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新天地篇

新しい仲間

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マホガニーとの悶着後、ボクらは一応順調な旅を過ごしている、ある懸念を別にして。
2度目の野宿をした日、マホガニーが疑問をぶつけてきた。

「坊ちゃん、ワザとですか?」
目を眇める執事に「やぁ、表情豊かになったもんだね!」そう褒めた。
「誤魔化さないでください!この進路ナザルリーフへ向かってますよね?会議で決めたのは逆方向です!」
「あっれー?間違えた。えへ♪」

嘯くボクに執事が蟀谷をグリグリしてきた。
痛い痛い!やめれ!


メイド達が持ってきたキノコの串焼きを食みつつ、ヒソヒソ話を続ける。

「だってさアイツがボクらを逃すと思う?追い出すためだけに土精霊の下僕にまでになったんだよ」
「それは……そうですが敵地に行くのはどうかと」
あからさまに襲いやすく誘導して罠に掛かるほど、相手もバカでもあるまいとマホガニーが苦言する。

「うーん、フォードの手下を連れて来たら良かったかな?でも捕まえたのバレてるしダメか」
ホフホフとキノコの香ばしさを楽しみながら思案する。

「はぁ、なにか考えがあるなら相談してください。それから道中疑問だったのですが」
「ほふ?」
キノコをモチャモチャ頬張るボクに、とある大きな人影を指した。


「あぁ、馭者のアクティだよ。護衛を兼ねてる、橡から取った名前だよ強そうだろ?」
「アクティっす、よろしくお願いしゃす」
「そうですか、よろしくアクテ……そうじゃない!」

王城で暴れて成長したボクは「株分け行為」が可能になっていた。
似てない分身とでもいうか、かつて母がマホガニー達を造ったのと同じだ。

アクティは身長はマホガニーより背が高く、筋肉モリモリの分厚い体躯をしている。測ってないけど2m近いかな。野性的な相貌は男らしさに溢れている。

ボクがこうなりたいという願望がでてる。と思う。
デカイ!ゴツイ!モリモリ!は男の憧れだろう?
筋肉は裏切らない!

「わ、私達のピュアな坊ちゃんが大人の階段を登られてしまった……」
止めろその言い方!

頭固い執事はおいといて。メイド達とグルドは歓迎していて、両腕に掴まったり頭の上に乗って遊んでいる。
「おおぅ!高いぞ、凄いなアクティ!」
「はははっ、擽ったいっす!グルド先輩」
グルドは大きなお友だち?にすっかりご満悦のようだ。

ボクも肩車して貰いたい……。

「坊ちゃん」マホガニーがスッと片膝を着いてボクを見上げた。
「ん?」
「私は192センチございます、この両肩はいつでも空いておりま・・」
「遠慮する!」

その後、マホガニーは就寝する直前まで肩に乗れ、オンブすると煩かった。
終いには「高い高いは100回連続いけます!」そう言って回数券を作って寄越した。



とりあえず鳩尾グーパンしといた。
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