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アフォのいぬ間に
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家令の話によれば、アフォカップルの旅行先は北部の避暑地だという。帰宅するのは2カ月後。
常識的に長すぎるけれど、待機側としては有難いと思ったわ。
立て直すには無理があるかもしれないが、領民が飢えない程度には現状維持できるでしょう。
先ずは巫山戯た給与分配と義両親への仕送りを最低限に抑えることにした。
家令は躊躇っていたが、一番の無駄なのだから実行せざるを得ない。
当然だが、働いてないポリーの給与は中止よ。彼らが戻ってきて怒り狂ったとしても平気なように対策する。
アフォでも理解できるように収支報告をまとめたものを用意して、この先どのような結果になるかわからせるのだ。
ゴネるのならば、その時点で私の融資はストップ&全額返済とさせていただく。
弁護士と税理士に噛んでもらい法的に縛りを作った。これなら義両親さえ横暴はできないだろう。
国から預けられた、領地と領民を私欲のために食い潰していたとバレたらどうなるか子供でもわかることよ。
あくまで管理と運営を任された身であることを勘違いしているのですからね。
爵位に見合う働きができないなら、身分を剥奪されて当然です!
貴族の責務とはそういうこと。下の者を虐げ搾取して良い免罪符ではないのだから。
最も私が動かずとも、低迷している領地収益の現状は王の耳に届いてるはず。
近いうちに警告なり勅命がきてもおかしくないかも。
嫁入りした私にも少なからずとばっちりが来る、その辺りの対策もしておかねば。
***
「無駄な支出は大幅カットしたわ、みなさい来月分の資金が8割も確保できた。いかに無駄金があったかわるでしょ?」
私は帳簿をパシパシ叩いて家令を叱った、文句も言えない彼は終始頷くだけである。
不足分の2割を私が融資することになるが、それなりに利が発生するのでニヤケが止らない。
私が提示した融資条件はおおまかに二つ。細かい条件もあるが切りがないので割愛しとく。
一つは先に挙げた無駄金の流出のストップ。
二つ目は食用油の製造に手を貸すことだ、提携産業とでも言えば良いかしら。
当然だがちゃんと契約書は作成した。
初期費用は私が持つので婚家に負担はかからない。
家令が用意するのは場所と労働力である、綿花栽培だけでは生活できなくなった領民が出稼ぎしなくて済む。
マンパワーの流出は痛いですからね。
企画書を読んだ家令が顔をあげて、ほんとうにこんなもので良いのかと聞いてくる。
「荒れ地にこれを栽培するのですか?なんのために……本当に育つのでしょうか」
「ええ、場所を選ばず元気に育つ芋類と豆類を育てて貰うわよ。特に夏場に育つものを最優先でね。種からだと間に合わないから今年は苗を買いましょう」
「はい、では早速手配をいたします」
家令は私が作成した植物リストを手にすると軽い足取りで買い付けに出た。
うん、ヤル気十分ね!働きによっては優遇すると約束したから頑張るでしょう。
「うふふ、大豆とトウモロコシ栽培は特に頑張ってもらわないとね、それから紅花も」
そう、私の目的は植物油の確保なの!
化粧水用ではなく、食用としての大量の油が欲しいのよ。
紅花は化粧類の原料にもなるから楽しみだわ。
収穫と同時に加工がしやすいように、農場の中央に工房を建てる工事もすぐに始めたわ。
私が融資名目で手つかずの無駄に広い荒れ地を相場価格で買い取ったのよ。
この提案には家令は満面の笑みで同意した。
資金が出来て領民の働き口が出来るのだから、文句はないでしょ?
伯爵当主であるイーライが土地の権利を持っているわけだが、登記簿と印璽まで預けて家令に丸投げして遊んでいる、責務放棄してる当主に遠慮はいらないだろう。
一応は義両親へ伺いを立てたようで、「荒れ地が売れる」と聞いた先代は即答で代理で許可を出したそうだ。
ぬかりなく旅行の逗留地にいたイーライにも手紙は出したそうだ。
数日後、「金になるなら勝手にしろ、煩わせるな」と返事がきた。
手紙を読んだ私と家令は思わず笑い合った、敵から同士になった瞬間と言える。
きちんと売買契約は成立したので問題はない!
