63 / 82
新天地篇
穢れし城跡
しおりを挟む
風の精霊シルフィードと別れ、仲間の元へ戻ったのは数分後のことだった。
飛行して帰る余裕がボクにはなかったからだ、アリエラは渋ったが途中で転移することを了承してくれた。
急いても仕方ないことなんだけどね。
「ごめんアリエラ、空の旅は落ち着いてからまた今度ね?」
「うむ、心情を慮れば仕方なしぞ。気にするな」
アリエラは大きな身体でボクに擦り寄った、モフモフとはほど遠いが嬉しい。
そうだ鬣を整えてあげなきゃね。
仲間と合流したボクは彼の毛を梳きながら会議した。シルの直接の協力は得られなかったが、アリエラが浄化の手助けをしてくれることを伝えると皆は安堵の顔をした。
「銀の結晶石を授かったよ、これがあればだいぶ作業は楽になるはずだ。代替えなんて最悪な事態にはならないさ」
「見事な銀色ですね、まさか精霊の血を賜るとは……」
マホガニーはもちろん、一同はその神々しい石に釘付けになっている。
「……わたしは少し怖いです、人間の身では近寄りがたい物質です」
ずっと口数が少なくなっていたメイペルが恐れ多いと委縮して退いた。
ちょっと迂闊だった、ゴメン。
「か弱い人間というとを失念してた、悪いね」
「いいえ、同行を望んだのは私の我儘ですから!」
今後を考えれば、彼女とはここらで距離をおくべきタイミングだと思うんだが。
穢れた地から離れるよう促したが彼女は頑なに拒否した。
うん、頑固だなぁ。
「メイペル、キミは唯一仲間と認めた人間だ。命を落とす危険が迫ったら有無言わさず退去させるからね?」
「は、はい。わかりました!微弱ですがお仕事頑張ります!」
取り合えず彼女は逗留地の護り手としていて貰おう。
「やっぱり大気だけ瘴気祓いしても意味はない、身が穢れてしまったゲノーモスの救助が先決になる。キャンプを張ったこの場所と班分けしようと思う。組み分けには異論を認めない」
ボクの言葉に皆は渋面になった、待機組に選ばれたくないんだろう。
ゲノーモスが封印された地下へ潜入すればサラマンデルがやってくる危険がある。
まぁどこへいても危険は孕むのだけどね。
潜入班はボクはもちろん、マホガニー、アクティ、エリマ。
待機班はラミン、グルド、メイペル。そしてアリエラ。
アリエラが一番不満そうだったけど地上と大気に漂う瘴気を祓って貰わないとボクらは潜入できないから。
「ごめんアリエラ、損な役回りだけど」
「……ふぬ、仕方ないから受けてやろう。シルフィード様と約束したからな!」
「ラミン、グルドを頼むよ。起きたらクルミをあげてね」
「了解ですぅ!留守はお任せください!いつ帰っても良いように美味しいご飯作ってますねー!」
こんな時だ、少し間延びした彼女の言葉が和むなぁ。
***
合流した翌朝早く、ボク達潜入班はアリエラの風魔法で瘴気が一時祓われた大地を進む。
王城跡は地の中央だ、時間はあまりない急ごう!
「坊ちゃん、風による清浄時間はどれほどですか?」
「ん?無害な時間は5分が限界らしい、それほどに濃い瘴気なんだろうね」
「たった5分すか!うひゃー怖いっすね」
「おいおい、一応は結界を張って移動してんの!ビビらず頑張れよアクティ!」
「ひゃーい!」
デカイ図体のアクティが身震いして進んでいる、悪いね。転移しても良いけど根腐りの危険があるから。
ドスドスと大地を駆るアクティは冷や汗を飛び散らせている。
マホガニーはボクを抱えて颯爽と走る、自分で走れると抗議したが却下しやがった。
『主を穢れた地に着かせるわけにいきません』だとさ……。
エリマはというとマイペースで走っている、こんな時は常に冷静沈着な彼女は頼もしいな。
母メリアーデと言い、ドリアード族の女型は胆力が強い傾向があるのだろうか?
ボクも頑張らなければ!
