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三日後、ようやく登園したリーザ。
待ち構えていたマークスは、ドヤ顔で彼女のクラスへとある令嬢を連れて現れた。
「やっと来たか!まったくキミってやつは、罰としてボク達に昼ご飯を奢れよ!」
「キャァすってきぃ♪マークぅ」
リーザの前で謎のイチャつきを始めるふたりに、クラスにいた生徒たちは冷ややかな視線を送った。
「私はいったい何を見せられてるのかしら?それとどういう経緯で奢る義務が発生したの?」
「やっぱりリーザはバカだな。恋人に戻してやろうというボクの寛大な心を踏みにじったからだよ!三日もなにをしていたんだ!お陰でボクは飢えて辛かったんだぞ!」
それを聞いたリーザは呆れつつも休んだ理由を話した。
「高熱をだして寝ていたわ。恋人を名乗るクセに見舞いも心配もしないのね?別れて正解ね」
「んな!?病気だなんて……そんな知らなくて……あの」
言い訳が尻すぼみになったマークス。
教師か家に伺いを立てればすぐわかりそうなものなのだが、それすらしないマークスは彼女に対してさほど情はないのだろう。
雲行きが怪しい二人の会話を聞いていた見知らぬ令嬢は「なによぅ!お昼はどうなるの!?」と癇癪を起した。
「美味しいステーキ定食が食べられるって言うから乗ったのに!なによマークスの嘘つき!」
「どういう事かしら?」
リーザの問いに、その女子はとんでもない事を言う。
「マークスがね浮気相手のフリをすれば、貴女が奢ってくれるはずだって言ったのよ!チョコケーキ食べたかった!」
「ちょ!キミ勝手にネタバレしないでよ!」
ふたりの会話に頭痛がしてきたリーザは額に手をやって溜息を吐く。
「要するに今度の恋人ごっこは、浮気相手と結託して集るバカ男と不当に金を毟られる私ってことかしら?」
「!!!!!」
見透かされて一瞬言葉を失ったマークスだったが、彼女を睨むと偉そうに言った。
「恋人に戻してやろうって言ってんだぞ!素直になれよ!そして俺にご飯を食わせろ!」
「嫌です、恋人に戻る利益も理由もないわ」
「うぎゃ!?」
まさか断られるとは思っていなかったマークスはその場に膝をついて「腹へった」と言った。
待ち構えていたマークスは、ドヤ顔で彼女のクラスへとある令嬢を連れて現れた。
「やっと来たか!まったくキミってやつは、罰としてボク達に昼ご飯を奢れよ!」
「キャァすってきぃ♪マークぅ」
リーザの前で謎のイチャつきを始めるふたりに、クラスにいた生徒たちは冷ややかな視線を送った。
「私はいったい何を見せられてるのかしら?それとどういう経緯で奢る義務が発生したの?」
「やっぱりリーザはバカだな。恋人に戻してやろうというボクの寛大な心を踏みにじったからだよ!三日もなにをしていたんだ!お陰でボクは飢えて辛かったんだぞ!」
それを聞いたリーザは呆れつつも休んだ理由を話した。
「高熱をだして寝ていたわ。恋人を名乗るクセに見舞いも心配もしないのね?別れて正解ね」
「んな!?病気だなんて……そんな知らなくて……あの」
言い訳が尻すぼみになったマークス。
教師か家に伺いを立てればすぐわかりそうなものなのだが、それすらしないマークスは彼女に対してさほど情はないのだろう。
雲行きが怪しい二人の会話を聞いていた見知らぬ令嬢は「なによぅ!お昼はどうなるの!?」と癇癪を起した。
「美味しいステーキ定食が食べられるって言うから乗ったのに!なによマークスの嘘つき!」
「どういう事かしら?」
リーザの問いに、その女子はとんでもない事を言う。
「マークスがね浮気相手のフリをすれば、貴女が奢ってくれるはずだって言ったのよ!チョコケーキ食べたかった!」
「ちょ!キミ勝手にネタバレしないでよ!」
ふたりの会話に頭痛がしてきたリーザは額に手をやって溜息を吐く。
「要するに今度の恋人ごっこは、浮気相手と結託して集るバカ男と不当に金を毟られる私ってことかしら?」
「!!!!!」
見透かされて一瞬言葉を失ったマークスだったが、彼女を睨むと偉そうに言った。
「恋人に戻してやろうって言ってんだぞ!素直になれよ!そして俺にご飯を食わせろ!」
「嫌です、恋人に戻る利益も理由もないわ」
「うぎゃ!?」
まさか断られるとは思っていなかったマークスはその場に膝をついて「腹へった」と言った。
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