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しおりを挟む悪魔との茶会から数日後。
ジーンは祖父と叔父とともに断罪を行う。
「二重帳簿に覚えがあるな?横領の罰を与える、長男レイフ夫妻を除籍追放する。金の返済はできないだろうから無一文で平民へ落とすだけに留める」
冷たい処遇に不満が爆発したレイフは咆える。
「そんな!一方的すぎます、いきなり平民だなんて!」
「そうか、ならば裁判にかけられ罪人として刑を受けるのだな?刑務所で働きながら地道に返済しろ。死なない程度の生活は保障されるだろう。身分は平民だが雨風が凌げるのだ有難いと思え。盗人は返済が終わるまでが刑期らしいぞ良かったな」
どちらにせよ苦行しかないと知ったレイフは、子供のように泣きわめいて周囲をドン引きさせた。
その傍らで放心した妻が「私が平民……どうして?」と呟いていた。
「うるさいですよ、贅沢してきたせいか元気がありあまってますのね。二人を相応しい姿にしてあげましょうか」
「な、なんだと!?」
ジーンが手を翳すと、暗紫色の靄のようなものが噴き出した。所謂瘴気というものだ。
「や、やめろ!ゲホゲホ……苦しい!肌が痛い、喉が焼けそうだ……」
「ひぃい!私の肌がガサガサに、頬が垂れてしまったわ……」
苦労知らずの彼等は、若作りで年齢より10歳は若く見えていた。
ジーンはそれを一気に老人のような姿にかえてやった、白髪で皺だらけの姿は祖父よりも年上に見えた。
干乾びてもなお暴れるレイフだったが、伯爵邸兵士と執事達に荒縄で縛り上げられてでていった。何もかも奪われた妻は幽鬼のようになって黙ってついていく。
「漸く終わったわ、これで私はほんとうに自由なのね」
それからジーンは、自身を呪うかのように瘴気を身に纏わせて転倒した。
異変に気が付いた祖父たちが駆け寄り、伯爵邸は大騒ぎになる。
喧騒をよそに穏やかな顔のジーンは薄れる意識の中で呟いた。
”早く迎えにきて、私の悪魔”
ジーンは祖父と叔父とともに断罪を行う。
「二重帳簿に覚えがあるな?横領の罰を与える、長男レイフ夫妻を除籍追放する。金の返済はできないだろうから無一文で平民へ落とすだけに留める」
冷たい処遇に不満が爆発したレイフは咆える。
「そんな!一方的すぎます、いきなり平民だなんて!」
「そうか、ならば裁判にかけられ罪人として刑を受けるのだな?刑務所で働きながら地道に返済しろ。死なない程度の生活は保障されるだろう。身分は平民だが雨風が凌げるのだ有難いと思え。盗人は返済が終わるまでが刑期らしいぞ良かったな」
どちらにせよ苦行しかないと知ったレイフは、子供のように泣きわめいて周囲をドン引きさせた。
その傍らで放心した妻が「私が平民……どうして?」と呟いていた。
「うるさいですよ、贅沢してきたせいか元気がありあまってますのね。二人を相応しい姿にしてあげましょうか」
「な、なんだと!?」
ジーンが手を翳すと、暗紫色の靄のようなものが噴き出した。所謂瘴気というものだ。
「や、やめろ!ゲホゲホ……苦しい!肌が痛い、喉が焼けそうだ……」
「ひぃい!私の肌がガサガサに、頬が垂れてしまったわ……」
苦労知らずの彼等は、若作りで年齢より10歳は若く見えていた。
ジーンはそれを一気に老人のような姿にかえてやった、白髪で皺だらけの姿は祖父よりも年上に見えた。
干乾びてもなお暴れるレイフだったが、伯爵邸兵士と執事達に荒縄で縛り上げられてでていった。何もかも奪われた妻は幽鬼のようになって黙ってついていく。
「漸く終わったわ、これで私はほんとうに自由なのね」
それからジーンは、自身を呪うかのように瘴気を身に纏わせて転倒した。
異変に気が付いた祖父たちが駆け寄り、伯爵邸は大騒ぎになる。
喧騒をよそに穏やかな顔のジーンは薄れる意識の中で呟いた。
”早く迎えにきて、私の悪魔”
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