城跡に近くなるほどに空気がピリピリと肌を刺激してくる、漏れ出る高濃度の瘴気のせいだろう。
空気に漂う赤紫の靄がどんどん暗褐色へ変化していた。
限界の5分が切れたのだろう。
「うぅ、目に染みるな。結界を強化しよう」
「大丈夫ですか?坊ちゃん」
マホガニーの抱く腕に力が強まった、過保護が悪化してる。
落ち着け!ボクは成長してる、先代から継いだドリアードの術は体得してるぞ。
実演してないから知らないだろうけどね。
「ボクよりアクティを心配してやれ、アクティ!回復薬を頭から浴びろ!」
「ひゃひゃーいっす!」
道中見た元国土の様子は悲惨を通り過ぎていた。土はもちろんだが草木一本なく、沼は枯れて河川は異臭放つ毒水になっていた。これでは生物など存在するわけもない。
所々小さな塊が見えた、家屋の成れの果てと思う。赤黒い石垣が半壊して転がっていた。
遠目にかつての生家を眺めたが残骸さえ見当たらなかった。
少し感傷的になってしまう。
「民はどこへ逃れたのでしょうね」
エリマがポツリと呟く、だがどうでも良いとボクは聞き流す。
焦土より質が悪いこの地は、以前の豊かさを取り戻すことはドリアードの力をもってしても骨が折れることだろう。
時々、墓標らしいのが点在してたが哀れみの感情はでなかった。
「なぁ、ボクは薄情だと思うかい?」
「坊ちゃんが薄情だ非情だと罵られる謂れはございません、回顧しているだけで慈悲深いですよ」
マホガニーは無表情でそう答えた。
走りまくって小1時間、ボクたちは城跡に漸く着いた。
飛行して帰る余裕がボクにはなかったからだ、アリエラは渋ったが途中で転移することを了承してくれた。
急いても仕方ないことなんだけどね。
「ごめんアリエラ、空の旅は落ち着いてからまた今度ね?」
「うむ、心情を慮れば仕方なしぞ。気にするな」
アリエラは大きな身体でボクに擦り寄った、モフモフとはほど遠いが嬉しい。
そうだ鬣を整えてあげなきゃね。
仲間と合流したボクは彼の毛を梳きながら会議した。シルの直接の協力は得られなかったが、アリエラが浄化の手助けをしてくれることを伝えると皆は安堵の顔をした。
「銀の結晶石を授かったよ、これがあればだいぶ作業は楽になるはずだ。代替えなんて最悪な事態にはならないさ」
「見事な銀色ですね、まさか精霊の血を賜るとは……」
マホガニーはもちろん、一同はその神々しい石に釘付けになっている。
「……わたしは少し怖いです、人間の身では近寄りがたい物質です」
ずっと口数が少なくなっていたメイペルが恐れ多いと委縮して退いた。
ちょっと迂闊だった、ゴメン。
「か弱い人間というとを失念してた、悪いね」
「いいえ、同行を望んだのは私の我儘ですから!」
今後を考えれば、彼女とはここらで距離をおくべきタイミングだと思うんだが。
穢れた地から離れるよう促したが彼女は頑なに拒否した。
うん、頑固だなぁ。
「メイペル、キミは唯一仲間と認めた人間だ。命を落とす危険が迫ったら有無言わさず退去させるからね?」
「は、はい。わかりました!微弱ですがお仕事頑張ります!」
取り合えず彼女は逗留地の護り手としていて貰おう。
「やっぱり大気だけ瘴気祓いしても意味はない、身が穢れてしまったゲノーモスの救助が先決になる。キャンプを張ったこの場所と班分けしようと思う。組み分けには異論を認めない」
ボクの言葉に皆は渋面になった、待機組に選ばれたくないんだろう。
ゲノーモスが封印された地下へ潜入すればサラマンデルがやってくる危険がある。
まぁどこへいても危険は孕むのだけどね。
潜入班はボクはもちろん、マホガニー、アクティ、エリマ。
待機班はラミン、グルド、メイペル。そしてアリエラ。
アリエラが一番不満そうだったけど地上と大気に漂う瘴気を祓って貰わないとボクらは潜入できないから。
「ごめんアリエラ、損な役回りだけど」
「……ふぬ、仕方ないから受けてやろう。シルフィード様と約束したからな!」
「ラミン、グルドを頼むよ。起きたらクルミをあげてね」
「了解ですぅ!留守はお任せください!いつ帰っても良いように美味しいご飯作ってますねー!」
こんな時だ、少し間延びした彼女の言葉が和むなぁ。
***
合流した翌朝早く、ボク達潜入班はアリエラの風魔法で瘴気が一時祓われた大地を進む。
王城跡は地の中央だ、時間はあまりない急ごう!
