完結 婚約破棄をしたいのなら喜んで!

音爽(ネソウ)

文字の大きさ
上 下
7 / 17

諦めが悪い

しおりを挟む
 帰り道、駅までの通りは人影もなかった。


「だいぶ楽しんでたみたいだね~」

 隣を歩く鈴原さんににこやかに言われるのに、

「ハイ♡ 帰りシャワ浣したし、種のお持ち帰りは出来なかったけど、まだ時々お腹のなかキュン♡ てします……」

 今日の出来事に満足した俺は、まだメスの余韻を残したままいつもより高いテンションで彼に返す。


 俺との最初の1発以外は別の人とハメてた鈴原さんも、暗闇に入ってからは久々にケツを使われ狂ってたらしいから満足そうだ。

 まあ、彼はいつもにこにこしているけど。

「あのバーテンの人すごいんだってね、いつもはカウンターで仕事してるだけなんだけど、たまにドすけべな既婚者来るとちんぽイラついて参加してくれるって聞いたよ、常連の間ではちょっとしたレアなショータイムみたいになってるらしい」

 あの店に連れてきてくれたのは鈴原さんで、あそこは紹介者との同伴で無ければ立ち入ることができない秘密クラブのような所なのらしい。

「だからみんな見に来てたんですね」

 最終的にはすごく沢山の人が透明な壁に張り付いたり、ドアのない入り口の周りから俺の痴態を鑑賞していた。


「いや、アレは君の淫語喘ぎがすごかったのもあると思うけど」

 笑うように言う鈴原さんに、

「えっ? そんな酷かったですか!?」

 俺はびっくりして声を上げる。

「えっ? それ無自覚なの? ヤバいねw 酷いっていうかエロ可愛いよ、ますます興奮煽られる」

 しかしエロ可愛いと言われて、ぽおっとなってしまうのはメスにされた余韻だろうか?

友成トモナリさんにはよく『ちんぽちんぽ叫ぶ』って言われますけど、それかな?」

 休日の、真っ昼間の路上でそれを口にするのはさすがに恥ずかしくなって言うのに、

「たぶんそれだねw」

 鈴原さんは優しく肯定する。


「ひ~……恥ずかしい……」

 恥ずかしいと言いながらも、俺の腹はまたキュン♡ キュン♡ 震えてる。

「今さらだと思うけど?」

 そして今度は少し呆れたように言われたから、多分俺は真っ赤になったんだと思う。



 結局あのあと、バーテンにまた雄不倫ちんぽしてもらって精神崩壊させられるんじゃないか……ってくらい連続して襲ってきたアクメに、俺は少しのあいだ失神と放心を繰り返してた。

 あんな激しくて乱暴で――だけど興奮するセックスは初めて経験した。


 気づけばバーテンは半個室の入り口でタバコを咥えており、俺は立て続けに3人ほどの野良ちんぽと種を受け入れていた。

 次に彼が口を開いた時の言葉は、

「はーっ、休憩終わり」

 俺は彼の背中に向かい、

「バーテンさん♡ 不倫おちんぽありがとうございましたぁ♡♡♡」

 両手にそれぞれ違うちんぽを掴み、別の男に出された種をピュルッ♥ ピュルッ♥ とケツ穴から零し痙攣イキしながら、バーテンのちんぽに感謝の言葉を告げていた。


 帰り際、別のスタッフ経由で強つよちんぽバーテンダーの連絡先を貰ったのは秘密だ。

 本来は店員と客との連絡先のやりとりどころか、客同士であっても禁止されているらしく、バレたら彼はクビだし俺もあの凄い場所から出禁になってしまう。


 だけど今度はショーではなくプライベートでセックスなんてしたら、今度こそ俺の不倫まんこは壊されてしまうかも知れない♡♡♡
 って思うとそれも抗えないんだ。



「あと、君を今日のお店連れてったのなんだけど」

「は、はい」


 凄すぎた体験を思い出し浸りかけていた俺は、鈴原さんの声で正気に戻る。

「あれも友成くんから頼まれてだったから、また彼に感想聞かせてあげてね」

 促すよう言付けされ、

「えええっ!? そうだったんですか!?」

 俺は初めて知ったそれに驚いた。俺が新しい世界を知ったと思った時、大抵その近くに彼が居る。

「あのバーテンは、友成くんの先輩らしいよ? 何の先輩かは知らないけど、大学とかかな?」

 その事実を聞かされても、バーテンとお隣の旦那さんとで3Pセックスしたらどんなことになるんだろう?
 という不埒な妄想の方が浮かんでしまう。


「彼好きだよね、君を他の男に抱かせるの」

「……たしかに、友成さんに言われて共用オナホにされてから増えてってる気がします」


 それを始めたのも、やはり彼にだった。

「彼に寝取られ癖があったとは意外だ」

 しかし、鈴原さんが笑うように言った言葉には、

「いえ、俺と友成さんはそーいうんじゃないので……」

 困惑して返したら「そうなの?」と誤解されていたらしいことを言われて、何だか妙に尻の座りが悪くなる。


「まあ、何考えてるか分かんないとこあるよね彼」

 それでも彼としては、そんなことどっちだって構わないらしい。

 お隣の旦那さんを評してそんなことを言ったが、目の前の彼だってどうにも食えない笑みを浮かべて見せていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】最初からあなたは婚約対象外です

