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レイ
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ハルはいつも天界に戻ると、何か考え事をしながら過ごしている事が多くなる。
実際に報告書を提出し、自分達の部屋に戻っている今でも、隣で歩いているハルが考え事をしているのが分かる。
時折険しい顔になるのが、本人には申し訳ないが可愛く見えている…。
最初はそんなハルの様子を見て、何か俺に対して不満があるのかと思ったが、どうやら違う事が最近になって分かった。だからこんな風に余裕を持ってハルを見守る事が出来る様になったのだと思う。
ハルは天界での他の恋人の様に、皆の前でも恥ずかしがらずに、そして周りの目を気にせず愛し合うことが苦手なのだ。
苦手なものは仕方がないし、決してそれが正解だとも思わない。なので無理に周りと同じようにしなくて良いと思うのだが。
しかしハルの様子からは、自分も周りと同じようにしなければという焦りが見える。
俺は十分すぎるほと今のハルを愛しているし、今の関係でも十分満足しているのだが、どうやらハルは俺と同じようには思っていない。
そう思っていないから、ハルはある行動に移すようになった。
と言ってもそれは、ただ働く事だ。休憩もろくに取らずただ必死に働く。
必死に働きすぎると、当然だが疲れる。
丁度部屋に着いたハルは、疲労がようやく出始めて体の軸がフラフラしている。
なかなか着替えも上手くいかないし、話しかけても返事がなくなり目が虚になってきている。
この状態になると、俺はハルがシャワーを浴び着替えるのを手伝って、そのままベッドまでハルを運ぶ。
ベッドについたハルは、沈み込むかのように倒れてそのまま寝る。
俺も自分の支度をすませ、眠っているハルの隣に横たわる。
「おやすみ、ハル。」
そして俺も眠りにつく。
これがハルなりに考えた事だ。
疲れて、眠る。
これがとても効果的なのだ。
何か動く気配がする。
ベッドに入ってからずっと寝ていたが、どうやらハルが動き出したようだ。
2人で被っている布団に潜り込み、俺に抱きついている。
始まった。
ハルは働きすぎると疲れて眠る。
そして
寝ぼけて甘えてくるのだ。
今でも寝ぼけながら俺のを咥えようとしている。
最初の頃、ハルが寝ぼけてし始めた時は何かの冗談かと思った。
せっかくなのでとそのまま朝まですると、朝起きたハルは本当に何にも覚えていなかったのだ。
ハルから求めてくれたんだよと伝えると、ハルは目を見開いて驚いていた。
本当に寝ぼけていた事を俺もこの時になって理解した。
それから、ハルは今まで以上に一生懸命働くようになり、そして疲れて眠るの繰り返し。
ハルの体調的にも心配なので、上司のアイザ様にも相談したことはあったのだが
「別に大丈夫だろう。聞いている様子からだが、ハルは無意識において普段したくても出来ないことをしているのだろう。それに天使はある程度無理をしても平気だしな。」
無意識において、普段したくても出来ないこと。
俺はこの言葉をそのまま受け入れてしまった。
ハルは自ら俺にする事を我慢している。
でもそれは俺が嫌いではなくて、あくまでハル自身の問題だ。
それならば、俺はこの状況をそのまま受け入れてもいいのではないだろうか?
「んっ……んっ……。」
先ほどから一生懸命に俺のを咥えるハルを前に、少し意識がとんでしまっていた。
せっかくハルの可愛い姿が目の前にあるのに、今はただ目の前のことに集中しよう。
俺は状態を起こし、優しくハルの頭を撫でる。
しばらくゆっくりと動くハルを眺めながら、これ以上はまずいなと思った時点でハルを起き上がらせる。
焦点が合わず、ぼんやりとしているハル。
そのままハルを抱き寄せてキスをする。
寝ぼけながらも、次第にハルはキスの感触に夢中になっている。
今にも俺を押し倒しそうな勢いで迫るハル。
正直、こんなハルを見られることはすごく嬉しい。
普段のいっぱいいっぱいなハルも大好きだが、こうしてねだってくるハルも本当に愛おしい。
しかし今はハルの意識がはっきりしていないので、あまり強引にはなりたくない。
寝ぼけたハルをゆっくりと可愛がりたい。
必死にキスをしてくるハルの体を離すと、ハルは目を閉じながら口を動かし俺を求めている。
…ハルは…寝ぼけているから…落ち着け俺…。
思わずハルを押し倒し、強引に進めそうになるのを堪える。
互いに座りながらの格好でゆっくりとハルに俺を挿れていく。
「…んん~っっ。んっ。」
俺にしがみつき声を漏らすハル。
実は寝る前にシャワーを浴びながら準備していたのだけれども、ハルは気付いていたのだろうか?
