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新天地篇
地下牢へ
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城跡は残骸で埋もれていて地下への階段を探す邪魔になった、こんな時の剛腕アクティである。
「しゃっ!お任せくださいっす!」
あんなにビビッていた彼はどうしたのか、急に元気に働いてくれた。筋骨隆々、いつもの3倍増しくらいに体が膨れている気がした。
首を傾げるボクにマホガニーが良い笑顔で小瓶を出した。
「カンフル剤入り特製回復薬です、カトゥルカ滞在中に開発しました。人間の知恵も悪くありませんね」
「おいおい……お前いつの間に」
あの町ではマホガニーは薬師だちと接触が多かったからな、要らん知識を得たか。
役に立つけどなんだろうな?この複雑な気持ち。
「……効果が異常っぽいから無闇に広めるなよ?」
「御意」
ガンゴンとド派手な轟音を立ててアクティが瓦礫の撤去を奮闘している。
もちっと優雅にできないか?
「うおおおお!りゃーーーーー!ドッセーイ!うっひょーい!こなくそー!ワハハハハ!」
「……」
放り投げられた石柱が地面に突き刺さり、新たな建物が出来そうな勢いに閉口する。
砂埃に埋もれそうなボクをエリマが手巾で掃い落してくれた。
「ありがとうエリマ、さすが女子だ」
「ふふ、恐れ入ります」
穏やかな微笑みに救われた気分だよ。
ドゴゴンという音が腹に響くこと10分後、地下へ続く穴が発見された。頑張ったアクティを労い、砂塵がおさまるのを待って地下への階段を下りることにした。
「やはり瘴気が濃いな……、皆ボクから離れるなよ?身体が腐り落ちたら流石に助けられないから」
「「「御意」」」
脅しが通じたのかハイテンションだったアクティが冷静さを取り戻した。
ヤレヤレ。
灯りを灯しても地下への階段は薄暗くて不気味だった、コツコツと響く足音以外は聞こえない。
全員口を閉ざすから余計に緊張が増して行った。
「瘴気を好む魔物が棲みついているかと想像してたけどいないな」
「そうですね、ゲノーモスの怒りが恐ろしいのでは?」
なるほど、精霊に畏怖して近寄らない可能性があるのか。
新参のアクティが怖がるのは仕方ないことだったというのか?
再びビビリだしたアクティはマホガニーによってカンフル剤を投与されていた。
青白い顔から赤い顔へと変化している、忙しいことだな。
「んほぉー!効くっす!ふおおおおおー!」
「……」
***
地下を進むこと数十分、朽ちた城の階段は足場が悪く思ったより時間がかかってしまった。
最下層と思われるそこは奇妙な結界が張られていた。
「赤黒い炎のような壁だな、サラマンデルの仕業だな」
「まずはこれを消しませんと……」
マホガニーが破壊を試みて魔力を込めた鞭を揮う、僅かにヒビが入ったところでエリマと交代する。
目を閉じて拳を固めたエリマは精神統一して闘気を高めている。
「……ふしゅぅう……セャッ!」
正拳突きでヒビを直撃した、拳が衝突して衝撃波がボクらを襲う。
アクティが咄嗟にボクの壁になってくれたので吹き飛ばされるのは避けられた。
代わりに彼が腹をやられた、服もビリビリだ。申し訳ない!回復薬をたっぷりかけなくちゃ。
傍らでマホガニーが燕尾服(中身も)をズタズタに裂かれて茫然としてた。
早く回復薬を飲め!
「こわ……」
エリマは敵にしたらいかんヤツだ……。
「坊ちゃん、あとで新しいメイド服の支給をお願いします」
「……うん、喜んで!」
「?」
それはさておき、ゲノーモスの様子を確認せねば!
土の精霊ゲノーモスは紫の美しい水晶体になって地に衝き立っていた。
だが彼女は怨嗟の念を内側から放ち、凄まじい瘴気を放出し続けている。迂闊に近づけない。
「アメジストか……貴女らしい禍々しい美しさですねゲノーモス様」
じりじりと数歩ずつ近寄れば身が焦げるような痛みが襲って来た。
「坊ちゃん!それ以上はいけません!」
引き止めようとマホガニーが叫んだ、ボクはだいじょうぶだと手を挙げて答える。
湧き上がる彼女の怒りと悲しみを宥めるようにボクはゆっくりゆっくり浄化を掛ける。フォードを恨み己の呪いに焼かれ無慈悲な化生となった彼女の無念を祓うのだと己に言い聞かせて。
「ゲノーモス様……目を覚ましてください。貴女を救いに来たのです……お願い応えて」
彼女から湧き出る瘴気が抵抗するように膨れ上がる、焦っては駄目だ。
ボクは浄化の手を休めず、シルから預かった銀水晶を取り出してゲノーモスの身体に当てた。
ジワリと瘴気がボクの手を侵食して生気を奪って行こうとする。
腕と足が錆び色に変色していく、ボクが朽ちるか彼女が心を開いて解けるか勝負といこう。
エリマの悲鳴が聞こえたが動くなと手で制した。
「聞いてゲノーモス様、貴女を助けに行けなくて申し訳ないとシル様が詫びていました。かけがえのない友人を憂いていました。これ以上あなたの友人を悲しませてはいけません!目を覚まして!」
その時、キィーンと空気を震わす鋭い音がした。
耳が痛い……水晶化したゲノーモスと銀水晶が共鳴したのだろうか?
キィンキィンと硬質な音が鳴りやまない、ボクもマホガニー達も耳を塞いで身を屈めて耐える。
瘴気の浸食と音の浸食がボクを蝕もうと襲う。でも負けない!
