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第四話
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「ちょっ、近いよテオ!」
「リアン様、私がどんな方を思っていても応援してくれますか?」
「う、うん、もちろん!」
えっ! テオ好きな人居たんだ!
今までそんな素振りは見せなかったのに! あれ? 俺が気付いてなかっただけとか?!
わー、なんか俺までドキドキしてきた!
「私はリアン様を好いております。リアン様が行くところにはどこにでもついて行きたいと思っておりますので、今回のことはお気になさらず」
「良かった……ん?」
「私はリアン様のことがそれはもう好きで好きで堪らないのですよ。リアン様の無防備さにはいつも驚かされています。第二王子にしても、ご学友にしても、いつもリアン様の気を引こうとあの手この手でアプローチしていたではないですか。まあリアン様には全く響かずいつも私のところへ一直線で来ていたのですが」
「へっ?」
「リアン様は心優しいお方ですね。従者である私の恋を応援してくださると。それがどんな人であろうとも」
「あっ、えっ? テオ……?」
「リアン様、好きですよ」
「ええー!!!!」
テオがほっぺにキスをする。
それ以上のことを毎朝していたんだから、嫌なわけない。
ていうか、あの毎朝のキスも、テオは俺のことが好きだからあんなエッチなキスしてたの?!
なんだか急に顔が熱くなる。
「リアン様、顔が真っ赤ですよ。ふふ、私は脈ありでしょうか?」
「テオぉ……! ちょっと待って、全然頭が追いついてない!」
「良いですよ、ゆっくり考えてください。邪魔なものは居ませんから。でも、私はリアン様のことをいつでも思っているのですよ」
「はひっ……!」
テオが跪いて俺の手を取る。
恭しく手の甲に唇を落とされた。
「私だけのリアン様になってください、ね?」
「~~~~っ!」
俺は口をぱくぱくさせながら声にならない悲鳴を上げた。
これがゲームのシナリオだったら、テオが人気一位になっているに違いない。
実際のゲームではリアンの従者は登場しなかったけど、こんなキラキラしたイケメンに口説かれたら、ふらっと落ちてしまいそう……。
「テ、テオ……」
「はい、なんでしょう、私の愛しいリアン様」
「キャラ変わってるよ!!」
「そうでしょうか? いつもはリアン様への気持ちは抑えてましたが、これからやめます。リアン様本人が私の恋を応援してくださるのですから」
「ひいー!」
迂闊なことは言っちゃいけない。
俺は顔を真っ赤にしてテオの前から走り去った。
「リアン様、私がどんな方を思っていても応援してくれますか?」
「う、うん、もちろん!」
えっ! テオ好きな人居たんだ!
今までそんな素振りは見せなかったのに! あれ? 俺が気付いてなかっただけとか?!
わー、なんか俺までドキドキしてきた!
「私はリアン様を好いております。リアン様が行くところにはどこにでもついて行きたいと思っておりますので、今回のことはお気になさらず」
「良かった……ん?」
「私はリアン様のことがそれはもう好きで好きで堪らないのですよ。リアン様の無防備さにはいつも驚かされています。第二王子にしても、ご学友にしても、いつもリアン様の気を引こうとあの手この手でアプローチしていたではないですか。まあリアン様には全く響かずいつも私のところへ一直線で来ていたのですが」
「へっ?」
「リアン様は心優しいお方ですね。従者である私の恋を応援してくださると。それがどんな人であろうとも」
「あっ、えっ? テオ……?」
「リアン様、好きですよ」
「ええー!!!!」
テオがほっぺにキスをする。
それ以上のことを毎朝していたんだから、嫌なわけない。
ていうか、あの毎朝のキスも、テオは俺のことが好きだからあんなエッチなキスしてたの?!
なんだか急に顔が熱くなる。
「リアン様、顔が真っ赤ですよ。ふふ、私は脈ありでしょうか?」
「テオぉ……! ちょっと待って、全然頭が追いついてない!」
「良いですよ、ゆっくり考えてください。邪魔なものは居ませんから。でも、私はリアン様のことをいつでも思っているのですよ」
「はひっ……!」
テオが跪いて俺の手を取る。
恭しく手の甲に唇を落とされた。
「私だけのリアン様になってください、ね?」
「~~~~っ!」
俺は口をぱくぱくさせながら声にならない悲鳴を上げた。
これがゲームのシナリオだったら、テオが人気一位になっているに違いない。
実際のゲームではリアンの従者は登場しなかったけど、こんなキラキラしたイケメンに口説かれたら、ふらっと落ちてしまいそう……。
「テ、テオ……」
「はい、なんでしょう、私の愛しいリアン様」
「キャラ変わってるよ!!」
「そうでしょうか? いつもはリアン様への気持ちは抑えてましたが、これからやめます。リアン様本人が私の恋を応援してくださるのですから」
「ひいー!」
迂闊なことは言っちゃいけない。
俺は顔を真っ赤にしてテオの前から走り去った。
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