完結 妹を愛していると言った貴方、本気ですか?気持ちが悪い!

音爽(ネソウ)

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初めての依頼2

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「きゃああああ!いやあああ!」
叫び声をあげたリンの方へ走ったララは緑色の化物が二頭威嚇しているのを発見した。腰布を巻き粗末な武器を持っている。
「これがゴブリンというものかな、なるほど」
「感心してないでなんとかしてぇ!」

「弱点さえ見極めればなんてことないですよ、弱そうだし」
「へ?」
風魔法に弱いと読んだララは四方八方から風で切りつけて、あっという間に殲滅してしまった。魔物を見れば弱点がわかるのだと言う。ゴブリンの右耳を削ぎながらリンは「へーほー」と感心していた。

「弱点がわかるってどんな風に?」
「え、魔物の頭の上に浮かぶんです、泣き所と弱みが……」
「えええ!凄いじゃないの、むかうところ敵なしじゃないの?」
「どうかしら、全てではない気がするけど」
ゴブリンの耳を無表情で削ぎ落すリンのほうが、遥かに肝が据わっているのではと思うララは「うぇ」と吐きそうになった。

「まーあれよ、適材適所?魔物の解体は任せて!」
「う、うん。わかりました……うぇっぷ」
それからノルマの10体を倒してギルドへ戻った、たった二人のパーティで退治したという報告を受けて「さすが全属性もちです」と拍手喝采を浴びた。



「ねぇーえ、ちょっとおかしくない?弱点を見るとかそういうの」
「え、ああそうですね、炎、水、土、風(緑)は言われましたが細かいところはいわれませんでした」
リンは頭を傾げて「まさか」と言った。

「あんたのそれって鑑定じゃないの?まさかとは思うんだけど」
「鑑定ですか、うう~ん良く分かりませんね」
「んーそっか、違うよね!うん、……だって鑑定もちなんて伝説級だもん」
じゃあやっぱり違いますといって片づけた、リンも疑惑をもったがそんなはずがないと頭から消し去った。

それから、ギルドの依頼をいくつか熟し、彼女は移動をすることにした。
もとから身分証明書代わりに取得したので、もう用済みだと思ってのことだ。ランクもFからDに昇格した。
「じゃあここで、リンいままでありがとうございました」
「うん、寂しくなるけど」

また、いつかどこかで会おうと約束して彼女は旅立った。
つぎの街への乗り合い馬車へ移動して銀貨を支払い、彼女は大きくため息を吐く。三つ目の町はグエンドローという。ここから三日かけて走るというのだ。

「ぐえ、お尻がいたーい!」



「クラーラという美少女をしらないか?一目見ればその素晴らしさはわかるのだが」
「ええ、クラーラねぇ。知らないな」
串焼き屋の店主は?を頭にのせて「串焼きを買ってくれたら何か思い出す」と笑った。仕方がないので十本注文してモシャモシャとやりだした。

「そうだなぁ、串焼きを5本買ってくれた女の子がいたっけ、ここらじゃ見かけない子だった、ただ美少女だったかはわからん」
「そうか!それでどこへ行った?」
南の馬車乗り場に行ったと説明する、ギルドについて聞いてきたと話した。

「きっとガウドの町へ行ったはずだ、登録したがっていたからな」
「ありがとう、助かった!」
シェイドはすぐにガウドの町までひとっ飛びしようと翼を生やした、それは人間離れした所業だったので串焼き屋の店主は腰を抜かす。
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