「……ゲノーモス様」
固く動かないゲノーモスの瞳から一筋の涙が流れて地に落ちた。
「しゃっ!お任せくださいっす!」
あんなにビビッていた彼はどうしたのか、急に元気に働いてくれた。筋骨隆々、いつもの3倍増しくらいに体が膨れている気がした。
首を傾げるボクにマホガニーが良い笑顔で小瓶を出した。
「カンフル剤入り特製回復薬です、カトゥルカ滞在中に開発しました。人間の知恵も悪くありませんね」
「おいおい……お前いつの間に」
あの町ではマホガニーは薬師だちと接触が多かったからな、要らん知識を得たか。
役に立つけどなんだろうな?この複雑な気持ち。
「……効果が異常っぽいから無闇に広めるなよ?」
「御意」
ガンゴンとド派手な轟音を立ててアクティが瓦礫の撤去を奮闘している。
もちっと優雅にできないか?
「うおおおお!りゃーーーーー!ドッセーイ!うっひょーい!こなくそー!ワハハハハ!」
「……」
放り投げられた石柱が地面に突き刺さり、新たな建物が出来そうな勢いに閉口する。
砂埃に埋もれそうなボクをエリマが手巾で掃い落してくれた。
「ありがとうエリマ、さすが女子だ」
「ふふ、恐れ入ります」
穏やかな微笑みに救われた気分だよ。
ドゴゴンという音が腹に響くこと10分後、地下へ続く穴が発見された。頑張ったアクティを労い、砂塵がおさまるのを待って地下への階段を下りることにした。
「やはり瘴気が濃いな……、皆ボクから離れるなよ?身体が腐り落ちたら流石に助けられないから」
「「「御意」」」
脅しが通じたのかハイテンションだったアクティが冷静さを取り戻した。
ヤレヤレ。
灯りを灯しても地下への階段は薄暗くて不気味だった、コツコツと響く足音以外は聞こえない。
全員口を閉ざすから余計に緊張が増して行った。
「瘴気を好む魔物が棲みついているかと想像してたけどいないな」
「そうですね、ゲノーモスの怒りが恐ろしいのでは?」
なるほど、精霊に畏怖して近寄らない可能性があるのか。
新参のアクティが怖がるのは仕方ないことだったというのか?
再びビビリだしたアクティはマホガニーによってカンフル剤を投与されていた。
青白い顔から赤い顔へと変化している、忙しいことだな。
「んほぉー!効くっす!ふおおおおおー!」
「……」
***
地下を進むこと数十分、朽ちた城の階段は足場が悪く思ったより時間がかかってしまった。
最下層と思われるそこは奇妙な結界が張られていた。
「赤黒い炎のような壁だな、サラマンデルの仕業だな」
「まずはこれを消しませんと……」
マホガニーが破壊を試みて魔力を込めた鞭を揮う、僅かにヒビが入ったところでエリマと交代する。
目を閉じて拳を固めたエリマは精神統一して闘気を高めている。
「……ふしゅぅう……セャッ!」
正拳突きでヒビを直撃した、拳が衝突して衝撃波がボクらを襲う。
アクティが咄嗟にボクの壁になってくれたので吹き飛ばされるのは避けられた。
代わりに彼が腹をやられた、服もビリビリだ。申し訳ない!回復薬をたっぷりかけなくちゃ。
傍らでマホガニーが燕尾服(中身も)をズタズタに裂かれて茫然としてた。
早く回復薬を飲め!
「こわ……」
エリマは敵にしたらいかんヤツだ……。
「坊ちゃん、あとで新しいメイド服の支給をお願いします」
「……うん、喜んで!」
「?」
それはさておき、ゲノーモスの様子を確認せねば!
土の精霊ゲノーモスは紫の美しい水晶体になって地に衝き立っていた。
だが彼女は怨嗟の念を内側から放ち、凄まじい瘴気を放出し続けている。迂闊に近づけない。
「アメジストか……貴女らしい禍々しい美しさですねゲノーモス様」
じりじりと数歩ずつ近寄れば身が焦げるような痛みが襲って来た。
「坊ちゃん!それ以上はいけません!」
引き止めようとマホガニーが叫んだ、ボクはだいじょうぶだと手を挙げて答える。
湧き上がる彼女の怒りと悲しみを宥めるようにボクはゆっくりゆっくり浄化を掛ける。フォードを恨み己の呪いに焼かれ無慈悲な化生となった彼女の無念を祓うのだと己に言い聞かせて。
「ゲノーモス様……目を覚ましてください。貴女を救いに来たのです……お願い応えて」
彼女から湧き出る瘴気が抵抗するように膨れ上がる、焦っては駄目だ。
ボクは浄化の手を休めず、シルから預かった銀水晶を取り出してゲノーモスの身体に当てた。
ジワリと瘴気がボクの手を侵食して生気を奪って行こうとする。
腕と足が錆び色に変色していく、ボクが朽ちるか彼女が心を開いて解けるか勝負といこう。
エリマの悲鳴が聞こえたが動くなと手で制した。
「聞いてゲノーモス様、貴女を助けに行けなくて申し訳ないとシル様が詫びていました。かけがえのない友人を憂いていました。これ以上あなたの友人を悲しませてはいけません!目を覚まして!」
その時、キィーンと空気を震わす鋭い音がした。
耳が痛い……水晶化したゲノーモスと銀水晶が共鳴したのだろうか?
キィンキィンと硬質な音が鳴りやまない、ボクもマホガニー達も耳を塞いで身を屈めて耐える。
瘴気の浸食と音の浸食がボクを蝕もうと襲う。でも負けない!
「……ゲノーモス様」
固く動かないゲノーモスの瞳から一筋の涙が流れて地に落ちた。
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