お願いだから噛んで欲しい!

そらうみ

文字の大きさ
上 下
21 / 24
もうどうしたらいいか分からない俺

※21※

しおりを挟む
「や・・・めっ・・・っっっつ」

先ほどから、泰昌が俺のを舐め、触るを繰り返していた。
しかも、前の時よりもゆっくりと、そして優しくしてくれているのが分かる。
今日は泰昌にたくさん気持ちよくなってもたいたいと思っていたのだが・・・このままではマズイ。俺が我慢できなくなる。
必死に両手で泰昌の頭を抑えるのだが、今の俺は力が入らず、ただ掴んでいるだけだ。

「ちょ・・・やめっ・・・イク、からっ、あっ、あっぁああ」

俺は泰昌の口に押し付け、思いっきり吐き出してしまった。

我慢できる訳がない。
俺はこの一週間、泰昌に抱かれた時の事を思い出し・・・明らかに不安定になっていたのだ。
ぼうっとしたかと思えば、急に顔が赤くなったり・・・。

そして何よりも、職場の同僚からの視線が辛かった。
俺は泰昌に噛まれた首筋に大きな絆創膏を貼っていて・・・まあ目立ちますな。
けれど誰も何も言わないし、どちらかと言えば、凄く優しい視線を受け続けていた気がする・・・。
恥ずかしいけれど、それ以上に泰昌との事を思い出してしまうのが本当に大変だった。

そして今、俺をそんな風にさせた本人が目の前にいる。
俺は泰昌に触られるだけで前回の事を思い出し、見事に体が反応してしまっていたのだ。
本当に恥ずかしい!何だよずっと恥ずかしい思いをしているな!!!

脱力している俺の頬に、泰昌が手を添えてきた。
俺が大丈夫か確認しているような感じだったので、俺も意識があることを伝えるかのように、大きな手のひらに少し頬ずりをする。

起きてますーちゃんと意識ありますよーだ。

すると泰昌の手が、俺の頬から下へと下がり、入口をほぐし始めた。

「ちょ、待って・・・んんっ、イッた、ばっか・・・ぁあっ」

一週間前だったのに、もう柔らかくなっているのが分かる・・・俺の体、どうなってしまったんだ???

俺は思わず、泰昌にしがみついた。

「やす、まさっ・・・んんっ、ちょ・・・やめっ・・・っっつ」

泰昌は全く止める気配がない。
前回の時もそうだが、泰昌はやめろと言ったらやってくる気がする・・・え? ひどくないか?
確か泰昌って、付き合ったら態度が変わるって・・・こういう事なのか!?

「ちょ、泰昌・・・今まで付き合った人とも・・・んっ、こんな・・・感じだったのか?」

すると、泰昌がピタリと動きを止めた。
泰昌を見ると、そこには不安そうな表情があった。

「こんな感じって・・・心ここにあらずって事か?」

え? 何言っているんだ? そんな事言われたのか?

「いや・・・そうじゃなくて・・・」

「・・・本気に見えない?」

え?これ本気じゃないの!? ちょっと待て、本気出したらどうなるんだ!? 頼む初心者に優しくしてくれ!!!

「えっと・・・どちらかと言えば俺が受け止めきれてなくて・・・出来れば手加減を・・・って、んんっっつ!?」

何故か俺が言い終わる前に、泰昌がいきなり挿入してきた。
え? 何で!? この状況で聞いてしまった俺に怒ったのか!?

「あっ、あっ、んんっ、んっ、っっつ、んっ」

泰昌が小刻みに動き続ける。
俺はもう喘ぐ事しか出来なくなっていた。
そんな俺の声を塞ぐかのように、泰昌がキスをしてくる。

「っ・・・っっ・・・ん・・・んっ・・・」

上も下も大変な事になっている。
気持ち良すぎて、このままではこの前と同じように意識が飛んでしまいそうだ。
俺は泰昌に、沢山気持ち良くなって欲しいんだって!俺のペース配分を考えてくれ頼むから!

「んっ・・・あっ、あっ、あっ、あ、んっ」

泰昌の口が離れ、再び声が出てしまう。
俺は喘ぎながらも必死に考えた。どうしたら泰昌がペースを落としてくれるのか。
泰昌はやめろと言ったらやってくる・・・という事は・・・。