離縁後に私の資産として残るので取り上げられる心配もないわ。
給与と仕送りが減ることを少々ゴネたようだったが、例のアフォでもわかる収支報告書を見て納得したそうだ。
楽しい旅に水を注されるのをポリーが嫌がったせいもあり、渋々だがイーライの全面許可がおりた。
さすがに爵位を失う事態は避けたいのね。
ちょっと良い気味。
これを機会に慎ましい生活を学んでいただきたいわ。
植物油事業は順調に滑りだした、とはいえ収穫はまだ先のこと。もどかしいけれどこればかりは仕方ない。
これらとは別に朗報が届いたのは1週間ほどしてからだった。
書面を読んだ私は思わず喜びの奇声をあげてしまい、侍女を驚かせてしまう。
「ああ!やっと夢の第一歩!いいえ、自活の一歩かしら。忙しくなるわね」
常識的に長すぎるけれど、待機側としては有難いと思ったわ。
立て直すには無理があるかもしれないが、領民が飢えない程度には現状維持できるでしょう。
先ずは巫山戯た給与分配と義両親への仕送りを最低限に抑えることにした。
家令は躊躇っていたが、一番の無駄なのだから実行せざるを得ない。
当然だが、働いてないポリーの給与は中止よ。彼らが戻ってきて怒り狂ったとしても平気なように対策する。
アフォでも理解できるように収支報告をまとめたものを用意して、この先どのような結果になるかわからせるのだ。
ゴネるのならば、その時点で私の融資はストップ&全額返済とさせていただく。
弁護士と税理士に噛んでもらい法的に縛りを作った。これなら義両親さえ横暴はできないだろう。
国から預けられた、領地と領民を私欲のために食い潰していたとバレたらどうなるか子供でもわかることよ。
あくまで管理と運営を任された身であることを勘違いしているのですからね。
爵位に見合う働きができないなら、身分を剥奪されて当然です!
貴族の責務とはそういうこと。下の者を虐げ搾取して良い免罪符ではないのだから。
最も私が動かずとも、低迷している領地収益の現状は王の耳に届いてるはず。
近いうちに警告なり勅命がきてもおかしくないかも。
嫁入りした私にも少なからずとばっちりが来る、その辺りの対策もしておかねば。
***
「無駄な支出は大幅カットしたわ、みなさい来月分の資金が8割も確保できた。いかに無駄金があったかわるでしょ?」
私は帳簿をパシパシ叩いて家令を叱った、文句も言えない彼は終始頷くだけである。
不足分の2割を私が融資することになるが、それなりに利が発生するのでニヤケが止らない。
私が提示した融資条件はおおまかに二つ。細かい条件もあるが切りがないので割愛しとく。
一つは先に挙げた無駄金の流出のストップ。
二つ目は食用油の製造に手を貸すことだ、提携産業とでも言えば良いかしら。
当然だがちゃんと契約書は作成した。
初期費用は私が持つので婚家に負担はかからない。
家令が用意するのは場所と労働力である、綿花栽培だけでは生活できなくなった領民が出稼ぎしなくて済む。
マンパワーの流出は痛いですからね。
企画書を読んだ家令が顔をあげて、ほんとうにこんなもので良いのかと聞いてくる。
「荒れ地にこれを栽培するのですか?なんのために……本当に育つのでしょうか」
「ええ、場所を選ばず元気に育つ芋類と豆類を育てて貰うわよ。特に夏場に育つものを最優先でね。種からだと間に合わないから今年は苗を買いましょう」
「はい、では早速手配をいたします」
家令は私が作成した植物リストを手にすると軽い足取りで買い付けに出た。
うん、ヤル気十分ね!働きによっては優遇すると約束したから頑張るでしょう。
「うふふ、大豆とトウモロコシ栽培は特に頑張ってもらわないとね、それから紅花も」
そう、私の目的は植物油の確保なの!
化粧水用ではなく、食用としての大量の油が欲しいのよ。
紅花は化粧類の原料にもなるから楽しみだわ。
収穫と同時に加工がしやすいように、農場の中央に工房を建てる工事もすぐに始めたわ。
私が融資名目で手つかずの無駄に広い荒れ地を相場価格で買い取ったのよ。
この提案には家令は満面の笑みで同意した。
資金が出来て領民の働き口が出来るのだから、文句はないでしょ?
伯爵当主であるイーライが土地の権利を持っているわけだが、登記簿と印璽まで預けて家令に丸投げして遊んでいる、責務放棄してる当主に遠慮はいらないだろう。
一応は義両親へ伺いを立てたようで、「荒れ地が売れる」と聞いた先代は即答で代理で許可を出したそうだ。
ぬかりなく旅行の逗留地にいたイーライにも手紙は出したそうだ。
数日後、「金になるなら勝手にしろ、煩わせるな」と返事がきた。
手紙を読んだ私と家令は思わず笑い合った、敵から同士になった瞬間と言える。
きちんと売買契約は成立したので問題はない!
離縁後に私の資産として残るので取り上げられる心配もないわ。
給与と仕送りが減ることを少々ゴネたようだったが、例のアフォでもわかる収支報告書を見て納得したそうだ。
楽しい旅に水を注されるのをポリーが嫌がったせいもあり、渋々だがイーライの全面許可がおりた。
さすがに爵位を失う事態は避けたいのね。
ちょっと良い気味。
これを機会に慎ましい生活を学んでいただきたいわ。
植物油事業は順調に滑りだした、とはいえ収穫はまだ先のこと。もどかしいけれどこればかりは仕方ない。
これらとは別に朗報が届いたのは1週間ほどしてからだった。
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