなく鳴り続ける。
遮断機は、まだ下りてこない。
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