「坊ちゃん、風による清浄時間はどれほどですか?」
「ん?無害な時間は5分が限界らしい、それほどに濃い瘴気なんだろうね」
「たった5分すか!うひゃー怖いっすね」
「おいおい、一応は結界を張って移動してんの!ビビらず頑張れよアクティ!」
「ひゃーい!」
デカイ図体のアクティが身震いして進んでいる、悪いね。転移しても良いけど根腐りの危険があるから。
ドスドスと大地を駆るアクティは冷や汗を飛び散らせている。
マホガニーはボクを抱えて颯爽と走る、自分で走れると抗議したが却下しやがった。
『主を穢れた地に着かせるわけにいきません』だとさ……。
エリマはというとマイペースで走っている、こんな時は常に冷静沈着な彼女は頼もしいな。
母メリアーデと言い、ドリアード族の女型は胆力が強い傾向があるのだろうか?
ボクも頑張らなければ!
城跡に近くなるほどに空気がピリピリと肌を刺激してくる、漏れ出る高濃度の瘴気のせいだろう。
空気に漂う赤紫の靄がどんどん暗褐色へ変化していた。
限界の5分が切れたのだろう。
「うぅ、目に染みるな。結界を強化しよう」
「大丈夫ですか?坊ちゃん」
マホガニーの抱く腕に力が強まった、過保護が悪化してる。
落ち着け!ボクは成長してる、先代から継いだドリアードの術は体得してるぞ。
実演してないから知らないだろうけどね。
「ボクよりアクティを心配してやれ、アクティ!回復薬を頭から浴びろ!」
「ひゃひゃーいっす!」
道中見た元国土の様子は悲惨を通り過ぎていた。土はもちろんだが草木一本なく、沼は枯れて河川は異臭放つ毒水になっていた。これでは生物など存在するわけもない。
所々小さな塊が見えた、家屋の成れの果てと思う。赤黒い石垣が半壊して転がっていた。
遠目にかつての生家を眺めたが残骸さえ見当たらなかった。
少し感傷的になってしまう。
「民はどこへ逃れたのでしょうね」
エリマがポツリと呟く、だがどうでも良いとボクは聞き流す。
焦土より質が悪いこの地は、以前の豊かさを取り戻すことはドリアードの力をもってしても骨が折れることだろう。
時々、墓標らしいのが点在してたが哀れみの感情はでなかった。
「なぁ、ボクは薄情だと思うかい?」
「坊ちゃんが薄情だ非情だと罵られる謂れはございません、回顧しているだけで慈悲深いですよ」
マホガニーは無表情でそう答えた。
走りまくって小1時間、ボクたちは城跡に漸く着いた。
146
お気に入りに追加
3,389
あなたにおすすめの小説
「無加護」で孤児な私は追い出されたのでのんびりスローライフ生活!…のはずが精霊王に甘く溺愛されてます!?
白井
恋愛
誰もが精霊の加護を受ける国で、リリアは何の精霊の加護も持たない『無加護』として生まれる。
「魂の罪人め、呪われた悪魔め!」
精霊に嫌われ、人に石を投げられ泥まみれ孤児院ではこき使われてきた。
それでも生きるしかないリリアは決心する。
誰にも迷惑をかけないように、森でスローライフをしよう!
それなのに―……
「麗しき私の乙女よ」
すっごい美形…。えっ精霊王!?
どうして無加護の私が精霊王に溺愛されてるの!?
森で出会った精霊王に愛され、リリアの運命は変わっていく。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~
柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。
家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。
そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。
というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。
けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。
そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。
ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。
それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。
そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。
一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。
これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。
他サイトでも掲載中。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる