完結 妹を愛していると言った貴方、本気ですか?気持ちが悪い!

音爽(ネソウ)

文字の大きさ
上 下
32 / 32

旅を続けた先に

しおりを挟む


ララはあれからルデルバリの冒険者ギルドを後にして、再び旅仕度をしていた。
長居し過ぎたし、ここのギルマスには睨まれていたことで丁度良いだろうと思った。
「ギルマスに睨まれるなんてすごいな」
「まぁね、欲深なものはいくらでもいるものよ」

さて、次はどこを目指そうかと地図を広げる、するとシェイドが「ここだ」と指示した。そこは何もない未開の地だった。最果てと言えるその地に呆れかえるララだ。

「何故そこなの?」
首を傾げるララに彼は余裕そうに笑って言った。

「だって私達は人ではないのだぞ、人ならざる者が目指すなら未踏の地が相応しいと思わないか?」
「ええ?そういうものかしら」

いまいち納得できないララであるが「そこに私達の町を作ろうじゃないか」とシェイドが唆す。これにはララは豪語するわねと笑い飛ばす。
「わかったわシェイド、でも詰まらなかったらすぐ移動しちゃうから」
「ああ、つまらないなど言わせやしないさ」






***

そこは、とても雪深い町だった。
だがそこには絶え間なく笑う人々で湧きかえっていた。なぜなら雪のランタンが美しく輝き、雪で作った家はとても温かなのだ。
どうしてそうなのかと言えばこの地に根を下ろした闇精霊が、雪は冷たいものだという価値観を変えてしまったせいだ。

「どうだい、あのフワフワな雪が冷たいなどと誰が思う?」
「そういう所は面白いわね、雪が温かいなんて貴方くらいしか思わないわ」

闇精霊の夫婦は頓珍漢なことを考えたが、それは街に住むものからすれば「当たり前」になっていた。
「今年も雪まつりは楽しいのでしょうね」
「ああ、楽しみだ」

ふたりは見つめ合い軽くキスをした、それから二人は闇色に染まり宙に漂い始めた。

「ねえ、ご覧よ。闇精霊様たちが舞っておられるよ!」
「ああ、本当だ!きっと今年も良いことが起こるぞ」










しおりを挟む
感想 14

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(14件)

雪那
2024.03.16 雪那

結局妹は虫のまま飢え死にしたんですかね

音爽(ネソウ)
2024.03.20 音爽(ネソウ)

ご感想ありがとうございます。

そうですね長生きできるわけが……

解除
ぱら
2024.02.06 ぱら

完結おめでとう㊗御座います


暖かい雪、不思議でなんか良いね(*´ᵕ`*)

雪まつり以外でも二人を観たら幸せになるとか言われて観光が盛んになりそう
( *´ω`*)

音爽(ネソウ)
2024.02.07 音爽(ネソウ)

お祝いコメントありがとうございます。

無事終了しました(*'▽')
なるほどそういう観点が、素敵です!

解除
ぱら
2024.02.04 ぱら

思い出したのね(*´ᵕ`*)

そしてあまりの厨二に顔面茹で蛸…
カワイ(*´ฅ`*)ププッ

音爽(ネソウ)
2024.02.05 音爽(ネソウ)

ご感想ありがとうございます。

そうです可愛いのです(*'▽')

解除

あなたにおすすめの小説

愛されていたのだと知りました。それは、あなたの愛をなくした時の事でした。

桗梛葉 (たなは)
恋愛
リリナシスと王太子ヴィルトスが婚約をしたのは、2人がまだ幼い頃だった。 それから、ずっと2人は一緒に過ごしていた。 一緒に駆け回って、悪戯をして、叱られる事もあったのに。 いつの間にか、そんな2人の関係は、ひどく冷たくなっていた。 変わってしまったのは、いつだろう。 分からないままリリナシスは、想いを反転させる禁忌薬に手を出してしまう。 ****************************************** こちらは、全19話(修正したら予定より6話伸びました🙏) 7/22~7/25の4日間は、1日2話の投稿予定です。以降は、1日1話になります。

断罪される一年前に時間を戻せたので、もう愛しません

天宮有
恋愛
侯爵令嬢の私ルリサは、元婚約者のゼノラス王子に断罪されて処刑が決まる。 私はゼノラスの命令を聞いていただけなのに、捨てられてしまったようだ。 処刑される前日、私は今まで試せなかった時間を戻す魔法を使う。 魔法は成功して一年前に戻ったから、私はゼノラスを許しません。