「やっ、やすま、さっ、あっ、やす、まさぁあ」

俺は必死に名前を呼ぶ。
俺の訴えが届いたのか、泰昌が動きながらも話しかけてきた。

「っつ・・・どうした? ・・・やめてほしい?」

「やっ、やめ、る・・・なっ・・・ぁあっ、あっ、あっ、あぁっ、あっ、ぁああっ」

おいおいおいおい話が違う。
やめるなと言ったのにやめない。
逆に泰昌が動くペースが上がり、先ほどよりもより強く打ちつけ始めた。

「やっ、ぁあ、あっ、あっ、あっ、んっ・・・っ、っっ、んっ」

まともに呼吸も出来なくなってきている。
俺はこの快楽を、ただ感じる事しか出来なくなっている。

「んんっ、んっ・・・やっ、イク、いっ、っ・・・っっつ」

俺は全身が痺れながらも、最後まで必死に泰昌にしがみついていた。
泰昌はさらに奥へ奥へと押し付けては思いっきり吐き出し、俺の上へと覆いかぶさってきた。

何とか意識は・・・ある・・・。
俺は荒く呼吸しながら、同じような呼吸を繰り返す泰昌を見る。
すると泰昌も俺に視線を合わせ、そして、ゆっくりと舌を味わうかのようなキスをし始めた。

おそらくこれは・・・休憩になるのだろうか・・・。
俺の中にはまだ熱いモノが残っていて、泰昌が抜く気配はない。
よし・・・腹を括ろう。今日は最後まで意識を保って泰昌に付き合うんだ。
さっきも出来たし、出来る!俺は出来るんだ!

俺は両手と両足を泰昌に絡める。
二回戦・・・負けるものか!

そんな俺の様子に、泰昌が少し笑っているのが分かった。
そしてキスをやめ、俺の目を見つめる。

その時、泰昌の目を見て俺は直感した。

あ、これ、やばいかもしれない。

待ってこの状態って別に勝負でも何でもなくて・・・。
俺がちょっと勘違いした待ってミスった泰昌落ち着いてぇぇええ!!!


こうして俺は、人間あまり調子に乗ってはダメだという事を、身をもって知ったのっだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

いとおしい

ハリネズミ
BL
人も羨むくらい仲睦まじかった茅野誠と婚約者の長峰結花。 高校を卒業と同時に番う予定だった。 それなのに親友だと思ってたやつに婚約者を奪われてしまった。 いとおしい:苦しく辛い、可愛くて大切に想う

【完結】運命さんこんにちは、さようなら

ハリネズミ
BL
Ωである神楽 咲(かぐら さき)は『運命』と出会ったが、知らない間に番になっていたのは別の人物、影山 燐(かげやま りん)だった。 とある誤解から思うように優しくできない燐と、番=家族だと考え、家族が欲しかったことから簡単に受け入れてしまったマイペースな咲とのちぐはぐでピュアなラブストーリー。 ========== 完結しました。ありがとうございました。

フローブルー

とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。 高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。

【旧作】美貌の冒険者は、憧れの騎士の側にいたい

市川パナ
BL
優美な憧れの騎士のようになりたい。けれどいつも魔法が暴走してしまう。 魔法を制御する銀のペンダントを着けてもらったけれど、それでもコントロールできない。 そんな日々の中、勇者と名乗る少年が現れて――。 不器用な美貌の冒険者と、麗しい騎士から始まるお話。 旧タイトル「銀色ペンダントを離さない」です。 第3話から急展開していきます。

紹介なんてされたくありません!

mahiro
BL
普通ならば「家族に紹介したい」と言われたら、嬉しいものなのだと思う。 けれど僕は男で目の前で平然と言ってのけたこの人物も男なわけで。 断りの言葉を言いかけた瞬間、来客を知らせるインターフォンが鳴り響き……?

悩める文官のひとりごと

きりか
BL
幼い頃から憧れていた騎士団に入りたくても、小柄でひ弱なリュカ・アルマンは、学校を卒業と同時に、文官として騎士団に入団する。方向音痴なリュカは、マルーン副団長の部屋と間違え、イザーク団長の部屋に入り込む。 そこでは、惚れ薬を口にした団長がいて…。 エチシーンが書けなくて、朝チュンとなりました。 ムーンライト様にも掲載しております。 

台風の目はどこだ

あこ
BL
とある学園で生徒会会長を務める本多政輝は、数年に一度起きる原因不明の体調不良により入院をする事に。 政輝の恋人が入院先に居座るのもいつものこと。 そんな入院生活中、二人がいない学園では嵐が吹き荒れていた。 ✔︎ いわゆる全寮制王道学園が舞台 ✔︎ 私の見果てぬ夢である『王道脇』を書こうとしたら、こうなりました(2019/05/11に書きました) ✔︎ 風紀委員会委員長×生徒会会長様 ✔︎ 恋人がいないと充電切れする委員長様 ✔︎ 時々原因不明の体調不良で入院する会長様 ✔︎ 会長様を見守るオカン気味な副会長様 ✔︎ アンチくんや他の役員はかけらほども出てきません。 ✔︎ ギャクになるといいなと思って書きました(目標にしましたが、叶いませんでした)

僕の幸せは

春夏
BL
【完結しました】 恋人に捨てられた悠の心情。 話は別れから始まります。全編が悠の視点です。 1日2話ずつ投稿します。

処理中です...