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運命のアルファを探す俺

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次の日から、俺は駅でアルファを探すようになった。

最寄りの駅から電車に乗り、乗り換えのある駅までじっとする。しばらくして、乗り換えの駅に到着し、俺は大勢の人と一緒に降りた。

駅のホームを歩き出すと・・・やっぱり、首筋の疼きが来た。
俺はそれとなく周りを見渡すが・・・この駅とにかく人が多い・・・多すぎる。
毎日通っていても、誰とも顔見知りにならない程人が多い。
でもこの何処かに、俺の首筋を疼かせる程のアルファがいるはずなんだ!
俺は周りを見渡すが、誰とも目が合わない。

運命のアルファよ!俺はここにいるんだ!!!

叫び出したい気持ちを抑え、俺は人の波に流されながら、いつものように学校に向かう事しか出来なかった。



学校の昼休み、外で昼ごはんを食べながら、亮に朝の報告をする。

「やっぱり、乗り換えのホームで首筋に疼きがあった。改札へ向かう間の何処かで、俺は運命のアルファに近づいているんだ!」

「良かったじゃん。毎日探していたら見つかりそうだな」

「でも人多すぎるんだよな・・・。
相手のアルファは、俺が近くにいても気付いていないのかな・・・」

「どうなんどろうな。蓮のように何か体調に変化があるのか・・・。
そもそも蓮の首筋の疼きっていうのも、オメガにしては特殊な事なんだよな?」

「うん・・・発情期の症状の一つではないかって言われたけど、毎日発情期な訳ないし、俺は運命のアルファが近くにいるサインだと思うようになった」

「・・・ポジティブなのは良い事だけれど、普通に何かの病気か、体調不良の可能性も捨てるなよ」

「ほんと現実的だな!あれ? “首筋の疼きは運命のアルファ”説は、亮が言ってくれなかったっけ?」

「何と言えば良いのか・・・俺のせいになるのかこれは?
というか俺、運命のアルファとか言ってないし、それ恥ずかしいわ」

「いやもうこれは運命のアルファで良いでしょ!俺絶対アルファと結ばれるから。首筋噛んでもらうから!!!」

「うん・・・まぁ、頑張れ。上手くいったら報告よろ」

「おう!これから毎朝頑張るぞー」

「蓮・・・朝頑張るのも良いけれど、今日の午後からも頑張ってくれ」

「そうだなー程よく頑張るかー」

「程よく・・・そうだな、程よく頑張ろう」

テストも終わり、俺たちは今、文化祭に向けて準備をしているのだ。
俺たちのクラスは飲食系なので、教室の飾り付けや、料理の練習がメインになっている。

「蓮、そういえば泰昌やすまさのクラスは劇をするみたいだけど、観に行く?」

「え、観る観る。泰昌何の役するんだろ、せっかくだし観に行こう」

「内容とか詳しく聞いてないけれど、まあいいか」

そして昼ごはんを食べ終えた俺たちは、午後の準備に向けて教室へ向かった。

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