横居花琉
恋愛
王立学園へ通うことになった伯爵令嬢グレースに与えられた使命は良い婚約者を作ること。 それは貴族の子女として当然の考えであり、グレースは素直に受け入れた。 学園に入学したグレースは恋愛とは無関係に勉学に励んだ。 グレースには狙いがあったのだ。

【短編】公爵子息は王太子から愛しい彼女を取り戻したい

宇水涼麻
恋愛
ジノフィリアは王太子の部屋で婚約解消を言い渡された。 それを快諾するジノフィリア。 この婚約解消を望んだのは誰か? どうやって婚約解消へとなったのか? そして、婚約解消されたジノフィリアは?

婚約者に「愛することはない」と言われたその日にたまたま出会った隣国の皇帝から溺愛されることになります。~捨てる王あれば拾う王ありですわ。

松ノ木るな
恋愛
 純真無垢な心の侯爵令嬢レヴィーナは、国の次期王であるフィリベールと固い絆で結ばれる未来を夢みていた。しかし王太子はそのような意思を持つ彼女を生意気と見なして疎み、気まぐれに婚約破棄を言い渡す。  伴侶と寄り添う心穏やかな人生を諦めた彼女は悲観し、井戸に身を投げたのだった。  あの世だと思って辿りついた先は、小さな貴族の家の、こじんまりとした食堂。そこには呑めもしないのに酒を舐め、身分社会に恨み節を唱える美しい青年がいた。  どこの家の出の、どの立場とも知らぬふたりが、一目で恋に落ちたなら。  たまたま出会って離れていてもその存在を支えとする、そんなふたりが再会して結ばれる初恋ストーリーです。

婚約破棄~さようなら、私の愛した旦那様~

星ふくろう
恋愛
 レオン・ウィンダミア子爵は若くして、友人であるイゼア・スローン卿と共に財産を築いた資産家だ。  そんな彼にまだ若い没落貴族、ギース侯爵令嬢マキナ嬢との婚約の話が持ち上がる。  しかし、新聞社を経営するイゼア・スローン卿はレオンに警告する。  彼女には秘密がある、気を付けろ、と。  小説家になろう、ノベリズムでも掲載しています。

真実の愛<越えられない壁<金

白雪の雫
恋愛
「ラズベリー嬢よ!お前は私と真実の愛で結ばれているシャイン=マスカット男爵令嬢を暴行した!お前のような嫉妬深い女は王太子妃に相応しくない!故にお前との婚約は破棄!及び国外追放とする!!」 王太子にして婚約者であるチャーリー=チョコミントから大広間で婚約破棄された私ことラズベリー=チーズスフレは呆然となった。 この人・・・チーズスフレ家が、王家が王家としての威厳を保てるように金銭面だけではなく生活面と王宮の警備でも援助していた事を知っているのですかね~? しかもシャイン=マスカットという令嬢とは初めて顔を合わせたのですけど。 私達の婚約は国王夫妻がチーズスフレ家に土下座をして頼み込んだのに・・・。 我が家にとってチャーリー王太子との結婚は何の旨味もないですから婚約破棄してもいいですよ? 何と言っても無駄な出費がなくなるのですから。 但し・・・貧乏になってもお二人は真実の愛を貫く事が出来るのでしょうか? 私は遠くでお二人の真実の愛を温かい目で見守る事にします。 戦国時代の公家は生活が困窮していたという話を聞いて思い付きました。 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義です。

婚約者が幼馴染のことが好きだとか言い出しました

マルローネ
恋愛
伯爵令嬢のテレーズは学園内で第6王子殿下のビスタに振られてしまった。 その理由は彼が幼馴染と結婚したいと言い出したからだ。 ビスタはテレーズと別れる為に最悪の嫌がらせを彼女に仕出かすのだが……。

王太子に婚約破棄言い渡された公爵令嬢は、その場で処刑されそうです。

克全
恋愛
8話1万0357文字で完結済みです。 「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に投稿しています。 コーンウォリス公爵家に令嬢ルイ―ザは、王国の実権を握ろうとするロビンソン辺境伯家当主フランシスに操られる、王太子ルークのよって絶体絶命の危機に陥っていました。宰相を務める父上はもちろん、有能で忠誠心の豊かな有力貴族達が全員紛争国との調停に送られていました。万座の席で露骨な言い掛かりで付けられ、婚約を破棄されたばかりか人質にまでされそうになったルイ―ザ嬢は、命懸けで名誉を守る決意をしたのです。

【完結】婚約破棄されたので、全力で応援することにしました。ふふっ、幸せになってくださいね。~真実の愛を貫く代償~

新川ねこ
恋愛
ざまぁありの令嬢もの短編集です。 1作品数話(5000文字程度)の予定です。

処理中です...