その時も疲労でほとんど意識のないハルは、俺に全てを委ねていた。
「んっ、んっ、んっ、んぅ。」
自ら体を上下に動かしているハルに抱きつき、その必死な様子を眺めている俺は、だらしない顔をしているのだろう。
俺自身も段々とハルに合わせ、そしてハルよりも早く腰を動かし始める。
「んぅ、んっ、んぅ、あっ、あぁ、あっ…あっ…あっ!!!」
段々と声が大きくなるハルの胸に顔を埋め、思いっきり抱きしめる。
「くっ…ハル…愛してるよ。」
「うっ…ん。」
聞こえていないかもしれないが、ハルは返事をしたように小さな声を出し、そのまま俺に抱きついた。
普段素直に甘える事が出来なくても、こうして愛し合えていることがすごく嬉しい。
いつか、寝ぼけていない時でも求めてくれるようになればとも思うけれど、
正直そう遠くない未来だろうと思っている。
何はともあれ、ハルが心配する事は何もない。
どんなハルでも、俺が愛していることは間違いないのだから。
実際に報告書を提出し、自分達の部屋に戻っている今でも、隣で歩いているハルが考え事をしているのが分かる。
時折険しい顔になるのが、本人には申し訳ないが可愛く見えている…。
最初はそんなハルの様子を見て、何か俺に対して不満があるのかと思ったが、どうやら違う事が最近になって分かった。だからこんな風に余裕を持ってハルを見守る事が出来る様になったのだと思う。
ハルは天界での他の恋人の様に、皆の前でも恥ずかしがらずに、そして周りの目を気にせず愛し合うことが苦手なのだ。
苦手なものは仕方がないし、決してそれが正解だとも思わない。なので無理に周りと同じようにしなくて良いと思うのだが。
しかしハルの様子からは、自分も周りと同じようにしなければという焦りが見える。
俺は十分すぎるほと今のハルを愛しているし、今の関係でも十分満足しているのだが、どうやらハルは俺と同じようには思っていない。
そう思っていないから、ハルはある行動に移すようになった。
と言ってもそれは、ただ働く事だ。休憩もろくに取らずただ必死に働く。
必死に働きすぎると、当然だが疲れる。
丁度部屋に着いたハルは、疲労がようやく出始めて体の軸がフラフラしている。
なかなか着替えも上手くいかないし、話しかけても返事がなくなり目が虚になってきている。
この状態になると、俺はハルがシャワーを浴び着替えるのを手伝って、そのままベッドまでハルを運ぶ。
ベッドについたハルは、沈み込むかのように倒れてそのまま寝る。
俺も自分の支度をすませ、眠っているハルの隣に横たわる。
「おやすみ、ハル。」
そして俺も眠りにつく。
これがハルなりに考えた事だ。
疲れて、眠る。
これがとても効果的なのだ。
何か動く気配がする。
ベッドに入ってからずっと寝ていたが、どうやらハルが動き出したようだ。
2人で被っている布団に潜り込み、俺に抱きついている。
始まった。
ハルは働きすぎると疲れて眠る。
そして
寝ぼけて甘えてくるのだ。
今でも寝ぼけながら俺のを咥えようとしている。
最初の頃、ハルが寝ぼけてし始めた時は何かの冗談かと思った。
せっかくなのでとそのまま朝まですると、朝起きたハルは本当に何にも覚えていなかったのだ。
ハルから求めてくれたんだよと伝えると、ハルは目を見開いて驚いていた。
本当に寝ぼけていた事を俺もこの時になって理解した。
それから、ハルは今まで以上に一生懸命働くようになり、そして疲れて眠るの繰り返し。
ハルの体調的にも心配なので、上司のアイザ様にも相談したことはあったのだが
「別に大丈夫だろう。聞いている様子からだが、ハルは無意識において普段したくても出来ないことをしているのだろう。それに天使はある程度無理をしても平気だしな。」
無意識において、普段したくても出来ないこと。
俺はこの言葉をそのまま受け入れてしまった。
ハルは自ら俺にする事を我慢している。
でもそれは俺が嫌いではなくて、あくまでハル自身の問題だ。
それならば、俺はこの状況をそのまま受け入れてもいいのではないだろうか?
「んっ……んっ……。」
先ほどから一生懸命に俺のを咥えるハルを前に、少し意識がとんでしまっていた。
せっかくハルの可愛い姿が目の前にあるのに、今はただ目の前のことに集中しよう。
俺は状態を起こし、優しくハルの頭を撫でる。
しばらくゆっくりと動くハルを眺めながら、これ以上はまずいなと思った時点でハルを起き上がらせる。
焦点が合わず、ぼんやりとしているハル。
そのままハルを抱き寄せてキスをする。
寝ぼけながらも、次第にハルはキスの感触に夢中になっている。
今にも俺を押し倒しそうな勢いで迫るハル。
正直、こんなハルを見られることはすごく嬉しい。
普段のいっぱいいっぱいなハルも大好きだが、こうしてねだってくるハルも本当に愛おしい。
しかし今はハルの意識がはっきりしていないので、あまり強引にはなりたくない。
寝ぼけたハルをゆっくりと可愛がりたい。
必死にキスをしてくるハルの体を離すと、ハルは目を閉じながら口を動かし俺を求めている。
…ハルは…寝ぼけているから…落ち着け俺…。
思わずハルを押し倒し、強引に進めそうになるのを堪える。
互いに座りながらの格好でゆっくりとハルに俺を挿れていく。
「…んん~っっ。んっ。」
俺にしがみつき声を漏らすハル。
実は寝る前にシャワーを浴びながら準備していたのだけれども、ハルは気付いていたのだろうか?
その時も疲労でほとんど意識のないハルは、俺に全てを委ねていた。
「んっ、んっ、んっ、んぅ。」
自ら体を上下に動かしているハルに抱きつき、その必死な様子を眺めている俺は、だらしない顔をしているのだろう。
俺自身も段々とハルに合わせ、そしてハルよりも早く腰を動かし始める。
「んぅ、んっ、んぅ、あっ、あぁ、あっ…あっ…あっ!!!」
段々と声が大きくなるハルの胸に顔を埋め、思いっきり抱きしめる。
「くっ…ハル…愛してるよ。」
「うっ…ん。」
聞こえていないかもしれないが、ハルは返事をしたように小さな声を出し、そのまま俺に抱きついた。
普段素直に甘える事が出来なくても、こうして愛し合えていることがすごく嬉しい。
いつか、寝ぼけていない時でも求めてくれるようになればとも思うけれど、
正直そう遠くない未来だろうと思っている。
何はともあれ、ハルが心配する事は何もない。
どんなハルでも、俺が愛していることは間違いないのだから。
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