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友人にひかれている俺
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放課後の教室に俺と亮、そして秋田 泰昌君がいた。
亮とテスト勉強をする事となっていたが、亮が秋田君を連れてきたのだ。
そして今、机を向かい合わせて、3人で勉強会を開いている。
秋田君は背が高く、いつも笑顔で誰にでも気さくに声をかけるし、バスケ部でも活躍してらっしゃる人物で、違うクラスの俺も知っている人物だ。
そして、以前アルファ探しの部活見学をした時もお世話になった。
見学者の俺にも気を使って声をかけてくれたし、めっちゃ良い人。
その時の事を思い出していたのか、俺は秋田君をじっと見つめてしまっていたようで、俺の視線に気づいて秋田君が俺に視線を合わせた。
「どうした?分からないところ出てきた?」
「いや、ごめん。ちょっとぼーっとしていた」
俺たちの会話を聞いて、亮も顔を上げる。
「蓮、分からない事があったら、どんどん泰昌に聞いたらいい。
泰昌は学年10位以内の優等生だ」
「なんと! 確か亮も学年10位以内だよな? 俺って今、装備最強状態?」
「本番は1人だけれどな」
「装備剥がれた丸裸のやつな。
というか、亮と秋田君て友達だったんだな」
「中学が一緒だったんだ。まさか泰昌と同じ高校になるとは思ってなかったけど」
「家から近いところが良かったんだ。あと、自由な校風の所に行きたくて」
秋田君が答える。
確かにこの学校は規則も緩く、そして通っている生徒も穏やかな気がする。
俺が部活見学をしていた時も、どの部活も気軽に俺を向かい入れてくれたし、先輩後輩もとてもフレンドリーだった。
大会で大きな成績を残すような部活はないけれども、その分みんな気楽に部活動を楽しんでいた。
俺の思考を読み取ったのか、秋田君が俺に声をかける。
「須田君はバスケ部に見学来てくれたけど、入部はしないんだ?」
「うん。何か部活やろうかなーと思ったんだけれど、やっぱり帰宅部で気楽に過ごしたいなーって思って」
「そうなんだ。バスケ部のみんなとも楽しそうに話してたから、入ってくれるのかと思ってた」
「みんなが優しかったからなー。秋田君も俺に色々と話しかけてくれてありがとう。
入部はしないけれど、バスケ部は楽しかった。お邪魔しました」
俺は机に両手をついて、大袈裟に頭を下げた。
「それは残念。まあいつでも遊びに来てくれていいから。須田君だったらみんな歓迎するよ」
俺は顔を上げて秋田君を見る。
「ありがたい。そして俺の事、須田じゃなくて蓮でいいよ」
「じゃあ俺も、泰昌でいいよ」
そんな俺たちの様子を、じっと亮が見つめていた。
頭の良い亮と泰昌が友達であるのを、類は友を呼ぶと言うのだろうか。
そして俺も・・・はい、勉強します。
亮とテスト勉強をする事となっていたが、亮が秋田君を連れてきたのだ。
そして今、机を向かい合わせて、3人で勉強会を開いている。
秋田君は背が高く、いつも笑顔で誰にでも気さくに声をかけるし、バスケ部でも活躍してらっしゃる人物で、違うクラスの俺も知っている人物だ。
そして、以前アルファ探しの部活見学をした時もお世話になった。
見学者の俺にも気を使って声をかけてくれたし、めっちゃ良い人。
その時の事を思い出していたのか、俺は秋田君をじっと見つめてしまっていたようで、俺の視線に気づいて秋田君が俺に視線を合わせた。
「どうした?分からないところ出てきた?」
「いや、ごめん。ちょっとぼーっとしていた」
俺たちの会話を聞いて、亮も顔を上げる。
「蓮、分からない事があったら、どんどん泰昌に聞いたらいい。
泰昌は学年10位以内の優等生だ」
「なんと! 確か亮も学年10位以内だよな? 俺って今、装備最強状態?」
「本番は1人だけれどな」
「装備剥がれた丸裸のやつな。
というか、亮と秋田君て友達だったんだな」
「中学が一緒だったんだ。まさか泰昌と同じ高校になるとは思ってなかったけど」
「家から近いところが良かったんだ。あと、自由な校風の所に行きたくて」
秋田君が答える。
確かにこの学校は規則も緩く、そして通っている生徒も穏やかな気がする。
俺が部活見学をしていた時も、どの部活も気軽に俺を向かい入れてくれたし、先輩後輩もとてもフレンドリーだった。
大会で大きな成績を残すような部活はないけれども、その分みんな気楽に部活動を楽しんでいた。
俺の思考を読み取ったのか、秋田君が俺に声をかける。
「須田君はバスケ部に見学来てくれたけど、入部はしないんだ?」
「うん。何か部活やろうかなーと思ったんだけれど、やっぱり帰宅部で気楽に過ごしたいなーって思って」
「そうなんだ。バスケ部のみんなとも楽しそうに話してたから、入ってくれるのかと思ってた」
「みんなが優しかったからなー。秋田君も俺に色々と話しかけてくれてありがとう。
入部はしないけれど、バスケ部は楽しかった。お邪魔しました」
俺は机に両手をついて、大袈裟に頭を下げた。
「それは残念。まあいつでも遊びに来てくれていいから。須田君だったらみんな歓迎するよ」
俺は顔を上げて秋田君を見る。
「ありがたい。そして俺の事、須田じゃなくて蓮でいいよ」
「じゃあ俺も、泰昌でいいよ」
そんな俺たちの様子を、じっと亮が見つめていた。
頭の良い亮と泰昌が友達であるのを、類は友を呼ぶと言うのだろうか。
そして俺も・・・はい、勉強します。
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