婚約破棄してくださって結構です

二位関りをん
恋愛
伯爵家の令嬢イヴには同じく伯爵家令息のバトラーという婚約者がいる。しかしバトラーにはユミアという子爵令嬢がいつもべったりくっついており、イヴよりもユミアを優先している。そんなイヴを公爵家次期当主のコーディが優しく包み込む……。 ※表紙にはAIピクターズで生成した画像を使用しています

【完結】真実の愛だと称賛され、二人は別れられなくなりました

紫崎 藍華
恋愛
ヘレンは婚約者のティルソンから、面白みのない女だと言われて婚約解消を告げられた。 ティルソンは幼馴染のカトリーナが本命だったのだ。 ティルソンとカトリーナの愛は真実の愛だと貴族たちは賞賛した。 貴族たちにとって二人が真実の愛を貫くのか、それとも破滅へ向かうのか、面白ければどちらでも良かった。

王宮で虐げられた令嬢は追放され、真実の愛を知る~あなた方はもう家族ではありません~

葵 すみれ
恋愛
「お姉さま、ずるい! どうしてお姉さまばっかり!」 男爵家の庶子であるセシールは、王女付きの侍女として選ばれる。 ところが、実際には王女や他の侍女たちに虐げられ、庭園の片隅で泣く毎日。 それでも家族のためだと耐えていたのに、何故か太り出して醜くなり、豚と罵られるように。 とうとう侍女の座を妹に奪われ、嘲笑われながら城を追い出されてしまう。 あんなに尽くした家族からも捨てられ、セシールは街をさまよう。 力尽きそうになったセシールの前に現れたのは、かつて一度だけ会った生意気な少年の成長した姿だった。 そして健康と美しさを取り戻したセシールのもとに、かつての家族の変わり果てた姿が…… ※小説家になろうにも掲載しています

【完結済】次こそは愛されるかもしれないと、期待した私が愚かでした。

こゆき
恋愛
リーゼッヒ王国、王太子アレン。 彼の婚約者として、清く正しく生きてきたヴィオラ・ライラック。 皆に祝福されたその婚約は、とてもとても幸せなものだった。 だが、学園にとあるご令嬢が転入してきたことにより、彼女の生活は一変してしまう。 何もしていないのに、『ヴィオラがそのご令嬢をいじめている』とみんなが言うのだ。 どれだけ違うと訴えても、誰も信じてはくれなかった。 絶望と悲しみにくれるヴィオラは、そのまま隣国の王太子──ハイル帝国の王太子、レオへと『同盟の証』という名の厄介払いとして嫁がされてしまう。 聡明な王子としてリーゼッヒ王国でも有名だったレオならば、己の無罪を信じてくれるかと期待したヴィオラだったが──…… ※在り来りなご都合主義設定です ※『悪役令嬢は自分磨きに忙しい!』の合間の息抜き小説です ※つまりは行き当たりばったり ※不定期掲載な上に雰囲気小説です。ご了承ください 4/1 HOT女性向け2位に入りました。ありがとうございます!

理不尽な理由で婚約者から断罪されることを知ったので、ささやかな抵抗をしてみた結果……。

水上
恋愛
バーンズ学園に通う伯爵令嬢である私、マリア・マクベインはある日、とあるトラブルに巻き込まれた。 その際、婚約者である伯爵令息スティーヴ・バークが、理不尽な理由で私のことを断罪するつもりだということを知った。 そこで、ささやかな抵抗をすることにしたのだけれど、その結果……。

【完結】旦那様、わたくし家出します。

さくらもち
恋愛
とある王国のとある上級貴族家の新妻は政略結婚をして早半年。 溜まりに溜まった不満がついに爆破し、家出を決行するお話です。 名前無し設定で書いて完結させましたが、続き希望を沢山頂きましたので名前を付けて文章を少し治してあります。 名前無しの時に読まれた方は良かったら最初から読んで見てください。 登場人物のサイドストーリー集を描きましたのでそちらも良かったら読んでみてください( ˊᵕˋ*) 第二王子が10年後王弟殿下になってからのストーリーも別で公開中

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。